もみじ饅頭

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もみじ饅頭

もみじ饅頭(-まんじゅう)は、饅頭の一種であり、広島県厳島(宮島)の名産品である。

目次

[編集] 概要

[編集] 位置づけ

紅葉の名所として知られる日本三景安芸の宮島の名物で、代表的な土産品である。現在では広島市内でも多くの店舗で購入が可能で、広島みやげとして全国的な知名度がある。2009年朝日新聞が会員サービス「アスパラクラブ[1]」内で行ったアンケート調査「日本一のまんじゅうは?」でも、全国1位となっている[2][3]

宮島(厳島)には多くの店舗(もみじ饅頭メーカー・土産品店)が軒を連ねており、昔ながらの茶屋の風情で緑茶コーヒーとともに焼きたてのもみじ饅頭を供している。

[編集] 呼称・表記

もみじ饅頭」が一般的だが、商品によっては「もみじまんじゅう」とも表記する(後藤製菓、藤い屋など)。これは他の多くの饅頭と同様、土産品として親しみをもたせるために平仮名で表記していると考えられる。通常、「紅葉饅頭」や「紅葉まんじゅう」とは表記しない。

略称として、「もみまん」と呼ばれることがある。もみじ饅頭がブームとなった1980年代から、主に地元の中高生が(性的なジョークのニュアンスを込めて)使用していた語[要出典]だが、近年になって「もみまんソフト」というもみじ饅頭味のソフトクリームや、老舗である後藤製菓から萌えイラストをあしらった「もみまん。」なる商品が発売されるなど、「もみまん」の語が公然と使用される例が出てきている[4]

[編集] 構造・製法

焼饅頭の一種である。小麦粉砂糖蜂蜜を原料とするカステラ状の生地でを包み、モミジの葉をかたどった型に入れて焼き上げる。餡はこしあんが基本で、製法についてはどの製造元でもほぼ同一である。

1960年代までは、一つ一つ手で焼き型を押さえて焼き上げていたが、大型の機械で焼き型を次々に回転させる「もみじ饅頭焼成機」を広島市内の業者が開発してから、どの店でも一定の品質を保ったもみじ饅頭の製作が可能になった。機械の開発に合わせて餡を大量・均質に整形する必要が出てきたため、宮島の菓子組合加盟10社が共同で餡の自動整形機を開発するということもあった。現在の焼成機はガス加熱式が主流で、多いものは1時間あたり2500個の製造能力がある[5]。島内のもみじ饅頭メーカーや土産品店の店頭では、この焼成機で次々にもみじ饅頭ができる様子を見ることができる(島外でも、広島駅前の福屋百貨店山陽自動車道福山サービスエリア上り線などで見られる)。

[編集] 餡の種類

現在では非常に多くのバリエーションがある。商品名は店によって異なることもあるが、チーズ入りなら「チーズもみじ」、抹茶あん入りなら「抹茶もみじ」というように、「○○もみじ」という名称で呼ぶことが一般的である。

こしあん
もみじ饅頭が誕生した1906年(明治39年)当時からの、もみじ饅頭の基本とされる餡。
つぶあん
昭和初期、若き日の「ヒゲの殿下」こと高松宮宣仁親王が厳島を訪問した際、所望したのがきっかけで誕生した。
白あん・抹茶あん・栗あん
第二次世界大戦後に考案された。最中や栗まんじゅうなど、各地の銘菓を参考にしたもの。
チーズ
1980年代、もみじ饅頭のブームが到来した際に考案された、最初の変わり種あん。食べる際に電子レンジで1個10~20秒加熱(500W)すると、チーズがとろけておいしくなる。
チョコレート
チーズ入りとほぼ同時期に登場し、扱う店舗数もチーズ入りと同程度。これも、少し温めるとチョコレートがとろけておいしい。また、冷凍庫で冷やしても味わいがよい。
クリーム
カスタードクリームが入っている。
その他
りんご(角切りしたもの)、、クリームチーズ、芋あん、竹炭パウダー入り(にしき堂黒もみじ)など、現在も新商品の開発が続いている。

[編集] 入手方法

宮島および宮島口周辺で手に入るほか、広島市内のデパートや広島駅ビル、メーカー直営店で豊富な種類が手に入る。山陽新幹線の車内販売メニューにもある。

福山市などの県東部(備後地方)でも有名メーカーのものが多く売られている。県外では広島県のアンテナショップや一部のコンビニエンスストアファミリーマートなど)で売られているほか、大手流通企業のプライベートブランドの菓子商品にもみじ饅頭が入っていることがある。

[編集] 他地域

愛知県豊田市香嵐渓でも製造・販売されている。外見などは広島のものと大して変わらない。

[編集] 歴史

[編集] 起源

もみじ饅頭を発案した人物は明治後期の厳島(宮島)の和菓子職人、高津常助とされている[6]。島内の名所・紅葉谷の旅館「岩惣」には、当時伊藤博文ヘレン・ケラーら国内外の要人が多く投宿していたが、この岩惣に和菓子を納入していた高津は、宿の仲居(おまんという名だという)から「紅葉谷の名にふさわしい菓子が作れないか」と依頼され、試行錯誤の結果1906年(明治39年)に「紅葉形焼饅頭」を完成させた。4年後の1910年(明治43年)7月18日には商標登録しており、この商標登録証は子孫の元に残っている。なおこのとき登録された焼き型は「7つの切れ込みのある葉に短い葉柄がついたもの」であり、今日のもみじ饅頭とは趣が異なるが、しばらくして高津はより現在の形に近い焼き型を使い始め、この型は現存している。呼び名も、常助の代にはすでに「もみじ饅頭」と呼ばれ始めていたと本人が子孫に語っている[7]

