NHKネットラジオ らじる★らじる

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NHKネットラジオ「らじる★らじる」(エヌエイチケイネットラジオらじるらじる)は、日本放送協会(NHK)が2011年9月1日から開始し[1]2013年度末まで試行予定[2][3]の、NHKラジオ第1第2FM)のIPサイマルラジオ・サイマル配信サービス(ライブストリーミング)やその公称・愛称である[4]

概要[編集]

山あいやコンクリートの建物の中など、電波が届きにくい場所や、外国からの電波の混信を受けていた難視聴地域で聴取状況を改善し、きれいな音で楽しめるようにすることが目的である[2]民放ラジオ局は同様のインターネットによるサイマル配信サービスradiko2010年3月15日から開始していた。

サービスの名称は、公称がNHKネットラジオ、愛称がらじる★らじる[4]

2011年9月1日11時(日本時間)からインターネットによるサイマル配信が開始された(ウェブサイト自体は同日午前10時から運用開始。同時に再生するためのプレーヤーも提供開始)。オープニングとして同日10時55分から15分間ラジオ第1で『NHKネットラジオ らじる★らじる スタート』が放送された[5]。同年10月1日からラジオ番組表の表示と、スマートフォン向け配信も開始された[4][6]

サイマル配信対象のラジオ放送はラジオ第1・ラジオ第2NHK-FM

サービス期間については、2011年9月1日から2013年度末まで試行し改善効果を検証する予定と発表された[2][3]。 2014年3月12日付で、平成26年度のらじる★らじるの実施が総務大臣に認可されたと発表された。

聴取状況は、2011年9月から12月において、同時ストリーム数[注 1]はラジオ3波合計で平均3000、最大で12700を記録し、ユニークIP数[注 2]ではラジオ3波合計で平均52000、最大100000を記録した[7]。月間転送量は2011年11月実績で約50TB、そのうちスマートフォン向けは約25TB[8]

対応機器・アプリケーション・聴取方法[編集]

聴取方法は、ウェブサイトを利用する場合では「らじる★らじる」公式サイトにある「R1」「R2」「FM」それぞれのボタンをクリック[3]、または各種対応アプリを利用する。

対象機器・アプリケーションは下記の通り。

配信対象地域[編集]

海外での聴取は不可

2013年5月27日17時00分(JST)時点では日本国内全域に向けて東京局の内容(裏送り送出分を含む)・大阪局・名古屋局・仙台局の内容が選択して配信されている[注 3]

放送法で「協会(NHK)は、中波放送第1第2)と超短波放送FM)とのいずれかおよびテレビジョン放送がそれぞれあまねく全国において受信できるように措置をしなければならない」と定められていることや、民放ラジオ局のように地域ごとにスポンサーを集めて放送する形態ではないため、radikoのようなエリア制限は行わず日本全国が対象地域である[6]。日本国内の難視聴地域の救済を目的としているため、IPアドレスによる地域判定により[2]、日本国外では同サービスは利用できないが、[6]香港で聞けるという報告があった[13]

ただしradikoでも導入されている地域判定システムを利用して、サービスエリアの細分化を検討している。会長の松本正之(当時)は2012年12月の定例会見において、近畿・中京の両広域圏宮城県について、全国網から切り離し各エリアを担当する放送局の地元放送配信に切り替える方針と、それに伴う国への認可申請を行ったことを明らかにした[14]南海トラフを震源とする巨大地震への備えという意味もあるが、宮城県が含まれたきっかけは東日本大震災を踏まえたもので、東北ブロック全体で普段からラジオ聴取習慣定着に取り組んでいることによるとみられている[注 4]。なお、認可申請の中では各放送局からの配信についても配信対象地域は従来通り日本国内全域とし、radikoのような日本国内での地域制限はしない方針である。そのため、裏送り送出を含む東京局の番組と各地域放送局の差し替え番組の選択が事実上可能となる見通しとなった。[要出典][注 5]

2012年12月4日、NHKは総務省に対して「協会のラジオ放送が聴取しにくい状況の改善に資するため、その放送番組を放送と同時にインターネットを通じて一般に提供する業務における提供番組の追加」という内容の認可申請を行い、2013年1月16日の総務省電波監理審議会の審査を経て、同日に認可された。2013年5月27日17時00分(JST)から、仙台名古屋大阪の3つの放送局から放送されている地域番組がPCのみ聴取可能(後にスマートフォン版にも拡大)となった[15]

配信内容[編集]

