コムギ
| コムギ属 | ||||||||||||||||||
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| 分類 | ||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||
| Triticum L. | ||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||
| Wheat | ||||||||||||||||||
| 種 | ||||||||||||||||||
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本文参照 |
| 100 g (3.5 oz)あたりの栄養価 | |
|---|---|
| エネルギー | 1,506 kJ (360 kcal) |
| 炭水化物 | 51.8 g |
| - 食物繊維 | 13.2 g |
| 脂肪 | 9.72 g |
| タンパク質 | 23.15 g |
| ビタミンB1 | 1.882 mg (145%) |
| ビタミンB2 | 0.499 mg (33%) |
| ビタミンB3 | 6.813 mg (45%) |
| パントテン酸(ビタミンB5) | 0.05 mg (1%) |
| ビタミンB6 | 1.3 mg (100%) |
| 葉酸(ビタミンB9) | 281 μg (70%) |
| カルシウム | 39 mg (4%) |
| 鉄分 | 6.26 mg (50%) |
| マグネシウム | 239 mg (65%) |
| リン | 842 mg (120%) |
| カリウム | 892 mg (19%) |
| 亜鉛 | 12.29 mg (129%) |
| Manganese 13.301 mg | |
| %はアメリカにおける成人向けの 栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース(英語) |
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コムギ(小麦、英名Wheat、学名:Triticum aestivum)は、イネ科コムギ属に属する一年草の植物。広義にはT. compactum (クラブコムギ) や T. durum (デュラムコムギ、マカロニコムギ)などコムギ属 (Triticum) 植物全般を指す。世界三大穀物の一つ。古くから栽培され、世界で最も生産量の多い穀物のひとつである。年間生産量は6億トン近くありトウモロコシの8億トンに並んでいる。
他の三大穀物と同じく基礎食料であり、各国で生産された小麦はまずは国内で消費され、剰余が輸出される。
日本国内において、麦 (小麦・大麦・はだか麦) は食糧法により価格統制が存在する。
目次 |
[編集] 構造
- 種皮
- 表皮
- 外果皮
- 内果皮
- 外胚乳
- 糊粉層
- 胚芽
- 内胚乳
[編集] 用途
収穫された種子は粉にして小麦粉として使われる。小麦粉はパンやうどん、中華麺、菓子、パスタなどの原料となる。粒の硬さにより、生成される小麦粉の種類、用途が異なる。一部のビールはコムギの麦芽から作られる。ウイスキーや工業用アルコールの原料にもなる。
品質が劣るものや製粉の際に出るふすま(麩・麬=コムギの糠)は家畜の飼料となる。ふすまは、セルロースなど不溶性食物繊維を豊富に含むことが着目され、朝食用シリアル等にも用いられるようになった。
[編集] 分類
[編集] 生物的分類
コムギ属 Triticum は、1小穂の稔実粒数、染色体数、ゲノム構成によって以下のように分けられる。
- 1粒系 (稔実粒数1、2n = 14、ゲノムAA)
- T. aegilopoides
- T. thaoudar
- T. monococcum (1粒コムギ)
- 2粒系 (稔実粒数2、2n = 28、ゲノムAABB)
- 普通系 (稔実粒数3~5、2n = 42、ゲノムAABBDD)
- チモフェービ系 (稔実粒数2、2n = 28、ゲノムAAGG)
- T. timopheevi
[編集] その他
小麦は栽培時期等によって以下のように区別される。
- 播種時期 - 春播き小麦、秋播き小麦: コムギは秋播きが本来の作型であるが、低温要求性が小さい品種が作られ、それらが春播き小麦として利用されている。
- 粒の色 - 赤小麦、白小麦
- 粒の硬さ - 硬質小麦、中間質小麦、軟質小麦
[編集] 歴史
