南鳥島
| 南鳥島 | |
|---|---|
上空から(1987年) |
|
| 座標 | 北緯24度16分59秒 東経153度59分11秒 |
| 面積 | 1.51 km² |
| 海岸線長 | 6 km |
| 最高標高 | 9 m |
| 所在海域 | 太平洋 |
| 所属国・地域 | |
南鳥島(みなみとりしま)は、小笠原諸島の島。本州から1,800 km離れた日本の最東端としても知られている。行政上は東京都小笠原村に属する。
日本の島としては唯一日本海溝の東側にあり、日本で唯一太平洋プレート上にある。さらには、日本の実効支配の及ぶ島では唯一、他の島と排他的経済水域を接していない島でもある。別名、マーカス島(マーカスとう、Marcus Island )。
目次 |
[編集] 地勢
[編集] 地形
一辺が2 kmのほぼ正三角形の形をしている平坦な島であり、最高地点の標高は9 mしかない。また島の周囲はサンゴ礁で浅くなっているが、潮流が速く、サメもいるため泳ぐのは極めて困難。サンゴ礁の外側はすぐに深さ1000 mの断崖となる。
[編集] 気候
ケッペンの気候区分でいうサバナ気候 (Aw) に属する。月平均気温2月21.6°C - 7月28.4°C、年間平均25.6°Cと温暖。降水量は日本国内では少なめ。日本では南西諸島と南鳥島を含む小笠原諸島のそれぞれ一部が熱帯に属しているが、南西諸島はアジア大陸からの距離が近く、寒候期(10 - 3月)にはシベリア気団の大きな影響を受ける。これに対して、南鳥島は大陸からの距離が大きく冬季も比較的温暖であるが、日平均気温年較差が約7°Cあり、寒候期には北極方面からの寒気の影響があることを示している。極値は、最低気温が1976年2月10日 13.8°C、最高気温が1951年7月17日 35.6°C、積雪記録はない。
| 南鳥島(1981年 - 2010年)の気候資料 | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 28.9 (84) |
29.0 (84.2) |
30.2 (86.4) |
31.0 (87.8) |
34.0 (93.2) |
34.9 (94.8) |
35.5 (95.9) |
34.2 (93.6) |
33.9 (93) |
33.5 (92.3) |
31.7 (89.1) |
30.3 (86.5) |
35.5 (95.9) |
| 平均最高気温 °C (°F) | 24.7 (76.5) |
24.3 (75.7) |
25.3 (77.5) |
27.2 (81) |
29.0 (84.2) |
30.9 (87.6) |
31.3 (88.3) |
31.0 (87.8) |
31.0 (87.8) |
30.3 (86.5) |
28.7 (83.7) |
26.6 (79.9) |
28.3 (82.9) |
| 日平均気温 °C (°F) | 22.3 (72.1) |
21.6 (70.9) |
22.4 (72.3) |
24.2 (75.6) |
26.0 (78.8) |
27.8 (82) |
28.4 (83.1) |
28.2 (82.8) |
28.3 (82.9) |
27.8 (82) |
26.4 (79.5) |
24.3 (75.7) |
25.6 (78.1) |
| 平均最低気温 °C (°F) | 20.3 (68.5) |
19.3 (66.7) |
20.2 (68.4) |
22.2 (72) |
23.8 (74.8) |
25.5 (77.9) |
26.0 (78.8) |
25.9 (78.6) |
26.1 (79) |
25.8 (78.4) |
24.6 (76.3) |
22.4 (72.3) |
23.5 (74.3) |
| 最低気温記録 °C (°F) | 14.6 (58.3) |
14.2 (57.6) |
14.2 (57.6) |
16.4 (61.5) |
19.1 (66.4) |
20.0 (68) |
22.3 (72.1) |
22.5 (72.5) |
22.4 (72.3) |
21.9 (71.4) |
19.2 (66.6) |
16.7 (62.1) |
14.2 (57.6) |
| 降水量 mm (inches) | 71.7 (2.823) |
43.2 (1.701) |
42.6 (1.677) |
72.4 (2.85) |
90.3 (3.555) |
61.4 (2.417) |
153.2 (6.031) |
167.3 (6.587) |
99.7 (3.925) |
80.3 (3.161) |
70.3 (2.768) |
97.2 (3.827) |
1,053.6 (41.48) |
| % 湿度 | 70 | 69 | 74 | 79 | 78 | 76 | 77 | 79 | 78 | 77 | 75 | 74 | 76 |
| 平均降水日数 (≥ 0.5 mm) | 11.3 | 8.6 | 7.4 | 7.8 | 8.9 | 8.3 | 13.8 | 16.6 | 14.2 | 11.7 | 9.4 | 12.2 | 130.2 |
| 日照時間 | 166.1 | 178.5 | 227.7 | 237.6 | 274.0 | 299.4 | 274.1 | 252.0 | 256.8 | 250.6 | 213.8 | 175.5 | 2,805.3 |
| 出典#1: 気象庁 | |||||||||||||
| 出典#2: 観測史上1〜10位の値(年間を通じての値) | |||||||||||||
[編集] 歴史
- 約20万年前 - 隆起して島となる。
