給食
給食(きゅうしょく)とは食事を供給すること。また、そこで供される食事そのもののこと。
目次 |
[編集] 概論
一般には、学校等(小学校、中学校、保育所、児童養護施設など)、福祉施設(老人ホームなど)、工場あるいは病院、寄宿舎、軍隊、刑務所[1]などで多人数のために作られた食事を供すること、あるいはその食事そのものである。 日本では、学校で提供されるそれを経験した人の割合が多いため、単に「給食」というと学校給食(がっこうきゅうしょく)をイメージする人が多い。だが実際はこの語は前述のように、もっと広範囲に用いられており、さらに、被災地の住民に支給される炊き出しなどの食事も給食と呼ばれる場合がある。
給食は一般に、調理作業の能率化、調理場施設における衛生管理や栄養管理が行われている。
[編集] 語源
「給食」という言葉の語源は、古代日本の律令制における高等教育・官人育成を目的とした大学寮の設置に遡る。大学寮の学生は直曹と呼ばれる学舎兼学生寮に住むこととなっており、大学寮から学生に対して給付した食事を給食と称した。[2]
[編集] 学校給食
英語: School dinnerあるいはschool lunchなどと言う。ドイツ語: Schulspeisung。まず日本を含めた世界各国の学校給食について概略を述べ、次に日本の学校給食について詳述する。
[編集] 世界各国の学校給食
[編集] 日本
アメリカ合衆国では、1930年代より余剰作物の有効活用として学校給食の援助がスタートした。敗戦後の給食は、第二次世界大戦後のアメリカのヨーロッパに対する支援が一段落し、溢れるアメリカの農畜産業の余剰生産物のはけ口として日本の学校給食が狙われた。学校給食は、極端な米食重視だった日本人の食生活を大幅に変容させ、日本にパンや乳製品の消費が定着する一因ともなった。
それぞれの自治体の方針によってやや事情は異なるが、基本的に下は幼稚園や保育園から小学校を経て、中学校までが一般的で、ほかに定時制(主に夜間)高等学校で給食が提供されている。近年、一部全日制高等学校においても学校給食が開始されはじめている。
小学校教育をイメージさせるキーワードとして学校給食は欠かせない要素であり、中学校でも給食が提供されている地域は増えている。学校給食にノスタルジーを感じる大人向けに、給食と同じようなメニューを提供するレストランも存在する。給食にかかる行政コストが問題になったり、「親が愛情を込めてつくった弁当を食べることで親子の会話ときずなも生まれる」として、学校給食廃止が議論になっていた地域も多かったが、近年食育の意識や格差是正の観点、栄養の偏りの是正、共働きの増加など給食維持の声も強いため廃止論を言う者は少なくなっている。
一般的な学校給食は、朝からの4時間授業のあと、正午過ぎ~午後1時の間に配膳され食し後片付けを済ませる。ただし、定時制学校では時間帯や量が異なり、例えば朝食を抜いてくる事が判っている児童に朝に軽食ないし糖分を含んだ飲み物を提供するところ(後述)や、深夜授業に備え夜食を提供する学習塾など、様々な事情に即した給食の形態が見られる。
かつては、「偏食や野菜嫌いなどを矯正する」という観点から、残す事を禁止する教師が圧倒的に多かった(全部食べきるまで昼休みの時間もずっと残されて強制的に食べさせられた)。しかし、食物アレルギーに対する配慮などから、残すことを禁止する風潮は減りつつある。特に症状の重い(そばアレルギーによるアナフィラキシーなど致命的な拒否反応が出る)児童・生徒は、学校側との交渉の上、給食をとらずに弁当を持参することが認められるケースもある。また、食べる前に食べられる量まで減らすように指導する教員も増えている。ただし、担任の考え方により給食を残すことを是か非かとするかはかなり異なり、未だに残すことを禁止している教員も存在する。
余った分は欲しい人に対して開放するほか、デザートや人気メニューについては教師の指導の下、ジャンケンや特配などの方法で争いが無いように分配されるなど、「集団内のルールを作りながら問題を解決する」といった基本的な社会性の教材的な扱われ方も見られる。1990年代よりは食育という「食事の教育的側面」が注目されるようになり、郷土料理の取り込みや地域産品の活用も見られるが、その一方で余剰地域産品の重要な消費先ともなっており、地域農林水産業の影響も見て取れる。
- 牛乳では2004年度の給食消費量は385,543キロリットル(前年度比-2.7%)となっており、これは加工用乳含めた全牛乳生産量の9.8%であるが、この学校給食消費量の微減傾向は2005年に前後する牛乳供給過剰問題の一因にも挙げられている(畜産情報ネットワーク推進協議会調べ)。
給食制度が始まった当初は、パンに比べて価格が高いという理由からご飯が給食に出されることはなかった。1976年から給食にご飯が登場するようになり、食育とあいまってご飯を中心とした日本型食生活の促進が期待されるようになっている[3]。国会でも、まだまだご飯食を増やしたいと意向が示された[4]。近年では週に3回程度、ご飯が出るようになっており、さらに週4回まで増やすことが検討されている[5]。
学校給食は、学校の地位を高めるとして、ホテルに給食サービスを委託する動きもある(京都の同志社小学校と立命館小学校がホテルに給食を委託した[6]。
学校給食は学校内で全て同一の分量が出るわけではなく、いくつかの種類に分けられている。一例としては小学校低学年、中学年、高学年、中学校と4段階に分け、分量をそれぞれ設定するなどがある[7]。ただし、これらの規定は「同学年=同年齢」という年齢主義に基づいているため、想定年齢より高年齢の在学者に対しても、その学年用の給食が支給されることになる。
[編集] ヨーロッパ
