アーモンド

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アーモンド
Ametllesjuliol.jpg
アーモンド
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : サクラ亜科 Prunoideae
: サクラ属 Prunus
亜属 : モモ属 Amygdalus
: ヘントウ P. dulcis
学名
Prunus dulcis (Mill.) D.A.Webb
和名
ヘントウ(扁桃)
英名
Almond
アーモンド、生
100 g (3.5 oz)   あたりの栄養価
エネルギー 2,408 kJ (576 kcal)
炭水化物 21.67 g
- 糖分 3.89 g
- 食物繊維 12.2 g
脂肪 49.42 g
- 飽和脂肪酸 3.731 g
- 一価不飽和脂肪酸 30.889 g
  - トランス脂肪酸 0.012 g
- 多価不飽和脂肪酸 12.07 g
  - ω-3脂肪酸 0.006 g
  - ω-6脂肪酸 12.059 g
タンパク質 21.22 g
- トリプトファン 0.214 g
- トレオニン 0.598 g
- イソロイシン 0.702 g
- ロイシン 1.488 g
- リシン 0.58 g
- メチオニン 0.151 g
- シスチン 0.189 g
- フェニルアラニン 1.12 g
- チロシン 0.452 g
- バリン 0.817 g
- アルギニン 2.446 g
- ヒスチジン 0.557 g
- アラニン 1.027 g
- アスパラギン酸 2.911 g
- グルタミン酸 6.81 g
- グリシン 1.469 g
- プロリン 1.032 g
- セリン 0.948 g
水分 4.7 g
ビタミンA相当量 0 μg (0%)
- βカロテン 1 μg (0%)
- ルテインおよび
-   ゼアキサンチン
1 μg
チアミン (B1) 0.211 mg (16%)
リボフラビン (B2) 1.014 mg (68%)
ナイアシン (B3) 3.385 mg (23%)
パントテン酸 (B5) 0.469 mg (9%)
ビタミンB6 0.143 mg (11%)
葉酸 (B9) 50 μg (13%)
ビタミンB12 0 μg (0%)
コリン 52.1 mg (11%)
ビタミンC 0 mg (0%)
ビタミンD 0 IU (0%)
ビタミンE 26.22 mg (175%)
ビタミンK 0 μg (0%)
カルシウム 264 mg (26%)
鉄分 3.72 mg (30%)
マグネシウム 268 mg (72%)
マンガン 2.285 mg (114%)
セレン 2.5 μg (4%)
リン 484 mg (69%)
カリウム 705 mg (15%)
塩分 1 mg (0%)
亜鉛 3.08 mg (32%)
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
100g中の主な脂肪酸の種類[1]
項目 分量(g)
脂肪 49.42
飽和脂肪酸 3.731
一価不飽和脂肪酸 30.889
16:1(パルミトレイン酸 0.231
18:1(オレイン酸 30.611
多価不飽和脂肪酸 12.07
18:2(リノール酸 12.055
18:3(α-リノレン酸 0.006

アーモンド(英名:Almond、学名: Prunus dulcis、シノニム:Amygdalus dulcis)は、バラ科サクラ属の落葉高木。およびそれから採ったナッツのこと。和名ヘントウ(扁桃)、あるいはあめんどう。ハタンキョウ(巴旦杏)とも呼ばれるが、スモモとは別種である。

特徴[編集]

原産はアジア西南部。現在では南ヨーロッパアメリカ合衆国オーストラリアなどで栽培されており、アメリカ合衆国のカリフォルニア州が最大の産地である。日本では小豆島などで栽培されている。

樹高は約5メートルになる。日本では3 - 4月にかけて、葉のない枝に、サクラとよく似た白色・桜色・桃色の花弁の端に小さな切込みの入った花をサクラ同様一斉に咲かせる。7 - 8月に実が熟する(ただし花柄が非常に長いサクラの花と違いアーモンドは花柄が非常に短く、枝に沿うように花を付けるため、桜色・桃色の花の品種の場合は一見モモの花のように見える)。果実が自然に落下することはないので、実の収穫の際には樹を「ツリー・シェイカー」と呼ばれる機械で揺さぶって実を落とす。日本では果実が熟す時期が梅雨時に重なるため、果肉が割れた時点で収穫を行わないと腐敗したり虫に食われたりする。

