T-6 (航空機・初代)

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T-6

T-6 Texan Jacksonville a.jpg

T-6 テキサン (Texan;テキサス人の意)は、1930年代から1960年代にかけて使用されたノースアメリカン社製のレシプロ高等練習機。製造国アメリカの陸軍海軍は元より、イギリスイギリス連邦諸国で使用され、第二次世界大戦後は日本を含むさらに多くの国で使われた。アメリカ陸軍ではAT-6、アメリカ海軍ではSNJ、英連邦諸国では「ハーヴァード(Harvard)」と称された。

概要[編集]

テキサンの初飛行は1935年4月1日。当初は基本戦闘練習機(Basic Combat)BC-1として採用されたが、この機種はまもなく高等練習機(Advanced Trainer)に統合され、本機もAT-6となった。AT-6は大量のパイロットの育成を必要としていた英連邦諸国からも多数の発注を受け、早期から大規模な量産が行われた。海軍向けのSNJには空母への着艦訓練用に着艦フックを装備したモデルもある。

操縦訓練だけでなく、対地攻撃、連絡、偵察、救難などに幅広く用いられ、1942年7月にはメキシコ沿岸でドイツ潜水艦の撃沈も記録している。

第二次世界大戦の終結後は、多くの機体がT-6Gとして再生され戦後の標準練習機となったほか、実戦でも活用された。朝鮮戦争では、後席に陸軍の偵察員を乗せて前線の敵後方に回り込み、低空から戦闘爆撃の誘導を行う「モスキート・ミッション」にも従事した。この任務には当初T-6Fが使用されたが、途中からT-6Gを改装したLT-6Gに交替した。フランスに供与されたT-6Gは、翼下にガンポッドロケット弾を搭載しアルジェリア戦争で対地攻撃に用いられた。

敵国であったドイツや日本にも提供され、最終的な使用国は40以上、生産機数は各型合わせて15,495機に及び、一部の国では1990年代に入ってもまだ現役にあった。現在でも飛行可能な機体が多く、海外のエアショーではしばしば飛行する姿を目にすることができる。

各型一覧[編集]

ハーヴァード Mk.IIB
訓練空母セーブル艦上のSNJ-5C
BC-1 / ハーヴァード Mk.I
最初の量産型。600馬力のR-1340-47エンジン搭載。
BC-1A / AT-6 / SNJ-1 / ハーヴァード Mk.II
機体フレームを変更。
SNJ-2
SNJ-1のエンジンをR-1340-56に変更。
AT-6A / SNJ-3 / SNJ-3C
R-1340-49エンジンに換装、翼内タンクの非インテグラル化。SNJ-3Cは着艦フックを装備。
AT-16 / ハーヴァード Mk.IIB
カナダのノールデュイン社が製造したAT-6A。
AT-6B
機関銃を装備した射撃練習機型。
AT-6C / SNJ-4 / SNJ-4C / ハーヴァード Mk.IIA
軽合金の節約のため胴体後部を合板製に変更。SNJ-4Cは着艦フックを装備。
AT-6D / SNJ-5 / SNJ-5C / ハーヴァード Mk.III
電気系統を改善し、全金属製に戻した。SNJ-5Cは着艦フックを装備。
XAT-6E
V型12気筒空冷エンジンに換装。1機のみ。
AT-6F / SNJ-6
機体構造を強化。
T-6G / SNJ-7 / ハーヴァード Mk.4
R-1340-AN-1エンジン搭載、後席の上昇、燃料搭載量増加、尾輪やプロペラの改善等。ハーヴァード Mk.4はカナダ向け。
LT-6G
モスキート・ミッション用に改装されたT-6G。
T-6H
T-6G仕様に改修されたT-6F。
T-6J
ヨーロッパ諸国に供給されたカナダ製のハーヴァード Mk.4。

採用国[編集]