中央アジアのコーカサス地方から西アジアのイラン周辺が原産地と考えられている。1粒系コムギの栽培は1万5千年前頃に始まった。その後1粒系コムギはクサビコムギAegilops speltoidesと交雑し2粒コムギになり、さらに紀元前5500年頃に2粒系コムギは野生種のタルホコムギAe. squarrosaと交雑し、普通コムギT. aestivumが生まれたといわれる。普通コムギの栽培はメソポタミア地方で始まり、紀元前3000年にはヨーロッパやアフリカに伝えられた。
聖書の中にも頻繁に「麦」や「小麦」が登場し、重要な作物であったことがわかる。聖書の中で小麦が最初に登場するのは、最初の書である創世記(30章14節)である。
中国への小麦の伝来も文献などからシルクロードが開かれた紀元前1世紀頃(前漢時代)と考えるのが一般的[1]であり、中国経由で伝来されたと考えられている日本でも約2000年前の遺跡から小麦が出土しており、伝わったのはそれから遠くない弥生時代であると考えられている。奈良・平安期には五穀の1つとして重視された(『和名類聚抄』には「古牟岐(コムギ)・末牟岐(マムギ=「真麦」)」の名で伝わる)が、一方で収穫前の大麦・小麦の青草を貴族や有力豪族が農民から買い上げて馬の飼料にすることが行われ、当時の政府がこれを禁止する太政官符が度々発令(751年・808年・819年・839年)されており、稲や粟と比較して食用作物としての認識が十分に広まっていなかったとする見方もある。ただ、これには当時の日本に製粉用の碾き臼がほとんど普及していない、という事情があった。柔らかい胚乳が硬い表皮で覆われた構造の麦粒を食用にするには、全体をひき潰してから小麦粉とふすまに分離する必要がある。碾き臼を持たない庶民は、搗き臼を使っての非効率な製粉作業に甘んじるしかなかった。その手間を嫌い、手早く利益を得る方法として小麦を飼料用に販売したとも考えられる。
日本では製粉技術が未発達だったゆえ、小麦その他「粉」を使用した食品は、長らくぜいたく品とされた。庶民がうどん、饅頭、ほうとう、すいとんなどの粉食品を気軽に口にできるようになったのは、碾き臼が普及した江戸時代以降である。
[編集] 供給・需要傾向
世界的な傾向としては、需要は主に中国、インドが経済成長による食生活の変化が起こっていることなどから今後も旺盛な状態にある。一方、生産が需要に追いついておらず、小麦の期末在庫率は低下傾向にある。そのため、国際的な取引価格は上昇傾向にある。
[編集] 生産
「国際小麦生産統計」を参照
コムギは、温帯から亜寒帯にかけて栽培されている。比較的乾燥に強く、生産限界は年間降水量500mmである。灌漑設備が整っている場合は、さらに乾燥した地域でも栽培できる。
地域別ではアジア州が4割強、ヨーロッパ州が3割強、北アメリカ州が1割強となる。国際連合食糧農業機関の統計資料 (FAOSTAT)[2] によると、2006年の世界生産量は6億0595万トン。これは米の生産量(6億3461万トン)に匹敵する。トウモロコシ(6億9523万トン、2006年)についで生産量の多い農作物である。上位5位までの生産国、すなわち、中華人民共和国、インド、アメリカ合衆国、ロシア、フランスで総生産量のちょうど5割を生産している。
日本の生産量は、86万300トン(2005年)、うち北海道での生産が全体の65%を占める。北海道の生産量が多いのは、コムギはもともと乾燥地帯の作物であるため雨の少ない土地の方が生産に適しており、梅雨がない北海道が都合がよいためである[3](熟したコムギは水分を得ると発芽する(穂発芽)。穂発芽を起こしたコムギの値段は一気に下がる[3])。品種については、麺類向けの品種が主に生産され、パン向けは国内生産の半分に満たない。これは、パン向けのコムギは生産が難しく、農家が敬遠する傾向があるためだという[3]。近年のコムギ国際価格の高騰で、パン向けの品種改良や、数少ない国内産のパン用小麦の争奪戦がおこなわれている。
| 国名 | 順位 | 生産量 | 比率 |
|---|---|---|---|
| 中華人民共和国 | 1 | 1億447万トン | 17.2% |
| インド | 2 | 6935万トン | 11.4% |
| アメリカ合衆国 | 3 | 5730万トン | 9.5% |
| ロシア | 4 | 4501万トン | 7.4% |
| フランス | 5 | 3537万トン | 5.8% |
| カナダ | 6 | 2728万トン | 4.5% |
| ドイツ | 7 | 2243万トン | 3.7% |
| パキスタン | 8 | 2128万トン | 3.5% |