同サービスではPCで「東京」を選択して聴取した場合(初期設定が東京となっているため地域選択をしない場合も含む)やスマートフォンでは、「JOAK(-FM)」(第1とFM)・「JOAB」(第2)(放送センター)の東京発全国放送(ローカル番組の時間帯は、ラジオ第1・第2では「関東広域放送」、FMでは「東京地域放送」)をサイマル配信する[注 6]

また前述の通り、PCでは2013年5月27日、Android OSスマートフォンは2013年8月8日、iOSは2013年8月30日[16]より「仙台」・「名古屋」・「大阪」を選択した場合は各放送局の第1・FMの地域番組が聴取可能となった。

一方で仙台・東京・名古屋・大阪の各放送局以外のラジオ難聴地域では、当初から全国放送を前提としているラジオ第2を除き、地域放送の時間帯における地元の番組を聴くことができない[注 7]

地域によっては高校野球地方大会(支部予選決勝を含む。春季は6月、夏季は7月下旬、秋季は10月〜11月に集中)やNHK全国学校音楽コンクール地方大会(FMのみ)、その他ローカルでの地域番組やスポーツ中継差し替えのため、地上波では聴取できなかった通常の全国放送番組が、「らじる★らじる」では聴取可能となるため、地域や状況によっては地上波の未放送番組を補完する役割もある[注 8]。特に先述に挙げた理由により地上波で聴取できない地域ではネットラジオを利用する人が多い傾向にあり、ラジオ第1放送の生放送番組でもリスナーから「高校野球地方大会で聴けないので、らじる★らじるで聴いています」といった声も多く寄せられているという。

配信時の音声は地上波放送と同様で、ラジオ第1・第2はモノラル、FM放送はステレオである。

配信方式はradikoと同様にストリーミング方式を用いており、HE-AACWindows Media Audio形式 48kbpsでエンコードされ[7][注 9]、Flash形式・Windows Media形式(パソコン向け)とHttp Live Streaming形式(スマートフォン向け)でコンテンツデリバリネットワークを通じて配信される。音声レベルはradikoと同程度の+6dB[注 10]に調整されている。

らじる★らじるのサイマル配信による遅れ時間(タイムラグ・ディレイ)は地上波放送(AM・FM)と比べて、数秒から数十秒存在する[2][6][注 11]

サイマル配信されないコンテンツ・内容[編集]

土曜・日曜・祝日の11時50分 - 正午までのローカル枠(地上波第1放送では関東地方の天気予報・交通情報の時間・コールサインアナウンス(東京)。平日ではコールサインアナウンス以外はそのまま放送)、政見放送や前述の高校野球地方大会[注 12]・NHK全国学校音楽コンクール地方大会のほかに、インターネット向け放送権の権利処理が困難な一部番組(スポーツの国際大会を中継するジャパンコンソーシアム制作番組[注 13]、権利処理ができないクラシック音楽の一部番組[17][注 14]など)・権利処理が困難な一部の楽曲もサイマル配信されない。

権利上の理由でサイマル配信されない全国放送番組(東京以外は一部の地域番組を含む)がある時はウェブサイトに告知される。当該時間帯は独自のフィラー音楽[注 15]と概ね3分おきに1回のペースで「『NHKネットラジオらじる★らじる』です。ただいま放送中の内容は『NHKネットラジオ』ではお聞きいただけません」(2回繰り返し)と出山知樹(かつては山田敦子(現:日本語センター専属))による事前収録のアナウンスが入る[注 16]。当該時間帯の番組表には「この時間はNHKネットラジオではお聞きいただけません。ラジオ放送のみで放送しています。」という記述がされている。

東京の場合コールサインである「JOAK(-FM)」「JOAB」のアナウンス、番組中(通常は毎時28分ごろ)に挿入される関東地方の交通情報は配信されない(毎時55分 - 00分までのローカル放送時間帯は土日祝の正午前の枠を除きそのまま放送)。東京以外ではコールサイン含めそのまま放送される。全国向け番組でも時報・緊急地震速報(自動音声)・緊急警報放送(信号音。毎月1日放送の試験信号放送では案内アナウンスも含む。ただし、東京以外はそのまま放送)は配信されない[注 17][6]。緊急地震速報は、フタかぶせ装置により普通の番組音声と共に無音化される[注 18]。また時報の場合は、鳴動時に440Hzと880Hzのカットフィルタが作動して時報音のみが除去される[注 19]ため無音にならず、番組音声はそのまま配信される[8]

