黒島 (長崎県佐世保市)
黒島(くろしま)は、長崎県北部の北松浦半島の南西沖合にある島。全島が佐世保市に属している。1954年までは北松浦郡黒島村という一島一村で、佐世保市編入後、同市黒島免を経て1958年に同市黒島町となり、現在にいたる。黒島支所管内の人口は540人(2009年4月1日)
目次 |
[編集] 地理
[編集] 概要
九十九島の一つに数えられるが、他の島からはやや西の方に離れて位置している。なお、九十九島の中では面積は最大である。
「隠れキリシタン」の島としても知られ、現在も島の人口の約8割がカトリック信徒である。
[編集] 名前の由来
黒島の島名には、二つの説があるといわれている。
一つは、黒島を海上から見た際、樹木が密生しており黒く見えるために、「黒島」というのだという説。もう一つは、カトリック教徒が多く住んでいたため、『クルス島』(cruz=ポルトガル語で十字架の意味)といわれ、これがなまって「クロ島」になったという説である。
歴史上では、鎌倉時代に平戸松浦氏の始祖である峯五郎被の所領中に黒島の地名が出てくるが、それは日本へのキリスト教伝来よりもずっと前のことなので、黒島の地名は海上から見ると木々が黒々しているためにそう呼ばれるようになったという説が有力であると考えられている。また本島は孤島にもかかわらず島内のいたるところに湧き水があり、そのことから古くは「水島」とも呼ばれていた。
[編集] 歴史
黒島は室町時代後期から戦国時代初期にかけて、松浦氏が北松浦半島や周辺島嶼の統一を進める過程でその領地となった。その後松浦氏の家臣である西氏が付近に出没していた海賊討伐の褒美として黒島を与えられ、島の直接の統治を行うようになった。
江戸時代になると、黒島は平戸島(現在の平戸市)に居城を置く平戸藩の領地となった。その当時の黒島は、石高(米の収穫量)は少ないものの、農業・漁業に加え、御影石の採石地、軍馬の飼育地として知られていた。
江戸時代の初期から明治時代にかけて、江戸幕府の政策による弾圧から逃れてきた他の藩のキリシタン達がこの島に居住するようになった。1865年に長崎浦上の信徒が大浦天主堂で信仰を明らかにした「信徒発見」から数ヵ月後には、早くも島の信徒代表者が大浦天主堂を訪ねている。
[編集] 産業
農業については、黒島の土は赤土のため、根菜類、イモ、タマネギなどは非常に美味しく、佐世保市内でも買い求める人も多かったが、高齢化のため農業従事者が減ったことと農協が集荷を廃止したため、黒島からの出荷が極端に減っている。
漁業は佐世保市近辺の磯焼けのため、漁獲高も激減しているが、黒島近辺で取れるウニやアワビ、伊勢海老などは現在も人気が高く、買い求めるのも困難となっている。
かつては御影石の生産が盛んで、黒島天主堂にも島内で切り出された石が使われている。
[編集] 交通
[編集] 島へのアクセス
[編集] 船舶発着場まで
黒島へ渡航する際は相浦旅客ターミナル(相浦桟橋)からの船舶を利用することになる。旅客ターミナルへのアクセスは次の通り。
- バス:佐世保市営バス・西肥バスともに「相浦桟橋」行きに乗り、終点下車すぐ。佐世保駅前からだと約35分。
- MR松浦鉄道:相浦駅下車(佐世保駅からだと約30分)。目の前が相浦港なので、駅から徒歩で約5分ほどで相浦旅客ターミナルへ到着。
[編集] 船舶
- 黒島旅客船(ニューフェリーくろしま) 相浦港~黒島港(高島経由) 所要約50分、1日3往復運航。運賃は1人700円(黒島まで)。
- 相浦港発 10:00 / 13:00 / 17:00 各50分にて黒島港へ(高島経由)
- 黒島港発 6:50 / 11:10 / 15:30 各50分にて相浦港へ(高島経由)
- お盆や正月などの繁忙期には1往復増便され1日4往復運航になるが、最終時刻は遅くならない。