日本の学校給食ではない習慣だが、ヨーロッパの初等中等学校の多くでは、昼食は家に帰ってとるというケースがある。大学では、食堂で食べることが一般的で、ここには給食のような定食メニューがある。そのメニューで、金曜日には通常の場合、肉料理はなく、多くの人は魚料理を食べる。キリスト教の風習からくるものである。
[編集] アメリカ合衆国
アメリカ合衆国の学校給食[8]では、1930年代より余剰作物の有効活用として学校給食の援助がスタート。年々参加校を増やし、1946年には学校給食法が制定され、公立私立問わず高等学校までの全ての学校での給食がスタートした。アメリカの学校給食法の目的には、子供たちの福利厚生を目的としたものとしている一方、農産物の消費拡大の一文が添えられているなど農業国独特の側面もうかがわせる。
給食費は有料であるが、給食を全部または一部の納入を拒否して弁当を持参することもできる。保護者が低所得者である場合には、給食費は免除される。
昼食場所は、都市部を中心に下校や外食を認めている学校もあるが、多くは校内のランチルームで行われる。ランチルームは「All You Can Eat(食べ放題)形式」を採る学校が多く、宗教や信条的な理由から生徒が自由に複数のメニューから主食、副食を選ぶことができるよう配慮されている。外食産業の学校給食への進出も盛んで、宅配ピザのチェーン店が学校にピザを供給している例も見られる。
献立は、近年まで必須カロリーをいかに補給させるかが課題とされてきたが、2000年代頃から生徒の肥満傾向が著しくなってきたこともあり、栄養のバランスなども考慮されるようになった。
[編集] 中国
中国における大学の食堂は、政府から補助金も受け取っており、市場価格よりも安く提供されている[9]。 また、中国は総人口の約2%をイスラム教徒が占めるため、豚肉やイスラーム以外の方法で処理された鳥獣肉を一切置かない、清真食堂が大学の食堂にも併設されている。 2007年の物価高騰による食材コストの増加が、学校給食へも影響を与えている。
- フリーライドの防止と、提供しても利益が出ないことから、部外者の利用制限[10](食費を浮かすために、安い大学の食堂へ他大学の学生が食べに行ったり[11]、卒業生が食堂を利用していた[9])を行う動きがある。
- コスト削減のために、農家との食材の直接契約[9]や、する動きがある。
[編集] 発展途上国
発展途上国においては、子どもが学校に行くことが困難な場合も多い。日々の食事が満足でない状況で、お弁当をもたせて学校に行かせるようなことが難しいからである。そのため、国際連合世界食糧計画(WFP)では、学校での給食事業を行ない、子どもの栄養不良を改善し、さらには親たちにも食事のために子供を学校へ行かせようと意識させ就学率を向上させている。
[編集] 提供の形態
給食方式として、給食センター方式(複数の学校向けの給食を一か所で調理して、トラックで各学校に配送する)と個別(学校別)給食方式(各学校の給食室で調理する)がある。また、民間に委託している場合もある。
配膳は児童生徒による交代制によりおこなわれ、これを給食当番という。給食当番の主な仕事として、以下があげられる。なお、給食の調理及び食器類の洗浄は調理場にて一括して行われ、給食当番は一切関与しない。
- 給食室(センター方式の場合は配膳室)から給食を運ぶ
- クラスの生徒(担任含む)へ配膳する(ウェットティッシュが配られる場合もある。各自でやったり班の代表がやる場合もある)
- 食べ始め・食べ終わりの号令(日直や学級委員等が行う場合もある)
- 食べ終わった食器類を給食室(センター方式の場合は配膳室)に返す
当番の期間は学校や学級担任の考え方によって様々であるが、多くは一週間程度で、当番は数人で構成している(あらかじめ決められた班によるローテーション制が多い)。エプロン(白の他、色々な色のものがある)、三角巾(または帽子)、マスクなどを着用し、マスク(場合によっては三角巾なども)を除いた着用具は洗濯をした後、次の当番へ渡す。なお、当番に教師は含まれない。マスクや洗濯のために持ち帰った着用具は忘れ物となりやすいため、「着用具類の忘れ物が一定以上あると、罰則としてもう一週間当番をしなければならない」など、忘れ物防止のために学級によって様々なルールが作られている。
白衣・帽子・マスクは給食当番の人のみ着用し配膳の仕事が終わるとそれらを脱ぎ給食を食べるのが一般的だが、学校のきまりやクラス担任の指導方針の違いにより以下のようなパターンがある。
- 当番の人だけ白衣マスク帽子を着用、配膳後当番はマスクのみはずし白衣を着たまま食べる
- 当番以外の人はマスクのみ着用、「いただきます」まで自分の席で静かに待つ
- 当番も当番以外の人も全員給食の時間になると着替える
一部の学校では給食を食べる為に作られた専用の教室(給食ルーム・給食室等と呼ばれる事が多い 要は食堂)を備えており、給食の時間になると全校もしくは一部の児童・生徒がそこに集まり給食を食べるシステムとなっている。
給食は、長らく施設の一部として管理運営がなされてきたが、非効率的であるとして管理運営の一部を給食産業へ委託するケースも見られるようになってきた。
[編集] 法的根拠
- 学校給食法……小学校、中学校、中等教育学校前期課程、特別支援学校の小学部・中学部
- 特別支援学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律
- 夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律
[編集] 歴史
- 1889年(明治22年)に山形県鶴岡町(現鶴岡市)の大督寺内の私立忠愛小学校においておにぎり・焼き魚・漬け物といった昼食を貧困児童に与えたのが日本で初めての給食とされている(ちなみに鶴岡市では12月になると給食記念日と言う事で当時の給食を再現されたものを出される)。
