サツマイモ

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サツマイモ
サツマイモの花
サツマイモの花
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナス目 Solanales
: ヒルガオ科 Convolvulaceae
: サツマイモ属 Ipomoea
: サツマイモ I. batatas
学名
Ipomoea batatas
L.
和名
サツマイモ(薩摩芋)
カンショ(甘藷)
英名
Sweet potato
掘りあげたサツマイモ
サツマイモ(生)[1]
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 552 kJ (132 kcal)
31.5 g
食物繊維 2.3 g
0.2 g
飽和脂肪酸 0.03 g
一価不飽和脂肪酸 0 g
多価不飽和脂肪酸 0.06 g
1.2 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
2 μg
(0%)
23 μg
チアミン(B1)
(10%)
0.11 mg
リボフラビン(B2)
(3%)
0.03 mg
ナイアシン(B3)
(5%)
0.8 mg
(19%)
0.96 mg
ビタミンB6
(22%)
0.28 mg
葉酸(B9)
(12%)
49 μg
ビタミンB12
(0%)
(0) μg
ビタミンC
(35%)
29 mg
ビタミンD
(0%)
(0) μg
ビタミンE
(11%)
1.6 mg
ビタミンK
(0%)
(0) μg
ミネラル
カルシウム
(4%)
40 mg
鉄分
(5%)
0.7 mg
マグネシウム
(7%)
25 mg
リン
(7%)
46 mg
カリウム
(10%)
470 mg
ナトリウム
塩分の可能性あり)
(0%)
4 mg
亜鉛
(2%)
0.2 mg
他の成分
水分 66.1 g

成分名「塩分」を「ナトリウム」に修正したことに伴い、各記事のナトリウム量を確認中ですが、当記事のナトリウム量は未確認です。(詳細

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
100g中の食物繊維[1]
項目 分量
炭水化物 31.5 g
食物繊維総量 2.3 g
水溶性食物繊維 0.5 g
不溶性食物繊維 1.8 g
サツマイモアミノ酸スコア [2][3]

サツマイモ(薩摩芋、学名: Ipomoea batatas)は、ヒルガオ科サツマイモ属植物。あるいはその食用部分である塊根(養分を蓄えている肥大した根)。別名に、甘藷(かんしょ)、唐芋(からいも、とういも)、琉球薯(りゅうきゅういも)。仲間に、アサガオヨウサイ(アサガオ菜)がある。

概要[編集]

ピンク色でアサガオに似るが、鈍感な短日性であるため本州などの温帯地域では開花しにくく、品種や栽培条件によってまれに開花する程度である。また、花の数が少なく受粉しにくい上に、受粉後の寒さで枯れてしまう事が多い為、品種改良では種子を効率よく採るためにアサガオなど数種類の近縁植物に接木して、台木から送られる養分や植物ホルモン等の働きによって開花を促進する技術が使われる。

1955年昭和30年)に西山市三がメキシコで祖先に当たる野生種を見つけ、イポメア・トリフィーダと名付けた。後に他の学者達によって中南米が原産地とされる。若いを利用する専用の品種もあり、主食野菜として食用にされる。 原産は南アメリカ大陸ペルー熱帯地方とされる。スペイン人或いはポルトガル人により東南アジアに導入され、ルソン島フィリピン)から中国を経て1597年宮古島へ伝わり、17世紀の初め頃に琉球九州、その後八丈島本州と伝わった。アジアにおいては外来植物である。中国(唐)から伝来した由来により、特に九州では唐芋とも呼ばれる場合が多い。

ニュージーランドへは10世紀頃に伝播し、「クマラ」(kumara)の名称で広く消費されている。西洋人の来航前に既にポリネシア域内では広く栽培されていたため、古代ポリネシア人は南米までの航海を行っていたのではないかと推測されている。

栽培[編集]

栽培法[編集]

