避難

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避難(ひなん, : Emergency evacuation)とは、災害戦禍などの危険を避けるために、滞在している場所から離れて別の安全な場所へ立ち退くこと。退避(たいひ)もほぼ同義に用いられる[1]

避難の要因[編集]

ハリケーン・リタに備えて州間高速道路45号を避難するガルベストン市民、2005年
避難道路を示す標識、ニューオーリンズ Tulane通り

主なものとして、自然災害では

他のものでは、

などが挙げられる。

避難の類型[編集]

避難行動は大きく二種類に分けられる。危険が及ぶ前にそれを避けて別の場所へ移っておく事前避難(じぜんひなん)と、既に身近に危険が及んでいるときにとっさの回避行動として別の場所へ移る緊急避難(きんきゅうひなん)である[2]。津波の例を挙げると、揺れを感じた時点で避難したり、津波警報避難勧告を見聞きして避難した場合は事前避難になる一方、津波の水や破壊される家などを目にしてから避難した場合は緊急避難になる。津波警報などを聞いていて危険を認識していても、準備などをしていて行動が遅れたため津波を目にしてから避難した場合は、これも緊急避難である。

事前避難と緊急避難が異なるのは、事前避難においては#避難のプロセスに示したような避難方法や避難中の安全を考える時間が長いことに対し、緊急避難ではその時間が短い、つまり避難を決断するまでの猶予がほとんどないことである[2]

これ以外の型の避難もある。例えば、大災害が過ぎた後に、住居の損壊やライフライン・生活サービスの未復旧のために仮の滞在場所に移ることなどが挙げられる。しかし、これらは厳密には「避難」と呼ばない場合がある[2]。具体的には、大地震で住居を失った被災者が収容避難場所に滞在したり、仮設住宅に入居したりする場合が挙げられる。

自主避難(文字通り自主的に避難すること)という言葉もある。

避難のプロセス[編集]

人間が危険を知って避難を行うに至るまでの行動や心理面のプロセスは、資料や研究者により異なるが、一例を示せば以下のようになる[2][3]

  1. 災害の脅威が発生したあるいは接近していること、または災害の危険性があることを知る段階(危険の察知)
  2. 災害の危険性を示す情報が、本当かどうかを確かめる段階(確認)
  3. 自分が今いる場所の危険性がどの程度高いのかを判断する段階(危険性の評価)
  4. 避難することの有効性や損得を評価する段階(避難の有効性の評価)
  5. 避難中の安全性や避難の実現性を評価する段階(避難の実行可能性の評価)
  6. 避難することを決断する(避難の決断)
  7. 避難先、避難経路、タイミング、手段などを決める段階(避難行動の決定)
  8. 実際に避難する

[2][3]

3.の危険性の評価は、住民各自が持っている過去の経験に基づいて主観的に予想するものであり、経験のない人は「自分なら大丈夫」「今回は大丈夫」などと考えて危険性を過小評価する傾向にあるといわれている。これを正常性バイアス(Normalcy bias)という。また、間近に迫っている危険を実際に見聞きしているかどうか、警報や避難情報などが出されているかどうかといった点も、評価に影響を与える。ここで、同じような災害において、警報が出されても大きな被害が出ない(報じられない)事態、つまり空振りと認識される事が続くと、その効果が次第に低下してしまう現象が起きる[2][4]

5.の避難の実行可能性の評価は、災害が進展すればするほど可能性を低く評価してしまう。例えば、大雨や暴風雨がすでに激しくなってしまっている状況では、避難時の危険を考えて自宅に留まるというように避難をしない判断に至る場合が多くなる[2]