- 1944年(昭和19年)、6大都市の小学生児童約200万人に対し、米・みそ等を特別配給して学校給食を実施した。
- 1946年(昭和21年)12月24日戦時中中断されていた学校給食が東京、神奈川、千葉で試験的に再開される。
- 1947年(昭和22年)1月、主要都市の約300万人の児童にララ物資を利用した学校給食が開始される。
- 1949年(昭和24年)、ユニセフ(国連児童基金)から脱脂粉乳が贈られユニセフ給食がおこなわれた。
- 1950年(昭和25年)、アメリカ合衆国から小麦粉が贈られ都市で完全給食がおこなわれた。
- 1954年(昭和29年)、保護者においても好評で存続が望まれ、学校給食は教育の一環として学校給食法施行。
- 1956年(昭和31年)、学校給食法一部改正。中学校にも適用されるようになった。「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」が公布された。
昔は給食ならではのメニューが多かったが、世代や地域によって思い出に相当の違いが見られる。戦後、アメリカで大量に残っていた小麦粉を日本に安く売り、それをパンにして提供し日本人の食文化に多大な影響を与えた。そして、高度経済成長をへて日本が豊かになるにつれてその内容は大きな変遷をとげてきた。1958年(昭和33年)に脱脂粉乳が牛乳へ、[要検証]1976年(昭和51年)米飯給食が開始、後にパンは週1回程度になりご飯が主食となり(日本人の食事の洋食化に伴い、米の生産量の増大と反比例して消費量が減り、余った古米、古古米の処理のため)、パンをクロワッサンに、汁物をトムヤムクンになど、従来あまりなじみのなかったメニューも供され、近年では普段の食事と変わりないかそれを上回るメニューが多く登場している。食物アレルギーを持つ児童生徒に対応した特別食を作る場合もある。
[編集] 関連資格
現在、給食における栄養の指導に関する、日本での国家資格としては、栄養士、管理栄養士及び栄養教諭がある。
[編集] 主な献立
時代によって食文化が変容すると共に給食のメニューもまた様変わりしている。近年では食の多様化を反映し、色々な国の食事が学校給食で採用されるようになった。冷凍食品や各種レトルト食品を利用することにより、手の込んだ献立が供されることが増えた。それらの料理を組み合わせて20日間、異なる国の料理の給食を供した例もある。
親の世代の給食内容を子供に話すことは、世代の違いや歴史を知る良い機会にもなる。
- 飲み物
- 牛乳 - 容器は紙パック(北海道では、プラスチックビニール製のテトラパックもある)と牛乳瓶が主流である。紙パックはいくつか種類がある。牛乳はミルメークと呼ばれる粉末または液体の調味品がつくことがあり、イチゴミルクやコーヒー牛乳等はこれで作る学校もある。主食が米飯の日でも牛乳が出されるというのは、食べにくいという面で否定的な意見も多い。京都市ではおかずが汁物(味噌汁、粕汁)である日には牛乳が付かないことになっていた。米飯給食開始後はそういう献立の日があてられた。また、ミルメークを使わずに年数回コーヒー牛乳そのものを出す学校もある。
- 脱脂粉乳 - 当初の給食は脱脂粉乳とパンという質素なもので、当時を知る者の間では脱脂粉乳のまずさがしばしば話題になる。バケツに入れて配膳されていた。時間の経過とともに表面に膜が張り、とても飲める代物ではなくなるため、最初に一気に飲むのが定石であった。1970年代前半までは給食で出されていた。
- 第二次世界大戦後、アメリカが膨大な余剰物資であった脱脂粉乳を小麦粉同様に食料支援政策という名目で日本へ売却し利益を得たことを日本人が知るのは後々の世であった。
- お茶 - 茶どころでは牛乳に加えてお茶も付く(ただ、飲み物が牛乳と重複し、コップを持参しなければならないため、実際に飲んでいるのは牛乳嫌いの児童・生徒などに限られている場合もある)。近年では食の見直しの観点から、ご飯中心の和食のメニューの際には、牛乳の代わりに茶を出す学校もある。
- ジュース - みかんやりんごが多く穫れる地域では土曜日に地場産の果汁100%ジュースが出されることがあった。しかし、学校5日制の影響で廃止されたケースが多い。他の地域でも乳酸菌飲料、コーヒー牛乳等が出される所もある。これらは普段からではなく、年に数回程度特別に出される場合が多い。また、佐賀県では、休み時間にみかんジュースが配られている。
- 主食
- パン - 食パン、レーズンパン、クロワッサンなどのバリエーションも。ジャム、マーガリン、ピーナッツバター、チーズ等が付くことも。また京都市では低学年と高学年では食パンのサイズが異なっており(低学年クラスの担任でも教師は高学年サイズとなるため混在しないよう別袋に入れられていた)、費用の違いから年度末に給食費の調整が行われた。
- 黒砂糖パン(黒コッペパン) - 黒砂糖を使用した茶色のパン。レーズンパンになることもあった。
- コッペパン - コッペパンの名はフランスパンのクーペにその形が似ていることから、それが転じて付けられたとされる。
- 揚げパン - コッペパンを油で揚げグラニュー糖をまぶしたもの。グラニュー糖にきな粉やシナモンを混ぜたものもある。
- 豆パン - 生地に甘納豆を用いた菓子パン(北海道)
- ソフトフランスパン - 一般的な棒状のフランスパンとは、違い白くて丸いパンで粉が塗されている。(北海道)
- ケーキパン - クリームをサンドしたパン。
- 胚芽パン、米粉パン - もちもちした歯ざわりである。
- フォカッチャ - イタリア風パン。
- ナン - インド風パン。主にカレーのときに付けられる。
- チャパティ - インド風パン。