サツマイモは繁殖能力が高く窒素固定細菌(クレブシエラ オキシトーカ( Klebsiella oxytoca )、パントエア アグロメランス( Pantoea agglomerans ))など[4][5]との共生により窒素固定が行えるため痩せた土地でも育つ。従って、初心者でも比較的育てやすく、江戸時代以降飢饉対策として広く栽培されている。数枚の葉が付いたツル(茎)を土に挿すという形で定植し[注釈 1]不定根を発生させる。その後、不定根が十分に肥大したところで収穫する方法が一般的である(種から発芽させる方法もあるが、アサガオのようにつるを伸ばして生長するためイモはあまり取れない)。農家では前年に収穫した種芋を加温して、その種芋から伸びたツルを切り取って苗とする。家庭菜園程度であれば春に園芸店やホームセンターなどでツルを購入して栽培するのが簡単である。

に苗を植え付け、晩夏からにかけて収穫する(暖地の場合)。また、肥料(特に窒素肥料)を多く与えて葉や茎が育ちすぎると、過剰成長して根の品質(外見・味)が下がる。また、極端な場合では光合成で作られた栄養が茎や葉の成長に浪費されるため、芋の収穫量が減る。サツマイモは痩せた土地でも育つので、前作で野菜が良く採れた場合、初心者は全く肥料を与えないで栽培するほうが安全である。苗が植物ウィルスに感染すると収量低下を起こすため、ウィルスフリー苗が利用される事もある[6][7]

以下は特殊な栽培法についての説明である。

  • 乾燥地ではツル苗の活着率が悪いため、種芋を直接または種芋を適当な大きさに分割して、ジャガイモのように圃場に直接植えつける(直播)こともある。ただし収量は減る[要出典]。栽培の省力化を目論んで種芋直播用農機具の技術開発が行われている[8]
  • 希少品種などの極少量の種芋から多くの苗を得ることを目的に種芋を輪切りにして、その切断面から不定芽を出させる方法もある。
  • 開花しやすい系統では種子(真性種子)から栽培されるものもある。遺伝的なバラツキが大きいが、種芋と比べて種苗の維持管理が簡単なため、劣悪な環境での栽培や救荒作物として期待されている。

病害虫[編集]

病気
害虫
  • サツマイモネコブセンチュウ、ドウガネブイブイ、チャイロムナボソコメツキ、イモキバガ、ナカジロシタバ

沖縄県全域、奄美群島、トカラ列島、小笠原諸島ではイモゾウムシ[9]、サツマイモノメイガ[10]による被害が問題となっているが、根絶に向け不妊虫放飼法による対策も行われている[11]

品種[編集]

産地[編集]

世界[編集]

世界食料機構が発表した統計資料によると、2008年平成20年)の全世界における生産量は1億605万トンであり、主食にするイモ類ではジャガイモ(同3億2556万トン)、キャッサバ(同2億3246万トン)に次ぐ。生産地域は中国に極端に集中しており、その大部分は酒類等への加工用である。日本の生産量は101.1万トン。

  1. 中国 80,522,926トン(75.9%)
  2. ナイジェリア 3,318,000トン(3.1%)
  3. ウガンダ 2,707,000トン(2.6%)
  4. インドネシア 1,876,944トン(1.8%)
  5. ベトナム 1,323,900トン(1.2%)
  6. タンザニア 1,322,000トン(1.2%)
  7. インド 1,094,000トン(1.0%)
  8. 日本 1,011,000トン(0.95%)
  9. ケニア 894,781トン(0.84%)
  10. マダガスカル 890,000トン(0.84%)
サツマイモ畑

日本[編集]

日本における主産地

鹿児島県茨城県千葉県宮崎県徳島県が全国のトップ5県。この5県で全国の8割、とりわけ鹿児島県は全国の4割を産する(2005年平成17年)産農林水産省作物統計)。同県ではでんぷん原料用としての作付けも多い。これほど産地が偏在しているのには幾つか理由がある。まず、水はけの良い火山灰を含んだ土地がサツマイモも栽培に適するのだが、そのような土壌が鹿児島には広がっていること。また、サツマイモは地上に実を付ける作物ではないため、比較的風害にも強い作物だと言えるが、台風がしばしばやってくる鹿児島においては、この風害に強いという点が他の作物よりも有利だったことも挙げられる。

ブランド産地

日本列島におけるサツマイモの歴史[編集]

