日本列島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本列島(にほんれっとう、にっぽんれっとう)は、ユーラシアプレートの東端に位置し、太平洋西部にある日本海溝に沈む手前の地帯において隆起した弧状列島。広義の日本列島は樺太(サハリン)、北海道、本州、四国、九州の主要5島とまた、千島列島や南西諸島・伊豆諸島などの島嶼からなる。まれに、台湾島を含めることもある。
狭義の日本列島は、現在日本が実効支配している領域を指す。ただし、小笠原諸島に関しては、日本列島に含めるのは、地理学的に不適切である(詳細は「#意識の中の日本列島」)。
古くは、沿海州や朝鮮半島などのユーラシア大陸東岸と地続きであった。
目次 |
[編集] 成り立ち
現在の日本列島は、主に付加体とよばれる海洋でできた堆積物からなっている。かつて日本付近はアジア大陸の端で、古生代には大陸から運ばれてきた砂や泥が堆積していた(現在の北陸北部、岐阜県飛騨地方、山陰北部など)。そこへ、はるか沖合で海洋プレートの上に堆積した珊瑚や放散虫などからなる岩石(石灰岩やチャート)が移動してきて、それが海溝で潜り込むときに、陸からの堆積物と混合しながらアジア大陸のプレートに押しつけられて加わった(付加)。この付加が断続的に現在まで続いたため、日本列島は日本海側から太平洋側に行くほど新しい岩盤でできている。
このようなメカニズムで大陸側プレートに海洋プレートが潜り込む中で、主にジュラ紀~白亜紀に付加した岩盤を骨格に、元からあった4~5億年前のアジア大陸縁辺の岩盤と、運ばれてきた古いプレートの破片などを巻き込みながら、日本列島の原型が形づくられた。この時点では日本はまだ列島ではなく、現在の南米のアンデス山脈のような状況だったと考えられる。その後、中新世になると今度は日本列島が大陸から引き裂かれる地殻変動が発生し、大陸に低地が出来はじめた。2100万~1100万年前にはさらに変動は大きくなり、西南日本は長崎県対馬南西部付近を中心に時計回りに40~50度回転し、同時に東北日本は北海道知床半島沖付近を中心に、こちらは反時計回りに40~50度回転したとされる。これにより今の日本列島の、関東~北海道は南北に、中部~沖縄は東西に延びる形になり、開いた部分には日本海となるおおきな窪みが形成された。「観音開きモデル説」である。
こうして、不完全ながらも今日の弧状列島の形をして現れたのは、第三紀鮮新世の初め頃であった。その後も、特に氷河期の時などには海水準が低下するなどして、大陸と陸続きになることがしばしばあった。最後の氷期が終わり、マイナス約60mの宗谷海峡が海水面下に没したのは、更新世の終末から完新世の初頭、すなわち約1万3,000年から1万2,000年前であることから、ほぼこの時期に日本は、完全に大陸から離れてとしての現在の姿と環境を整えた事になる。
更新世の末期から、日本列島に人類が姿を現しはじめたと考えられている。
[編集] 気候
およそ200万年前に始まる更新世は氷河時代とも呼ばれ、現在よりも寒冷な時期(氷期)と温暖な時期(間氷期)とが交互に繰り返し訪れた。厳しい気候変化の時代でもあった。それに伴う地形の変化や火山の爆発などで起こる地殻の変動も激しかった。氷河期の最盛期には、気温年平均で摂氏7から8度も低下した。その影響で、南北両極に氷河が発達したのは当然ながら、北半球の高山や広い範囲に氷河が発達し、海水が少なくなって海水面が低下した。その低下量は、現海水面から約140mもなった。ところが、最終の氷河期を越えると世界的に気候は、温暖化の時期を迎え、厚く堆積していた氷河が溶け始め、海水面は次第に上昇してきた。
- 地質年代区分の説明
[編集] 人類
氷期には海が後退し、日本列島と大陸は、陸橋で繋がっていた。約7万年前に北の陸橋を渡って来たのは、マンモス、ヘラジカ、トナカイ、ヒグマ、ナキウサギ、キタキツネなどで、南の陸橋を渡ってきたのは、ナウマンゾウ、オオツノシカ、カモシカ、ニホンジカ、ツキノワグマ、ニホンザルなどである。動物たちがわたって来たということは、それらを追って大陸の旧石器時代人も、当然、渡ってきたのである。