- ご飯 - 現在では、条例で定める地方自治体も現れるなど学校給食の主流である。学校給食の主食は、当初はパンだけであったが、米余りの問題が指摘され、結果1976年から消費促進を狙って白米飯も出されるようになった。初期はパン箱のような保温コンテナに入ったご飯が配送されて来ていた。近年のアルミパックに入った米飯はパン工場のパン焼き機で炊かれたものである。その他に、炊き込み御飯、豆御飯、わかめ御飯、紫蘇御飯、赤飯、麦ご飯、焼きおにぎり、ピラフ、チャーハン、チキンライス、パエリア、ビビンバなどがある。地域によっては、アルファ化米を用いていた例もある。
- 麺類
- パン - 食パン、レーズンパン、クロワッサンなどのバリエーションも。ジャム、マーガリン、ピーナッツバター、チーズ等が付くことも。また京都市では低学年と高学年では食パンのサイズが異なっており(低学年クラスの担任でも教師は高学年サイズとなるため混在しないよう別袋に入れられていた)、費用の違いから年度末に給食費の調整が行われた。
- 汁物
- おかず
- デザート
その他、その地域独特のメニューをアレンジして使われた献立として、雑煮、ういろう、ほうとう、たこ焼き、けの汁、すいとんなどがある。また、日本国内に限らず外国の料理も、友好都市、姉妹都市のメニューを中心に多く見られる。
[編集] 食器
学校給食以外ではあまり見かけない食器として先割れスプーンがある。スプーンの先端がフォークのように割れたこの食器は、スプーンとフォークの役割をこなせて、しかも両方準備する手間がはぶけるとして学校給食の現場に普及した。しかし、1980年代ころに「スープがこぼれるので食器に顔を持っていく犬食い(犬や猫などのペットや、家畜が、餌の入った容器に頭を突っ込んで食べるさまに酷似していて、無作法である)になる」「箸がつかえなくなる」「食べづらい」といった批判がなされ、徐々に姿を消した。今日学校給食では箸やスプーン、フォークが提供されている学校が多く、箸の訓練になるようにと、通称児童箸と呼ばれる、先端部に刻み目をいれることで食品を掴みやすく工夫された箸を使用する地域もある。
食器は、軽量であることや耐久性の面からアルミ(アルマイト)製が使用され、その後メラミン樹脂などの合成樹脂製が採用されていた。ところが、合成樹脂のポリカーボネートの原材料のビスフェノールが溶出され、内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)の疑いがあると問題化し、その使用は中止された。そしてメラミン樹脂食器も良くないのではないかという保護者の漠然とした不安の声もあり、セラミックの技術改良で軽量で割れにくいセラミック(強化磁器)製食器の利用が見られたが、割れたとき破片が鋭角で遠くまで飛び散り失明などの事故が起きたことから使用は一部にとどまっている。なお、合成樹脂製食器は一時、食器点数の軽減による管理の簡便化を目的として、ランチプレートと呼ばれる全ての料理を一枚のプレートにある各々の窪みによそう(現在でもお子様ランチにみられる また軍隊などにおける通常の食事もこれと同様である)様式が用いられた。しかし日本では椀等の食器を持って食べるという文化があり、また、前出の犬食い問題もあって中止された。また、学校によっては、あえて陶器などを使うところもある。
[編集] 学校給食に関連した社会現象
[編集] 学校給食外部委託
ここ最近、主に小学校において「義務教育」の言葉に託けて給食費を支払う経済的余裕のある家庭ですらその支払いを拒否、怠っている現状があるなど、憂うべき保護者の意識低下が問題視されている。その一方で、経費削減を目的として、学校給食の外部委託を行なう自治体が増えてきた。また、「外部委託により質の低下が起こるのではないか」と保護者の反発が強いところもあり、自治体と保護者などが協議会を作り、委託状況を監視している所もある。
[編集] BSE発生による牛肉不使用運動
給食センターなどの集中調理法式に関連して、2000年に前後して社会問題となったBSE問題により、保護者側の根強い牛肉使用に対する抗議活動もあり、一つの学校が牛肉を使用した給食供給を中止したため、その学校の給食供給を受託した業者の請けおう地域全体で牛肉を使った料理を給食に出せないなどの事態を招いた。このため業者側では牛肉料理を他の肉で代用したアイデアメニューを採用するといった対応を行った。この問題は、第三セクター経営や公営の給食センターにおいても発生した。2003年には(豚肉よりも安価になった輸入牛肉を含む)牛肉が56%の学校給食で用いられていないとする報告が農林水産省より提出された。
[編集] O157食中毒への対応
1996年7月、大阪府堺市で、学校給食を食べた児童ら約9500人がO157集団食中毒に感染し、3人が死亡した。これを受け当時の文部省、厚生省から新たに調理方法(大量調理マニュアル)が示された。施設が不十分でそれに対応できない学校給食施設では、生の野菜や果物を献立に使用することができなくなり、これらの施設で調理される学校給食の献立から、生野菜であるサラダや切った果物が姿を消した。現在、多くの学校の学校給食では、例えばトンカツのつけあわせに茹でたキャベツ(→温野菜)を使うなど、生野菜やサラダを使わない献立になっているが、安全な地場産の野菜を使うなどの工夫から生野菜を復活させている地方もある。また従来では、児童らに特別な思い入れが出ることから持ち帰りを大目に見ていたゼリーやプリン等も、持ち帰りも原則として禁止している。児童・生徒側の防止策として学校によっては食べる前に手を消毒液に浸けて殺菌させているケースもある。
[編集] 朝食抜き児童と給食
朝食を食べない児童生徒は、午前中に栄養不足となるため学業の能率が落ちる。このため、朝食抜きの児童生徒と給食の関係も問題となっている。近年では諸事情により朝食を取らずに登校し、給食まで何も食べない児童生徒も存在し、学校側は対応を迫られている。
