田代島
| 田代島 | |
|---|---|
| 座標 | 北緯38度17分52.5秒 東経141度25分1.3秒 |
| 面積 | 3.14 km² |
| 海岸線長 | 11.5 km |
| 最高標高 | 96.2 m |
| 最高峰 | 正島山(しょうじまやま) |
| 所在海域 | 太平洋・仙台湾 |
| 所属諸島 | 牡鹿諸島 |
| 所属国・地域 | |
田代島(たしろじま)は、三陸海岸南端を構成する牡鹿半島の先端近く、宮城県・仙台湾(石巻湾)に浮かぶ有人島の1つ。宮城県石巻市に属する。「ひょっこりひょうたん島」のモデルと言われている[1]。近年は「ネコの島」として知られる。
目次 |
概要[編集]
島民の多くは漁師、あるいはその家族である。大泊港(第1種漁港)と仁斗田港(第2種漁港)の間、島のほぼ中央に猫神社があり、島の漁師にとって大漁の守護神である「猫神様」が祀られている。そのため、猫がとても大事にされ、島内で自然繁殖しており、既に島民よりも個体数が上回っている[2]。他方、島内では犬は猫の天敵とみなされており、犬を島内に持ち込むことは原則禁止されている[2][3](身体障害者補助犬あるいは警察犬や災害救助犬の持ち込みについての言及はない)。
地理[編集]
黒潮の影響により温暖で、降雪はあまり見られない。南国の植物であるタブノキの原生林が島内に数ヶ所見られる。
島内には、大泊と仁斗田の2つの集落および港がある。網地島と隣り合うが、網地島は旧牡鹿町、田代島は合併前の石巻市に属していた。2005年(平成17年)4月1日の市町合併により、両島とも石巻市に属することになった。
2005年国勢調査では、平均年齢71歳、高齢化率82%であり、限界集落である。
- 国勢調査人口
- 2005年(平成17年) - 112人(74世帯)
- 2000年(平成12年) - 130人
- 1995年(平成7年) - 147人
- 1990年(平成2年) - 191人
- 昭和30年代 - 約1,000人
猫神社[編集]
| 猫神社 | |
|---|---|
| 所在地 | 宮城県石巻市・田代島 |
| 位置 | 北緯38度17分59.0秒 東経141度25分8.0秒 |
| 創建 | 江戸時代後期頃 |
| 別名 | 猫神様 |
田代島ではかつて養蚕が行われていたため、カイコの天敵であるネズミを駆除してくれるネコが飼われており、島民から大事にされていた。
定置網漁の一種である大謀網が江戸時代後期に三陸海岸中部(盛岡藩・船越村)で興ると[4]、それが隣接する仙台藩・気仙郡(気仙沼)を経由して田代島にも伝わり、改良されて田代型マグロ大網となった[4]。この経緯から、田代島沿岸での大謀網は気仙沼周辺から来る漁師と島民によって営まれ、島内にいくつもの番屋(作業小屋兼簡易宿泊所)が設置された[3]。すると、番屋に寝泊りする気仙沼漁師らの食べ残しを求めてネコが集まるようになり、漁師とネコとの関係が密になって、ネコの動作などから天候や漁模様などを予測する風習が生まれた[3]。ある日、大謀網を設置するための重しの岩を漁師が採取していたところ、崩れた岩がネコに当たり死んでしまった[3][† 1]。これに心を痛めた網元がその死んだ猫を葬ったところ、大漁が続き、海難事故もなくなったという。そのため、葬られた猫は猫神様となり[3][† 2]、島内で猫が大切にされるようになったという。
宮城県内には猫神社が10ヵ所ある。猫の石碑が他の都道府県と比べて特に多く、51基存在している。猫の石碑は特に県南部(仙南圏)に集中しており、江戸時代に養蚕が盛んだった地域と重なることから養蚕との直接的な関連が指摘されている[5]。田代島の猫神は、養蚕との関連が間接的なものに留まっているようである。
歴史[編集]
- 1989年(平成元年)3月 石巻市立田代小学校が廃校。
- 2000年(平成12年)4月 アウトドア施設の「マンガアイランド[6]」が設置。
- 2008年(平成20年)度末、田代島自然教育センター(廃校になった小学校を利用)が廃止[7]。