種子島西之表市に建つ「日本甘藷栽培初地之碑」
  • サツマイモがフィリピンから中国に伝来したのが1594年である。同年、宮古島の村役人、長真氏旨屋(砂川親雲上旨屋)が首里王府への帰途に逆風で中国に漂着し、1597年に中国を出発したが今度は九州に流れ着き、それからようやく帰島した。この時に宮古島へ苗を持ち帰ったのが日本最初の伝来となる。旨屋は栽培の普及に努め、島では主食となるほどに広まった。死後はンーヌ主(芋の神様)として御獄に祀られている。ただし伝承の考察から、実際には1618年ではないかという推測もある。宮古島から沖縄本島へは伝播しなかった。沖縄では1612年与那国島1694年石垣島など、それぞれの島ごとに中国から、本島とは関係なくばらばらに伝来し、その島内では急速に普及が図られるものの、他の島へ伝えるのは消極的だった。
  • 2013年現在、宮古島の大座御嶽にて甘藷(イモ)の神を祭っている。[13]
  • 1604年、当時の琉球王国(現在の沖縄県沖縄本島に伝わる。への進貢船の事務職長(総管)であった野國総管という人物が明(今日の中国福建省付近とされる)からの帰途、苗を鉢植えにして北谷間切野国村(現在の沖縄県中頭郡嘉手納町)に持ち帰り、儀間村の地頭・儀間真常が総管から苗を分けてもらい栽培に成功、痩せ地でも育つことから広まった。種子島や本土に伝来したのはこちらの系統である。
  • 1698年(元禄11年)3月、種子島に伝わる。領主種子島久基種子島氏第19代当主、栖林公)は救荒作物として甘藷に関心を寄せ、琉球尚貞王より甘藷一籠の寄贈を受けて家臣西村時乗に栽培法の研修を命じた。これを大瀬休左衛門が下石寺において試作し、栽培に成功したという。西之表市下石寺神社下に「日本甘藷栽培初地之碑」が建つ[14]
  • 1705年1709年とするものもあり)、薩摩山川前田利右衛門は、船乗りとして琉球を訪れ、甘藷を持ち帰り、「カライモ」と呼び、やがて薩摩藩で栽培されるようになった。
  • 1711年、薩摩を訪れた下見吉十郎が薩摩藩領内からの持ち出し禁止とされていたサツマイモを持ち出し、故郷の伊予国瀬戸内海大三島での栽培を開始した。
1732年享保の大飢饉により瀬戸内海を中心に西日本が大凶作に見舞われ深刻な食料不足に陥る中、大三島の周辺では餓死者がまったく出ず、これによりサツマイモの有用性を天下に知らしめることとなった。
  • 八代将軍・徳川吉宗の当時、儒学者として知られていた青木昆陽が、その才能を買っていた八丁堀与力加藤枝直により町奉行大岡忠相に推挙され、幕府の書物を自由に閲覧できるようになった。昆陽は同じ伊藤東涯門下の先輩である松岡成章の著書『番藷録』や中国の文献を参考にして、サツマイモの効用を説いた「蕃藷考」を著し、吉宗に献上した。
 1734年青木昆陽薩摩藩から甘藷の苗を取り寄せ、「薩摩芋」を江戸小石川植物園下総の馬加村(現千葉市花見川区幕張町)、上総九十九里浜の不動堂村(現:九十九里町)において試験栽培し、1735年栽培を確認。これ以後、東日本にも広く普及するようになる。
 ただしサツマイモの普及イコール甘藷先生(青木昆陽)の手柄、とするには異説もある(詳しくは「青木昆陽」の項目参照。)が、昆陽が同時代に既に薩摩芋を代名詞とする名声を得ていたことは事実である。
  • 幕末から明治期には現在もサツマイモで名高い川越赤沢仁兵衛が実験・研究し、まとめた「赤沢式甘藷栽培法」によって収穫量が増加した。

[編集]

主に芋の部位が利用される。また、葉や茎も食用にでき、これらは主に炒めものや、佃煮、かき揚などのてんぷら素材、などにして利用される。

栄養価[編集]

