気象通報

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索

気象通報(きしょうつうほう)は、気象庁が発表した日本全国各地と周辺近隣諸国主要都市の天気と気温、並びに気象庁海洋気象ブイと船舶からの天気(NHKの気象通報は船舶からの報告のみ)、漁業気象概況を発表する放送番組。毎日、NHKラジオ第2放送(以下、ラジオ第2放送)が1日3回放送を行っている。

また、リスナーからはこの番組を『天気予報』と勘違いされがちである。

目次

[編集] 概要

ラジオの気象通報をそのまま聞き流すだけでは、各地点の実況・天気概況を知ることしかできないが、放送された各地点のデータを『ラジオ用地上天気図用紙(NHK第2 気象通報受信用)』に記入し地上天気図を作成することにより、天気予報に役立てることができる。

天気図用紙にはNo.1とNo.2さらに携帯用があり、No.1にはデータを記入する一覧表と地図、No.2は地図のみが記載されている。No.1が初心者向けとされている。携帯用は難易度が高く、登山者向きに作られている。

また、船舶航空などにむけ、専門的な気象資料を迅速に提供するための、「気象無線模写通報」(JMH)が、ラジオファクスの送信形式で、短波により放送されており、天気図や予報資料を画像で受信することができる。

以前は航空用気象無線模写放送(JMJ)があったが、2001年に廃止されているため、厳密な意味での航空向けはない。

ラジオ第2放送では1日3回、6時、12時、18時(日本時間。以下、全て24時間表記)の天気を放送する(放送時間は後述)。放送される「各地の天気」と「漁業気象」の原稿は、放送翌日の1:30以降に気象庁のウェブサイトに掲載される。また、1週間分の放送原稿も閲覧することができる。

[編集] 内容

各地の天気→船舶からの報告→漁業気象(台風や日本近海に接近したハリケーンのほか、低気圧高気圧前線の位置及び海上警報に準ずる風速、濃霧が発生している海域の状況、日本付近を通る等圧線の位置を数本報告)→時間があれば海上保安庁からのお知らせと続く。

  • 初めに、アナウンサーにもよるが「(時刻はただ今○時○分です。気象通報の時間です。この時間は)気象庁予報部発表の○月○日・○時の気象通報です。まず、今日○時の各地の天気、お伝えしてまいります」(カッコ内は省略される場合あり)と挨拶する。大体近隣外国の予報を伝えるところで「引き続き、今日○時の天気をお伝えしております」と断りを入れる場合もある。
  • 1992年までは冒頭で「全国天気概況」として高・低気圧の所在、日本各地の大まかな天気分布、気温の平年差などを伝えていたが、漁業気象等の情報量の増加に伴い省略され、最初から「各地の天気」に入る。
  • 船舶からの報告は、1992年までは「気象庁海洋ブイおよび船舶の報告」と読み上げ、称していた。アナウンサーにもよるが「この時間は○件の報告があります」と断りを入れることがある。
  • 船舶からの報告では、気温だけが放送されない。他の要素は陸上の観測地点と同じ。
  • 全ての放送内容が終了してもなお時間が余った場合、漁業気象の最初の部分を時間まで再度読み上げる。
  • 台風が日本に接近または上陸している場合は、定時の発表時刻の1時間後の台風情報も放送する。
  • 随時、海上保安庁からのお知らせも放送。内容として、日本付近を航行中の船舶に向けて海上自衛隊アメリカ軍の訓練が行われる海域の詳細、黒潮などの「海流推測」などの情報が提供される。
  • 終了時には原則、「以上、この時間の気象通報を終わります。(時刻は○時○分になります。NHK)」(カッコ内は省略されることがある。ただ、ここ数年NHKのクレジットを略すことが多い)とアナウンスして番組が終わる(後に番組ではないものの、コールサインが流れる)。

[編集] 気象通報の内容を読み上げるパターン

気象通報における気象要素の読み上げには定まった様式があり、以下に示すように放送される。

各地の天気は『(観測地名)では、(風向)の風 風力(数値)、(その時点の天気)、(気圧)ヘクトパスカル、(気温)度。』と読み上げる。

石垣島では、北東の風、風力4、天気は曇りで、気圧は1016ヘクトパスカル、気温は21度でした。那覇では、北北東の風、風力3、快晴、15ヘクトパスカル、22度。 ・・・ 浦河では、西北西の風、風力12、地吹雪、02ヘクトパスカル、氷点下2度。根室では、西の風、風力5、曇り、997ヘクトパスカル、氷点下4度。 ・・・ ウラジオストクからは入電ありません。 ・・・ 長春では、風向・風力は不明、快晴、22ヘクトパスカル、氷点下15度。・・・

