気圧
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気圧(きあつ)とは、気体の圧力のことである。単に「気圧」という場合は、大気圧(大気の圧力)のことを指す場合が多い。
気体の圧力は、混合気体の場合、構成している気体のそれぞれの圧力(分圧)の合計となる。
空気も物質であるため質量があり、地球をおおっている大気の層によって海面では面積1cm2あたり約1kgほど(水銀柱で約76cm、水の場合約10mに相当)の圧力がかかる。これを大気圧または単に気圧という。高所ほど、その上方にある空気柱の高さが低くなるので、気圧は低くなる。海面での大気圧を1とする圧力の単位としても用いられる。
海上の水蒸気蒸発によって上昇気流が発生する箇所の空気の密度がやや下がり、気圧がやや低くなることがあるなど、同じ海抜高度でも、少しずつ気圧は異なり、気圧の高低は常に変化する。この気圧の山や谷を高気圧、低気圧と呼ぶ。気圧の差が生じると高気圧の空気が低気圧の領域に流れ込む。これが風のおもな要因になっている。
気象情報では、気圧の単位はかつてはCGS単位系のミリバール(mb)、さらに以前にはミリメートルが使われていたが、現在は国際単位系(SI)のヘクトパスカル(hPa)が使用されている。
目次 |
[編集] 単位としての気圧
詳細は「標準気圧」を参照
| 気圧(きあつ) | |
|---|---|
| 記号 | atm |
| 系 | 非SI単位 |
| 量 | 圧力 |
| 定義 | 101 325 Pa |
上述のように、海面での大気圧は圧力(特に気圧や水圧)の単位としても用いられる。海面での大気圧を1気圧とする。大気を意味するatmosphereから、atmという記号が使われ、「アトム」と読まれる。
単位としての「気圧」の元々の定義は「海面での大気圧」であるが、大気圧は場所や気象条件によって異なる。そこで、海面での大気圧の標準の値として標準大気圧を定め、この値を1気圧と定義している。標準大気圧は、1954年の第10回国際度量衡総会(CGPM)において101 325パスカルと定められている。これは、760水銀柱ミリメートル(mmHg)をパスカルに換算し、小数点以下の端数を切り捨てたものである。よって760水銀柱ミリメートルとは厳密には異なるが、その差は微少なものである。トル(Torr)は標準大気圧の760分の1と定義されているので、1気圧=101 325パスカル=760トルということになる。
また、1気圧は1バールに指数値が近いことから、日常語では気圧の代わりにバールということもある。
[編集] 気圧の変動
気圧は温度や体積によって影響を受ける。例えば、一定の体積のまま(容器に閉じ込めた状態などで)気体の温度を上昇させた場合、気圧は上昇する。このような、気圧と体積、温度についての関係は、ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル=シャルルの法則などにより計算される。
大気圧に関して言えば、大気圧は上方の空気の重みによってかかる圧力であり、高所では、気圧は低下する。標準的な大気において、海面上での気圧は1013.25hPaであるが、低高度では概ね、10mの上昇に対して1hPa程気圧が低下していく。およそ5500mの高度で気圧は半分になる。高度により(気圧により)空気の密度が異なるため、上昇に対する気圧の低下は一定のものではない。高度が上がるに従い、空気の密度は低下するので、上昇による気圧の低下は緩やかなものとなる。このような高度による気圧の変化を利用した高度計も作られている。
また、一般的に、太陽光などにより大気の温度が上昇した場合、体積が増して密度が低下するため、気圧は低下し低気圧となる。密度が低下した軽い空気は周囲の重い空気に押し上げられ、上昇気流となる。逆に大気が冷却されると、体積が減少して密度が増し、気圧は上昇して高気圧となる。この場合、その重みにより下降気流となる。
緯度によって太陽から受ける熱エネルギーは異なり、例えば赤道周辺では年間を通じて大気が温められるのに対して、極地周辺では年間を通じて太陽からの熱の供給が少ない。このような緯度による太陽からの熱供給の差により、気圧に差が生まれ、熱帯収束帯や極高圧帯などが形成される。高気圧地域から低気圧地域には気圧差によって風が吹き、貿易風や偏西風、極東風が形成される。これらは、ハドレー循環(熱帯収束帯と亜熱帯高圧帯間)、フェレル循環(亜熱帯高圧帯と高緯度低圧帯間)、極循環(高緯度低圧帯と極高圧帯間)と呼ばれる。このような大気の大規模な循環を、大気循環と呼ぶ。また、海洋と陸地とを比較すると、水の比熱の高さにより、海洋は陸地より温度変化が少なくなる。そこで太陽光の強い時期には、陸地は高温に、海洋は低温になって陸地に低気圧、海洋に高気圧となり、海洋から陸地に向け風が吹くこととなる。冷却される際にはこの逆である。これにより、海陸風やモンスーンが発生する。
[編集] 大気圧を利用した事象
その他数々の日常事象や生命現象は大気の圧力のもとで適応、利用されている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 「Atmospheric pressure」 - Encyclopedia of Earthにある「気圧」についての項目(英語)。
| パスカル(SI単位) | バール | 工学気圧 | 気圧 | トル | psi | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 Pa | ≡ 1 N/m² | = 10-5 bar | ≈ 10.2×10-6 at | ≈ 9.87×10-6 atm | ≈ 7.5×10-3 Torr | ≈ 145×10-6 psi |
| 1 bar | = 100 000 Pa | ≡ 106 dyn/cm² | ≈ 1.02 at | ≈ 0.987 atm | ≈ 750 Torr | ≈ 14.504 psi |
| 1 at | = 98 066.5 Pa | = 0.980665 bar | ≡ 1 kgf/cm² | ≈ 0.968 atm | ≈ 736 Torr | ≈ 14.223 psi |
| 1 atm | = 101 325 Pa | = 1.01325 bar | ≈ 1.033 at | ≡ p0 | = 760 Torr | ≈ 14.696 psi |
| 1 Torr | ≈ 133.322 Pa | ≈ 1.333×10-3 bar | ≈ 1.360×10-3 at | ≈ 1.316×10-3 atm | ≡ 1 mmHg | ≈ 19.337×10-3 psi |
| 1 psi | ≈ 6894.757 Pa | ≈ 68.948×10-3 bar | ≈ 70.307×10-3 at | ≈ 68.046×10-3 atm | ≈ 51.7149 Torr | ≡ 1 lbf/in² |
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