緊急警報放送

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緊急警報放送(きんきゅうけいほうほうそう)とは、待機状態にあるテレビラジオ受信機のスイッチを自動的にオンにして行われる放送。地震など大規模災害が発生した場合や、津波警報が発令された場合などに行われ、災害の発生に伴う被害の予防や軽減に役立たせることを目的としている。

受信するには緊急警報放送に対応した受信機が必要である。

目次

[編集] 概要

該当する地域の住民の生命・財産の保護のため、放送局が緊急警報信号と呼ばれる特別な信号を前置したうえで臨時に行う放送である. 1985年9月から実施している。以下の条件のいずれかに該当する場合に行われる。

緊急警報放送の受信に対応した受信機は待機状態でも緊急警報信号を受信するための回路を作動させており、緊急警報信号を受信した際には直ちに電源をオンにして放送の受信状態に移行する。これにより、緊急警報放送の開始時に受信機の電源がオフの状態であったとしても、放送を受信することが可能である。

放送の内容は通常の災害報道であり、安否情報や火の元の安全を呼びかける放送、津波の到達が予想される場合は警報・注意報の発令状況、津波の到達予想時刻などが繰り返し放送される。

[編集] 緊急警報放送試験放送

NHKとほとんどの民放各放送局では、緊急警報放送の受信機の動作などを確認するため、試験放送を月1回程度放送している。 NHKは、毎月1日(1月に限り4日)の昼 (11:59 - 12:00) にデジタル総合テレビ、総合テレビ、ラジオ第1、FM放送でいずれも各放送局別で、(北海道地方は平日は各局別で土日はすべて札幌からの放送。)デジタル総合テレビのワンセグも含めて試験信号放送を送出している。

  • NHKでの緊急警報放送試験信号のアナウンスの流れ(川野一宇アナによる収録音源)
    • 「今から、緊急警報放送の試験信号をNHK東京から放送します。緊急警報受信機をお持ちの方は、信号を正しく受信するかどうか確かめてください。→信号音(終了信号と同じく2秒間で4回鳴らされる)→緊急警報放送の試験信号をお伝えしました。この緊急警報放送は、大規模地震や津波などの際、自動的にTV・ラジオのスイッチを入れ、情報を伝えるものです」という流れとなっている。
    • 各地域によっては、「今から、緊急警報放送の試験信号をNHKから放送します」というアナウンスで入るところが多い。

民法各放送局でも、試験放送(夜中か早朝(局名告知前後))を行っている。 以下、緊急警報放送の試験放送を実施している局を記載する。 なおデジタルでも可聴音を出して試験放送を実施している局は○、試験放送は放送しているが地上デジタル側に可聴音(ピロピロ)は重畳しない局は△、デジタル放送では試験放送を実施していない局は×とする。

  • 試験放送の画面は20年以上前の古い映像を使用している局も多い。
  • 最近は地上アナログ放送終了告知画面とセットで放送される場合がある。
  • なお、緊急警報放送システムが運用されている民放局は少ないのが現状である。

[編集] 緊急警報放送の実際

アナログ放送の対応機種は各社から計10種類程度は発売されたが殆ど普及しなかった。最後まで残っていたパナソニックRF-U99-Kも2004年で生産を打切り市場在庫からも一旦姿を消した。のちに2007年6月10日より地震・津波などの災害時のFM緊急警報放送に対応したFM/AM2バンドラジオ「RF-U350」が改めて発売された。

デジタル放送対応チューナーは、緊急警報放送の試験信号を受信しても受信した旨の警告文を表示したり、お知らせ項目に記録を残さない。緊急警報放送の本番信号(地震や津波)を受信しても、待機から自動的に起動したり、視聴中に特定のチャンネルに切り替える旨の告知文を表示させるかどうかは各メーカーの判断(仕様)に委ねられているので購入した機器が必ず動作するなどと過度の期待は持たない方が良い(アナログ式専用受信機は試験放送を確認すると確認音と一定時間確認ランプの点灯で報知するので確認できるが、デジタルチューナーにこの確認機能は実装されていない)。

外部リンクの「NHK放送受信相談室:緊急警報放送」に(※信号受信によって自動的に起動します)と書かれているがデジタルテレビ等の受信機すべてが動作するわけではないので再確認する必要がある。

NHKで緊急警報放送の本放送が行われる場合は衛星放送も含めたテレビ・ラジオ全チャンネルを使って情報が伝達される(サイマル放送も参照。この場合、テレビ副音声とラジオ第2放送は英語放送となる。8つのチャンネルを用いて全国に中継されるので別名八波全中[要出典]。NHKワールドのテレビ・ラジオの放送も含まれる)。しかし、試験放送を行う民放各局でも津波警報が発表されても第2種開始信号等の緊急警報信号を送出することは事実上無いので手動で放送局を設定できる機種を持っている場合は、NHKに合わせておく事が大切である。

