カタパルト

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カタパルト (aircraft catapult) は、艦艇(現代では主に航空母艦)から航空機を射出するための機械である。射出機(しゃしゅつき)とも呼ばれる。また、地上から滑走路を使わずに離陸する場合に使われる、動力つきの発射台もカタパルトと呼ばれる。

カタパルト後端の発艦位置に着いたF-14


概要[編集]

カタパルトには火薬式、油圧式、空気式、蒸気式、電磁式のものがある。開発初期の試作においてはスプリング式やフライホイール式が実験されたこともある。航空機が飛び立つための充分な長さの飛行甲板を持たない場合などにカタパルトにより射出し、離陸速度を確保した。飛行甲板自体の長さが発艦に足りる長さであっても、カタパルトをあわせて利用することで甲板後部により多くの航空機を並べて待機させ、作戦に同時投入することも可能となるメリットがある。

現代のカタパルト付きの空母で運用されているジェット機(CTOL機)は重量があり失速速度も高いので、カタパルト無しでの発艦は考慮されていない。

航空母艦以外での運用[編集]

航空機が発達し水上機が実用化された1920年代から、軍艦に水上機を搭載し偵察・哨戒に用いる動きが各国海軍で起こった。しかし当初は航行する艦上から水上機を発艦させる手段がなかったため、艦を停止して水上機をデリックで水面に下ろす必要があった。この不便を解消するため、飛行甲板を持たない戦艦巡洋艦の上から水上機を直接発艦させる手段としてカタパルトの研究が行われた。数々の試作型を経て実用的なカタパルトが開発され、第二次世界大戦の始まった頃には多くの戦艦・巡洋艦がカタパルトと水上機を装備するようになっていた。戦艦・巡洋艦など砲撃をその主目的とする艦の搭載水上機には、それ以外にも弾着観測という任務があり、大型艦の多くがカタパルトを搭載していた。このほか、水上機を多数載せカタパルト発艦させる水上機母艦という専門の艦種も生まれた。また、潜水艦のような小型艦でもカタパルトを搭載すれば水上機の運用ができた。

大日本帝国海軍では、火薬式のカタパルトを巡洋艦以上の艦艇に搭載し、戦艦には弾着観測を目的とした二座水偵(水上偵察機)を、巡洋艦には偵察を目的とした三座水偵を搭載するという運用をしていた(カタパルトを2基装備し格納庫が広かった大和型戦艦には両機種とも搭載された)。また艦隊全体として偵察は巡洋艦の水偵で行うこととし、空母艦載機を偵察に積極的に用いることは後年まで行なわれなかった。なお改装で航空戦艦となった伊勢型戦艦では、22機の艦載機をカタパルト2基を用いて1分間隔で射出する計画で、航空母艦の補助戦力として開発された給油艦速吸においても同様の火薬式カタパルトが装備された。しかし瞬間的に爆発的な加速を行う火薬式カタパルトは機体およびカタパルト本体への負荷が大きく連続射出や魚雷装備など兵装満載状態の艦攻の発進には不向きであり、火薬式に変わる全備状態の艦載機の連続射出が可能なカタパルトの開発にも失敗したため、大日本帝国海軍の航空母艦にカタパルトは全く装備されなかった(空母「加賀」には装備の準備として甲板に溝が設けられたが装備は実現しなかった)。構造上圧搾空気を多用する潜水艦では、圧縮空気式のカタパルトが用いられ、伊400型等多くの潜水艦で運用されていたが、水上艦艇では一部の艦艇に実験的に装備されるに留まっていた。

ドイツでは、蒸気カタパルトの実用化に世界で初めて成功し、CAMシップに酷似した、大型水上機や飛行艇を運用する為のカタパルト艦を運用していた。

イギリスでは、商船を敵機の攻撃から守るために、商船に1機の陸上用戦闘機のみを発射可能なカタパルト1基を装備したCAMシップを建造した。CAMシップでは発艦した戦闘機は母艦に帰還不能でパイロットはしばしば死亡し、運用上の柔軟性もなかったことから、商船に簡易な飛行甲板を設けて空母状にしたMACシップの登場により姿を消した。MACシップにはカタパルトは装備されなかった。

アメリカ海軍におけるカタパルトの歴史に関しては、次項で詳述する。

第二次世界大戦終結後、対艦攻撃手段としての戦艦の主砲ミサイルによって置き換えられて弾着観測の必要性がなくなり、また哨戒には実用化されたヘリコプター艦載機として搭載することでカタパルト無しに巡洋艦や駆逐艦から直接発艦も着艦も可能となったため艦載機はすべてヘリコプターとなり、空母以外の艦艇からカタパルトは急速に姿を消した。

上においてもカタパルトを使用すれば、離陸用の滑走路が必要なくなる(他にゼロ距離発進という方法もあり、ゼロ距離発進にカタパルトを併用する場合もある)。その場での着陸を必要としない場合、カタパルトの使用は有効な手段になる。陸上におけるカタパルトの使用事例としては、第二次世界大戦中のドイツ空軍においてV-1飛行爆弾の地上発射に用いられ実戦に使用された他、大日本帝国海軍の特攻桜花の改良型(エンジンのジェットエンジン化・航続距離大幅延伸)である桜花43型の地上発進用に千葉県三芳村の知恩院や京都府比叡山延暦寺にカタパルトが設置されたがこちらは実戦には使用されなかった。

航空母艦での運用[編集]

航空母艦(空母)における艦上機発艦用の油圧式カタパルトを世界で最初に実用化したのはイギリス海軍で、「アーク・ロイヤル(初代)」やイラストリアス級に装備された。その技術はアメリカ海軍に供与され、アメリカの空母にも油圧カタパルトが装備された。そしてアメリカで多数建造されイギリスに供与された護衛空母によってUボート狩りを行い、商船船団を守った。この際にも小型の護衛空母で艦載機を運用するのにカタパルトが役立っている。

アメリカ海軍は空母の実用性を探るため実験的に改装されて生まれたアメリカ最初の空母「ラングレー」において火薬式カタパルトを装備しており、1922年11月18日に世界で初めて空母からカタパルトで発艦することに成功した。ただし空母用カタパルトとして実用的なものではなかったため1928年に撤去されており、ラングレー自身も1936年に水上機母艦に再度改装された。続くレキシントン級にはフライホイールとクラッチを組み合わせたTypeF MkIIカタパルトが装備されたが、このカタパルトは臨時に水上機を飛行甲板上から発艦させる必要が生まれた時のためのものであり、艦上機の発艦用ではなかった。アメリカ海軍が艦上機発艦用の実用的カタパルトを入手するのはイギリス海軍から油圧式カタパルトの技術供与を受けてからで、「レンジャー」・ヨークタウン級に装備されたが、ヨークタウン級では太平洋戦争開戦後に低出力で実戦に不向きとして一旦撤去されている。実戦で実用性のある改良型油圧式カタパルトが装備できたのはエセックス級からであり、後にF6Fなど大型の新型機を運用するようになった際に「エンタープライズ(CV-6)」にも再装備された。エセックス級はカタパルト未搭載の空母に比べて、迅速に多数の航空機を緊急発艦させる事が可能であり、大型で重量の増した新型機の実用的な発艦も可能となった。ただし現在のカタパルトに比べれば低出力で連続使用の限界等もあり、正規空母においては全ての搭載機をカタパルトで射出する事は不可能であったが、それでもカタパルト未搭載の日本海軍に比べて、運用上の大きな利点となった。また小型・低速の空母であってもカタパルトを搭載すれば十分実用になることも大きな利点であり、軽空母・護衛空母の大量建造と相まって、戦局に大きく寄与した。