でんぷんが豊富で、エネルギー源として適している。また、ビタミンC食物繊維を多く含み、加熱してもビタミンCが壊れにくいという特長がある。しかし、タンパク質の割合が低いなどの理由で、サツマイモばかり食べていると、カロリーベースでは身体を支えることができても、栄養失調(特にタンパク質の欠乏)に陥るという欠点も併せ持っている。

単位面積当たりのカロリーベース収量は、コメを上回る[15]が、この地方においてサツマイモがコメに取って代わって主食の座につけなかったのは、コメと比べて保存性に劣ること、保存性に劣るために長距離の運搬にも向かないことなどの理由の他に、栄養面(特にタンパク質)でコメに比べて不利であったことも理由となっている[15]。ただし薩摩藩ではサツマイモの栽培を通じて、当時は不毛の地であったシラス台地の開発を進め、タンパク質の含有量に優れるダイズや食用油の原料であるアブラナなど栽培の多角化に成功した。また日本の他地域と異なり古くから豚肉食が盛んであったため、上記のようなサツマイモの欠点をカバーすることが出来たと考えられる。

調理法[編集]

60程度で長時間加熱すると、デンプンを糖化する酵素が働いて甘味が増す。石焼き芋やふかし芋はこの性質により甘味を最大限引き出す調理法である。また天ぷらスイートポテト大学イモキントン、スナック菓子干し芋などに加工されることが多い。生のまま日光に晒しておくことにより、より甘味度が増す。灰汁が多いので、切ったらすぐにに晒す。

食中毒[編集]

害虫の食害やフザリウム(Fusarium)属のカビからの防御物質(ファイトアレキシン)として苦味のあるフラノテルペン類のイポメアマロン(iopmeamarone),イポメアニン(ipomeanine)やイポメアノール(ipomeanol)類を生合成する。この病変は、甘藷黒斑病と呼ばれイモは黒緑色から黒色に変色する[16]。イポメアマロンなどの生成物には哺乳類の肝臓及びへの毒性があり、肺の重度出血、間質性肺気腫、肺水腫等の症状を引き起こし家畜での中毒死事例が報告されることがある。従って、人の食用及び家畜の飼料としては使用できない。また、この苦味物質は焼酎に加工した場合でも、焼酎に移行する。

原料・飼料としての利用[編集]

デンプン[編集]

サツマイモからはデンプンを取ることができる。このデンプンは、春雨水飴などの原料となる。また、沖縄ではサツマイモから取ったデンプンがイムクジ(芋くず)という名前で市販されており、家庭でもくず餅や料理に使用される。

焼酎[編集]

サツマイモは焼酎の原料としても利用され、サツマイモを主原料とした焼酎を芋焼酎と言う [注釈 2] 。デンプンを糖化する為の麹原料として、米と共に芋が使用される。

鹿児島では江戸時代から芋焼酎が作られており、法律によって自家醸造が禁止されるまでは、広く家庭で作られていた [17]。 よって、鹿児島では「味のよい焼酎を煮れる女が立派な主婦」などと言われていた [18] 。 当時の作り方は、サツマイモを蒸してからで潰し、それに加水して2〜5日放置し、そこに黄麹を加えて攪拌して放置して作ったを、ツブロ式蒸留器で蒸留するというものだった[17]

なお、2000年代には焼酎ブームによりサツマイモ不足に陥った。また、中小建設業者が多角化の一環としてコガネセンガン(黄金千貫)の栽培に取り組む例もみられる。

原料イモの品種[編集]

食用としても広く消費されるベニアズマや紫芋の1種でアヤムラサキ、焼酎専用品種のジョイホワイトなど様々な品種が使用されており、耐病性、単位面積あたりの収穫量、デンプンの含有率、貯蔵性を良くすることに主眼が置かれた品種改良が行われている。

  • 農林2号 1970年昭和45年)頃まで中心品種として栽培されていた。
  • コガネセンガン 1966年昭和41年)に命名登録され1967年昭和42年)より用いられ1980年昭和55年)過ぎまでは中心品種として栽培された。これは、農林2号よりデンプンの含有率が高く1株当たりの収量が1.5倍であったことによる。
  • シロサツマ 1985年昭和60年)頃から、収穫後も傷みにくい。
  • シロユタカ 1985年昭和60年)頃から、耐病性があり高デンプン含有率。

このほかにも多種の品種が使用される。

飼料[編集]

サツマイモは、飼料として使用されることもある。中には、必ずサツマイモを与えなければならないという規則がある豚肉のブランドもあり、「かごしま黒豚」の定義では、肥育後期に飼料含量あたり20%のサツマイモを与える事が義務付けられている。

燃料[編集]

痩せ地での栽培に適し、デンプンを多く含むサツマイモは、しばしバイオエタノールの原料として注目されることがある。第二次世界大戦中の日本では、不足する航空機用燃料のためにバイオエタノールの製造が研究された。[19]現代においても、環境志向の高まりと将来起こるであろう化石燃料の不足に備えて、研究が進められている。[20]

文化[編集]

石焼き芋
石焼き芋屋台は秋から冬にかけての風物詩。「いしやあーきぃいも〜」という特徴のある呼び声や、地域によってはピヨーーーーという独特の笛の音を響かせて街を巡る。この笛は芋を焼く窯に取り付けられており、排ガスの圧力で鳴る仕組みになっている。
甘古呂餅(かんころ餅)
甘古呂餅は長崎特産の甘藷(サツマイモ)を薄く輪切りにし、湯がいて天日で干し上げもち米と蒸して搗き合わせ、お餅に仕上げたもの。かつてもち米の貴重だった時代にその量を増やすために作られ、冬の間の貴重な保存食でもあった。長崎の崎戸・大島、五島などの島々では今でも各家庭の伝統として伝わっている。
くりよりうまい
往時、「クリのような味」を「九里に近い」とかけて、「八里半」という名も生まれていた。この呼び名は今日でも、やや転訛したハッチャンという形で長崎県諫早地方に伝わっている。なお、隣接する島原半島内ではハチリ(八里)の呼称が一般的である。
その後、焼き芋の行商等によって「九里(栗)より(四里)美味い十三里」(9+4=13)という売り言葉も派生した。これは、サツマイモの産地として知られた武蔵国川越(現在の埼玉県川越市)が、江戸から川越街道で十三里半の距離にあったことに由来すると言われており、「九里(栗)より(四里)美味い十三里半」という言い回しもある(ただし、この由来には諸説がある)。
同様に、愛媛県佐田岬半島地域でも、佐田岬半島の長さが約13里であることから、かつては(昭和の初期頃)「栗よりうまい十三里」と言われてきた。なお、同半島は火山灰の混じる土壌でサツマイモの産地でもある。
いずれにせよ、かつて「栗に近い」と言われていたサツマイモが「栗より美味い」と言われるようになったのは、明治以降の品種改良によるものである。
芋掘り
秋、サツマイモの「芋掘り」を観光農園などで体験することができる。サツマイモは収穫しやすく、探り掘りの楽しみもあるうえ、掘った後の調理も比較的簡単であるので、学校行事等で芋掘りを行うことも多い。幼稚園保育所などでは、秋の行事として定着しているところも少なくない。収穫したイモを園庭で焼き芋にして食べる園もある。
芋堀をテーマとする本
いもづる式
犯罪捜査で一人の容疑者に捜査が及んだのをきっかけに次々と関連する容疑者に捜査が及ぶこと、科学で一つの事実が明らかになったのをきっかけに次々と関連する事実が明らかになることなど、一つのものを端緒にして関連のものに次々にたやすく手が及ぶことを言う。芋が地下茎によってつながっており、一つの芋を掘り出せば残りの芋もつる(地下茎)を頼りにたやすく見つけることができる様子から来た言葉である。
ただし、サツマイモの芋は地下茎ではなく塊根である。塊根のもととなる不定根は地表を這っている茎の葉の付け根から出ている。よってサツマイモを探すのに地下茎をたどる必要はなく、正確にはつるは地上か地表近くにある。地下茎が膨らんで食用の芋となる植物としてはジャガイモが代表的。
丸十
薩摩芋は、日本料理の献立に「丸十(まるじゅう)」と書かれることがある。
これは、薩摩藩島津氏の家紋が丸に十字であることが由来だとされている。
芋版
サツマイモなどの芋を輪切りにし、その断面に図や文を彫って印刷する簡易な印刷術。児童教育にも用いられる。

