デジタル信号

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デジタル信号: Digital signal)は、離散信号量子化されたもの、あるいはデジタルシステムでの信号の波形を指す。

離散信号[編集]

デジタル信号とは、離散信号をデジタルに表現したものであり、アナログ信号から導出されることが多い。

アナログ信号は連続信号で、ある地点の気温、池のある地点の水深、回路のある箇所での電圧などである。これらは、時間を横軸、信号の値を縦軸とした直交座標で描くことができる一種の数学的関数である。離散信号は、このアナログ信号の標本を採ったものであり、一定間隔(例えば、1μ秒ごと)でデータ値を採取する。

個々の標本値が正確に測定されず(真に正確に測定するには無限の精度が必要である)、ある適当な精度で測定した場合、結果として得られるデータ列はデジタル信号である。固定の桁数やビット数で正確な値を近似しようとする過程を量子化という。

以上のように、デジタル信号は量子化された離散信号であり、離散信号はアナログ信号を標本化したものである。

デジタル革命の進行に伴い、デジタル信号が活用される場面は急激に増えている。最近のメディア、特にコンピュータと接続可能なものは、連続信号だったものをデジタル信号で表していることが多い。例えば、携帯電話、ビデオプレイヤー、ビデオレコーダー、デジタルカメラなどがある。

多くの場合、デジタル信号は2進数で表現されるため、量子化の精度の尺度としてビットが使われる。例えば、ある信号の値を十進で最大2桁で表したいとする。2進7ビットで128個の離散値を表せるので、7ビットあれば十進で100までの値を表すには十分と言える。

デジタルシステムでの波形[編集]

デジタル信号: 1) ローレベル、2) ハイレベル、3) 立上がりエッジ、4) 立下りエッジ

コンピュータ・アーキテクチャや他のデジタルシステムにおいて、2つの電圧レベルを行ったり来たりする波形ブーリアンの値(0 と 1)を表し、これをデジタル信号と呼ぶ。実際には波形を詳細に見るとアナログ波形であっても、単に2つの電圧レベルを表現する手段であることから、これをデジタル信号と呼ぶのである。

クロック信号は、デジタル回路の同期に使われる特殊なデジタル信号である。絵で示されている波形はクロック信号の波形と見てもよい。ロジックの状態は立上がりエッジか立下りエッジをきっかけ(トリガー)として変化する。

ロジック電圧レベル[編集]

二値状態は電流レベルで表されることもある。一般的には電圧で表されるが、一部のロジックでは電流が使われる。いずれにしても「しきい値」がそれぞれのロジックで決まっている。しきい値より値が低い場合は "low"、高い場合は "high" と認識される。デジタル回路では、どちらとも判断されない値の範囲があり、その範囲は各部品の許容差よりも広い。回路ではその範囲を無視し、どちらともつかない結果を生じないようにする(⇒競合状態)。

電圧レベルはある程度の許容範囲があるのが普通である。例えば、0 から 2 ボルトが Low電圧、3 から 5 ボルトが High電圧とする。この場合、2 から 3ボルトは不正な電圧であり、何らかの故障のときか、ロジックの電圧レベルが変化する一瞬だけ生じる。一般に回路は完全ではないので電圧レベルの変化には時間がかかる。このような不正な電圧を検出できる回路もあるが、多くの場合、そのような電圧をランダムに 0 や 1 と認識することになる。

電圧レベルは2進整数値か 0 または 1 を表す。アクティブ High ロジックでは、Low電圧が 0 を表し、High電圧が 1 を表す。アクティブ Low ロジックでは逆に表現される。

バイナリ電圧レベルの例:
テクノロジ L 電圧 H 電圧 備考
CMOS 0V - VCC/2 VCC/2 - VCC VCC = 供給電圧
TTL 0V - 0.8V 2V - VCC VCC は 4.75V - 5.25V
ECL -1.175V - -VEE .75V - 0V VEE は約 -5.2V VCC=接地電圧

関連項目[編集]