- 1864年(元治元年) - アメリカの船(ハワイ王国の宣教師船という説もある)モーニングスター号が来訪。マーカス島と命名する。
- 1879年(明治7年) - 日本人が訪れる。
- 1896年(明治24年)6月30日 - 水谷新六が到達、母島より46人が移住し、集落に「水谷」と命名。
- 1898年(明治26年)7月24日 - 「南鳥島」と命名され、東京府小笠原支庁に編入される。
- 1902年(明治35年) - アメリカが領有を試みてハワイから軍艦を出航させるが、それを察知した日本も軍艦を派遣し、先に上陸して牽制。島で小競り合いが起こったが、最終的には和解して日本領が確定。
- 1933年(昭和8年) - 全島民が撤収、無人島になる。
- 1935年(昭和10年) - 海軍気象観測所開設。
- 1942年(昭和17年)3月4日 - 太平洋戦争中、ハルゼー中将麾下のアメリカ海軍の第16任務部隊(空母エンタープライズ旗艦)により、南鳥島は東京府内で初めて空襲を受けた。その後も1943年(昭和18年)8月31日など何度も空襲を受けた。
- 1943年(昭和18年)7月1日 - 東京都制施行(東京府廃止)。
- 1945年(昭和20年) - 日本を占領下に置いた連合国軍の一国であるアメリカ軍が占領。
- 1952年(昭和27年) - サンフランシスコ条約によって、アメリカの正式軍政下に入る。
- 1968年(昭和43年)6月26日 - アメリカより返還され、東京都小笠原村に属する。海上自衛隊南鳥島航空派遣隊が編成される。
- 2006年(平成18年)9月1日 - 台風12号接近により、気象観測所職員全員が一時島外避難。
- 2009年(平成21年)11月1日 - 環境省が鳥獣保護区に指定。
- 2009年(平成21年)12月1日 - ロランC局(南鳥島ロランC局)廃止。
- 2010年(平成22年)5月18日 - 南鳥島などの離島の保全を目的とした低潮線保全・拠点施設整備法案が衆議院を全会一致で通過。5月26日、参議院で全会一致で可決・成立し、一部規定を除き6月24日施行。
- 2011年(平成23年)3月31日 - 南鳥島港湾保全管理所の仮庁舎完成。
[編集] 現在
一般市民の定住者はなく、気象庁(南鳥島気象観測所)、海上自衛隊(南鳥島航空派遣隊)、関東地方整備局(南鳥島港湾保全管理所)の職員が交代で常駐する。
往来・補給のために1380 mの滑走路があり、島の一辺は滑走路だけである。船の波止場もあるが、浅いサンゴ礁に阻まれて大型船は接岸できないため、大型船は沖合いに停泊し、そこから船積みの小型ボートで島にやってくる。
かつては、アメリカ沿岸警備隊が電波航法施設ロランC局を運用していた。1993年に海上保安庁千葉ロランセンターが業務を引き継ぎ、213 mのアンテナから1.8 MWの送信出力でロランパルスを発信していたが、ロランパルスを使用する船舶が減少したため2009年5月に廃止が決定。同年12月1日午前をもって廃止された。
島に駐在する職員のため、航空自衛隊のC-130H輸送機が月に一度、海上自衛隊のYS-11が週に一度、食料の補給や荷物の逓送のために飛来する。また、不定期で海上自衛隊のUS-1、US-2飛行艇や航空自衛隊のC-1輸送機が利用されることもある。物資等の輸送だけではなく、交代の職員もこれらの飛行機を利用する。硫黄島と共に郵便事業株式会社より「交通困難地」[1]の指定を受けており、南鳥島の住所を記載しても郵便は届かない。
所要時間はC-130が厚木基地からの直行で約4時間、YS-11が厚木基地から硫黄島を経由して約7時間。但し、絶海の孤島で周囲に緊急着陸が可能な飛行場が存在しないために、何らかの理由で着陸ができないと帰路に燃料不足の懸念がある。よって、確実に着陸可能である状況でしか飛んでこない。
第二次世界大戦の際に戦闘を想定して島を要塞化していた(実際にはアメリカ軍による上陸・戦闘は起きなかった)ため、今もなおその時代の戦車や大砲の残骸などが残っている。
作家の池澤夏樹がどうしても南鳥島に行きたいということで、補給船に乗って1日だけ上陸したことがある。この時の状況は彼の著作「南鳥島特別航路」に書かれている。
[編集] 生物
ヤモリ科の一種ミナミトリシマヤモリが生息している。日本国内ではここと南硫黄島にのみ生息が認められ、ミクロネシア方面から流木などに乗って分布を広げたものと考えられている。
[編集] その他
- 設置されている飛行場については南鳥島航空基地を参照。
- 気象通報の観測地としても知られる。
- 同島と与那国島の間が、日本が実効支配している領土間で最長の大圏距離を取ることができる地点である。(約3140km)
[編集] 脚注
[編集] 参考文献
- 池澤夏樹 『南鳥島特別航路』 新潮文庫、1994年。ISBN 4101318123、「南鳥島―」は内1章。
- 米内金治 『鳥を釣った話―父島・南鳥島気象観測所長の思い出』 翰林書房、1996年3月。ISBN 4906424880
- 山本皓一 『日本人が行けない「日本領土」―北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記』 小学館、2007年6月。ISBN 9784093897068
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 国土地理院 地図閲覧サービス ウオッちず 2万5千分1地形図名:南鳥島 (南東)
- Google Map
- 南鳥島のご案内(関東地方整備局甲武営繕事務所)
- 気象庁南鳥島気象観測所
- はなのはね南鳥島ガイド
- 南鳥島アマチュア無線局免許情報
- 南鳥島における海岸清掃作戦
- 日本の最南東端「南鳥島」
- 南鳥島画像集
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