ニホンザル

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?ニホンザル

ヤクシマザル Macaca fuscata yakui
保全状態評価
DATA DEFICIENTIUCN Red List

M. f. fuscata ホンドザル
DATA DEFICIENTIUCN Red List Ver.2.3(1994)
M. f. yakui ヤクシマザル

ENDANGEREDIUCN Red List Ver.2.3(1994)
ファイル:Status iucn2.3 EN.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
亜目 : 直鼻猿亜目 Haplorrhini
: オナガザル科 Cercopithecidae
亜科 : オナガザル亜科 Cercopithecinae
: マカク属 Macaca
: ニホンザル M. fuscata
学名
Macaca fuscata
(Blyth, 1875)
和名
ニホンザル
英名
Japanese Macaque

ニホンザル(日本猿、Macaca fuscata)は、哺乳綱霊長目オナガザル科マカク属に属するサルの一種。日本列島固有種である。日本でサルといえば、普通はこの種をさす。

目次

[編集] 特徴

体長は50-60cmくらい。最大では全長1.3mに達する。雌より雄の方がやや大きい。同じ仲間にくらべて、尾が短いのが特徴である。また、顔と尻が赤い。手足の皮膚はむしろ黒い。日本ではサルの顔や尻が赤いのは当たり前だと思われているが、これは実際にはニホンザルの特徴である。

[編集] 生息地

雪の中温泉につかるニホンザル[1]長野県
サルは熱帯を中心に分布しており、世界的に見れば、このような光景は稀有である。

北は下北半島から、南は屋久島まで、本州四国九州の各地に分布している。米テキサス州では逃げ出した個体群が野生化しているとも言う(en:Japanese Macaque)。

本州北部下北半島のニホンザルは、ヒトを除いた全世界の霊長類の中で、最も高緯度に生息していることで有名である(北限のサル)。サルが雪景色の中に生息しているのは珍しい光景であるため、ニホンザルのことを英語でSnow Monkeyと呼ぶこともある。下北半島に生息するニホンザルは、環境省レッドリストの初版(1991年)及び改訂版(2000年)では「絶滅のおそれのある地域個体群」で掲載されていたが[2][3]2007年8月3日に公表された最新版では掲載されていない[4]

なお、初版(1991年)及び改訂版(2000年)で、同じく「絶滅のおそれのある地域個体群」に評価されていた東北地方のホンドザル個体群は、金華山のホンドザル及び北奥羽北上山系のホンドザルの2つの個体群に評価単位を見直された上で掲載されている。

ニホンザルの生息地6か所が日本の天然記念物に指定されている。宮崎県串間市幸島大分県大分市高崎山高崎山自然動物園)、大阪府箕面市の箕面山(箕面山自然動物園)、千葉県富津市の高宕山(高宕山自然動物園)、岡山県高梁市の臥牛山(臥牛山自然動物園)、青森県の下北半島(北限のサル)である。

日本のヒト社会では従来からニホンザルに対する感情は概ね良好であったが、近年では、人里に出没し、日本の一定の農民や行政では、畑を荒したり、人を襲う動物として規定し、「対策」をしている例もある。サルと間違えて妻を猟銃で撃つ事件が発生した。日光市では「サル餌付け禁止条例」を施行した。

[編集] 亜種

基亜種と亜種ヤクシマザルの遺伝的距離は、基亜種の地域変異の10倍以上あると言われている。なお、かつては種子島にもニホンザルが生息していたが、どちらの亜種に属するものであったかは、よくわかっていない。

台湾に分布するタイワンザル(Macaca cyclopis)とはごく近縁で、交配すると雑種ができ、その雑種も子を残すことができる。そのため、日本各地で飼育下のタイワンザルが逃げてニホンザルと混血し、問題となっている。[5]

[編集] 生態研究

サルだんご(寒さをしのぐサル)

第二次世界大戦後、今西錦司らが幸島(こうじま)および高崎山自然動物園で野生の群れを餌付けすることで間近に観察する事に成功して以来、ニホンザルの生態は詳細に研究がなされてきた。ニホンザルの群れは数十頭程度から大きなものは100頭を超える集団である。

[編集] 社会のしくみ(旧)