3.の災害の危険性と、5.の避難の安全性は、共に避難行動を左右するにも関わらず相反する関係にある。例えば、暴風雨がすでに激しくなっている段階では目前にある災害に対して強い実感を持つが危険性は高い。一方、暴風雨が予想されているがまだ穏やかな状態では、避難の危険性は低いが災害の危険の実感は涌きにくい。警報や避難情報を出すときには、この両者のバランスがとれた「避難のゴールデンタイム(Golden Time)」に出すと最も効果が高くなると考えられている。ただし、避難に時間がかかる要援護者の場合や、避難所までの所要時間が長い地域、周辺より災害が起きやすいところ(例えば浸水しやすい低地など)などでは、避難のゴールデンタイムを他よりも早めにしなければならない。このように、警報や避難情報を出すタイミングは個人差や地域差も考慮する必要がある[4]

建物内の避難[編集]

建物内では、耐震基準や防火に関する規定などにより災害への耐性を高めると同時に、避難路を確保したり避難を助けたりする方法がとられる。日本では、消防法各条文のほか、建築基準法35条(特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準)などに規定されている。特に、不特定多数の人が利用する学校体育館病院百貨店映画館などの施設では基準が厳格である。

避難に関係する設備の主なものを以下に挙げる。これ以外は「消防用設備」の項目を参照のこと。

  • 避難路を確保するもの
    • 避難設備
      • 廊下 - 規模や用途など要件を満たす建築物では、廊下の幅員が定められているほか、非常灯の必要照度が定められている。
      • 非常口 - 恒常的な出入りにも使用するものと、非常時のみ使用するものがある。誘導灯が設けられることが多い。規模や用途など要件を満たす建築物では、人員や面積に応じて必要な非常口の数が決められている。
      • 階段避難階段=非常階段) - 恒常的な出入りにも使用するものと、非常時のみ使用するものがある。規模や用途など要件を満たす建築物では、人員や面積に応じて同一階内での階段までの歩行距離が決められており、これに応じて階段の数を決める。
      • 緩降機避難はしご滑り棒滑り台避難ロープ救助袋避難橋 - 建物から外へ、あるいは建物から建物へ避難するための、専用の設備。
  • 避難を助けるもの
    • 警報設備
      • 自動火災報知設備(自火報) - 火災を検知してベル・音声放送・灯火などで警報を発する。耐火性能を有する。
      • 非常放送設備 - 情報を案内したり、避難を促したりする。耐火性能を有する。
      • 誘導灯 - 避難口や避難路を示す。
      • 非常用照明器具(非常灯) - 避難路や室内を照らして避難を助けるもの。通常時も点灯するもの、非常時のみ点灯するもの、両者の混合型のものがある。

広域避難[編集]

住居や職場・学校などから避難する場合、日本では公的な避難場所として以下の3種類が設けられている。これらは市町村が指定する。また、食事提供などの避難場所の運営は、通常は避難準備情報や避難勧告など市町村が発する情報を区切りとして開始されるものであり、平時は他の用途で使われる。

  • 一時避難場所 - 一時的に避難する場所。その多くは、広域避難場所よりも狭い。
  • 広域避難場所 - 一時的に避難する場所。一時避難場所が危険になった場合に移動してくることを想定した避難所。
  • 収容避難場所 - 避難者が避難生活をすることを想定した避難所。

避難所に避難する場合の目安として、避難経路を示す標識が交通量の多い場所などに設けられることがある。

世界的には、例えばハリケーンなどの災害時に避難を優先する道路が指定されている例(アメリカ南部のHurricane evacuation route)や、災害時に一方通行路の逆走が認められる例(参考:en:Contraflow lane reversal#For use in emergency evacuation)がある。

要因別の避難方法[編集]

