犬島

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犬島
Inujima.jpg
犬島の夕景
座標 北緯34度33分45秒
東経134度05分59秒
面積 0.54[1] km²
海岸線長 3.6[1] km
最高標高 36[1] m
所在海域 瀬戸内海
所属国・地域 日本の旗 日本岡山県
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銅精錬所跡の煙突
発電所跡の夕景

犬島(いぬじま)は、岡山県岡山市東区西大寺(区本庁管内)の岡山水道南東部にある、および当地を含む犬島諸島全域からなる地域(大字)。犬島諸島中で最大の面積を有し、また諸島では唯一の有人島であり人口は54人(平成22年)である[1]。加えて、岡山市では唯一の有人島である[1]。郵便番号は704-8153。犬島諸島全体との差別化のため、犬島本島とも呼ばれる。

瀬戸内海国立公園内に位置し、南東には小豆島が望まれる。

島名はに似た巨岩に由来するといわれる他、枕草子一条天皇が犬を追放した島の比定地であることに由来するともされる[2]。なお、その名と異なり、島内にはが非常に多い(2009年以降は激減)。

産業[編集]

古くは、花崗岩(犬島みかげ)の産出で知られ、鶴岡八幡宮鳥居や、大坂城岡山城江戸城などに用いられた[1]。近代のものとしては、明治30年代の大阪港築港の際、礎石の切り出し場となっている[1]

加えて、精錬場犬島精錬所)が建設されてからは、銅精錬の島として栄えた[1]

歴史[編集]

元禄時代に入植がはじまったとされる[1]花崗岩採石の島として栄えた[1]

1909年(明治42年)に、当時都窪郡中庄村(現在の倉敷市中庄)に所在していた帯江鉱山の精錬施設が移転することとなり、島南東部に精錬所が建設された[3]。この移転は、帯江銅山で公害問題が発生したことが原因であり、実業家の坂本金弥が主導して実現した[3]。当初は銅精錬も順調で、島には精錬所関係者だけで約2000人が居住しており[3]、最盛期の人口は5000から6000人程度であったとされる[1]1918年(大正7年)には、犬島小学校が開校[1]。しかし、精錬所は1919年大正8年)に操業を停止[3]。その後、一度も再開されることなく、廃止された。精錬所の遺構として、朽ち果てたレンガ積みの煙突が数本残り、島のシンボルとなっている。

1947年(昭和22年)には犬島中学校が開校したが、産業構造の変化による企業の撤退などから人口が減少[1]1991年(平成3年)に小中学校は廃校となった[1]。廃校舎は整備・増築の上で、犬島自然の家として公営の宿泊施設となっている。

文化[編集]

1984年に放送されたテレビドラマ『西部警察最終回スペシャル大門死す男たちよ永遠に』のロケ地としても使われた(私有地内のため立ち入りは出来ない)。いまでも爆破ロケの残骸や足場が放置されるなど、当時のロケの荒っぽさを感じさせ、地元に映画ロケーションへの拒否感を起こしてきた。近年は映画「鉄人28号」のロケ地になるなどふたたびロケが活発化している。

近年、精錬所を使った演劇祭が開かれたほか、香川県直島町ベネッセアートサイト直島を展開するベネッセコーポレーション岡山市)現会長が直島福武美術館財団を設立し、精錬所付近を使った恒久的なアートワークの設置を柳幸典と共に10年前から計画。2008年平成20年)4月「犬島アートプロジェクト“精錬所”」が開館している。以前は予約者のみ見学可能だったが、2010年度以降は事前予約が不要になり、自由鑑賞制を導入している。

また、2004年より「犬島時間」というアートプロジェクトが行われており、毎年夏頃(2011年より5月ゴールデンウィークに変更)に「犬時時間」というアートイベントを開催している。犬島の夏の恒例行事として賑わいをみせている。こちらのプロジェクトは、ベネッセの助成事業として犬島間実行委員会が運営している。年間を通じて犬島とかかわり、地域×芸術×人・・・その魅力を発振している。犬島アートの先駆け的な存在である。

犬島は2010年に開催されるアートの祭典瀬戸内国際芸術祭の開催地にもなっており、来島者は8万4千人を数えた[1]

観光[編集]

島の南部に犬島海水浴場と犬島キャンプ場が、西部に犬島自然の家がある。

イベント[編集]

学区[編集]

小学校は、本土側にある岡山市立朝日小学校の学区となり、中学校は同じく本土側の岡山市立山南中学校の学区となる。

交通[編集]

岡山駅東口または天満屋バスステーションから両備バス西大寺バスセンターへ。西大寺バスセンターで東備バス久々井・宝伝線東宝伝行きに乗り換え、西宝伝で下車。徒歩5分の宝伝港(朝日漁港)から犬島港まで定期船で2.5km(約10分)。なお、久々井・宝伝線は西大寺駅も経由する。

  • 2014年4月現在、久々井・宝伝線は4往復(土日祝は東宝伝行最終便は運休)、定期船平日7往復(日曜は減便、「犬島アートプロジェクト」開館日は増便)。
  • 直島宮浦港から四国汽船の直島 - 犬島間高速艇(約50分、豊島経由。月曜・火曜は運休、水曜・木曜は12月から2月の間、直島 - 豊島間のみのため寄港せず)。
  • 自家用車は犬島へ渡ることが出来ない。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 岡山県の離島 - 犬島 岡山県ホームページ 2015年5月9日閲覧。
  2. ^ 『枕草子』の第六巻「うへにさぶらふ御猫」によれば、一条天皇が、可愛っていた猫「命婦のおとど」に犬の「翁丸」が飛びかかり、天皇が「この翁丸うちてうじて、いぬしまへつかはせ」と命じた。北村季吟による枕草子の注釈で、岡山市犬島を指定して以来、それが定説となっている。13世紀、藤原秀能『如願法師集』では「いぬしまや 中なる淀の渡し守」との句があり、現在の淀川のあたりにあった地名との説もある。
  3. ^ a b c d 岡山県岡山市犬島 犬島精錬所跡] テレビせとうち 2015年5月9日閲覧。

外部リンク[編集]