たとえばヤマギシズムの村では、基本的信条により食事は一日二食であり、朝食は食べない。この村の学齢児童が地元学校に通っているが、彼らが朝食を取らないことにより学業に支障が出ている。ヤマギシズムの本拠地は三重県であるが、現地の学校側では午前中に砂糖水を支給するなど、応急的な対応を行なっている。
[編集] 教育の中での給食
学校給食は学校生活の一部であり、給食を通じた学校行事を計画する学校も見られる。また、各学年あるいは各学級で、児童生徒の中で様々なルールや遊びが作られることもある。給食は個食や弁当とは違い、多くの児童生徒と同じ食事を共にするため、子供へ影響を与える傾向がある。給食を通じての子供社会の確立や、子供独自の遊びなどが挙げられる。かつては給食を食べ残すことは禁止されている場合があり、放課後まで残されて残さず食べることを強要されたり、地域によっては「三角食べ」と称する食べ方を強制される場合もあった(管理教育#管理教育の地域性を参照)が、これらの行為は逆に反教育的であるとして行われなくなってきている。場合によってはいじめにも繋がることもある。食生活の指導を一般教員が行うことには限界があるという例である。
いくつかの自治体では、学校給食を通して食育(食事を通した食に関する教育)が行われている。様々な食材をバランスよく摂取する指導、地元の素材や食器を使い、正しい食事作法を身につける指導などが実践されている。
[編集] 給食の行事
- 校長先生と一緒に食べる
- 校長先生がクラスや児童生徒の状況を観察する為、及び一緒に食事をすることで児童生徒とのコミュニケーションを図る為に実施される。児童生徒にとっては、この行事を大いに受け入れる者、嫌がる者と千差万別である。
- 担任の先生と一緒に食べる
- 行事とは異なるが、班に分かれて給食を食べる場合、担任の先生がどこかの班に混ざって給食を食べることは多い。これも勿論児童生徒とのコミュニケーション等を図る上で有益と思われるが、上の校長先生同様千差万別の評価が得られる。
- 保護者の給食
- 保護者が児童生徒と一緒に給食を食べる、あるいは保護者のみで別の教室で食べる。特に前者の場合はクラスや児童・生徒の状況観察や児童・生徒とのコミュニケーションを図るねらいもあるが、給食を実際に食べて、味などの学校給食の実体を把握することが大きな目的である。普通、給食費とは別に料金(実費負担分)がかかる。
- 特別メニュー
- 何らかの行事に関連させるなどして、特別な献立を用意することがある。例えば、地元や交流都市などの郷土料理、豪華な料理など、通常のメニューとは大きく変わったものが出される。
- 行事との関連を図ったり、食を通した郷土理解や異文化理解などがねらいとして挙げられる。学校の実態にもよるが、このような例は増加している。
- 例えば学校農園の収穫祭では、児童生徒が栽培した米や野菜などを給食の献立に使用する。また、郷土理解を図る場合には、地場産業を子供達に知って貰う趣旨で地元の食材を使う事が多い。地域によってはこのとき、イセエビやアワビなどの高級食材が出る場合もある。(例として下関の給食ではフグ雑炊や鯨の竜田揚げなどが出ている)また異文化交流の例としては、サッカーのワールドカップで出場国の民族料理などが出される。
- リクエストメニュー
- 児童生徒に献立の希望をアンケートなどで募り、それを提供するものである。多くはこれまでの給食の中で人気の高かったメニューが選ばれる。
- 学年、学級を超えた給食
- 他の学年の生徒と一緒に食べる。縦割り班ごとに食べたり、個人が他のクラスに混ざって食べたりする事がある。
- リザーブ給食(バイキング給食)
- あらかじめ数種類の食品を示されたなかから選ぶことができるもの。バイキング形式と考えてもよい。主食や副菜、飲み物、デザートを選べることが多い。好きなものが選べることから人気が高いが、当日に給食当番(配膳係)にあたると配布がやや面倒になる。
また非常に稀であるが皇族や内閣総理大臣、文部科学大臣が現場視察(訪問)の一環として児童と給食を共にすることもある。
[編集] 放送
給食時間は、学校により異なるが放送が行われることが多い。校内の放送室を利用したもので、全校に向け放送される。今日の給食の紹介、及び児童生徒による音楽を流したり話をすることから成る。各教室のテレビを利用してビデオプログラムを上映することもある。
ただ一部の生徒からは「放送中喋る事が出来ない」というルールにより快く思われていない面もある。
[編集] 学校給食の問題点
学校給食はメリットのほうが大きいが、集団活動の一環でもあり、問題も多く発生している。ここではまず列挙程度で述べられるいくつかのトピックを示し、個別に掲げるべき問題、すなわち宗教的配慮、アレルギー対策、給食費問題、資源問題は別途節を切って論ずる。社会現象の節で取り上げた事柄も一部は問題としての側面もあるので、あわせて参照されたい。
- かつての学校給食の問題点は、教育の一環として、教師が生徒を放課後まで居残らせ、残さず食べることを強要されることなどが挙げられるが、現在ではそういうことは減ってきている。現代では、自分が好きなおかずやデザートが出ると他人の分の給食を取り上げたり、自分の嫌いなものを無理矢理他人に食べさせることなどが問題となる。特に肉やデザートは人気があるために他人の分を勝手に取り上げることが起こりやすく、果物や野菜などは嫌う児童も多いため無理矢理他人に食べさせることが起こりやすい。いわゆる給食でのいじめは、現在の学校給食の問題点のひとつである。
- 前述の通り、学校給食の主食は価格や供給の安定性からパン食で始まった。これが戦後の日本人にパン食が急激に普及する原動力となったが、その反面、今日まで続く消費者のコメ離れの元凶の一つとして、学校給食がパン中心であることとの関連性を指摘する意見がある。近年、飯米給食に切り替わりつつあるのは日本型食生活に対する食育というのが表向きの理由であるが、同時に上記の反省という側面も存在している。
