補助GPS
補助GPS(Assisted GPS、aGPS)は、特定の状況下で、衛星を用いるGPSの立ち上げを改善するためのシステムである。緊急通信の指令係が携帯電話の位置を特定するため、アメリカ合衆国の連邦通信委員会による拡張911勧告によって開発が加速されて携帯電話用に広く用いられている[1]。
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概要 [編集]
ネットワークに繋がっていない自立的なGPSは、衛星からの電波信号だけを用いている。補助GPSは、信号状況が悪い場合には、位置特定のために追加的にネットワークリソースを用いる。例えば街中等、非常に信号状況が悪い時には、信号はビル等で弾んでマルチパスを起こしていたり、大気や壁等の中を進む間に減衰している可能性がある。一度このような状態になると、GPS端末は信号の断片化のために位置を特定することができなくなり、継続してクリアな信号が得られるようになるまで、機能を発揮できなくなる。位置の特定には、12.5分ほどを要する[2]。
補助GPSは、ネットワークから得られるデータを用いて、このような問題を解決できる。課金のために、ネットワークプロバイダはしばしばデータアクセスとしてこれを数えており、プランに応じて課金される[3]。
さらに利点として、「MS補助」として知られるいくつかの補助GPSを実装した端末では、補助サーバに負荷をオフロードすることで、GPS受信機に必要なCPUとプログラミングの量を減らすことができる。
補助GPSの利用が可能な典型的な受信機は、補助GPS情報の補助サーバにアクセスするためにインターネット等のネットワークを用いる。
多くの携帯電話は、補助GPSとWi-Fi位置システム等の他の位置特定システムを組み合わせて用いている[4]。
基本概念 [編集]
ネットワークに繋がっていないGPSは、最初の位置の特定までに約30秒から40秒を要する。そのようなGPSシステムは、現在の位置を計算するために、衛星の軌道の情報を必要とする。衛星の信号のデータレートは、わずか50ビット/秒であり、そのため衛星から直接、軌道の情報をダウンロードするのに長い時間がかかる。また、情報を取得する途中に衛星の信号が失われた場合は、また最初からやり直さなければならない。補助GPSでは、ネットワーク事業者が補助GPSサーバを設置する。これらの補助GPSサーバは衛星から軌道情報をダウンロードし、データベースに保存する。補助GPSが利用可能な端末はサーバに接続し、GSM、CDMA、W-CDMA、LTE等のモバイルネットワークかWi-Fi等の無線 アクセスを通じてサーバから情報をダウンロードすることができる。通常、これらのネットワークのデータレートは速く、そのため軌道情報のダウンロードは短時間で完了する。
運用モード [編集]
補助GPSには、次の2つの運用モードがある。
- MSA(Mobile Station Assisted)モード - MSAモードの補助GPS運用では、補助GPS端末は、参照時間とその他軌道データを補助GPSサーバから受け取る。そのデータを用いて、補助GPS端末は衛星から信号を受け、補助GPSサーバに測定結果を送る。補助GPSサーバは位置を計算し、端末に送る。
- MSB(Mobile Station Based)モード - MSBモードの補助GPS運用では、補助GPS端末は、天体暦、参照位置、参照時間、その他の軌道データを補助GPSサーバから受け取る。そのデータを用いて、補助GPS端末は衛星から信号を受け、位置を計算する。
規格 [編集]
補助GPSのプロトコルは、位置特定プロトコルの一部として、3GPPとオープン・モバイル・アライアンス(OMA)で規格化がされている。
- Control Plane Protocol - 携帯電話の様々な世代に対して3GPPが定めた回線交換ネットワークの規格。以下の位置特定プロトコルが定義された。
- User Plane Protocol - OMAが定めたパケット通信ネットワークの規格。2つの世代がある。
- 1.SUPL V1.0
- 1.SUPL V2.0
出典 [編集]
- ^ “Assisted GPS: A Low-Infrastructure Approach”. GPS World (2002年3月1日). 2008年6月11日閲覧。
- ^ [1] NavCen GPS User. 3.5.3 Almanac Collection
- ^ Watch out for data charges on your GPS phone. CNET, August 2007
- ^ Networking iPhone A-GPS Hybrid system