| トルコ | 9 | 2001万トン | 3.3% |
| イギリス | 10 | 1474万トン | 2.4% |
| イラン | 11 | 1450万トン | 2.4% |
| アルゼンチン | 12 | 1400万トン | 2.3% |
| ウクライナ | 13 | 1400万トン | 2.3% |
| カザフスタン | 14 | 1350万トン | 2.2% |
| オーストラリア | 15 | 982万トン | 1.6% |
[編集] 貿易
コムギは最も貿易量が多い穀物である。2005年時点の総輸出量は1億2027万トン、総輸入量は1億2018万トン[4]。例えばトウモロコシの総輸出量は8964万トン、米は2503万トンに過ぎない。輸出国はアメリカ合衆国 2749万トン(22.9%)、フランス1602万トン (13.3%)、カナダ 1398万トン(11.6%)、オーストラリア1392万トン (11.6%)、アルゼンチン1042万トン (8.7%) の順であり、この5カ国だけで全輸出量の2/3を占める。輸入国は、スペイン (6.2%)、エジプト、イタリア、アルジェリア、日本、ブラジル、インドネシアの順に多い。この5カ国で全輸入量の35%を占める。日本の輸入量は全輸入量の4.6%。
日本のコムギ輸入相手国は、アメリカ合衆国 (55.9%)、オーストラリア (22.2%)、カナダ (21.2%) であり、その他の国は0.7%に過ぎない。
[編集] 日本の麦流通
食糧法第三章により、麦は政府の価格統制が存在する。
(麦等の輸入)
第四十五条 麦等の輸入を行おうとする者は、国際約束に従って農林水産大臣が定めて告示する額に、当該輸入に係る麦等の数量を乗じて得た額を、政府に納付しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 第四十二条第五項において準用する第三十条第二項の規定による政府の委託を受けて輸入する場合
二 第四十三条の規定による連名による申込みに応じて行う政府の買入れ及び売渡しに係る麦等を輸入する場合
三 国内の需給及び価格の安定に悪影響を及ぼすおそれのないものとして政令で定める麦等を輸入する場合—食糧法
[編集] 政府麦
四十二条により、政府は麦等の輸入を目的とする買入れを行うことができる(政府麦)。
日本政府は、商社が輸入した小麦を購入した上で、政府売り渡し価格を製粉会社に提示、引き渡す制度になっている。製粉会社は、マークアップと呼ばれる上乗せ金 16,868円/tを政府に、拠出金 1,530円/tを、農水省OBが中心の組織、製粉振興会に支払うことで、原料を購入する事ができる。売り渡し価格は、年3回、10%程度の増減幅で見直されているが、上記の情勢や天候に大きく左右されれば国際価格に影響を受ける。
2006年頃から上昇傾向にあった小麦価格は、2007年には主にオーストラリアでの大規模な不作によって小麦価格が高騰、それに伴い政府価格も改定[2]し、パンや焼きそばなど小麦粉を使う製品の値段が上昇した。2008年10月には、売渡価格が20%値上げされる他、2009年には国産買取価格も30%値上げされた。
[編集] 政府流通外の麦
四十五条により、政府および政府に委託を受けた以外の者が日本に小麦を輸入する際には、輸入関税に加え、国内生産農家保護のため麦等輸入納付金を納付しなければならない。[5]
- 第四十五条三項に基づき輸入
- 45.20円/kg (小麦 メスリン及びライ小麦)
- その他の輸入
- (stub)
[編集] 品種等
日本における農林水産省が認定する「農林認定品種」は、2010年までに170種を超える[6]。日本に輸入される外国産の小麦は、複数品種をブレンドした銘柄で取引される。
| 品種名・銘柄名 | 農林番号 | 旧系統名 | 誕生年、開発者など | 元になった品種(♀×♂) | 特 徴 | リンク |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小麦農林10号 | 小麦農林10号 | 東北34号 | 1935年 岩手県農業試験場 | ターキーレッド×フルツ達磨 | 短稈(半矮性)、直立して間作に便利、耐寒耐雪性強。 世界的なコムギの生産性向上に大きく貢献。 | 農水省 |
| ホクシン | 小麦農林142号 | 北見66号 | 1995年北海道立北見農業試験場 | 北見35号 × 北見42号(後のチホクコムギ) | 日本で最も広く栽培されている小麦品種。北海道において秋まき小麦として栽培されている。 | 農水省 |