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
イギリスの旗 イギリス
イタリアの旗 イタリア
イスラエルの旗 イスラエル
イランの旗 イラン
インドの旗 インド
インドネシアの旗 インドネシア
ウルグアイの旗 ウルグアイ
エルサルバドルの旗 エルサルバドル
オーストリアの旗 オーストリア
オランダの旗 オランダ
カタンガの旗 カタンガ
カナダの旗 カナダ
ガボンの旗 ガボン
キューバの旗 キューバ
ギリシャの旗 ギリシャ
コロンビアの旗 コロンビア
コンゴ共和国の旗 コンゴ共和国
ザイールの旗 ザイール
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
シリアの旗 シリア
スイスの旗 スイス
スウェーデンの旗 スウェーデン
スペインの旗 スペイン
タイ王国の旗 タイ
大韓民国の旗 大韓民国
中華民国の旗 中華民国台湾
チュニジアの旗 チュニジア
チリの旗 チリ
デンマークの旗 デンマーク
ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
トルコの旗 トルコ
ニカラグアの旗 ニカラグア
西ドイツの旗 西ドイツ
ニュージーランドの旗 ニュージーランド
ノルウェーの旗 ノルウェー
ハイチの旗 ハイチ
パキスタンの旗 パキスタン
パラグアイの旗 パラグアイ
ビアフラ共和国の旗 ビアフラ共和国
フィリピンの旗 フィリピン
ブラジルの旗 ブラジル
フランスの旗 フランス
ベネズエラの旗 ベネズエラ
ベルギーの旗 ベルギー
ボリビアの旗 ボリビア
ポルトガルの旗 ポルトガル
香港の旗 香港
ホンジュラスの旗 ホンジュラス
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
ベトナムの旗 南ベトナム
Flag of Southern Rhodesia.svg 南ローデシア
メキシコの旗 メキシコ
モザンビークの旗 モザンビーク
モロッコの旗 モロッコ
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の旗 ユーゴスラビア
Flag of Laos (1952-1975).svg ラオス王国
レバノンの旗 レバノン


自衛隊のT-6[編集]

日本では、1955年1月から自衛隊への供与が開始され、T-6Gを中心に航空自衛隊に167機、海軍型SNJが海上自衛隊に48機引き渡された。自衛隊では中間練習機として使用されたが、前輪式で航空自衛隊の初等練習機T-34 ・海上自衛隊のKM-2と、高等練習機のT-33や実用機の間に尾輪式の本機の課程が挟まるのは非合理的であり、設計自体もさすがに時代遅れとなっていたため1960年代には後継機のT-1と交替して姿を消した。 退役後所沢航空発祥記念館にて0099号機が屋内展示されている。

静浜基地のT-6#011号機は2012年現在、国内唯一の飛行可能機である。エンジンは常にオイルを入れており、年に数回エンジンの始動を行っている。しかし、T-6の操縦資格を保持している隊員はかなり少ないとみられる。

仕様(AT-6A)[編集]

  • 乗員:2名
  • 全幅:12.80m
  • 全長:8.84m
  • 全高:3.58m
  • 翼面積:23.6m²
  • 自重:1,770kg
  • 総重量:2,340kg
  • エンジン:P&W R-1340-49(600hp)×1
  • 最大速度:338km/h
  • 上昇限度:7,380m
  • 航続距離:1,012km
  • 武装:7.7mm機銃×2

映画出演[編集]

『トラ・トラ・トラ!』他に出演した零式艦上戦闘機風改造テキサン

単発低翼のレシプロ機としてオーソドックスなスタイルと簡易で頑丈な構造を持つことから、戦後の映画において改造または無改造で各種の機体に扮して出演している。特に、零式艦上戦闘機に改造されたものが有名である。

九七式艦上攻撃機
零式艦上戦闘機、九七式艦上攻撃機(ヴァルティー BT-13との複合改造)
P-47(コクピット周りからP-47Bと推測される)
零式艦上戦闘機(「トラ・トラ・トラ!」と同一の機体)
零式艦上戦闘機(「トラ・トラ・トラ!」と同一の機体)

関連項目[編集]