ビオチン
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| ビオチン | |
|---|---|
| IUPAC名 | 5-[(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H- シエノ[3,4-d]イミダゾル-4-イル]ペンタン酸 |
| 別名 | ビタミンB7 ビタミンH 補酵素R |
| 分子式 | C10H16N2O3S |
| 分子量 | 244.31 g/mol |
| CAS登録番号 | [58-85-5] |
| 形状 | 無色針状結晶 |
| 融点 | 232–233 °C |
ビオチン (biotin) とは、D-[(+)-cis-ヘキサヒドロ-2-オキソ-1H-チエノ-(3,4)-イミダゾール-4-吉草酸]のこと。ビタミンB群に分類される水溶性ビタミンの一種で、ビタミンB7(Vitamin B7)とも呼ばれるが、欠乏症を起こすことが稀なため、単にビオチンと呼ばれることも多い。
目次 |
[編集] 概要
1935年、オランダのケーグル(F. Kögl)により卵黄中から発見された。酵母の増殖に必要な因子ビオス (bios) の1成分として研究されたため、この名がついた。また、古くには、マウスを用いた動物実験において、生卵白の大量投与によって皮膚に生じる炎症を防止する因子として発見されたことから、ビタミンH(Hは皮膚を表すドイツ語Hautから)と呼ばれたこともある。また、生体内において果たす役割から補酵素Rと呼ばれることもある。
[編集] 生化学
カルボキシル基転移酵素(carboxylase)の補酵素として働く。特にビオチンを補酵素として持つ酵素の一群をビオチン酵素(biotin enzyme)と呼ぶ。この中には糖代謝に関与するピルビン酸カルボキシラーゼ、脂肪酸代謝に関与するアセチルCoAカルボキシラーゼやプロピオニルCoAカルボキシラーゼ、アミノ酸の一種ロイシンの代謝に関与する3-メチルクロトノイルCoAカルボキシラーゼなどが含まれる。
[編集] 物性
- 分子量 244.31
- 水溶性、溶解度は25℃において22mg/100ml
- 熱、光、酸に対し安定
- アルカリに不安定
- 無色針状結晶
- 融点 232~233℃
[編集] 摂取
一日の目安量は、成人で45μg。腸内細菌叢により供給されるため、通常の食生活において欠乏症は発生しない。多く含む食材には酵母、レバー、豆類、卵黄などがある。しかしながら国内で未だ知名度の低いビオチンは、未だ日本食品成分表に掲載されておらず、その摂取基準が曖昧である。第六次改定・日本人の栄養所要量によれば成人男女の基準は30μg。ビオチンの利用効率は食品によりかなり異なり、特に、小麦中のビオチンはほとんど利用されない。過剰障害は特に知られていない。
抗生物質の服用により腸内細菌叢に変調をきたすと欠乏症を示すことがある。また、ビオチンは卵白中に含まれる糖蛋白質の一種、アビジンと非常に強く結合し、その吸収が阻害されるため、生卵白の大量摂取によっても欠乏症を生じることがある。この場合のビオチン欠乏症を特に卵白障害と呼ぶ。1日あたり10個以上の生卵を食用し続けると卵白障害に陥る可能性があるとされる。欠乏症状は以下のとおり。
[編集] 催奇形性
これまでの動物を用いた多くの研究において、妊娠中ビオチン欠乏状態に陥った母体の胎児に、高い確率で(~100%)奇形が誘発されることが報告されている。その主なものとしては、口蓋裂、小顎症、短肢症などがある。これらの研究は国内のビオチン研究における第一人者である兵庫県立大学渡邊敏明教授らによって進められているが、その詳細なメカニズム等に関してはほとんど明らかにされていない。
[編集] 応用
卵に含まれるタンパク質アビジンは、ビオチンを非常に強く結合する(ほとんど不可逆的)ため、標的分子にビオチンを結合して目印とし、これをアビジンで検出する方法が用いられている。生化学の研究用試薬、あるいはがんなどの検査用試薬、さらにはモノクローナル抗体と制がん剤を結びつけてがん細胞のみを直撃するミサイル療法製剤への適用などへの応用がある。
[編集] 皮膚疾患とビオチン
| ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。 |
ビオチンは、抗炎症物質を生成する事によってアレルギー症状を緩和する作用がある。また、ビオチンは蛋白質の生成にも関係し、皮膚を作る細胞を活性化させ、老廃物の排泄を促し、皮膚の機能を正常に保つ働きもある。よって、皮膚と非常に関係の深いビタミンといえる。皮膚疾患で代表的なアトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症の補助治療にもビオチンが使われる。
アメリカでは一般的な治療方法だが、国内ではビオチンを処方する病院はごく一部である。また、国内で販売されているビオチンは含有量が非常に少なく治療に効果はない。それゆえ多くの患者は個人輸入によって入手する必要がある。以下に一般的な処方量と市販製品摂取量の目安を記す[1]。
一般的な処方量(1日分、各1/3 量を8時間おきに服用)
- ビオチン散4.5 g (ビオチン 9 mg、ビオチン散は「フソー」でも「ホエイ」でもビオチンを0.2%含む)
- ミヤBM3g(宮入菌末120mg)
- ビタミンC1g
これらは以下のように置き換えられる(1日分の目安、各1/3量を毎食後に服用)
- ビオチン15mg(5mgのカプセルを使う場合)
- ミヤリサン錠12錠(宮入菌末120mg )
- ビタミンC1.05g(350mgのカプセルを使う場合)
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ビオチン解説 -「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- ビオチン -「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
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| 脂溶性 | ビタミンA - ビタミンD - ビタミンE - ビタミンK |
| 水溶性 | ビタミンB群 (B1 - B2 - B3 - B5 - B6 - B7 - B9 - B12) - ビタミンC |