※ちなみに、相浦港から高島までは25分ほどで到着する。
- 陸奥丸(基本的には貨物船。12人まで搭乗可能) 相浦港 - 黒島港 所要時間約60分、1日3往復運航。運賃は1人700円(黒島まで)。
- 相浦港発 9:40 / 12:40 / 16:40 各60分にて黒島港へ
- 黒島港発 6:30 / 10:40 / 15:00 各60分にて黒島港へ
- 繁忙期には1往復増便され1日4往復運航になる。こちらは黒島港発が18:00、相浦港発が19:00とそれぞれ最終時刻が繰り下がり、来島者・島民双方とも利便性が高まる。
※こちらの船は基本的には高島へ経由しないが、貸切になったときには行く可能性あり。
- じゅうふく(高速船) 基本的には、相浦港 - 高島港 高島まで所要約8分。1日4往復。運賃は1人550円(高島まで)
- 基本的には黒島には行かないが、貸切、及び金曜日の夕方には黒島に行く。黒島までは約20分で到着する。
[編集] 島内の交通
2009年現在、島内には公共交通機関がない。黒島港から島の中心部にある市役所黒島支所までは徒歩約30分。黒島ではテーラーと呼ばれる農作業用コンバインのようなもので移動をする方が多い。
[編集] 施設
[編集] 公共
[編集] 教育機関
- 佐世保市立黒島中学校
- 佐世保市立黒島小学校
- 黒島保育園(社団法人経営)
[編集] その他
- 黒島郵便局
- ながさき西海農業協同組合相浦支店黒島事業所(以前は黒島支店)
- 黒島漁業協同組合
- お告げのマリア修道会黒島修道院
[編集] 名所・観光スポット
- 黒島天主堂 - 国の重要文化財。1902年に当時の主任司祭マルマン神父が島の信徒とともに建造。2007年1月に世界遺産暫定リストへの追加記載が決定した。
- 串の浜岩脈 - 島西部の海岸にある総延長約300mに及ぶ長崎県最大の玄武岩岩脈(地元では女瀬地区という)。県指定天然記念物。
- 根谷の大さざんか - 根谷地区(島で一番温暖な地区)に樹齢250年~350年と言われる大きなさざんかがある。さざんかの実から取れる油を使っていたと言われている。佐世保市指定天然記念物。
- アコウの防風林や閃緑岩の石垣などに見られる、自然と産業の景観が国の重要文化的景観に選定されている。
- 佐世保市役所黒島支所に支所職員が作成したパンフレットがあり、支所を訪ねた観光客の希望により配布している(モノクロ版のみ)。
- 2008年頃から、西海パールシーリゾートの企画により『黒島めぐる』というツアーが行なわれている。火・水曜とお盆期間・12月・1月を除く毎日催行で1日コースと半日コースがある。ジャンボタクシーで黒島の観光スポットをめぐるもので、1日コースには黒島に古くから伝わる“ものづくり”の体験と、島で獲れるウニ、アワビ、サザエ、伊勢海老などの魚介類や、地元で作られた野菜などをふんだんに使用した「島めし」が昼食としてついている。2008年現在、週末には予約が取りにくくなっている。
[編集] その他
- 合唱曲『十字架(クルス)の島』(岩河三郎)で、当島がモチーフとなっている。
- 島内観光の際、史跡ガイド及びウォーキングなどは黒島史跡保存会事務局(連絡先:佐世保市黒島地区公民館)へ事前に電話で予約を行っていくとよい。
[編集] 関連項目
- 長崎の教会群とキリスト教関連遺産
- てるてる家族 - 黒島天主堂と黒島港でロケを行った。石原さとみ主演。
- はみだし刑事 - 御影石石切り場、黒島天主堂、串ノ浜岩脈でロケを行った。柴田恭兵主演。
- ナイナイサイズ - 九十九島での隠れ名産探しで黒島へ「黒島とうふ」「フクレまんじゅう」「海賊鍋」を紹介。矢部浩之出演。なお、TVだけの企画ではなく、予約して行くと実際に食べることができる。
|
|||||