2004年(平成16年)9月、釣りが趣味の東京都出身と岩手県出身の夫婦が、脱サラして仙台市から島に移住し、民宿を始めた。2006年(平成18年)2月14日にはブログを開始。当初は島の暮らしや釣りおよび民宿の情報を載せていたが、同年5月20日にテレビ朝日系列「人生の楽園」でネコが多い島としても紹介され[8]、同年7月22日にフジテレビ系列「めざましどようび」の番組DVD『にゃんこ THE MOVIE』が発売されると、同DVDに収録された田代島の「たれ耳ジャック」という名のネコのエピソードが影響して愛猫家のアクセスが増加し、田代島を「ネコの島」として発信するブログへと次第になっていった。『にゃんこ THE MOVIE』はシリーズ化し、毎回「たれ耳ジャック」のその後のエピソードが収録された。他のマスメディアでも同島は「ネコの島」「猫の楽園」などと紹介され、猫を目当てとした観光客が多数訪れている。
2007年(平成19年)8月、仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(2008年10月1日-12月31日)についての県と住民の会議があった。このとき、プレDC(2007年10月1日-12日31日)期間中に実施するモニターツアーの企画が話し合われ、2007年11月3日に同島初のネコ観察を目玉とするパッケージツアー「ジャックを探せ」ツアーが催行された。同時に島内のネコの写真展も開催された。
2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災によって、田代島は地盤が約130cm沈下し、沿岸部の家屋や漁業施設が大きな被害を受けた。田代島の復興事業の一つとして、島の猫を活用した「田代島にゃんこ・ザ・プロジェクト」が同年6月から行われている。日本全国の愛猫家から1口1万円の寄金を募ってカキ養殖再生のための資金とし、謝礼としてオリジナル猫グッズなどを発送するというものである[9]。
生活[編集]
上水道は海底送水、屎尿やゴミは本土へ搬送処理している。島にはガソリンスタンドがないため、油船が2ヶ月に1度寄港し、島にガソリンや灯油を供給している。
- 学校 - 無し。島外に通学している。(1989年3月までは小学校があった)
- 商店 - 雑貨店が2店と自動販売機が数台有る。
- 携帯電話 - ほぼ全島がサービスエリア。ただしau・ソフトバンクは島内に基地局が無く本土からの電波で賄っており、漁港から奥に入ると電波の入りが悪くなる。
- 放送 -
- 医療機関 - 田代診療所がある。
- 金融機関 - 有人窓口・ATMともに無し。
- 簡易郵便局 - 有り。
- 食堂 - 無し。予約にて民宿に依頼する。
- 民宿 - 7軒あり。
産業[編集]
島民の約8割が第一次産業に従事する。以前は、島の南中央部にある谷筋などで稲作が行われていたが、既に耕作放棄地となっている。現在は漁業が主産業で、大型定置網や刺し網等の沿岸漁業、および浅海養殖業が行われている。釣りスポットとして知られており、民宿の宿泊客のほとんどが釣り客である。
観光[編集]
任意団体の「石巻市田代島獅子舞保存会」があり、伝統の田代島獅子舞を保存している。石ノ森章太郎縁りの石巻市が漫画を用いた地域振興をしていることから、2000年(平成12年)4月にアウトドア施設の「マンガアイランド」が設置された。施設内には、同島で大事にされているネコをデザインしたロッジが5棟ある(里中満智子およびちばてつやのデザインと志賀公江、木村直己および御茶漬海苔が内装ペイント)。近年、「ネコの島」として注目されていることから、「石巻市愛ランドプラン[10]」では、瀬戸内海の犬島と連携・協働の取り組みを進める構想も示された。
名産品[編集]
指定など[編集]
猫に対する島民感情[編集]
2010年に『愛の修羅バラ!』(読売テレビ)が番組で田代島の島民にアンケート調査したところ、島の生活で悩んでいることの第一位は「猫が多い」で、インタビューでも「猫は大っきらい」「気持ち悪い」などという声が複数紹介された[15]。観光資源として野良猫を活用しようとする動きがある一方、少なくない島民は野良猫が多数繁殖している現状に不快感を覚えている実態が明らかになった。
番組・書籍など[編集]
- テレビ番組
- 『犬を飼ってはいけない島!?』(カミングアウトバラエティ!!秘密のケンミンSHOW内「ヒミツの島民」)
- 『離島で屋台0円生活[16]』(テレビ朝日系列「いきなり!黄金伝説。」)
- 濱口優が田代島を訪れている。2007年11月1日・8日 全国放送。
- 『猫天国の田舎に行きたい![17]』(テレビ東京系列「田舎に泊まろう!」)
- 『猫に招かれて 〜宮城 石巻 田代島〜』(ウィークエンド東北内「東北小さな旅」)
- 『ねこの島便り 〜島民80人 猫100匹〜[18]』(フジテレビ系列「ザ・ノンフィクション」)
- 関東広域圏 2009年4月26日放送。その他の系列局では後日放送。
