松輪島

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松輪島
写真の左が北
座標 北緯48度05分00秒
東経153度14分00秒
面積 52 km²
最高標高 1,496[1] m
最高峰 芙蓉山
所属国・地域 帰属未定
実効支配:ロシア)
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松輪島マツワ島、まつわとう)は、千島列島の中部に位置する島。ロシア名はマトゥア島 (о. Матуа)。英語表記はMatua

島の名前の由来は、アイヌ語の「モト・ア(土着の者だ吾々は)」から。かつて千島アイヌが千島列島を行き来していた中で、本島に土着したアイヌが存在したため。

地理[編集]

松輪島の位置
雷公計島から望む松輪島

羅処和島の北北東、羅処和海峡を挟んだ約 30 キロメートル北緯48度5分30秒東経153度12分に位置する、長さ約 11 キロメートル、幅約 6.5 キロメートル、面積約 52 平方キロメートルのナス形をした火山島である。松輪海峡を挟む北東 18 キロメートルには雷公計島がある。 全島が概ね山岳から成り、北西から次の二つの山が座している。

  • 芙蓉山(ふようざん、別名は松輪富士、海抜 1,496 メートル[1]、ロシア名:サリチェフ山 влк.Сарычева、英語表記:Sarychev)
千島列島の成層火山では最も美しいとされる。
1760年頃、1878年 - 1879年1923年1930年1946年1960年1976年1981年1987年1989年2009年に噴火したとされる。
1946年の11月に起こった噴火は規模が大きく、降下した火山弾やスコリアが山頂火口から東山麓一帯を覆い、植生が完全に破壊され、北西海岸まで火砕流が流下した。
2009年の6月にも大規模な噴火があり、島には広範囲に渡って火砕流が流れ、上空には二酸化硫黄が拡がった。また、この噴火で噴出した噴煙により付近を通る航空路が閉鎖され、北米路線を中心に航空機の大幅な遅延や欠航が相次いだ。
なお、噴火直後の様子が、国際宇宙ステーション (ISS) の乗組員によって宇宙から撮影された。
  • 天蓋山(てんがいさん、同 127 メートル)
麓には駐留するロシアの国境警備隊の建物があり、近くには旧日本軍が使用していた、分厚い壁を持った司令団本部だったとされる建物と、対空高射砲が残されている。かつて本島に駐留していた人によれば、六門あった高射砲でアメリカ軍の飛行機を迎撃していた模様。現在は山頂にアンテナらしきものが建てられている。

海岸は概ね懸崖を成しているが、島の南部は山の裾野が広がり、海辺は浜になっている。また、島の東方約 1 キロメートル余りのところに磐城島(いわきじま、海抜約 70 メートル)があり、その間に介在する水域は「大和」と呼ばれ、1,500 トン級の船舶が停泊できる好錨地である。

気候[編集]

かつて、気象庁の気象通報では松輪島の天候、気温を発表していた。夏季は非常に冷涼である。

松輪島の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 12.8
(55)
8.9
(48)
11.1
(52)
12.8
(55)
21.1
(70)
23.9
(75)
25.0
(77)
26.1
(79)
23.9
(75)
17.2
(63)
12.2
(54)
8.9
(48)
26.1
(79)
平均最高気温 °C (°F) −3.9
(25)
−3.9
(25)
−2.2
(28)
1.1
(34)
4.4
(39.9)
8.3
(46.9)
11.7
(53.1)
14.4
(57.9)
12.2
(54)
8.3
(46.9)
2.8
(37)
−1.7
(28.9)
4.3
(39.7)
平均最低気温 °C (°F) −7.2
(19)
−8.3
(17.1)
−7.2
(19)
−2.8
(27)
−0.6
(30.9)
1.7
(35.1)
5.6
(42.1)
7.2
(45)
6.1
(43)
3.3
(37.9)
−1.7
(28.9)
−5.6
(21.9)
−0.8
(30.6)
最低気温記録 °C (°F) −22.2
(−8)
−27.2
(−17)
−18.9
(−2)
−12.2
(10)
−5
(23)
−3.9
(25)
−2.8
(27)
−1.1
(30)
−2.2
(28)
−3.9
(25)
−12.2
(10)
−21.1
(−6)
−27.2
(−17)
降水量 mm (inch) 113.3
(4.461)
88.6
(3.488)
69.1
(2.72)
96.8
(3.811)
122.7
(4.831)
84.6
(3.331)
124.0
(4.882)
150.4
(5.921)
146.8
(5.78)
124.7
(4.909)
117.9
(4.642)
104.7
(4.122)
1,343.6
(52.898)
出典: Worldwide Bioclimatic Classification System[2]
2009年6月14日に噴火した芙蓉山
2009年6月14日の噴火で噴出した二酸化硫黄の流れ

歴史[編集]

かつて、千島アイヌの中には土着する者がいた。

第二次世界大戦が始まると旧日本海軍によって島の南東部に飛行場が建設され、守備隊が置かれた。最大7,000 - 8,000 名の兵が駐屯したという。

日本の行政区分では北海道根室振興局管内の新知郡に属した。現在、日本政府は国際法的に所属未定の地であると主張しているが、ロシア連邦実効支配している。

1990年代まではロシアの国境警備隊が駐留しており、NHKラジオ第2放送気象通報での通報地点の一つだったが、1996年7月11日を最後に入電が途絶えている。現在は無人島である。

2000年代には、日・米・露共同の火山学・津波地質学・人類学の研究者らが何度か上陸している。

関連項目[編集]


参考文献[編集]

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  1. ^ a b Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月15日閲覧。
  2. ^ RUSSIA - MATUA KURIL IS, accessed 29 November 2011

外部リンク[編集]