アーモンドの果実は、皮、果肉、核、からなる。このうち食用に供しているのは仁の部分である。アンズ、モモやウメの近縁種だが果肉は薄く、食用にならない。

果肉と種子の殻を取り除いた仁(生アーモンド)を炒って、もしくは揚げて食用とする。そのまま塩味をつけて食べるほか、スライスしたり粉末にしたものを料理(コルマなど)や洋菓子(フィナンシェマカロンアマレッティヌガーマルチパンなど)の材料にする。種子を水につけてからアーモンドミルクを絞って飲料とすることもある。イランでは、未熟果をホーレシュという煮込み料理に用いる。

スイート種(甘扁桃)とビター種(苦扁桃)があり、食用にされるのはスイート種である。スイートアーモンドには100以上の品種があるとされるが、食用とされる主な品種は、ノンパレイユ(Nonpareil)、カリフォルニア(California)、カーメル(Carmel)、ミッション(Mission)、ビュート(Bute)などである。脂質を55パーセント含む他、ビタミンB2を多く含む。

食品の中でも ビタミンEが最も多く(含有100グラム中約30ミリ・グラム)含まれている。ビタミンEは活性酸素による体細胞や血管の酸化を防ぐ抗酸化作用があり、老化の予防に役立つ。悪玉コレステロールの酸化を抑制し、過酸化脂質の生成を防ぎ、心臓病や糖尿病の予防に役立つ。他に亜鉛、マグネシウム、カリウム、鉄などを多く含んでいる。

また、豊富な不溶性食物繊維を含み、腸の働きを活発にして整腸を促す。有害物質やコレステロールを吸収し抑制する作用がある。脂質の約7割は、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸で、善玉コレステロールを維持し悪玉コレステロールを制御し酸化させない働きがあるポリフェノールを多く含んでいる。 その効用は紀元前から認められており旧約聖書の中にも記述されている。

アーモンドの種子から絞ったアーモンドオイルは、料理に使われる他、キャリアオイルとしても用いられる。

ビターアーモンドには青酸化合物であるアミグダリンが多く含まれるため、味が苦く、大量に摂取すると有毒である。鎮咳・鎮痙などの薬用、ベンズアルデヒドを多く含むため着香料、ビターアーモンドエッセンス、オイル(苦扁桃油)の原料として用いられる。イタリアリキュールアマレットの風味付けにも用いられる。イタリアなど製菓材料とする国もあるが、アメリカ合衆国などビターアーモンドの種子の市販を禁じている国もある。

宗教との関連[編集]

ヘブライ語で「見張る」、「目覚める」という動詞を「サクダ」や「シャカッ」と言い、アーモンドはそれと同根で「シェケディーム」という。[2] 現代ヘブライ語では「シャケド」(שקד)という。

モーセの兄アロンの杖はあめんどうの木で作られており、その杖が芽を出し花が咲いて実を結んだことからイスラエルの祭司族の祖となるレビが選ばれた。そしてそのあめんどうの杖は、契約の箱の前に保存するようにと、旧約聖書民数記17章3節から10節に記述されている。

なお、同じ民数記を教典に含む、ユダヤ教イスラム教でも知られている。

文献[編集]

  1. ^ USDA栄養データベースUnited States Department of Agriculture
  2. ^ 『新聖書大辞典』1988年㈱キリスト教新聞社発行「あめんどうAlmond」の項

関連項目[編集]

  • 扁桃 - その形状がアーモンドに似ていることから、アーモンドの和名 (扁桃) にちなんで名前が付けられている
  • 扁桃体 - 同上
  • 杏仁 - 本来はアンズの種子であるが、風味が似ているため、杏仁豆腐にアーモンドを用いたり、アーモンドチョコレートを杏仁巧克力と呼ぶなど、特に中国では混同されることがある
  • 1月23日 - アーモンドの日

外部リンク[編集]