商標権の有効期間は当時20年間であったが、高津は権利の更新を行わなかった。このため、島の土産品店などでも型さえあれば製造・販売が可能になり、その後の発展につながっていった。

はじめ、中身はこしあんのみであったが、昭和初期にはつぶあん(小倉あん)のもみじ饅頭(つぶもみじ)が考案された。こちらの起源は岩村もみじ屋である。1934年(昭和9年)5月10日高松宮宣仁親王が厳島を訪れた際、同店の初代・岩村栄吉に「つぶあんはないのか」と所望したのがきっかけで誕生した。

伊藤博文の冗談が起源とする説について
もみじ饅頭の起源には伊藤博文がかかわっていたという説があり、今日でも広く流布している。内容は、「伊藤が岩惣の茶屋で休憩していた折、給仕した娘の手を見て『なんと可愛らしい、もみじのような手であろう。焼いて食うたらさぞ美味しかろ』と冗談を言ったのを岩惣の女将が聞きとめ、饅頭屋がこの話をヒントに考案した」というものである。伊藤は当時から厳島びいきで知られ、たびたび島に滞在していた上(厳島の項目を参照)、当時すでに総理大臣を辞して大勲位にあって「女好きの好々爺」というイメージが民衆の間に確立していたことから、この説は広く受け入れられた。現在でも、大手もみじ饅頭メーカー(例えばやまだ屋:もみじ饅頭の由来)や地元の宮島観光協会(宮島観光協会:もみじ饅頭)が由来として掲げるほど親しまれている説である。実際にはそのようなエピソードの記録は公式に残っているわけではない。前述の高津常助はこのあたりの状況を熟知していると考えられるが、伊藤とのつながりを認めたことはない(ただし否定したこともない)。そのため「茶屋の娘へのお色気冗談」説は、あくまで俗説・噂にとどまる。ただし高津の和菓子屋「高津堂」は伊藤の定宿である岩惣の門前にあり、取引先の岩惣の依頼でもみじ饅頭を考案したのであって、高津と伊藤が互いを認識していた可能性はある。またマスコミや記録媒体が発達途上であったこの時代、休暇中の伊藤の冗談まですべて記録することには無理があり、この冗談もすべて創作と断じることはできない。

[編集] 発展

もみじ饅頭の知名度が全国的に高まり広島を代表する銘菓と認識されるようになったのは、1980年代初期の漫才ブームの中で、お笑いコンビ「B&B」の島田洋七(広島県出身)が「モミジマンジュウ!」と叫ぶギャグが流行してからである。

ブームに乗って売り上げは飛躍的に伸び、1984年に「チーズもみじ」が発売されたのを皮切りにカスタードクリーム入り、チョコレートクリーム入りなど多くのバリエーションが生み出された。

ぷよまんのヒット
1990年代に大ヒットしたゲームソフトぷよぷよ」の開発元であるコンパイルは、広島に本社を構えていた(一時期は宮島対岸の佐伯郡大野町に本社を構えた)ことから、同ソフトのキャラクターである「ぷよぷよ(ぷよ)」をかたどってもみじ饅頭製造機の焼き型とした「ぷよまん」を発売した。同社は広島市内の本通商店街広島駅ビル、もみじ饅頭の本場である宮島、遠くは幕張メッセでの東京ゲームショウに出展したブース等に「元祖ぷよまん本舗」を構えて、自社グッズとともに販売した。ぷよまんは派生商品としては異例のヒット商品となったが、ぷよぷよブームの終結やコンパイルの倒産に伴い、2003年を最後に製造・販売が打ち切られた(詳細はぷよまんの項を参照)。

[編集] 現状

大手をはじめ約20社のメーカーが伝統の味を受け継ぐ一方で、新商品や新たな試みを模索している。

近年ではカステラ状の生地にレーズンを織り込んでそのまま焼き上げた洋菓子風味のものや表面にチョコレートを塗ったもの、生キャラメル入りや竹炭入りの「黒もみじ」など、メーカーが趣向を凝らした新しいもみじまんじゅうを開発している。もみじ饅頭を衣につけて揚げる「揚げもみじ」やもみじ饅頭ソフトクリームなど、従来の概念を覆すような商品も登場している。

[編集] 主なメーカー

[編集] 脚注・出典

  1. ^ アスパラクラブ
  2. ^ 朝日新聞 2009年1月27日付夕刊be evening・同2009年1月28日付朝刊 23面
  3. ^ 新聞大好き! - 自分自身の尺度も大事にしたい
  4. ^ 宮島がモチーフの「萌え」もみじまんじゅう-広島の老舗が発売、広島経済新聞2010年1月14日付。
  5. ^ やまだ屋 - 代表取締役ごあいさつ
  6. ^ 生誕100周年もみじ饅頭物語(西広島タイムス 2007年1月1日付)
  7. ^ 生誕100周年もみじ饅頭誕生の歴史

[編集] 関連項目

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