「東京」選択時はローカル放送で割り込む気象警報(発令・解除共通)、記録的短時間大雨情報土砂災害警戒情報など気象に関する情報は配信されず、地震情報も東京からの全国一斉放送のものを除き配信されない。

また、東京のラジオ第1放送・FM放送[注 20][注 21]以外では、不定期(FMは主に日曜深夜、ラジオ第1は主に月曜深夜のそれぞれ1時から5時)で放送設備メンテナンスによる休止・およびラジオ第1では出力減力放送となる場合があり、放送休止が生じる地域の放送を受信した場合は地上波と同じく放送休止(無音かテストトーンによる信号音。まれに通常番組の音声が入る場合もある)となる。

キャラクター[編集]

NHKラジオのキャラクターとして2011年4月20日から「らじる」が登場したが[18]、らじる★らじるも連動して行う[6]。名前の由来は「ラジオする。」から[18]。声優は久保田恵[19]

試行サービス開始前の事例[編集]

この試行サービスが開始される以前にも、2011年3月11日東日本大震災発生直後から同年3月22日20時までラジオ第1のみインターネットでサイマル配信を実施していた。ただし、この時はあくまでも特別措置としての実施であり、速報として伝える情報の減少や、インターネット上の著作権の承諾を受けていない番組の再開を受け終了している。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 何台のパソコン等が同時に接続されているかを示す数値。
  2. ^ 1日で総計何台のパソコンが接続されていたかを示す数値。
  3. ^ パソコンとスマートホンで利用でき、アプリでの聴取はスマホアプリ(Android OS版)を8月8日にリリースを開始。iOS版のリリースは8月30日を予定。
  4. ^ 2012年度から、宮城県では『宮城100%井戸端ラジオ ゴジだっちゃ!』(平日夕方)、岩手県では『がんばろう!いわて』(月曜夜『NHKきょうのニュース』地域枠)、山形県では『公民館でなまらナイト』(原則月1回夕方)が新たに始められた。
  5. ^ ただしまだ「試験運用」段階であることとまだ全国で地域放送への差し替えができない段階であることに留意する必要があり、全国で体制が整い本格運用となった場合、電波と同じエリア設定に変えられる可能性は残されている。radikoは本運用に移行したため、エリア制限解除は大規模災害の発生時など非常事態に限られている。
  6. ^ 地上波では、全国向け番組を関東・東京都向けのローカル特別番組(例は春季・夏季・秋季に行われる高校野球地方大会・政見放送NHK全国学校音楽コンクール地方大会)に差し替えて放送している場合でも、裏送り送出で全国向け番組が配信される(全国放送用のラジオ・FM光回線で流れているものと同一)。ただし、ローカルニュースの時間帯では関東地方が高校野球地方大会などが放送され、関東地方のローカルニュース自体が放送されない場合はフィラー音楽(クラシック音楽)に差し替えられる。
  7. ^ 東京都内でも高校野球地方大会・政見放送・NHK全国学校音楽コンクール地方大会は聴くことができない。土日祝11:50〜12:00のローカル枠も前半の5分間を全国向けの裏送り番組(『音の風景』『みんなのうた』)、後半の5分間をフィラー音楽にそれぞれ差し替えている
  8. ^ 番組内でもローカル特番などで通常の地上波では聴取できない場合、「らじる★らじる」での聴取が可能であることをアナウンスすることもある。
  9. ^ エンコーダ装置はEnvivio製の4Casterを使用[8]
  10. ^ NHKの音声の基準レベルは-18dBであるため、NEC製の音声リミッタ/コンプレッサを使用して音声レベルを上げている[8]
  11. ^ 機器・地域・通信環境の状況によって遅延時間が変化するため、数秒〜数分と想定されている[8]
  12. ^ 但し秋季地区大会の内東北・東海・近畿の各大会は仙台・名古屋・大阪の各局で配信される。
  13. ^ ジャパンコンソーシアム制作番組に限らず、配信されないスポーツ中継でもニュース番組内で放送されるスポーツニュースでは報道目的で中継音源がそのまま配信される(原則としてラジオの中継音源が流れるが、ラジオの中継がない場合はテレビ放送用のものが流れる)。ただ、試行配信期間内に行われる2012年ロンドンオリンピック2014年ソチオリンピックでは日本国内の放送権がテレビ・ラジオのほかインターネットや携帯電話など全てのメディアも含まれており、2012年のロンドンオリンピックに関しては「らじる★らじる」でもすべての時間帯でそのまま同時配信された。
  14. ^ 同時配信をしないことを確認できるものでは主にFM放送の『ベストオブクラシック』のごく一部の放送回、2013年元日のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ニューイヤーコンサート、同年1月3日の『第56回 NHKニューイヤーオペラコンサート』が該当する。
  15. ^ 再生装置はファイルベースのTEAC製TASCAM HS-4000[8]。使用しているフィラー音楽は『歌の日曜散歩』『ふるさとラジオ』『つながるラジオ』などNHKラジオ第1で用いられていた番組テーマやBGMを中心に構成したもので約40分サイクルで流される。
  16. ^ 2011年9月1日の試行サイマル配信開始1時間前にもフィラー音楽と断りアナウンスを試験配信していた。
  17. ^ いずれも無音状態で緊急地震速報では2011年9月21日の22:30頃に発生した地震で初めて適用された。
  18. ^ 緊急地震速報時の無音化:強制遮断されるため、一瞬ノイズが入る。
  19. ^ カットフィルタ装置はNEC製のED-FL800を使用[8]。実際は時報音を完全にカットできず、わずかに「カチッ、カチッ…」とフィルタを通した時報音が聴き取れる状態となっている。まれにカットフィルタ装置が作動せず、時報音がそのまま流れることもある。
  20. ^ 放送設備メンテナンスがある時は、原則として放送休止とはせず出力減力放送となる。らじるらじるではその旨のアナウンスは割愛されている
  21. ^ 関東地方全域が放送休止となる場合でも裏送り送出で対応しているため通常通り放送される。