- 『猫の楽園[19]』(NHK「ドキュメント20min.」)
- NHK仙台放送局制作、2009年6月12日 全国放送。
- 『千客万来! ネコの島[20]』(フジテレビ系列など「情熱エンジン」)
- 『猫はこたつで丸くなる?猫島の島民に支えられた大実験』(テレビ朝日「シルシルミシル」)
- 2011年3月9日放送。
- DVD・書籍
- 『にゃんこ THE MOVIE』(2006年7月22日 ポニーキャニオン。ナレーション:篠原涼子)
- 『にゃんこ THE MOVIE 2』(2007年7月18日 ポニーキャニオン。ナレーション:小西真奈美)
- 『にゃんこ THE MOVIE 3』(2009年2月18日 ポニーキャニオン。ナレーション:田中麗奈、主題歌:JUJU)
- DVD『ねこぱらだいす~田代島の猫たち~』(2010年 2月22日 スカイモーションピクチャーズ )※1、2があり、どちらも現在は完売。
- DVD『ねこ島日記』(2010年8月27日 ポニーキャニオン。ナレーション:平野綾)
- DVD『田代島ねこぱらだいす』(2012年3月11日 スカイモーションピクチャーズ)※上記DVD『ねこぱらだいす』2作の総集編に、震災後の新撮映像を加えたもの。
- 『GO!GO!猫の島 たしろじま たれ耳ジャックと仲間たち』(2009年3月 有学書林。写真:岡崎裕武)ISBN 9784901757072
- 『田代島猫景色』(2010年2月27日 TOKIMEKIパブリッシング。写真:田中良直)ISBN 9784048951555
- 『ねこじま―TASHIROJIMA』(2010年12月 ブライト出版。写真:関由香)ISBN 9784861234569
- 『のらねこ。~震災を越えて~』(2012年3月23日 エンターブレイン。写真と文:中川こうじ)ISBN 9784047279476 ※全編、田代島での写真で構成。
- 『石巻・にゃんこ島の奇跡』(2012年4月5日 アスペクト。著者:石丸かずみ)ISBN 9784757220508 ※上記の「田代島にゃんこ・ザ・プロジェクト」についてまとめた単行本。
ほか
アクセス[編集]
網地島ラインに乗って約40分で田代島に着く。石巻港からの距離は約15km。
便によって、上記航路の石巻 - 網地島間のみ、あるいは、田代島 - 鮎川間のみの運行がある。 網地島ラインの石巻港発着場へは、JR石巻駅前からミヤコーバス・2番バス停からの市立病院経由、もしくは3番バス停からの石巻市内線(
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ 第1回ひょっこりひょうたん田代島マラソン大会(NPO法人ひょっこりひょうたん田代島)
- ^ a b 猫パワーで“離島おこし”(産経新聞 2009年11月17日)
- ^ a b c d e 離島振興 田代島の紹介(石巻市)
- ^ a b 定置網の歴史(泉澤水産)
- ^ 猫神さま霊験あらたか 丸森で石像5体見つかる(河北新報 2010年1月13日)
- ^ a b マンガアイランド(石巻市)
- ^ 田代島自然教育センター(石巻市)
- ^ 小さな島に夢描く 夫婦の漁師宿(テレビ朝日)
- ^ 被災地“猫島” にゃんこ・ザ・プロジェクトで猫の手借りる、NEWSポストセブン、2011年7月2日配信(『週刊ポスト』2011年7月8日号)、2011年7月2日閲覧。
- ^ 愛ランドプラン(石巻市)
- ^ 島の宝100景(国土交通省都市・地域整備局離島振興課)
- ^ 島の守り神「猫神社」 (PDF)(国土交通省)
- ^ 仁斗田貝塚(宮城県)
- ^ あなたが選ぶ『これぞ石巻100選』結果(石巻市)
- ^ 愛の修羅バラ!(読売テレビ2010年7月25日放送)[リンク切れ]
- ^ いきなり!黄金伝説。 田代島編(テレビ朝日)
- ^ 6月29日(テレビ東京)
- ^ ねこの島便り 〜島民80人 猫100匹〜(フジテレビ)
- ^ ドキュメント20min. 「猫の楽園」(NHK仙台放送局)
- ^ 千客万来! ネコの島(仙台放送)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 田代島の紹介(石巻市)
- リフレッシュアイランド田代島(特定非営利活動法人ひょっこりひょうたん田代島)
- 網地島ライン(株)
- にゃんこ THE MOVIE 3(フジテレビ)
- 田代島 にゃんこ・ザ・プロジェクト