- 生徒(児童)の中には、クラスの人間同士顔を合わせて食事をする事が出来ない(困難な)者も存在することがある(会食不全症候群)。為に、近年では別室(保健室等)に移動させて食べさせる等の配慮をしている学校もある。
- 中学校において、3人に1人が美味しくないと思っている、というアンケート結果がある。また、食べ残しによる残飯が問題になっている(アンケートは東京都小平市内8校を対象)[12]。残飯問題は後ほど詳述する。
[編集] 学校給食と宗教的配慮
学校給食では、ある特定宗教の教徒には戒律で食べられないものが出ることがある。
1999年4月、三重県津市の白塚小学校のイスラム教徒であるバングラデシュ人児童のために提供していた代替食の提供を突然止めた問題があった。イスラム教徒は宗教上の理由で豚肉や豚由来の食品を食べることができない(不浄として禁じている)。そのため、白塚小学校では献立に豚肉が含まれる場合に鶏肉などを使った別メニューを提供していたのだ。しかし、津市の教育委員会が「文部省の基準をもとにした市の衛生管理基準に反している」という理由でこの代替食の提供の打ち切りを小学校に指導し、小学校側は代替食の提供を止めた。この事が異文化や宗教の無理解、外国人差別、国際感覚の欠如として問題となった[13]。
文部省学校健康教育課は、アレルギーなどの理由である食品が食べられない児童らに代替食を提供するなどの対応を認めた手引きを出しており、津市のいう「特別食」はダメだなどと決めつけてはいない。逆に「宗教的理由でも弾力的な配慮があってもいい」としている。そして、中日新聞2000年1月29日付によると1999年4月に三重県津市教育委員会が中止を指示した「特別食」が同年9月中に再開された。また、2011年9月 文京区教育委員会が同区立中学校に通うインドネシア人生徒のための豚肉を除去した代替食を提供することを拒否している。文京区教育委員会によると「アレルギーの場合は生命の危険性があるために代替食を提供するが、宗教的なことに関しては個人的な理由として提供できない」と説明している。
[編集] アレルギー対策の問題
2003年時点で生徒の約1.3%(80人に1人)が何らかのアレルギーを申告しているが、自治体、学校側の対策は不十分な状態となっている[14]。
対策としては
- 献立を通知し、アレルギー原因食品が給食に含まれる日は保護者に弁当を用意してもらう
- アレルギー持ちの生徒のために別途給食を用意する
- 最初からアレルギー原因食品を使わない給食を用意する
などがあるが、経費がかかりすぎるためアレルギーに対応できない学校も多いという[14]。
[編集] 学校給食費の問題
一般に学校給食は無償で与えられるものではなく、その費用は児童・生徒の保護者が負担することとしている。しかし昨今、支払う余裕があるにもかかわらず、意図的に給食費を支払わない保護者が問題視されており、近年テレビ番組の特集などでも多く取り上げられるようになった。給食費を支払わない保護者の言い分としては、「給食の契約を結んでいない」、「義務教育だから払う必要が無い」(「義務」の意味は親が子供に教育を受けさせる義務を負っている。義務教育の意味を取り違えている)、「(高級車を乗り回していながら)支払う余裕がない」などが多い。なかには「催促に来るのは、まるで借金取りみたいだ」「(払っていないからといって)給食の提供を停止できるのなら、停止してみせるべきだ」と開き直った発言も報道されている。また生活保護を受けている世帯では滞納するケースが多いという(生活保護費や就学援助費に含める形で給食費用が上乗せして支給される制度があるが、周知されていないと指摘する声がある)。再三の支払い催促も無視する者がおり、最悪な例では、給食費を回収に来た職員を殴った保護者までいる。ただし、実態としては滞納者は約1%、滞納額は約0.5%であり(このなかには経済的な理由も含まれる)、さほど重大な問題ではないという指摘、問題の規模の小ささに比べマスメディアの取り上げ方が大袈裟であるという指摘、未納問題は昨今始まったことではないのでこれを「昨今の親のモラル低下」を原因とするのは的外れという指摘もある[15][16]。
2007年1月24日、文部科学省は初の全国調査結果を公表、2005年度の小中学校の滞納総額が、本来払うべき額全体の0.5%である22億円を超えた事を明らかにした。滞納者数は10万人近くで、約100人に1人が滞納していた計算となる。滞納率は県別では、沖縄県が3.8%、北海道1.4%、宮城県1.1%の順に高く、最も低かったのは、富山県と京都府の0.1%だった。その理由として、滞納があった学校の6割が、保護者の「モラルの低下」を原因として挙げている。また保護者の「経済的問題」を理由に挙げたのは3割であった。滞納者を多数抱える自治体は対応に苦慮しており、自治体や学校での未納防止策としては、給食費を他の副教材費等と一緒にし「集金」として徴収する、また、前払い式食券方式にするなどが行われている。一部の学校では児童の保護者に、給食費を払わないと給食を食べさせないので弁当を持たす旨の誓約書を書かせたことで話題になった(その後、誓約書は廃止)[17][18][19]。しかし学校給食費滞納があっても滞納しているからと給食を与えないわけにはいかないというのが実情であり、学校全体で給食の材料費を下げ、その結果品数を一品減らす等、給食の質を下げざるを得ない問題も発生している。近年では、自治体によってはこのことが給食事業の運営を逼迫させている等の問題があることから、簡易裁判を起こす、条例により支払わなかった者の氏名・住所を公表するなどの対応を取っている。給食費滞納がある一定期間を超えると、やむを得ず給食を与えないと勧告する地域もある。