出典[編集]

  1. ^ NHKネットラジオ始まる - NHKニュース 2011年9月1日
  2. ^ a b c d e らじる★らじるとは - NHKネットラジオ
  3. ^ a b c NHKラジオ、放送と同時に番組をネット配信する「らじる★らじる」 - INTERNET Watch 2011年9月1日
  4. ^ a b c d NHK IPサイマルラジオサービスの名称について (PDF) - NHK ラジオセンター・編成局 2011年7月15日
  5. ^ 「NHKネットラジオ らじる★らじる スタート」チャンネル:ラジオ第1、放送日:2011年9月1日(木)、放送時間:午前10:55〜午前11:10(15分)、ジャンル :情報/ワイドショー>番組紹介・お知らせ | 放送作家…石井彰、【アナウンサー】山田敦子 - NHK第1番組表 2011年9月1日
  6. ^ a b c d e f NHKラジオのインターネット配信 開始日決定 (PDF) - NHK 2011年6月2日
  7. ^ a b c (3)インターネットによるラジオ再送信の本格化 - 総務省 情報通信白書 平成24年(2012年)版
  8. ^ a b c d e f g 猪瀬泰美・植本匡・麻王孝・ 小倉武紘・小野裕司・市川健一郎・斎藤英之「NHKネットラジオ“らじる★らじる”の概要」、『放送技術』第65巻(2012年2月号)、兼六館出版、2012年2月ISSN 0287-86582012年2月10日閲覧。
  9. ^ NHKラジオが10月1日にAndroidから聴取可能に - AV Watch 2011年9月30日
  10. ^ NHKラジオが聞けるiPhone向けアプリ『NHKネットラジオ らじるらじる』配信開始! - サーチナ 2011年10月27日
  11. ^ a b NHKラジオを手軽に聴ける「らじるろいど」 - Appllio 2011年9月9日
  12. ^ Razikoがアンドロイドマーケットに復活、NHKラジオの聴取も可能に - Appllio 2011年10月16日
  13. ^ アニソン・アカデミー」2013年8月3日放送より
  14. ^ ラジオ地域放送のインターネット同時配信の認可申請について”. NHKトップトーク 会長記者会見要旨 2012/12/6. 日本放送協会 (2012年12月6日). 2012-12-0845閲覧。
  15. ^ 「NHK春のラジオ祭り2013」報道資料 - NHK広報局(2013年3月7日)
  16. ^ 「大阪・名古屋・仙台 らじる★らじる iOSアプリ 8月30日公開」(PDFファイル)”. 日本放送協会 (2013年8月29日). 2013年9月28日閲覧。
  17. ^ クラシック音楽の一部:NHKのラジオネット配信がスタート「らじる★らじる」 - ITmedia 2011年9月1日
  18. ^ a b NHKラジオ イメージキャラクター 登場 (PDF) - NHK 2011年4月20日
  19. ^ らじる★らじる - 茶柱たった。(久保田恵公式ブログ) 2011年8月31日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]