空母用カタパルトを実用化できなかった大日本帝国海軍のカタパルト未搭載の空母は、搭載機の離艦時は風上に向かってより高速で航行する必要があり、そのため戦艦並みの大型空母(正規空母)であっても巡洋艦並みかそれ以上の高速性能が求められ、建造と運用上の制約となった。発艦距離をとるために甲板を長く使わざるをえず、一度に甲板に並べることのできる機数は英米にくらべ減少した。また新型機が実用化されても、その増した重量に対してより高い離陸速度を稼ぐ必要があるため、低速な正規空母や甲板の短い軽空母・護衛空母では新型機の運用が不可能で、旧型機を使い続けなければならないといった不都合や、前述の風上航行などの準備作業が必要な事もあり、潜水艦などからの急襲を受けた際に航空機を迅速に緊急発艦させる事も難しい為に護衛空母というカテゴリーの空母を有効活用する事が出来ない結果を招いた。また、天山流星のように高速な正規空母であってすら、ロケット補助推進離陸を用いないと兵装満載状態で発艦不可能とされた機種もあった。日本軍のRATOは昭和19年頃に実験が完了し、その後は空母からの発進にはRATOが全面的に使用される予定であったが、既にその時期には戦局の悪化で空母が作戦行動出来る状況では無くなっており、実戦で使用される事は無いまま終わっている。なお、RATOは全備状態の艦載機の滑走距離を数十メートル短縮させる効果はあったものの、使用に際して爆発的な閃光を発する為、夜間に使用する場合には敵に空母の位置を暴露してしまう欠点があり、この点でもカタパルトよりも不利であった。

ドイツ海軍も、空母「グラーフ・ツェッペリン」用に空気式カタパルトと火薬式カタパルトの2種類を開発したが、グラーフ・ツェッペリン自体が未完成に終わった。

イタリア海軍は空母アキラに自国製カタパルトを搭載予定だったが、未完成のまま空襲を受け自沈した。

利点と欠点[編集]

利点[編集]

即時発進が可能である。
艦船への配置基数と連続使用回数の制限にも依るが、少なくともカタパルト上にセットされている艦載機は、風上航行などの予備作業なしに即時の緊急発進が可能となる。イギリス海軍のCAMシップを例に取れば、敵の探知から殆ど間を置かずに迎撃に向かう事が可能な航空戦力の存在は、例えそれが僅か数機の旧式の単発戦闘機で、ごく軽量の爆装しかできないものであったとしても、戦闘機との直接交戦を想定していない攻撃側の爆撃機(攻撃機)や偵察機、或いは対空戦闘を想定していない潜水艦にとっては重大な脅威となり、輸送船団攻撃の企図を挫くには十分なものであった。後の連合軍の量産型護衛空母は、このコンセプトの延長上の思想で、潜水艦または航空機による通商破壊攻撃を受けた際の緊急発進を目的にカタパルトを配備しており、必ずしも搭載機の全てや(日本海軍が要求性能に科し、開発に失敗する要因ともなった)全備状態の重量爆撃機の発進性能は求められてはいなかった。
甲板上のスペースを有効活用できる。
カタパルトの射出性能と、アレスティングワイヤーの拘束性能にも左右されるが、両者が十分な性能を備えていれば、必ずしも全通飛行甲板の全ての領域を発着艦に宛がう必要が無くなる為、発進と着陸を同時に行う事や、発進と着陸に必要な最低限の滑走距離以外は予備機の搭載に宛がって格納庫の限界以上に搭載機数を増やすなどの措置が採れるようになる。

欠点[編集]

機体に対する負荷が過大となる場合がある。
特に火薬式のものは機体や搭乗員に掛かる加速度が他の形式とは比較にならないほど大きい為、安易な装薬量の増加により射出性能を向上させる事は、過度の加速Gによる機体の破損や、搭乗員の失神といった墜落を誘発する事態を招くリスクが大きかった。
多数の機体の発進には却って時間が掛かる場合もある。
油圧や圧縮空気を用いるものは、再発射の為の圧力の充填に時間を要する欠点があった。伊400型に搭載された圧縮空気式の四式1号10型カタパルトを例に取ると、再射出に必要な時間は4分であり、仮にこれが日本海軍の正規空母に搭載されていたとしても、10機を発進させるには40分を要する事となり、最低でも数十機以上を搭載する正規空母の全力発進を全てカタパルトで行っていては、全ての航空機の発進には途方もない時間を要する事にもなってしまう。当時の連合軍正規空母の油圧式カタパルトも多少なりともこのような欠点を負っていた為、全力発進時のカタパルトの使用は甲板上で待機しているある程度の機数を発進させるまでに留まり、飛行甲板が空いた後は通常の滑走による逐次発進を原則としていた。
駆動出力をロスする場合がある。
蒸気式の場合は艦艇の推進機関用ボイラーから蒸気の分配を受けて駆動する為、ボイラーの容量が十分でない場合、過度のカタパルトの連続使用は艦艇の推進力の低下に繋がる場合があった。