自治体が簡易裁判所を通して差し押さえをし、法的手段に訴える動きもある。そもそも学校給食法では保護者の給食費の負担について明記されており、裁判所の判決でも支払い判例が出ている(生活保護等の困窮世帯は除く)。ただし差し押さえようと自治体や学校にもそのための費用がかかってしまうため、税金の余計な出費であり、本来は行われるべきことではないとする意見もある。給食費の支払いを巡って最高裁判所まで争われた例があるが、1964年2月に憲法は義務教育の授業料を無償としており、それ以外の教材や給食費はこれに含まれないという判例がでており、仮に保護者側が裁判を起こしても敗訴する可能性が高い。
- 保護者が給食費を支払っていないことを理由に、児童・生徒にいじめなどの嫌がらせが発生するのではないかと危惧する声も出始めている。
- 山口県玖珂郡和木町では幼稚園・小学校・中学校の、北海道三笠市では2006年度より少子化対策の一環として小学校の給食費を無料としている。
[編集] 資源としての再利用
給食は、残飯、廃油などを出すが、これを産業廃棄物として処理するのではなく、資源として再利用する動きが広がっている。
残飯は、飼料として使われる例がある[20]。
食用油などの廃油は、バイオディーゼル燃料(BDF)へ利用される(例として、栃木県 小山市[21]と神奈川県 大和市[22]を挙げる)。
[編集] イベント
NPO法人「21世紀構想研究会」により、日本一の学校給食を競う全国学校給食甲子園が行われた[6]。
[編集] 商品化
一部のホテルなどで、昔の学校給食を再現してメニューとして提供したところ、好評を博した。コンビニなどでも、商品化の動きがある[6]。
[編集] 病院給食
「病院食」も参照
病院の入院患者に対して出される食事。病院においては、「食事療養」と呼ばれ、療養の給付の一つとして行われる。病気の症状に応じて、個々の患者ごとに食事の内容を変更する必要がある。そのため、細かな管理が必要となる。特に摂食制限やアレルゲンの除外などでは、非常に注意が払われており、栄養バランスと消化の良い、胃腸に負担の掛からないメニューが採用されている。内容は医師の治療に基いた献立計画を主に管理栄養士が作成して調理を行う。
その一方で、配膳に時間が掛かる・病院全体で一律のメニューしか出さない事から、長らくは「冷めてしまっていて美味しくない」や「食欲がそそられない」ともされ、胃腸への負担が掛からないように薄味であることもあって、あまり好意的には受け取られなかったが、近年では食生活の多様化や、医療もサービス業であるという考えもあって、集中調理でもカフェテリア方式を導入する・メニューを幾つかの種類を設けて選ばせる・配膳方法を改善するなどして、きめ細やかなメニューを温かいまま提供している病院もある。
[編集] 老人保健施設
病院に併設されるケア施設で給食は病院と同一施設である場合が多い。
多忙な施設では、食事に薬を混ぜて出すことがあり、味の変化による食欲減衰など、利用者にストレスがかかる場合がある。また、急いで食べなければいけない場合も利用者にとってはストレスになる。
嚥下能力の低かったり噛むことの困難な入所者には今まではすりつぶした魚や、ほぐした魚が使われてきたが、見た目に食欲をそそるものではなかった。しかし骨をピンセット等で除去した後やわらかくなるように調理し、パックした製品が作られたことで、入所者が昔食べていたように魚を食べることができ、目にも美しいため楽しく食事ができるようになった。
[編集] 社会福祉施設
特別養護老人ホームをはじめ、様々な福祉施設で給食が行われている。
[編集] 日本の保育所
保育所においては、昼食とおやつが給食されている。
幼児に必要なカロリーを朝昼晩3食だけではまかなえないため、おやつは特に重要である。その際、以下のような事柄が注意点として挙げられる。
- 市販のジュースやスナック菓子は、与えることによって糖分塩分の過剰摂取が心配されるためあまり使わないほうがよい。
- 幼児は汗をかきやすいため、水分の摂取に努める。
- 食品添加物や残留農薬など、安全面や衛生面を特に注意する。
- 幼児は消化器官が未発達なため、やわらかいものや、消化によいものを与えるとよい。
なお、少子化対策の一環として、日本政府は2007年度より幼稚園の給食費(年間平均、約6万円(文部科学省調べ))を消費税の課税対象から外すとしている[23]。
[編集] 軍隊(自衛隊)における給食
世界的に軍隊や(日本の)自衛隊内部においては、勤務内容に応じて様々な形態の食事が隊員にあてがわれるが、主に基地内における給食では、勤務や訓練で消費するカロリーをとにかく補給させるため、比較的ボリュームに富む場合が多い。この場合、調理は大胆を極め、キャベツの千切りは極端に希釈した漂白剤で殺菌されたりもする。これは衛生面を意識したHACCPによるものである。如何なる事態でも隊員の健康状態が重視される事から、衛生面における配慮は厳密に成されているが、味覚の面ではあまり……というのは、どこでも伝統に則ったもののようだ。しかし自衛隊の給食は近年格段に味が良くなっており、基地(駐屯地)によってはレストラン並みの食事が支給される所もある。これは基地(駐屯地)に所属する栄養士の献立による部分が大きく占め、基地(駐屯地)ごとの差が大きい。また陸上自衛隊に比べ海上自衛隊、航空自衛隊の給食の方が味が良いと言われている。これは陸上自衛隊の場合は人員が多く、また調理に当たる隊員の多くが他の職からの差出となっているため、どうしても味が大味になるという話である。海上自衛隊、航空自衛隊の場合は調理に当たる隊員は専門職であり、徹底的な調理の教育を受け実施している。