総務省監修の『安全・安心の基礎知識』を参考に、要因別に推奨される避難方法を以下に示す。

火災
できるだけ落ち着いて行動する(煙を吸い過ぎないためなどから)。乳幼児、高齢者、障害者、病人などを優先して避難させる。いったん避難したら戻らない。の中では、濡れタオルなどで口と鼻を押さえて煙を吸わないように(姿勢を低くして)避難する。最後の避難者はドアを閉める(空気を遮断し延焼を抑えるためなどから)。服装や持ち物などにこだわらず、早めに避難する。消火に気を取られて避難のタイミングを失わないようにする。なお、平時から2方向以上の避難口を確保しておくことがよいとされる。高齢者や病人などと同居している場合は、同居者が誘導することを考えて寝室は1階に設けることが理想だが、2階とする場合は2方向以上の避難口を用意し、枕元にホイッスルや呼び笛など音の出るものを常備しておくとよいとされる[5]
地震
屋内では、まずテーブルの下などに身を隠して安全を測るのが基本だが、可能ならドアを開けて避難口を確保しておく(ドアが歪んで開かなくなるのを防ぐため)。瓦や窓ガラスなどの落下物でけがをする危険があるので、慌てて外に飛び出すことは望ましくない。屋外では、まず落下物に注意してカバンやコートなどで頭を守るのが基本だが、近くに頑丈なビルや広場があればそこへ退避する。揺れが収まってから、遠くへ避難する場合でも原則として徒歩が望ましい(自動車は交通の混乱や緊急車両の妨げになる可能性があるため)。避難時は、動きやすい服装で、持ち出し品は最小限とする。海辺では、津波は地震後すぐに到達する場合があることを考えて、揺れを感じたらすぐに避難する[6]
風水害
他の災害よりも時間の猶予があるため、早めに対策を取るよう心構えておくとよいとされる。平時から、ハザードマップを参照して各家庭等で安全かつ速く避難できる経路や避難先を相談しておくこと、自主防災組織では避難時の活動方法を事前に協議しておくことが、それぞれ望ましい。地震と同様、避難は原則として徒歩が望ましい(浸水で停車するリスクがある)[7]
土砂災害
前兆がみられることが多いため、それを早期発見して早めに避難することが望ましい。発見した場合は、周辺住民や市町村に連絡することが推奨されている[8]
竜巻
竜巻は、予測が難しいことを認識しておくとよい。屋外で竜巻に遭遇した場合、飛来物に当たらないよう、周囲を囲まれた安全な場所に身を隠す[9]
火山
火山噴火では他よりも長期の避難を想定する必要がある。一次避難場所への移動は他と同様に原則として徒歩が望ましい。広域避難場所への移動は、市町村がバスを用意するなど別途指示される場合が多い[10]
テロ
特に治安の悪化している地域では、メディアのテロ等に関する情報に注意しておくことが望ましい。テロに遭遇した場合、できるだけ早く遠くに離れ、遮蔽性の高いところに身を隠す。屋内では、できるだけ速やかに現場から離れて屋外に退避する。屋外では、風上に向かって逃げるのが望ましいが、難しい場合は近くのビル内に一時退避してもよい。パニックにならず冷静に自分の状況を掴むことが、迅速な避難につながるとされる[11]
有事
日本では、軍事攻撃が予想されるまたは発生した場合、国からの指示に基づいて都道府県知事が具体的な避難方法を指示することになっている。大規模なテロの場合もこれが準用される[12]

非常用物資(防災用品)については、水と食料は3日分用意しておくのが理想とされ、他に道具として懐中電灯、ラジオ、ライター、ナイフ、軍手、衣類、ごみ袋などを用意しておくとよいとされる。これらはリュック等に詰めておき、両手が使える状態で避難できるのが望ましい[7]

避難の公的情報(日本)[編集]

日本では、洪水、土砂災害、噴火などの災害で住民の生命に危険が及ぶ恐れがあるとき、行政が避難に関する情報を発表する。以下の4種類があり、下の方ほど重い。

市町村が発表する避難情報の4レベル[13]
名称 性質 発表基準の目安[14] 法的根拠・罰則
避難準備情報
別名:要援護者避難情報
対象地域の災害時要援護者に対して、避難を勧め促すもの。避難に時間がかかる災害時要援護者の早期避難を促し、要援護者以外の者も今後の危険性増加に対して準備をすることを求める。
  • 水害 : 川の水位がはん濫注意水位避難判断水位が設定されている場合はその水位)に達しており更に上昇すると見込まれる場合や、(大きな川の中下流域では)上流で洪水警報が発表された場合など。洪水注意報発表時に相当。また、大雨注意報発表中の夕刻の段階で夜から早朝の間に避難が必要となる可能性がある場合。なお、暴風警報が発表済みまたは発表の可能性がある場合、早めの発表を検討する。
  • 土砂災害 : 大雨警報(土砂災害)が発表された場合や、過去の事例に基づく雨量基準などで早期避難を開始すべき水準に達した場合など。また、大雨注意報発表中の夕刻の段階で夜から早朝の間に大雨警報への切り替えの可能性がある場合。なお、暴風警報が発表済みまたは発表の可能性がある場合、早めの発表を検討する。
  • 高潮 : 原則として高潮警報は基準に達する3 - 6時間前の早期に発表され猶予時間を含んでいることを前提とし、猶予時間をより長く取るべき場合や、高潮特別警報により多くの住民の避難が必要な場合など。
  • 津波 : 津波の場合は即刻避難指示が推奨される。対象は猶予時間のある遠地津波などに限られる。
法規定なし(自治体の地域防災計画に準拠)・原則罰則なし
避難勧告 対象地域のすべての住民・滞在者などに対して、避難を勧め促すもの。
  • 水害 : 川の水位がはん濫危険水位に達しており更に上昇すると見込まれる場合など。洪水警報が発表された後の段階。なお、暴風警報が発表済みまたは発表の可能性がある場合、早めの発表を検討する。
  • 土砂災害 : 土砂災害警戒情報が発表された場合や、土砂災害の前兆現象が発見された場合など。なお、暴風警報が発表済みまたは発表の可能性がある場合、早めの発表を検討する。
  • 高潮 : 高潮警報が発表された場合や、過去の事例に基づく潮位基準などで避難を開始すべき水準に達した場合など。また、高潮注意報発表中の夕刻の段階で夜から早朝の間に避難が必要となる可能性がある場合や、高潮注意報発表中の段階で暴風警報が発表され避難が困難になると予想される場合。
  • 津波 : 津波の場合は即刻避難指示が推奨される。対象は猶予時間のある遠地津波などに限られる。
災害対策基本法・原則罰則なし
避難指示 対象地域のすべての住民・滞在者などに対して、ただちに避難することを求めるもの。
  • 水害 : 川の水位が堤防を越えると見込まれる場合や、堤防の漏水や亀裂が発見されたり決壊・越流が既に発生した場合など。
  • 土砂災害 : 基本的には土砂災害警戒情報の発表に伴い避難勧告を発表することを前提とし、避難指示はまだ避難していない人に対して強く呼びかける性質を持つ。土砂災害警戒情報の発表中において記録的短時間大雨情報が発表されるなど災害の危険性が更に高まった場合や、(土砂災害警戒情報の発表前に)土砂災害が発生した場合など。
  • 高潮 : 堤防の倒壊や水門の故障が発見されたり越波・越流が既に発生した場合など。なお、基本的には台風の暴風域に入る前に避難勧告を発表することが前提であるため、この時点では屋内での安全確保や近距離にある頑丈で高い建物への避難に限定すべきとされる。
  • 津波 : 津波注意報津波警報大津波警報が発表された場合、そのレベルと予想波高に応じて対象地域を拡大する。また、停電や通信支障により警報を受けられない状況下で強い揺れや1分程度以上の長い揺れを感じた場合。
災害対策基本法・原則罰則なし
警戒区域の設定 対象地域への、災害応急対策に従事する者以外の立ち入りを制限・禁止するとともに退去を命令するもの。 - 災害対策基本法・罰則あり(罰金または拘留)。

4つの情報レベルは災害対策基本法を軸に構築されている。同法第60条(市町村長の避難の指示等)は「避難勧告」と「避難指示」、同法第63条(市町村長の警戒区域設定権等)は「警戒区域」を定めている。共に原則として市町村長が行うが、被災により市町村の行政機能が損なわれたときは都道府県知事が行うこととなっている。なお、市町村長が情報を出すことできないときや市町村長から指示があったときは、警察官または海上保安官が代行することが認められている(同法第61条・63条)。「避難準備情報」は2000年代になって創設されたもので、災害対策基本法で直接は規定されていないが、内閣府のガイドラインに示されており、避難勧告・指示と同様に市町村長が発表する。前の3つと警戒区域は法令上の考え方が異なり、前の3つは人に対して規定されるのに対して、警戒区域は地域に対して規定される[13]

災害対策基本法以外でも、以下の法律に規定がある。

  • 原子力災害対策特別措置法は、原子力緊急事態宣言がなされるような原子力災害の際、内閣総理大臣が市町村長または都道府県知事に対して「避難勧告」あるいは「避難指示」を発表すべきことを指示することを規定している[13]
  • 地すべり等防止法は、都道府県知事または職員が、地すべりの危険が切迫している地域の住民に対して「避難指示」を発表することを認めている[13]
  • 常時設定されるという点で性質は異なるが、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(土砂災害防止法)は、都道府県知事が、がけ崩れ土石流地すべりの危険性のある区域を「土砂災害警戒区域」あるいは「土砂災害特別警戒区域」に指定することとしている。実際には「がけ崩れ警戒区域」など土砂災害の種類を冠した名称で設定されている。
  • 水防法は、都道府県知事または職員あるいは水防管理者が、洪水や高潮による氾濫の危険が切迫している地域の住民に対して「避難指示」を発表することを認めている。また、水防団長または水防団員あるいは消防職員が、水防上緊急の必要がある場所において「警戒区域」を設定することを認めている[13]
  • 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)は、市町村長が、武力攻撃による生命の危険が発生しているあるいは発生しようとしている地域において「警戒区域」を設定することを認めている[13]
  • 消防法は、消防職員又は消防団員が、火災の現場において「消防警戒区域」を設定することを認めている[13]

「避難勧告」よりも「避難指示」の方が重いが、混同されやすい。また、「避難命令」という言葉が用いられることがあるが、避難命令という名の情報は日本には存在せず、命令という点では警戒区域の設定がこれにあたる[13]

避難とは直接関係ないが、4つの情報レベルとは別枠上位に災害対策基本法第105条の「災害緊急事態の布告」がある。これは、災害による物資不足・物価混乱・金融混乱などを防止するための臨時の政令を認めるもので、諸外国の非常事態宣言に似たものである。

歴史上の主な大規模避難[編集]

  • 1986年11月 - 伊豆大島三原山噴火に伴い、1万人の島民ほぼ全員が島外に避難した。
  • 2000年3月 - 北海道有珠山噴火に伴い、最大1万6,000人に避難指示が出され、最大で5か月間避難が続いた[15]
  • 2004年10月23日 - 新潟県中越地震に伴い、孤立により村全域に避難指示が出された山古志村(現長岡市)をはじめ、最大で約10万人が避難生活を送った。[16]
  • 2005年8月 - アメリカ合衆国南部ニューオーリンズで、ハリケーン・カトリーナによる洪水・高潮に伴い市民約48万人に避難命令が出され、8割の市民が避難した。しかし、市の8割が水没した上に行政の対応がずさんだったことで、1,000人以上の死者を出した[17]
  • 2005年9月 - ハリケーン・リタがアメリカルイジアナ州南西部に上陸。3週間前のカトリーナの教訓もあり、高潮などの甚大な被害が予想された沿岸の広い範囲に避難命令が出され、隣のテキサス州では250 - 370万人が上陸時に避難していたと見られている。これは一度の避難人数としてはアメリカ史上最大である[18][19][20]
  • 2007年10月 - アメリカ カリフォルニア州南部の広範囲で発生した山火事により約100万人が避難した、同州史上最多の規模となった[21]
  • 2011年3月 - 東日本大震災に伴い、宮城岩手福島の沿岸部を中心に、震災直後のピーク時には40万人以上が避難所などに避難した。なお、この人数は福島第一原発事故に伴う初期の避難者を含む。
  • 2011年3月 - 東日本大震災をきっかけに発生した福島第一原子力発電所事故に伴い、避難指示・計画的避難区域への指定などにより最大11万人以上が指定区域外へ避難したとみられている[22]。なお、2013年10月時点で未だ約1,150km²の区域の約81,000人に避難指示が出ている[23]