日本国内間の検疫[編集]

植物防疫法の定めにより、イモゾウムシやサツマイモノメイガなどの害虫の拡散を防ぐため国内間でも検疫が行われ[21]、沖縄県全域、奄美群島、トカラ列島、小笠原諸島からは、サツマイモやグンバイヒルガオ等のヒルガオ科植物の生茎葉及び生塊根等の持ち出しは禁止されている[22]。従って、空港などで該当する物品を所持していると没収される。ただし加工品にはこのような制限は無い。

現地の港および空港に、これらの注意を促す掲示やポスターがあるので、当地を訪問の際には参照されたい。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 五訂増補日本食品標準成分表
  2. ^ http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/search/
  3. ^ 『タンパク質・アミノ酸の必要量 WHO/FAO/UNU合同専門協議会報告』日本アミノ酸学会監訳、医歯薬出版、2009年05月。ISBN 978-4263705681 邦訳元 Protein and amino acid requirements in human nutrition, Report of a Joint WHO/FAO/UNU Expert Consultation, 2007
  4. ^ サツマイモ及びサトウキビに内生する窒素固定エンドファイト細菌の分離と同定 日本土壌肥料学会講演要旨集 (50), 54, 2004-09-14
  5. ^ サツマイモ体内からのエンドファイト窒素固定遺伝子の検出 農研機構 中央農業総合研究センター 2005年の成果情報
  6. ^ 四日市市農業センターサツマイモのウィルスフリー苗の作出
  7. ^ 培養苗はなぜ必要? 静岡県浜松市農業バイオセンター
  8. ^ サツマイモ直播栽培用の種イモ切断装置および電動播種機の開発 農作業研究 Vol.48 (2013) No.3 p.103-109
  9. ^ イモゾウムシ
  10. ^ サツマイモノメイガ Omphisa anastomosalis (Guenée, 1854)
  11. ^ 不妊虫放飼法による久米島でのイモゾウムシの根絶防除放射線利用技術データベース
  12. ^ [1]目がテン!『焼きイモ』
  13. ^ [2]宮古毎日新聞、先人の歩みに思い馳せる/郷土史研究会
  14. ^ 徳永 p.27
  15. ^ a b 小原 章裕、玉置 ミヨ子 『食品科学』 p.98 三和書房 1996年4月15日発行 ISBN 4-7833-0620-6
  16. ^ 甘藷黒斑病 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
  17. ^ a b 橋口 孝司 『本格焼酎銘酒事典』 p.155 新星出版 2004年10月15日発行 ISBN 4-405-09113-7
  18. ^ 橋口 孝司 『本格焼酎銘酒事典』 p.156 新星出版 2004年10月15日発行 ISBN 4-405-09113-7
  19. ^ 生化夜話 第17回:未知なる燃料を芋に求めて
  20. ^ バイオ燃料の原料に適したサツマイモの開発に成功 AFP BBnews 2007年11月30日
  21. ^ イモゾウムシ及びアリモドキゾウムシの緊急防除に関する省令(平成二十一年七月二十一日農林水産省令第四十六号)
  22. ^ イモゾウムシとは沖縄県病害虫防除技術センター

注釈[編集]

  1. ^ 種まきとは種子(特に真性種子)に対して使われる言葉であり、種芋やツル苗あるいは球根などの栄養繁殖の場合は定植(ていしょく)という言葉が一般的。
  2. ^ ジャガイモを主原料とした焼酎やナガイモを主原料とした焼酎も存在した。 これらは「芋」を使った焼酎であることには違いないが、通常、芋焼酎とは区別され、ジャガイモ焼酎や長芋焼酎などと呼ばれる。したがって、芋焼酎と言えばサツマイモを主原料とした焼酎と考えて良い。

参考文献[編集]

  • 徳永和喜 『歴史寸描「種子島の史跡」』 和田書店、1983年

外部リンク[編集]