現代の運用[編集]

現代の航空母艦では第二次世界大戦後にイギリス海軍で考案され、アメリカ海軍において実用化された蒸気カタパルトが主流であり、熱出力の制限が事実上無いに等しい原子力推進機関との組み合わせにより、上記の第二次世界大戦当時の各形式の欠点を克服したものとなっている。

蒸気カタパルトは艦艇推進機関のボイラーからの高圧水蒸気を圧力タンクに貯めておき、航空機の発進時に一気にシリンダー内に導いて、その圧力で内部のピストンを動かす。ピストンはシャトルと一体であり、フライト・デッキ上の溝に出ているシャトル頭部に航空機の前脚部をつなぎ強力な加速力を加える。

カタパルト・シリンダーの断面はアルファベットの"C"の形をしていて一部に隙間があり、この隙間を通じてピストンとシャトルが接続されている。シリンダーの隙間は、蒸気の漏れを出来る限り防ぐために隙間の両側からゴム製シーリングが塞いでおり、ピストンとシャトルの接続部分だけがシーリングを押しのけている。

ピストンとシャトルがシリンダーを走行するときはシーリングを押しのけ擦れ合いながら移動するが、密閉が完全ではないためにカタパルトの使用時には蒸気が漏れているのがわかる。

蒸気カタパルトは、油圧式より高速で作動し、はるかに重い航空機も運用でき、強力な加速が一度に加わる火薬式よりも航空機への負担が少ないという利点があるが、配管が複雑になるという欠点がある。推進用機関のボイラーが蒸気式カタパルトの装備を前提としていなかったエセックス級では、改装で蒸気式カタパルトを装備した際にカタパルトを連続使用すると蒸気の不足により速力が低下した。現代の原子力空母は十分な蒸気発生量があるため、カタパルト使用による速力低下は一切無い。

ブライドル・ワイヤーでシャトルと連結されたシュペルエタンダール

カタパルトの実用化初期には、それを利用する航空機に専用の牽引装置が備わっていなかったため、カタパルトのシャトルと航空機の主翼基部や胴体とを連結する「ブライドル」「ブライドル・ワイヤー」と呼ばれる装具が使用されていた。ごく初期にはブライドルは航空機の離艦と共に海面へと落下することで投棄される使い捨てであったが、やがてこの無駄を避けるためにカタパルトの前方フライト・デッキの端から突き出す形の「ブライドル・レトリーバー」と呼ばれるブライドル回収用の網が取り付けられた。2007年の現在ではほとんど全てのカタパルトを利用する航空機には、ブライドルに相当する専用のフックが前脚部に備わっているので、ブライドルとブライドル・レトリーバーは姿を消しつつある。

電磁式カタパルトの構造図

現在、リニアモーターを利用する電磁式カタパルトも開発中である。電磁式カタパルトは技術的に難易度が高く大量の電力も必要となるが、蒸気式よりもさらに航空機への負担が少なく機体寿命の延長に繋がることや、配管がないために構造が簡易で軽量になるという利点がある。

アメリカ海軍でジェラルド・R・フォード級航空母艦に搭載されることが決まっている。


各国のカタパルト[編集]

大日本帝国[編集]

萱場式艦発促進装置
スプリング式。1929年から1933年にかけ、一基の試験装置を「五十鈴」と「由良」で実験。
呉式1号1型
空気式。1928年、「衣笠」で実用実験。
呉式1号2型
伊5」。
呉式1号3型
伊6」。
呉式1号3型改
伊7」。
呉式1号4型
伊8」、甲型乙型潜水艦。
呉式2号1型
火薬式での最初の実用射出機。
呉式2号2型
火薬式。「鬼怒」、のちに「神通」に装備された。
呉式2号3型
火薬式。約3,000kgの機体を加速させる能力を持つ。高雄型重巡洋艦 に装備された。
呉式2号5型
火薬式。全長19.4m。約4,000kgの機体を加速させる能力を持つ。
開戦時には艦艇の射出機のほとんどがこの型だった。形状や搭載艦の事情に合わせた改造で、後に「改2」「改5」といった数字がつく。
一式2号11型
火薬式。全長25.5m。約5,000kgの機体を100km/hまで加速させる能力を持つ。「日進」、「速吸」、航空戦艦に改装された伊勢型戦艦等に装備された。
二式1号10型
空気式。全長44m。約5,000kgの機体を150km/hまで加速させる能力を持つ。「大淀」に装備されたが、後に撤去され呉式2号5型へと改装された。
四式1号10型
空気式。全長26m。約5,000kgの機体を発射間隔4分で発射できる能力を持つ。伊400型改甲型潜水艦に装備された。

アメリカ合衆国[編集]

TypeF MkII
フライホイール&クラッチ式。レキシントン級水上機発艦用。
A‐3
圧搾空気式。2,700kgの機体を103km/hまで加速させる能力。
H‐1
油圧式。2,500kgの機体を74km/hまで加速させる能力。
H‐2
油圧式。全長19m。2,500kgの機体を137km/hまで加速させる能力。「レンジャー」、ヨークタウン級(1942年中に撤去)。
H‐2‐1
油圧式。全長28m。5,000kgの機体を144km/hまで加速させる能力。「エンタープライズ (CV-6)」1944年再装備、軽空母
H‐4
油圧式。7,200kgの機体を137km/hまで加速させる能力。軽空母、護衛空母用
H‐4‐B
油圧式。全長32m。8,165kgの機体を144km/hまで加速させる能力。エセックス級
H‐4‐1
油圧式。全長50m。12,700kgの機体を144km/hまで加速させる能力。ミッドウェイ級
H‐8
油圧式。全長63m。7,030kgの機体を194km/hまで加速させる能力。エセックス級のうちSCB‐27A近代化を施されたものが装備。
C‐7
蒸気式。全長80m。18,100kgの機体を275.0km/hまで、もしくは32,000kgの機体を214.8km/hまで加速させる能力。世界初の実際に空母に搭載された蒸気式カタパルト。フォレスタル級
C‐11
蒸気式。全長61m。17,700kgの機体を250km/hまで、もしくは32,000kgの機体を199km/hまで加速させる能力。イギリスで開発成功した世界初の蒸気式カタパルトBXS‐1をベースとする。エセックス級のうちSCB‐27C近代化を施されたものが装備。
C‐11‐1
蒸気式。エセックス級のうちSCB‐125近代化を施されたもの、ミッドウェイ級のうちSCB‐125近代化を施されたものが装備。
C‐13
蒸気式。全長83m。キティホーク級、「エンタープライズ (CVN-65)」が建造時に装備。
C‐13‐1
蒸気式。全長94m。35,000kgの機体を296km/hまで加速させる能力。ニミッツ級のうち「ニミッツ」から「セオドア・ルーズベルト」までの4隻が建造時に装備。キティホーク級、「エンタープライズ (CVN-65)」も後の近代化で換装。
C‐13‐2
蒸気式。「エイブラハム・リンカーン」以降のニミッツ級6隻が建造時に装備。

中国[編集]

中国はオーストラリアの退役空母「メルボルン」をスクラップとして購入し、この空母に備え付けられていた蒸気カタパルトを研究したとされるが、未だ国産カタパルトの実用化には至っていないとされている。

湖北省武漢の中国艦船設計研究センターにある実物大の空母の訓練施設には傾斜をつけた飛行甲板スキージャンプ台)が装備されていることから、中国の技術力ではカタパルトの実用化は困難とみられており[1]、建造中の中国の空母はカタパルトなしでの航空機運用を行うものと考えられている[2]

2014年1月24日、中国網は、中国が電磁カタパルトの試験機テスト設備を建造していることを報じた[3]。電磁カタパルトの技術は大手防衛産業企業L-3 コミュニケーションズの子会社Power Paragonのエンジニアで中国系アメリカ人のチ・マクにより持ち出されており[4]、それを元に開発したと思われる。

イギリス[編集]

HI‐1
油圧式。5,400kgの機体を122km/hに加速させる能力。「アーク・ロイヤル(初代)
BH‐3
油圧式。9,100kgの機体を118km/hに加速させる能力。イラストリアス級コロッサス級
BXS‐1
蒸気式。世界初の航空母艦用蒸気カタパルトであり、アメリカで若干の変更を加えてC‐11として利用された。
ミッチェル・ブラウンBS5
蒸気式。自国製空母のほか、フランス海軍クレマンソー級航空母艦に採用。

オーディシャス級コロッサス級マジェスティック級セントー級などの航空母艦に改装時に(一部の艦のみ新造時から)蒸気式カタパルトを装備してイギリス海軍で運用、あるいは他国に売却していた。

1978年に「アーク・ロイヤル(2代目)」が退役したことで、イギリス海軍における蒸気式カタパルトの運用は無くなった。後継航空母艦のインヴィンシブル級の就役時には、世界初の実用V/STOL攻撃機であったハリアーの艦載機型であるシーハリアーの実用化が済んでおり、固定翼艦載機をシーハリアーのみとしてSTOVL運用されることが決定済であったため、カタパルトは装備されなかった。

フランス[編集]

空母「シャルル・ド・ゴール」において蒸気式カタパルトを運用しているが、独自開発はせず、アメリカ製のC‐13‐1を購入した。

過去に運用していたクレマンソー級航空母艦にはイギリス製のミッチェル・ブラウンBS5蒸気式カタパルトが搭載されていた。

ドイツ[編集]

正式名称不明
火薬式。Ju87及びBf109Tを射出可能。グラーフ・ツェッペリン
正式名称不明
空気式。Ju87及びBf109Tを射出可能、圧搾空気充填まで約4分グラーフ・ツェッペリン
正式名称不明
蒸気式。カタパルト艦に搭載された世界初の実用蒸気式カタパルトであり、射出重量は約20㌧、大型水上機及び飛行艇を射出可能、最初に実用化したのはドイツであるが、航空母艦に初めて搭載したのはイギリスである

イタリア[編集]

ソビエト連邦/ロシア[編集]

1980年代前半に蒸気カタパルトを含む陸上の発着シミュレートシステム「ニートカロシア語版」を建設し、蒸気式カタパルトの開発が進められ、ほぼ実用化した[5]。この蒸気カタパルト「マヤーク」の試作型は同施設に設置された。

しかしソビエト連邦初の実質的な正規空母(ソビエト連邦/ロシアは政治上の理由から航空母艦という用語を用いず重航空巡洋艦と呼称している)「アドミラル・クズネツォフ」の建造においては、蒸気式カタパルトにかかる大きなコストが問題視され、政治的判断でスキージャンプ台を用いたSTOBAR運用で十分とされたためカタパルトは搭載されなかった。

ウリヤノフスク級原子力空母を建造する際には開発した蒸気式カタパルト「マヤーク」を搭載する予定であったが、資金難で建造そのものがキャンセルとなり実現しなかった。

また、クズネツォフの後継となる将来空母用に電磁カタパルトを開発している[6]

ブラジル[編集]

空母「サン・パウロ」において蒸気式カタパルトを運用している。サン・パウロはもともとはフランス海軍の「フォッシュ」であり、フォッシュがフランス海軍で運用されていた当時は搭載されているカタパルトはイギリス製のミッチェル・ブラウンBS5であった。ブラジルへの売却時に換装されたかどうかについては詳細は不明である。

脚注[編集]

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