[編集] 緊急警報信号の種類

緊急警報放送の開始・終了の際に使用される緊急警報信号には第1種開始信号、第2種開始信号、終了信号の3種ある。

  • 第1種信号は東海地震の警戒宣言が発表、または各自治体(都道府県、並びに市区町村)の知事・長から避難指示(命令)が発動された場合などに送信される(第1種、第2種ともに約10秒間鳴らされる)。
  • 第2種信号は津波警報が発表された時のみ送信される。第1種信号は強制的に動作するが、第2種信号は受信側で動作させない設定が可能である(特に海岸や川の河口からはるかに離れている地域や内陸の地域)。
  • 終了信号は、第1種開始信号や第2種開始信号が送信された場合、すみやかに送信される。(概ね10分以内 信号音は2秒間で4回鳴らされる)
  • 試験信号は、終了信号と同一であるが、開始信号を送信することなく終了信号のみが送信された場合を意味する。試験信号は受信機が正常に動作するかどうかを確認する信号である(事実上、緊急警報放送の定期放送ともされている)。

[編集] 地域符号

緊急警報信号には、特定の県にだけ警報を発する「県域符号」、より範囲の広い「広域符号」、全域に発する「地域共通符号」がある。

[編集] アナログ放送での緊急警報放送

アナログ放送では、緊急警報信号は音声信号を使用し、デジタル信号の「1」を1024Hzの音声信号、「0」を640Hzの音声信号に周波数変調したものを使用して64bpsの通信速度で送信されている。そのため緊急警報信号の送出時に受信状態にあれば、専用の受信機がなくても警報信号音(ピロピロ音)を直接耳で識別することができる。

[編集] デジタル放送での緊急警報放送

デジタル放送では、緊急警報信号は緊急警報放送識別子というデータで送信される。

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[編集] 受信機の消費電力の問題

緊急警報放送によって受信機を待機状態から受信状態に移行させるには、対応した受信機を用いる必要がある。待機状態を実現するためには、受信部と解析部を常時通電しておくことが必要であることから、電力消費は多いと思わているが、アナログ式受信機は電化製品や映像機器の待機電力よりも低消費電力である。アナログ式専用受信機は0.3ワット(年間電気使用料は1キロワット時当たり22円換算で約58円)、アナログ式ラジオ兼用機は1ワット(年間電気使用量193円)である。

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[編集] 過去に適用された事例

※特記無しの場合津波警報発表による

最初の緊急警報放送実施
緊急警報放送施行以来、大津波警報が出された唯一の事例で、警報が間に合わなかった初の事例でもある。
地震後ほどなくして津波警報発令。北海道南西沖地震の教訓が生き、北海道本土では死者・行方不明者が全く出なかった。
父島で1m3cmの津波が観測された事から、北海道・本州・四国の全ての太平洋沿岸、北方四島・伊豆諸島の全ての海岸、東京湾、大阪湾沿岸に津波警報が、壱岐・対馬・五島列島などを含む九州・沖縄(南西諸島)・山口県の全ての海岸に津波注意報が発令された(言い換えれば山口県以東の日本海沿岸と瀬戸内海沿岸以外の全ての海岸が津波警報・注意報の対象)が、大きな被害は発生しなかった。
1999年の新体制施行以来初の緊急警報放送。宮古島、八重山諸島に津波警報が発令され、2mの津波が予想されたが、地震の原因となった断層の活動が横ずれ型であったために、実際は微弱程度で済んだ。
  • 2002年3月31日 - 台湾付近の地震
宮古島、八重山諸島に津波警報(予想1m)、沖縄本島にも津波注意報(予想50cm)が発令されたが、島民の殆どが避難しなかった。事実、津波による大きな被害も発生しなかった。
北海道南西沖地震以来の、2mを越える高さの津波が北海道南東部に押し寄せた。津波警報発令にも関わらず釣りに出ていた2名が津波に飲まれて行方不明になった(うち1名は後に遺体で発見)。この2名以外に死者・行方不明者は出なかった。
地震は9月5日の19:07と23:57に発生。2回目の地震で日付の変わった9月6日0:01に津波警報が発令されたため緊急警報放送実施。なお1回目の地震でも津波注意報が発令された。
オホーツク海沿岸で津波予報史上初となる2mの津波予想がされた(実際に観測された最大高の津波は三宅島で観測された80cm。しかしこの津波は津波警報、注意報がすべて解除された後に到達した)。
当時NHKでは大河ドラマ「風林火山」の再放送がされていたが、津波警報発令により急遽中断の上、緊急警報放送を実施。予想の1mを超える津波は観測されなかったが、広い範囲で津波が観測された。

[編集] 備考

かつてNHKでは緊急警報放送の際に、開始と終了を予告していた。つまり、津波警報発令の一報が入ると「緊急警報放送です」と、今から緊急警報放送が始まる事を伝え放送を開始(いわゆる「長いピロピロ音」の発信)し、終了信号が発信される直前になると「緊急警報放送はこれで終了しますが、引き続きテレビやラジオでは津波に関する情報をお伝え致します。これから放送する(出す)信号でお宅のテレビやラジオの電源が切れた場合は、改めて電源を入れて頂きますようお願いします」と、放送終了の案内(言い換えれば緊急警報放送受信機を備えている家庭への気配り)をして終了信号(短いピロピロ音を4回)を発信していた。しかし1994年以降になると緊急警報放送の開始は唐突(津波警報が発令されてすぐ)になり、終了信号を発信する手前に「もし次の信号で電源が切れた場合は…」の案内もしなくなっている。

[編集] 関連法令

  • 無線設備規則第9条の3 - アナログ方式の信号の定義
  • 無線局運用規則第138条 - 使用用件
  • 昭和60年郵政省告示第405号 - アナログ方式のデータフォーマットの定義

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク