ハドソン (航空機)

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イギリス空軍で運用されるハドソン Mk.V

ハドソン(Hudson)は、第二次世界大戦時にアメリカロッキード社で製造された哨戒/爆撃機である。生産1号機は1938年12月10日に初飛行に成功した。

概要[編集]

イギリス空軍の要求に従い、ロッキード社がL-14 スーパーエレクトラ旅客機をもとに開発した。のちにアメリカ陸軍航空軍(名称:A-28/29)やアメリカ海軍(名称:PBO)でも沿岸哨戒機として使用した。また、オーストラリアニュージーランドカナダ中華民国にも輸出された。

イギリスでの運用[編集]

1939年5月から沿岸航空隊に配備され、偵察や哨戒任務に就いた。対Uボート作戦に従事した他、北海にてドイツ海軍の補給艦「アルトマルク」を発見しアルトマルク号事件のきっかけを作ったり、戦艦ビスマルク」の追撃戦にも参加している。

1943年頃から、前線での任務はより高性能なビッカース ウェリントンコンソリデーテッド B-24 リベレーターと交替したが、輸送機救難機として終戦まで運用された。

また、マレー半島やオーストラリアに配備された機体は太平洋戦争にて日本軍と交戦しており、中でも一部は南方作戦時に大日本帝国陸軍により鹵獲され陸軍航空審査部などで調査され、のちには映画加藤隼戦闘隊』の撮影にホーカー ハリケーンF2A バッファローともども使用(出演)されている。また、陸軍飛行第81戦隊は鹵獲したハドソンを九七式司令部偵察機から一〇〇式司令部偵察機への機種転換訓練に使用し、成果をあげている[1]

アメリカでの運用[編集]

アメリカ陸軍で運用されるA-29

A-28・A-29[編集]

ハドソンは1941年3月からレンドリース法の適用によってアメリカ陸軍がA-28として発注することになった。153機をアメリカ陸軍が沿岸哨戒用に使用した。

AT-18[編集]

AT-18は、本機をアメリカ陸軍が高等練習機として転用した機体で、他の型と異なり最初からアメリカ陸軍向けとして発注された。AT-18は旋回機関銃の銃塔をマーチン社製に換装し、エンジンは1,200hpのライトR-1820-87を搭載した。大型爆撃機乗員の射撃訓練や標的曳航に使用され、1942年から217機が生産された。また、銃塔を撤去し航法練習機とした機体はAT-18Aと称され83機生産された。

PBO-1[編集]

アメリカ陸軍が使用したA-29をわずかに20機だけ受領した。冬期には港湾施設の凍結に悩まされる哨戒飛行艇と違って、陸上の飛行場を使用する双発哨戒爆撃機の有用性を認識したアメリカ海軍は、本格的な開発に乗り出す事となった。

スペック[編集]

(ハドソン Mk.I)

  • 全長:19.96 m
  • 全幅:14.33 m
  • 全高:4.80 m
  • 翼面積:51,19 ㎡
  • 自重:5,484 kg
  • 全備重量:7,938 kg
  • エンジン:ライト R-2600-29 空冷星型14気筒 1,700hp×2
  • 最大速度:357 km/h(2,400 m)
  • 巡航速度:249 km/h
  • 上昇率:305 m/min
  • 実用上限高度:6,400 m
  • 航続距離:1,835 km
  • 武装
    • 爆弾 907 kg
    • 7.7mm旋回機関銃×8
  • 乗員 5名

出典[編集]

  1. ^ 押尾一彦野原茂 『日本軍鹵獲機秘録』 光人社2002年、50・82頁。ISBN 978-4769810476

関連項目[編集]