以前は、強力な統率力をもつボスザルとそれを取巻くメス、子供を中心として、他のオスは周辺部に位置し中心部に入ることが許されないという「同心円二重構造」として群れの社会構造が説明されていた。なお、「ボスザル」という呼称は後に「リーダー」などと呼び変えられた。

ニホンザルの社会の仕組みについては、以下のようなものと考えられていた。

  • 群れを構成するのは成体のオスとメス、および子供と若者である。群れに入らない離れザルがあるが、これは必ず若いか成体のオスである。
  • 群れの個体はすべての個体間で力の強弱による順位が決まっており、全体として直線的な順位制を持っている。順位が高いものに対しては尻を向け、上位者がその後ろから乗りかかる「マウンティング」という行動があり、これによって順位が確かめられると同時に、争いが回避される。順位が離れるほどこの行動はおこなわれなくなる。
  • 単なる順位制でなく、階級があって、それぞれに群れの中での位置が決まっている。
  • リーダーは大人オスの1 - 数頭で、群れの中央に位置し、その周囲にメスと赤ん坊、その外に若者オスが位置する。
  • リーダーは外敵から群れを守り、また、群れ内部での争いに介入して調停する。
  • 雄は幼い間はメスと共に群れの中央にいるが、若者になると群れの外側に出て、一部は離れザルとして群れを去る。
  • 若者オスは群れの中での順位が上がると次第にリーダー的な行動を取るようになり、サブリーダー(ボス見習いとも)となるが、ボスとなって群れの中央に入るにはメスグループの了承を必要とする。
  • メスは終世群れの中央にいる。順位はあるが、はっきりとした階級はない。

[編集] 文化的行動

ニホンザル研究の拠点の一つであった幸島では、若いメスザルが餌のサツマイモを水で洗って食べることを始め、群れの他のものにもそれをまねするものが現れた。その中には、海水であらい、さらに食べるごとに海水に浸して味付けをするらしい行動をするものも現れた。また、砂浜に撒かれた麦を、砂ごと抱えて海水に放り込み、波に洗われた麦粒を拾って食べるものも出現した。さらに魚を捕らえるものまで出てきた。これらの行動はサルの文化的行動として注目を受け、動物にも文化を認める論の先駆けとなった。ちなみに、最初にイモ洗いを行った若いメスの名はイモと名付けられた。

大半が左利きである。

[編集] 見直し

しかし、伊沢紘生らによる白山にすむ野生群などの研究ではボスザルの存在は認められず、群れは「仲間意識」によって支えられた集団であるとしている。ただし、この見解が全面的に認められているわけではなく、現在も議論の分かれるところである。高崎山自然動物園では2004年2月17日から、ボスザルの呼称を止め、序列第一位のオスを「アルファオス」と呼んでいる。ニホンザルの群は、メスが自分の生まれた群れに留まり続け、 オスが自分の出自の群れから移籍する母系社会であると考えられている。

なお、欧米諸国ではサル類が生息しないため、いわゆる先進諸国で野生のサル類が国内に生息する日本とニホンザルは特別視されてきた。ニホンザルのことを英語で Snow Monkey と呼ぶのは、サルが熱帯の動物と考えられていたためである。

[編集] 脚注

  1. ^ 入浴したサルは、その後湯冷めして肺炎に罹る危険性がある。特に急激な体温下降に耐性がない子ザルを入浴させるのは危険なことである。[要出典](ただし湯冷めしないという説[1][2][3]もある)
  2. ^ 環境省レッドリスト(2000年)での名称は「下北半島のホンドザル」。
  3. ^ ニホンザルの確認生息域は下北半島全体に拡大しており、必ずしも個体数が減少しているとは限らない。
  4. ^ 環境省報道発表資料 『哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類、植物I及び植物IIのレッドリストの見直しについて』、2007年8月3日。
  5. ^ ニホンザルとタイワンザルとカニクイザルの雑種も参照

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 参考文献

  • 『サル学の現在 上』 - 立花隆著,文春文庫 ISBN 4167330067 C0145 P620E
  • 『サルの話』 - 宮地伝三郎著,岩波新書(岩波書店)

[編集] 外部リンク