脚注[編集]

  1. ^ Yahoo! Japan辞書(大辞泉)「避難」「退避」、2013年10月26日閲覧
  2. ^ a b c d e f g 防災科学技術研究所「防災基礎講座 防災対応編」、「8. 避難」、2013年10月26日閲覧
  3. ^ a b 『防災対策と危機管理』、138-152頁
  4. ^ a b 『災害情報と社会心理』、201-205頁
  5. ^ 『安全・安心の基礎知識』、156-157, 177頁
  6. ^ 『安全・安心の基礎知識』、194-195頁
  7. ^ a b 『安全・安心の基礎知識』、202-203頁
  8. ^ 『安全・安心の基礎知識』、204-205頁
  9. ^ 『安全・安心の基礎知識』、205頁
  10. ^ 『安全・安心の基礎知識』、206頁
  11. ^ 『安全・安心の基礎知識』、232-233頁
  12. ^ 『安全・安心の基礎知識』、240頁
  13. ^ a b c d e f g h 「参考資料2 避難準備情報、避難勧告及び避難指示について」、「参考資料3 災害対策基本法(抜粋)」、内閣府『災害時の避難に関する専門調査会』 第4回資料より、2011年1月18日
  14. ^ 内閣府「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン(案)(平成26年度)」(2014年4月発表)において、市町村が各々の事情に応じて基準を設定するにあたっての目安として示された事項を記載している。
  15. ^ 有珠山の噴火」失敗知識データベース、2013年10月26日閲覧
  16. ^ 中越地震」失敗知識データベース、2013年10月26日閲覧
  17. ^ アメリカ、ハリケーン被害」失敗知識データベース、2013年10月26日閲覧
  18. ^ Evacuation Planning in Texas: Before and After Rita (PDF)”. Texas House of Representatives. Government of Texas (2006年2月14日). 2012年2月25日閲覧。
  19. ^ Anthony Zachria and Bela Patel (2006年10月24日). “Deaths Related to Hurricane Rita and Mass Evacuation”. University of Texas Health Science Center-Houston. American College of Chest Physicians. 2012年2月25日閲覧。
  20. ^ Richard D. Knabb, Daniel P. Brown, and Jamie R. Rhome (2006年3月17日). “Hurricane Rita Tropical Cyclone Report (PDF)”. National Hurricane Center. 2009年1月15日閲覧。
  21. ^ McLean, Demian; Peter J. Brennan (2007年10月24日). “California Fires Rout Almost 1 Million People, Kill 5 (Update7)”. Bloomberg. http://www.bloomberg.com/apps/news?sid=aufnKvlM.Et8&pid=newsarchive 
  22. ^ “原発事故による避難者数 正確に全体を把握せよ 衆院総務委 塩川議員求める”. しんぶん赤旗. (2011年6月17日). http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-06-17/2011061704_03_1.html 2011年9月11日閲覧。 
  23. ^ 資料3-1 帰還困難区域について (PDF) 」文部科学省、原子力損害賠償紛争審査会(第35回)、2013年10月1日

参考文献[編集]

  • 「防災基礎講座 防災対応編」防災科学技術研究所 自然災害情報室、2010年5月18日時点.
  • 市町村アカデミー 監修『防災対策と危機管理』、ぎょうせい、<市町村アカデミー研修叢書 6>、2005年 ISBN 4-324-07197-7.
  • 船津衛、廣井脩、橋元良明 監修『災害情報と社会心理』、北樹出版、<情報環境と社会心理 7>、2004年 ISBN 4-89384-954-9.
  • 総務省・国民安全辞典編集委員会 監修、全国危険物安全協会 編著『安全・安心の基礎知識』、ダイヤモンド社、2004年 ISBN 4-478-04038-9.

関連項目[編集]