ところが、火山灰に覆われた日本は、酸性土壌のため、化石が残りにくく、化石人骨の発見も少ない。
かつては愛知県豊橋市で発見された「牛川人」が最も古い(約20万年前の旧人)とされていたが、2001年の再鑑定によって、人骨である可能性がほぼ否定されている(ナウマンゾウなどの獣骨と見られている)。
今世紀初頭にこれまで化石人骨とされてきた標本の再鑑定が実施された後では、本州で最古の人骨は、静岡県浜松市で発掘された浜北人(約1万4,000年前)である。
比較的良好な保存状態で発見された沖縄県八重瀬町港川採石場で発見された港川人は、1万8,000年前の新人である。後期更新世か後期旧石器時代に当たる。眼窩上や眉間の隆起が発達したやや原始的で頑丈な頭と顔、小柄な体格、華奢な上半身比較的頑丈な下半身の特徴を持ち、縄文人に繋がる特徴を備えているという。
[編集] 動物・植物
| 地質時代 | 年代 | 日本の化石 | 備考 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 先カンブリア時代 | 46億年前 | 化石 | |||
| 古生代 | カンブリア紀 | 5億7500万年前 | 化石 | ||
| オルドビス紀 | 5億900万年前 | 化石 | |||
| シルル紀 | 4億4600万年前 | クサリサンゴ 三葉虫 |
|||
| デボン紀 | 4億1600万年前 | 化石 | |||
| 石炭紀 | 3億6700万年前 | サンゴ | |||
| ベルム(二畳)紀 | 2億8900万年前 | 化石 | |||
| 中生代 | 三畳紀 | 2億4700万年前 | 化石 | ||
| ジュラ紀 | 2億1200万年前 | 魚竜 | |||
| 白亜紀 | 1億4300万年前 | 首長竜 アンモナイト |
|||
| 新生代 | 第三紀 | 暁新世 | 6500万年前 | 化石 | |
| 始新世 | 化石 | ||||
| 漸新世 | 化石 | 炭田の形成 | |||
| 中新世 | 2万4000年前 | 化石 | 四国海盆の形成 | ||
| 鮮新世 | 化石 | 日本海の拡大 | |||
| 第四紀 | 更新世 | 1万8000年前 | ナウマン象 | 日本海側の 褶曲帯の形成 |
|
| 完新世 | 1万年前 | 化石 | 平野の形成 | ||
[編集] 意識の中の日本列島
現在日本列島は日本国の主要な領土である。
よって日本国民の意識では「日本列島」とは「日本国」とほぼ同義である。特にメディアなどでは「列島」と略すことが多い。
なお、小笠原諸島は地理学的には日本列島の範囲ではない。また、学術的には日本列島の範囲とみなされることのある樺太(サハリン)・千島列島・歯舞群島などはロシア連邦が、台湾島は中華民国政府が実効支配している(このうち、南千島と歯舞・色丹は日本政府が返還を要求しており、北千島と南樺太については日本政府は帰属未定であると主張している(北方領土問題を参照))。
第二次世界大戦前までは、当時日本が統治していたマリアナ諸島までも含めることがあったが、小笠原諸島と同様に、学術的なものではない。
近年では、政治的な問題に触れるおそれがあるので、樺太や台湾島を日本列島に含むのは、通常古い学術書のみに限られる。ただし、千島列島は今でも日本列島の範囲に含めることがある。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 藤田和夫 『変動する日本列島』 岩波書店〈岩波新書〉、1985年、ISBN 4-00-420306-6。
- 平朝彦 『日本列島の誕生』 岩波書店〈岩波新書〉、1990年、ISBN 4-00-430148-3。
- 斎藤靖二 『日本列島の生い立ちを読む』、岩波書店〈シリーズ自然景観の読み方8〉、1992年、ISBN 4-00-007828-3。
[編集] 外部リンク
- 20万分の1日本シームレス地質図(独立行政法人産業技術総合研究所)