  • 気圧については1000hPaを超える場合は下二桁のみ読み上げる(1000hPa以下は全ての数値を読み上げる)。このため石平光男アナは石垣島の天気を読み上げた後「このあと、気圧の方は1000hpaを超える場合は末尾2桁をお伝えしてまいります」(同じように佐藤桂一アナも「この後、気圧の1000単位は省略します」と伝えている)と断りを入れる。
  • 気温がマイナスの場合は、氷点下(気温)と読み上げる。
  • 観測状況により部分的な記録不明となる場合があるが、「不明」として放送する。
  • 石垣島は放送の最初に伝える観測地点であるため、後続の地点の参考になるよう各気象要素名(天気/天候、気圧、気温)を告げ、1000hPaを越える場合でも全ての数値を読み上げる場合もある。
  • アナウンサーによっては石垣島から下二桁を読み上げたり、(地名)「では」を省略したり、氷点下の気温が続いたときに「プラスの○度」と読み上げる(石平光男アナ)など、異なる点がある。また、日本に影響があるとされる台風が接近中の場合は、臨時のアナウンサーが読み上げる。

船舶の報告では、(海域名)、(緯度・経度)、以下気温の報告がない他は陸上の観測と同じ。海洋気象ブイは気圧のみ観測する、などの理由により、不明箇所が多い。

南シナ海の北緯16度、東経117度では、北北東の風、風力6、天気曇り、気圧15ヘクトパスカル。フィリピン東方の北緯17度、東経129度では、北北西の風、風力3、晴れ、14ヘクトパスカル。 ・・・ 北海道東方の北緯43度、東経150度では、南南東の風、風力8、天気は不明、998ヘクトパスカル。

漁業気象では、台風・低気圧・高気圧の位置と勢力、進行方向が、前線の場合は位置のみが報じられる。他に、強風が吹いている海域や濃い霧が発生している海域(海上警報)も報じられる。台風や勢力の強い低気圧(最大風速が25メートル以上)の場合は予報円の位置と大きさも発表される(12時間後、24時間後 台風などの大型の低気圧の場合は「70パーセントの確率で」というアナウンスがある)。最後に日本付近を通る主な等圧線の位置を報じる。

三陸沖の北緯39度、東経146度には、988ヘクトパスカルの低気圧があって、東北東に毎時45キロで進んでいます。中心から温暖前線が北緯38度、東経151度に伸び、寒冷前線が北緯32度、東経142度、北緯29度、東経138度に達しています。中心から半径900キロの円内では、15メートルから20メートルの強い風が吹いています。南シナ海の北緯20度・東経118度、15度・116度、14度・112度、17度・112度および元の北緯20度・東経118度の各点で囲まれた海域では、ところどころ濃い霧のため見通しが悪くなっています。・・・華北の北緯41度・東経117度には、1046ヘクトパスカルの高気圧があって、南東に20キロで移動しています。・・・日本付近を通る1016ヘクトパスカルの等圧線は、北緯16度・東経118度、23度・124度、・・・の各点を通っています(等圧線が一周りする場合は「・・・を通って、元の北緯16度・東経118度に戻っています。」となる)。

  • なお、北緯と東経は2つ目以降は読み上げを省略する(アナウンサーによって「同じく」または「以下」と読み上げる)ことが多いが、西経は誤認を防ぐため省略せずに必ず読み上げる。2つ以上等圧線を紹介する場合は区切りをつけて紹介する。
  • 気圧の単位は「ヘクトパスカル」と読み上げているが、1992年11月30日までは「ミリバール」と読み上げていた。

