パントテン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パンテチンから転送)
移動: 案内検索
パントテン酸
{{{画像alt2}}}
識別情報
CAS登録番号 137-08-6 チェック
PubChem 988
特性
化学式 C9H17NO5
モル質量 219.23 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

パントテン酸(パントテンさん、: pantothenic acid)とは、ビタミンB群に含まれる物質で、D(+)-N-(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブチリル)-β-アラニンのこと。かつて、ビタミンB5とも呼ばれていた。CoA(補酵素A)の構成成分として、糖代謝や脂肪酸代謝において重要な反応に関わる物質。語源はギリシャ語で、「どこにでもある酸」という意味。水溶性のビタミンで、食品中に広く存在し、通常の食生活を送る上で不足になることはあまりない。 成分(一般名)は、パンテチン(: Pantethine)。

生理活性[編集]

パントテン酸の生理作用は,体内でパントテン酸から生合成され、構成成分にパントテン酸を含むCoA(補酵素A)および4'-ホスホパンテテインを補因子にもつアシルキャリアプロテイン(ACP)としての作用によるものである。

食品中ではそのほとんどがCoA(補酵素A)として存在するが、消化管内でパンテテインあるいはパントテン酸にまで分解され、体内に吸収される。

構造[編集]

  • パントテン酸の構造式 - パントテン酸はパントイン酸にβアラニンが結合したものである。
パントテン酸の構造式


  • パンテテインの構造式 - パンテテインはパントテン酸にシステアミン(2-メルカプトエチルアミン)が結合したものである。
パンテテインの構造式


  • 補酵素Aの構造式 - 補酵素Aはパンテテインとアデノシン-3'-リン酸が、ピロリン酸(二リン酸)を介して結合したもので、パンテテイン残基の末端にある-SH基を介して生体内でのアシル基転移において、その担体として機能している。
補酵素Aの構造式

物性[編集]

多く含む食品[編集]

たいていの食品に含まれている。 特に多く含まれている食品は、乾燥酵母、牛乳レバー、糸引き納豆きな粉落花生干し椎茸さけいわしなど。

一日の所要量[編集]

成人で5mg。通常の食生活で欠乏する可能性は低い。

欠乏症[編集]

  • 成長停止
  • 体重減少
  • 皮膚炎
  • 脱毛
  • 頭痛
  • 末梢神経の障害(手足の麻痺や焼けるような足の痛み)
  • 副腎障害

過剰障害[編集]

特に知られていない。

生化学[編集]

生体内において、パントテン酸はパントテン酸キナーゼ(EC 2.7.1.33)、ホスホパントテノイルシステインシンテターゼ(EC 6.3.2.5)、ホスホパントテノイルシステインデカルボキシラーゼ(EC 4.1.1.36)、デホスホCoAピロホスホリラーゼ(EC 2.7.7.3)、デホスホCoAキナーゼ(EC 2.7.1.24)の作用により補酵素A(CoA)に変換される。

EC 2.7.1.33 ATP + (R)-pantothenate = ADP + (R)-4'-phosphopantothenate
EC 6.3.2.5 CTP + (R)-4'-phosphopantothenate + L-cysteine = CMP + PPi + (R)-4'-phosphopantothenoyl-L-cysteine
EC 4.1.1.36 (R)-4'-phosphopantothenoyl-L-cysteine = pantotheine 4'-phosphate + CO2
EC 2.7.7.3 ATP + pantetheine 4'-phosphate = diphosphate + 3'-dephospho-CoA
EC 2.7.1.24 ATP + dephospho-CoA = ADP + CoA

関連項目[編集]

外部リンク[編集]