ビタミンE
| α-トコフェロール | |
|---|---|
| 分子量 | 430.79 |
| CAS登録番号 | [59-02-9] |
| 融点 | 3 °C |
| 沸点 | 235 °C |
ビタミンE(vitamin E)は脂溶性ビタミンの一種。1922年にアメリカ合衆国、ハーバート・エバンス(Herbert M. Evans)とキャサリン・ビショップ(Katharine S. Bishop)によって発見された。トコフェロール(tocopherol)とも呼ばれ、特に D-α-トコフェロールは自然界に広く普遍的に存在し、植物、藻類、藍藻などの光合成生物により合成される。医薬品、食品、飼料などに疾病の治療、栄養の補給、食品添加物の酸化防止剤として広く利用されている。
メチル基の位置によって8つの異なる型があり、それぞれの生物学的機能をもつ。ヒトではD-α-トコフェロールがもっとも強い活性をもち、主に抗酸化物質として働くと考えられている。抗酸化物質としての役割は、代謝によって生じるフリーラジカルから細胞を守ることである。フリーラジカルはDNAやタンパク質を攻撃することでガンの原因ともなりうるし、また、脂質過酸化反応により脂質を連鎖的に酸化させる[1][要高次出典]。
ビタミンEは、フリーラジカルを消失させることにより自らがビタミンEラジカルとなり、フリーラジカルによる脂質の連鎖的酸化を阻止する。発生したビタミンEラジカルは、ビタミンCなどの抗酸化物質によりビタミンEに再生される[2]。
目次 |
構造 [編集]
トコフェロールはトコールのメチル化誘導体である。メチル基の位置により α, β, γ, δ の4種がある。また、トコフェロールの関連化合物であるトコトリエノールもビタミンE活性を持つが、トコフェロールに比べ活性は低い。以下にトコフェロールとトコトリエノールの構造を示す。
メチル基の置換位置とトコフェロールの活性比は以下の通りである。
| 誘導体 | R1 | R2 | R3 | 活性比 |
|---|---|---|---|---|
| α | CH3 | CH3 | CH3 | 100 |
| β | CH3 | H | CH3 | 40 |
| γ | H | CH3 | CH3 | 10 |
| δ | H | H | CH3 | 1 |
目安量および上限量 [編集]
かつてはα-トコフェロール当量 (mgα-TE) で所要量が表示されていたが、厚生労働省が策定した2010年(平成22年)版の食事摂取基準においては、α-トコフェロールのみの目安量(adequate intake, AI)及び耐用上限量(tolerable upper intake level, UL)を定めている。
- 目安量
- 成人男子(18–29歳) 7 mg/day
- 成人女子(18–29歳) 6.5 mg/day
- 上限量
- 成人男子(18–29歳) 800 mg/day
- 成人女子(18–29歳) 650 mg/day
欠乏症 [編集]
未熟児において、溶血性貧血、深部感覚異常及び小脳失調の原因となることが知られている。生体膜で活性酸素が存在すると脂質過酸化反応により過酸化脂質が連鎖的に生成され、膜が損傷し、赤血球では溶血が起こるなど生体膜の機能障害が発生する[3][要高次出典]。また、不妊症や筋萎縮症、脳軟化症の原因となるといわれているが、植物油に豊富に含まれているため通常の食生活で欠乏する事はない。
過剰障害 [編集]
過剰に摂取した場合、骨が減ってもろくなる骨粗しょう症になる恐れが高まるとの動物実験の結果が報告されている。脂溶性のため体内に蓄積しやすいことからも過剰摂取はすすめられない[4]。
多く含む食品 [編集]
脚注 [編集]
- ^ 大橋英雄「クェルセチンを中心とするフラボノイドのラジカル補捉反応とその反応機構」平成13年度-平成14年度年度科学研究費補助金 (基盤研究(C)(2) 課題番号13660160) 研究成果報告書、2002
- ^ ビタミンEと抗酸化性国立健康・栄養研究所 平原文子、栄養学雑誌 Vol.52 No.4 205~206(1994)
- ^ ビタミンの栄養 授業資料2006年06月23日に追加
- ^ “過剰摂取で骨粗しょう症の恐れ 人気サプリのビタミンE”. NEWS. (2012年3月4日) 2012年3月4日閲覧。
外部リンク [編集]
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