| 農林61号 | 小麦農林61号 | 西海75号 | 1944年 佐賀県農業試験研究センター | 福岡小麦18号 × 新中長 | 短稈、穂数多く、倒れにくく多収。更に、萎縮病、縞萎縮病、黄銹病の抵抗性が強く、赤黴病被害少ない。日本の水田裏作栽培で最も多く栽培されている品種。現在でも関東以西の地域では基幹品種。 | 農水省 |
| チクゴイズミ | 小麦農林141号 | 西海171号 | 1996年(独)農業・食品産業技術総合研究機構 | 関東107 号 × アサカゼコムギ | 西日本を中心に多く栽培されている。農林61号など従来の品種に比べアミロース含量が低い「低アミロース品種」で、柔らかくモチモチとした食感が特徴。九州沖縄農業研究センター筑後市が育成。 | 農水省 |
| 春よ恋 | HW1号 | 2001年 ホクレン農業協同組合連合会 | ハルユタカ × Stoa | うどんこ病抵抗性が強い。北海道において春まき小麦として栽培。日本で初めて葯(やく)培養により育成された小麦。パン用小麦品種。 | 農水省 | |
| さぬきの夢2000 | 香育7号 | 香川県農業試験場 | 西海173号(後のニシホナミ) × 中国142号 | うどんこ病抵抗性はやや弱い。特産品の讃岐うどん用として開発、製麺用の品種。半数体育種法で作出されている。讃岐うどんのなめらかさ、粘り、かたさ(噛みごたえ)に最適化するため、チクゴイズミほど低アミロースにはしていない。 | 農水省 | |
| シラネコムギ | 小麦農林131号 | 東山17号 | 1970年 長野県 | 北陸49号 × 東海80号 | 秋蒔き型の早生品種。耐寒性に優れ東北地方での栽培用品種として普及。 | シラネコムギCiNii |
| きたもえ | 小麦農林149号 | 北見72号 | 2001年 北海道立北見農業試験場 | 59045(後のホクシン)×北系1354 | 縞萎縮病抵抗性-やや強、耐雪性-やや強、耐倒伏性-強、北海道において秋まき小麦として栽培されている。 | 農水省 |
| タクネコムギ | 小麦農林115号 | 北見30号 | 1974年 北海道立北見農業試験場 | 東北118号×北系221 | 一穂粒数が少ない。北海道を中心に栽培される。成熟すると穂が赤色になることから赤麦とも呼ばれる。主に醤油醸造に用いられる。 | タクネコムギ |
| もち姫 | 小麦農林糯166号 | 2006年(独)農業・食品産業技術総合研究機構 | もち盛系C-D1478 × (もち盛系C-G1517 × 盛系B-8605)F1 | 耐寒雪性に劣る。もち小麦(低アミロース)。 | もちひめ、もちひめ東北農業研究センター | |
| ミナミノカオリ | 小麦農林160号 | 西海186号 | 2006年(独)農業・食品産業技術総合研究機構 | Pampa INTA × 西海167号 | 蛋白質に富み、パンや醤油に向く。 | 農水省 |
| オーストラリア産スタンダードホワイト(ASW) | オーストラリア | オーストラリアの製麺用小麦銘柄。日本へ輸出するために数種類をブレンドして、安定した高品質を確保している。背丈が長く倒れ易い、赤かび病に弱い。 | ||||
| デュラム | パスタで用いられている、グルテン(蛋白質)の多い種(T. durum)。日本での栽培は難しく、ほとんどが輸入物。超硬質で黄色いのが特徴。通常、セモリナ粉(粗挽き粉)として用いられる。 | |||||
| プライムハード (PH) | オーストラリア | 強力粉用銘柄。パンや中華めん等の原料。 | ||||
| ウエスタンホワイト (WW) | アメリカ | 薄力粉用銘柄。菓子・ケーキ用。通称ダブダブ。クラブコムギ(T. compactum)を含む。 | ||||
| ダークノーザンスプリング (DNS) | アメリカ | 強力粉用銘柄。パンの原料。 | ||||
| カナダウエスタンレッドスプリング (CWRS) | カナダ | 強力粉用銘柄。パンや中華めん等の原料。 |
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- コムギ - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- コムギの話 KOMUGI NETWORK(日本のコムギの遺伝・育種の研究者が構築したデータベース)
- 新形質低アミロース小麦の 加工適性と用途開発(財)北海道科学技術総合振興センター
- 農林(命名)登録品種-小麦
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