また食事を悠長に楽しんでいられない事から、早食いを叩き込ませ、特にアメリカ海兵隊のブートキャンプでは、兵は練兵軍曹よりも遅く食べ始め、且つ先に食べ終わらねばならないとされる[24]。その一方で、食事は隊員の大切なレクリエーションでもあるため、土曜日などの特定の曜日には、人気の特別メニューが組まれる場合も多く、日本の海上自衛隊における艦艇ごとに伝統のレシピが存在する海軍カレーは有名である。アメリカ軍の基地、駐屯地では給食が支給されるのは下士官、兵卒のみで将校に給食は支給されない。料金を支払えば食べることは可能。戦地では将校にも給食が支給される。自衛隊においても無料で給食が支給されるのは基地(駐屯地)内に住んでいる曹士隊員の営内者であり、営外者である幹部自衛官、曹士隊員、事務官等職員は有料支給である。
また屋外(演習地や戦場)ではレーションと呼ばれる缶やレトルト入りの食事が提供されるが、これらは屋外で手やスプーン・フォーク等の簡単な道具で食べられるよう配慮されており、高いカロリーを短時間で摂取できるよう配慮されている他、チョコレートや飴玉などの菓子類が付属している。これら菓子類は、カロリー摂取もさる事ながら、隊員の士気向上や気力の維持に役立つと考えられている。食事は戦闘で感じるストレスを緩和させる重要な娯楽でもあるため、これらの食事は見た目や味に逐一改良が加えられ、メニューも飽きないように増やされている。ただ、保存性や輸送の便が優先された結果として、見た目や風味などの何かしかが犠牲になっているレーションも見られないではない。例えばアメリカ軍採用レーションは「兵士を飢えさせず健康を維持する」という機能性の面では合理的だが、風味の面での悪さが揶揄の対象になるほどである(→MRE)。
[編集] 日本の企業における給食
「社員食堂」も参照
金融機関など内勤従業員の昼休みの外出を推奨しない企業や、郊外にある工場などでは、従業員に対し給食を支給する企業もある。その形態として、構内に食堂を設置している場合、仕出し業者が作業場単位で弁当を配膳する場合がある。この場合、飲食費は福利厚生費など企業側よりとする場合(googleが有名)と、その都度支払ったり給料から天引きされる場合とがあるが、前者は給食の一形態であるといえよう。
但し、業務内容から外出を推奨しない・周囲に飲食店が無いので外食しようがない企業でも人件費削減の名目で、給食を支給しないところも少なくない。このような企業の例として、社員は弁当などの形で食事を持参するか、或いは企業側が敷地内に外注業者を出入りさせ社員らに任意に弁当などを購入させるか、購買部を設置してパンや弁当・飲料を販売したり、スタッフルーム内に設置された自動販売機でインスタント食品などを購入する。
[編集] 脚注
- ^ 日本では自衛隊
- ^ 給食の財源は勧学田と呼ばれる田地からの収入で行われたが、後に荒廃したために給食の支給は行われなくなった。これに対して有力な貴族は大学別曹を設置して一族の学生を住まわせて給食を支給して、大学寮に通わせることでこれを補った。これによって大学寮からの給食を受けられなくなった他氏の学生は減少し、大学別曹からの給食を支給された学生が大学寮の学生の地位を占めて官人に任官されるようになり、平安時代中期以後には貴族・官人の特定氏族による独占化を促進することとなった。
- ^ 第1節 栄養バランスが優れた「日本型食生活」の実践 第3章『平成19年版食育白書』 (内閣府)
- ^ 第156回国会 農林水産委員会 第18号 平成15年6月26日(木曜日)(国会会議録検索システム)
- ^ 朝日新聞の報道
- ^ a b c 『給食も競争時代 きょう“学校一”が決定 食産業にじわり浸透』2006年11月5日付配信 フジサンケイビジネスアイ
- ^ 学校給食摂取基準(成田市) - この自治体においては、小学校3区分、中学校1区分である。
- ^ アメリカの学校給食 (財)自治体国際化協会 CLAIR REPORT NUMBER 088 (JUNE 20,1994)
- ^ a b c 『【今日のブログ】物価高騰、学食の学外人利用規制へ』2007年9月18日付配信 サーチナ・中国情報局
- ^ 『北京大の学食「一見さんお断り」、食材高騰で部外者締め出し』2007年9月20日付配信 Record China
- ^ 『【今日のブログ】物価高騰で、学食は別の大学へ』2007年9月5日付配信 サーチナ・中国情報局
- ^ 2006年12月22日付配信 朝日新聞
- ^ 衛生を理由にイスラム教徒向け給食を中止させた津市
- ^ a b 『給食でショック死も…食物アレルギー進まぬ対応』2006年10月25日付配信 産経iza
- ^ BLOGOS 2010年12月20日14時57分 給食費未納問題 青木理音
- ^ 「給食費未納」分は「子ども手当」から天引きするかもの件 森直人
- ^ 2006年10月1日付け配信 産経iza
- ^ 2007年1月24日付け配信 産経新聞
- ^ 2007年1月25日付け配信 産経新聞
- ^ 『給食で学ぶ食の意味 神奈川・厚木市内の小学校 残飯飼料→豚→食材』2007年10月24日付配信 産経新聞
- ^ 『給食廃油 バイオ燃料に/CO2排出抑制を期待/環境の教材化も視野/小山市が実験スタート』2008年2月10日付配信 下野新聞
- ^ 第5 回加古川市議会( 定例会)会議録 2006年11月29日
- ^ 2007年1月24日付配信 読売新聞
- ^ 「U.S.マリーンズ ザ・レザーネック」より
[編集] 関連項目
- 学校給食法
- スクールランチ
- 栄養士
- 管理栄養士
- 食中毒 - 大人数向けを一括で調理する給食は食中毒が起きると患者の人数は膨大になる。
- 食育
- アレルギー
- タカ食品工業
- モンスターペアレント
- コントラクトフードサービス
- セントラルキッチン
- 給食当番
- 給食センター
[編集] 外部リンク
- 学校給食研究改善協会
- 岩見沢市の学校給食
- 学校給食ニュース
- 国連世界食糧計画(途上国への学校給食の支援)
- 学校給食の歴史日本編
- 学校給食のルーツを探れ! 鶴岡市学校給食センター(学校給食発祥の地)