小麦粉
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小麦粉(こむぎこ、英語: wheat flour)とは、小麦を挽いて作られた粉。英語では、穀物の粉の中でも最も頻繁に用いられるためwheat flourではなく単にflourと呼ぶことが多い。
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[編集] 概要
小麦粉は7~8割がデンプンだが、タンパク質も約1割含んでいる。主なタンパク質はグリアジンとグルテニンで、これらは水を吸収すると、粘りのあるグルテンとなる。このグルテンが小麦粉独特の料理を生み出し、様々な食品に生まれ変わる。このグルテンのみを取り出したものが、麩(ふ)である。
小麦タンパクは割合の少ない必須アミノ酸があり、人にとってアミノ酸バランスが悪く、小麦だけをタンパク源とする事は出来ない。
うどん粉、メリケン粉ともいう。「メリケン粉」という呼び方は関西などでよく使われているが、これは国内で生産された小麦をうどん粉と呼ぶのに対して、外国産の機械製粉された白い小麦粉という意味で使用される。「アメリカの粉」という意味から来ている。(日本に輸入された頃 "American" が「メリケン」と聞こえたため)。
[編集] 性質
[編集] 粒子が細かい
種類により異なり、大きい粒と小さい粒が混在しているが、通常は直径150マイクロメートル以下で、半分ほどは35ミクロン以下である。薄力粉が最も細かく、強力粉は比較的粗めである。カロテノイド色素が含まれているため、無漂白小麦粉は淡いクリーム色である。色素の多いセモリナ粉は黄色みがかり、等級の低い粉はくすんだ色合いになる。
[編集] 液体を加えると状態が変化する
小麦粉10に対し水6~7を加えてこねると、パンなどの生地になる。また、小麦粉の約2倍の水や卵を加えて混ぜ合わせると、バター(batter)と呼ばれる生地が出来、焼くとクレープやホットケーキが作れる他、天ぷらやフリッターなどの揚げ衣にもなる。小麦粉の約5~20倍の水を加えてかき混ぜると糊が出来る。小麦粉とほぼ同量のバターや植物油などと炒めるとルーができ、シチューやカレー、ソースなどに用いられる。
[編集] 水気のあるものに付着する
肉や魚など表面に水分のあるものに付着しやすいので、ムニエルやカツレツの調理に用いられる。
[編集] 他の粉体と混ざりやすい
塩や砂糖、香辛料などを混ぜてプレミックスを作ることが出来る。また、ビタミンやミネラルなど微量のものを均一に混ぜることも容易で、学校給食用小麦粉ではビタミンB1・ビタミンB2が添加されている。
[編集] 匂いを吸着しやすい
異臭があるものの近くに保管すると匂いが移ることがあるが、この性質を利用して香料などで香り付けをすることもできる。
[編集] 有機物の中では着火性に優れ、延焼・爆発しやすい
粉塵爆発が起こる要件に、(1)粉じんの粒子が微粉の状態で、空気中に一定の濃度で浮遊(粉じん雲)、(2)発火源(エネルギー)の存在、(3)空気中の酸素。の要件がある。小麦粉は、水分を含まず乾燥しており、融点が低く、着火性に優れ、燃焼熱が大きいことから、自治体によっては一定以上を貯蔵する場合、火災予防のため管理方法を条例で定めている自治体(東京都火災予防条例では、延焼がはやく消火活動が特に困難な「指定可燃物」に規定)もある。
[編集] 種類
小麦粉は含まれるタンパク質(主にグリアジン、グルテニン)の割合と、形成されるグルテンの性質によって、薄力粉、中力粉、強力粉に分類される。タンパク質分を除いた残渣を精製したものは浮き粉と呼び、澱粉だけで出来た、ちょうど片栗粉のようなものになる。
[編集] 強力粉
強力粉(きょうりきこ)はタンパク質の割合が12%以上のもので、パン・中華麺・学校給食で出てくるソフト麺等に使われる他、国産の一部乾燥パスタは粗挽きの強力粉を用いて作られる。主にアメリカ・カナダ産の硬質小麦を使用している。焼くと硬い仕上がりになるので洋菓子には向かない。
[編集] 中力粉
中力粉(ちゅうりきこ)はタンパク質の割合が9%前後のものでうどんによく使われるほか、お好み焼き、たこ焼きなどに用いる。主にオーストラリア・国内産の中間質小麦を使用している。強力粉と薄力粉を混ぜれば中力粉の代用とすることができるが、本来の中力粉とは加工特性がやや異なるため工夫を要する。
[編集] 薄力粉
薄力粉(はくりきこ)はタンパク質の割合が8.5%以下のものでケーキなどの菓子類・天ぷらにつかわれる。主にアメリカ産の軟質小麦を使用している。なるべくタンパク質の含有量を抑えた方が、繊細な仕上がりになるので、タンパク質含有量の少ない超薄力粉も存在し、主に製菓に使われる。乾燥パスタ原料からの連想で誤解されがちなのであるが、卵を用いて生パスタを作る場合に使われるのは薄力粉である。
[編集] 浮き粉
浮き粉(うきこ)は、小麦粉の生地から麩の原料としても使われるグルテンを分離した残りの澱粉分をいう。グルテンを分離するには、こねた生地を水につけて洗い流すのだが、この水に浸かっている状態では沈粉(じんこ)という。主に明石焼きや和菓子、香港の透明な皮の海老餃子などの原料として使われている。
[編集] 全粒粉
全粒粉(ぜんりゅうふん)とは、小麦粉の一種。小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたものである。精製された小麦粉に比べて食物繊維、ミネラル、ビタミンが豊富。主にパンやビスケット、シリアル食品の材料として用いられる。
[編集] グラハム粉
グラハム粉(ぐらはむこ、Graham flour)とは、全粒粉の一種。小麦を胚乳と表皮および胚芽に分けてから、胚乳は普通の小麦粉と同じ細かさに挽き、表皮と胚芽は粗挽きにして両方を混ぜ合わせたもの。全粒粉よりもざらざらしている。
[編集] セモリナ粉
セモリナ粉(せもりなこ)とは、小麦粉の一種。デュラム種(T. durum)のみを挽いたもの。超硬質で黄色いのが特徴であり、ほぼすべてのパスタの原料に用いられている。デュラムセモリナ。
[編集] 等級
小麦粉の品質特性により、いくつかの等級が設けられている。小麦粒の中心に近い部分の粉から1等粉、2等粉、3等粉、末粉と分けられ、上位の等級ほど灰分が少なく、色が白い。特等粉、準1等粉などの等級が用いられることもある。通常は1等粉・2等粉が食品加工に用いられ、上記の種類と組み合わせて「中力1等粉」「薄力2等粉」のように呼ぶことが多い。末粉は飼料用として子牛の代用乳原料、また尿素樹脂に混ぜて合板の接着などに使用される。
[編集] 小麦粉を主成分とする調合原料
作る料理によって、タンパク質の割合が適した小麦粉を選び、ふくらし粉、塩、砂糖、香料、うま味調味料などの成分を調合した商品(調製粉、プレミックス)が多種市販されている。
[編集] 主に小麦粉を使って作る食品
[編集] 歴史
日本では弥生時代から小麦が栽培されていたと考えられており、奈良時代に中国から伝わった麺や団子などの材料として小麦粉は利用されて来た。 戦後、食糧不足対策として余剰小麦粉を援助物資として供給されたことや学校給食でパン食が取り入れられたことなどから食習慣が更に広まった。
[編集] メリケン粉とうどん粉の違い
現在日本では料理用として薄力粉(天ぷら粉など)が普及しているが、強力粉以外をうどん粉と呼ぶ場合が多い(中力粉または薄力粉の意味)。
これに対しメリケン粉は、そもそもは外国産に比べ製粉技術が劣っていた国産小麦粉と区別するための名称であり、小麦粉の性質(強力粉や中力粉)を表すものではない。このため、明治~昭和30年代頃にかけての古いレシピにメリケン粉とある場合、その解釈には注意が必要である。
また、アメリカにおいて最も普通な小麦粉とは万能粉(all-purpose flour)であり、グルテン質やや強めの中力粉であるが、中間質小麦のみで作られるものではなく配合粉であり、メーカーや銘柄によって、多少加工性質が異なる。強力粉はBread Flour、薄力粉はCake Flour ないしPastry Flour の呼称で販売される。万能粉を代用する場合、概ね強力粉8~7:薄力粉2~3の割合に配合する。