[編集] 観測地

【 】内は代替地点

[編集] 自動天気観測の導入

  • 2007年10月1日付けの通報より、足摺岬、浜田、相川、宮古で導入。
  • 2008年10月1日付けの通報より、室戸岬、西郷、小名浜でも導入。
  • 2010年10月1日付の通報より、御前崎、輪島、根室でも導入。
  • 自動天気観測の導入により一部の天気情報のアナウンスが変更されている。
    • 「雷」は通報しない。
    • 「快晴」は「晴れ」、「チリ煙霧」「砂塵嵐」は「煙霧」、「地吹雪」は「雪」で一律表現する。
    • 風向・風力・気圧の測定や天気図の記入方法に特に変更はない。
  • 参考として気象庁のリリース(PDFファイル)参照。

[編集] 放送時間

ラジオ第2放送で放送されている。

  • 9:10 - 9:30(6時発表分)
  • 16:00 - 16:20(12時発表分)
  • 22:00 - 22:20(18時発表分)
放送中止は「津波警報及び大津波警報発表により、ラジオ第2放送が緊急放送を行う場合」に限られている。2006年11月15日(水曜日)22時放送分2011年3月11日(金曜日)16時放送分から3月12日(土曜日)は放送中止となった。

ラジオNIKKEI第1放送では「気象通報・海上気象解説」として、毎日15分間放送されていた。当初は12:20 - 12:35だったが、東京証券取引所の後場開始時刻変更に伴って早朝5:30 - 5:45(3:00発表分)に移行した。2005年3月31日の放送を最後に終了している。

[編集] 担当者

22:00、翌日9:10放送分 石平光男 武井康彦 飯塚浩之 関口巌 古屋明信 西村弘 星静夫
16:00放送分 佐藤桂一 古屋明信 加治章 野口博康 児玉士誠 伊藤文樹
岡留政嗣
佐々木端
花田和明
(週替り)
(週替り)
※都合により上記以外のアナウンサーが担当する場合もある(佐藤隆輔(水曜日の22:00、翌日木曜日9:10放送分)、横山義恭ほか)。
※担当は2011年時点ではNHKOBのアナウンサー(嘱託、日本語センター所属あるいは契約出演者)の担当が中心となっている。
※22:00と翌日9:10放送分の担当者は夜勤として、その間にラジオ第1とFM放送の3:00、4:00のニュース(ラジオ深夜便内)も担当する。
※16:00放送分の担当者は平日の場合、NHKワールド・ラジオ日本独自編成の日本語ニュース担当のアナウンサーが担当。土曜・日曜・平日と重なる祝日の場合(16:00にNHKワールド・ラジオ日本独自編成の日本語ニュースがあるため、これとは別に他のOBアナウンサーまたは現役アナウンサーが担当する)、ラジオ第1で14:00(土曜日は11:00も含む)のニュースも担当する。

[編集] 気象無線模写通報

  • スケジュールは、外部リンクを参照
  • 周波数は、3622.50KHz,7795.00KHz,13988.50KHz
  • 復調するには以下の機材が必要。
    • 音源ボードを装着したうえでFAXデコードソフトをインストールしたパソコンおよび、SSBもしくはRTTYの信号を用いた短波帯の電波が受信可能な無線機/受信機。

[編集] 海外

韓国でもKBS第1ラジオで午前4時42分から気象通報が放送されている。日本でも一部地域で聴取可能であり、KBSのインターネット放送でも聴取できる。韓国に加え、日本の各地の気象も放送される(ただし一部省略)。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ 足摺岬は現在、正確には「清水特別地域気象観測所」と言い、国際名は「清水」で扱っている。以前は「清水測候所足摺分室」だった。
  2. ^ 測候所の廃止で職員による天気の観測ができないためと思われる。
  3. ^ a b サハリン州の2地点ポロナイスクとセベロクリリスクについては日本政府は「国際法上所属未定地」との立場をとっているが、ロシア連邦実効支配しており、日本・ロシア以外でロシア連邦の主権を認めている国もあるため、ここではロシア連邦に分類する。
  4. ^ テチューヘとは、日本海に面したルドナヤプリスタニから30キロ以上山中に入った町「ダリネゴルスク」の旧名であるため、テチューヘという町が「改名」してルドナヤプリスタニになったわけでは決してない。
  5. ^ 南鳥島測候所は2006年8月下旬に南鳥島に接近した台風12号により、事前に観測員が避難したため、しばらく入電なしの状態が続いていたが、同年9月末ごろより復帰した。休止の報道リンク観測再開の報道リンク

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス