香港国際空港

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

香港国際空港
Hong Kong International Airport
香港國際機場

IATA:HKG-ICAO:VHHH
概要
国・地域 中国
設置場所 香港角島
空港種別 公共
運営者 香港機場管理局(香港空港管理局)
標高 6 m・19 ft
位置 22°18′32″N, 113°54′53″E
ウェブサイト
滑走路
方向 ILS 全長×全幅(m) 表面
07L/25R YES 3,800×60 舗装
07R/25L YES 3,800×60 舗装
リスト
国際空港の一覧日本の空港
香港国際空港
繁体字: 香港國際機場
簡体字: 香港国际机场
チェクラップコク空港
繁体字: 赤鱲角機場
簡体字: 赤鱲角机场
英語
英語: Hong Kong International Airport
Chek Lap Kok International Airport

香港国際空港(ほんこん こくさいくうこう、香港國際機場)は、中華人民共和国香港特別行政区にある国際空港。現地では「赤鱲角國際機場」とも表記され、英字表記で Hong Kong International Airport または Chek Lap Kok International Airport。IATA空港コードはかつての啓徳空港のコードを継承して「HKG」である。

目次

[編集] 歴史

[編集] 開港までの経緯

現在の香港国際空港は、香港市街地のそばにあった啓徳空港に代わるものとして造られた[1]

啓徳空港と言えば、着陸進入中の旅客機が機体を大きく傾けつつ九龍仔公園上空近辺で機体を右旋回させ、ビル群すれすれの高さを飛行して滑走路13に着陸する「香港アプローチ」が有名だった。この香港名物の着陸は観光客や航空ファンにとっては必見の呼び物だったが、機体操作には非常に高度な技術が要求されるパイロット泣かせの着陸で[2]、近隣住民にとってもその騒音は無視できない問題だった。

ランタオ島と新空港の位置関係

1980年代後半までに啓徳空港はすでに処理能力の限界を越えて稼働されており、しかも地理的に状況から拡張は不可能な状況にあった。そうした中で、香港返還を控えて異例の政治家出身香港総督となったクリストファー・パッテンは、1992年の着任早々に新空港の建設を決定した。九龍半島の西に位置するランタオ島沖の赤鱲角島を削って、そこで得た土砂で赤鱲角島と付近のいくつかの岩礁の間を埋め立て、これを更地にしてランタオ島に隣接する12.48km²の空港島とし、3800mの平行滑走路二本を備えて24時間空港とする。さらに空港と香港市内の間には高速鉄道を新設して直結させる。しかもこれを1997年7月1日の香港返還までの5年という、極めて短い期間で完成させることを目的とした、壮大かつ意欲的な一大プロジェクトだった。

イギリスの「置き土産」となるはずだった新空港の完成は、実際には誰もが予想したように遅れこむことになったが、しかし誰も予想しなかったほどの小規模な遅れで、1998年春頃までには完成の目処が立つに至った。新空港の開港日が7月6日に決定したのをうけて、啓徳空港7月5日深夜の最終便をもって閉鎖された。そして新旧両空港を結ぶ高速道路から一般車両を閉め出して、翌朝の新空港における始発便までの6時間ほどの間に、啓徳空港の空港関係機材のすべてが新空港へ移動された。

こうして香港国際空港は開港した。ギネスブックが「最も高価な空港」と認定するように、6年の歳月と200億ドルの巨費を費やした新空港の建設は、古今を通じて史上最大の空港建設プロジェクトとなっている。

[編集] 開港後

スポット周辺
ターミナル内
  • 1997年 - 開港延期。
    • 新空港建設開始時、1997年7月1日の香港返還と時を同じく空港開港を計画していたが、チェク・ラプ・コック島の土木工事より工事工程が遅延、その後各工事工程による遅延が発生し開港を延期せざるを得ない状況となった。
  • 1998年7月6日 - 開港。
    • 開港初日からトラブルが重なる。コンピュータシステムの故障や操作ミス、停電も発生。貨物処理については、閉鎖した啓徳空港の貨物ターミナルを一時的に再稼動させる事態に見舞われた。かつて、航空貨物の処理の速さが売りだった旧・啓徳空港。新空港ではコンピュータ化によりさらに速い処理が実現するはずであった。半年後、事態はようやく収束、新空港の貨物ターミナルが正常に稼動し始めた。また、エアポートエクスプレス(機場快綫)にも多くのトラブルが発生し、開業後暫く遅延が頻発し、また利用者が少なかった為、期間限定で運賃値下げを実施していた。
  • 1999年8月22日 - 中華航空642便(バンコク香港経由台北行き)マクドネル・ダグラスMD-11型機が香港国際空港に着陸しようとしたところ、台風の横からの突風にあおられ着陸に失敗。滑走路上で炎上し機体が仰向けにひっくり返った。3人が死亡。(チャイナエアライン642便着陸失敗事故
  • 2005年 - イギリスの調査会社SKYTRAXによる「Airport of the Year 2005」で、顧客満足度世界第1位の空港に選ばれる。
  • 2006年 - イギリスの調査会社SKYTRAXによる「Airport of the Year 2006」で、顧客満足度世界第2位の空港に選ばれる(1位はシンガポール・チャンギ国際空港)。
  • 2007年3月9日 - 第2ターミナルビルがオープン。
  • 2008年 - イギリスの調査会社SKYTRAXによる「Airport of the Year 2008」で、顧客満足度世界第1位の空港に再び選ばれる(2位はシンガポール・チャンギ国際空港)。

[編集] ターミナル

[編集] デザイン

ターミナル内部(出発階カウンター付近)
航空会社ラウンジ(左)と出発待合室

旅客ターミナルのデザインは、イギリスの著名な建築家であるノーマン・フォスターによる基本計画をベースに空港公団による実施設計と設計監理が行われた。

[編集] 設備

ターミナル内には数多くのレストランやみやげ物店があり、特に発着エリア内には免税店や本屋、シャワールームなどの他、エルメスブルガリダンヒルなどの高級ブランドのブティックなど、様々な種類の店舗を揃えており、長時間の乗り継ぎの際も退屈しないような工夫がされている。

さすがに夜間はほとんどの店舗が閉店するが、日本のラーメンチェーンである味千ラーメンは夜間も営業している。

出国審査ゲートから遠方のスポットまでの間は直線距離で1キロ程度あるため、遠方スポットへの移動の際は新交通システムゆりかもめのような無人鉄道が使用される。この新交通システムは日本の三菱重工業により納品された。

なお、Travelexが運営する両替所が空港内の数箇所に設置されているが、レートが悪いので空港では小額を両替し、市内の両替商を利用すると良いという評価がある。

[編集] ラウンジ

日本航空やノースウェスト航空、ブリティッシュ・エアウェイズなどの主な乗り入れ航空会社はファーストクラスビジネスクラスの乗客、得意客などのためのラウンジを運営しており、特に香港国際空港をベースにするキャセイパシフィック航空は、「ザ・ウイング」と「ザ・ピア」の2つのラウンジを運営しており、世界有数のカウンターの長さを持つバーや、スパなどの様々なサービスを用意している。

[編集] HKIA Frequent Visitor Card

香港国際空港を経由し過去12ヶ月に3回以上香港を訪れた旅客は 「HKIA Frequent Visitor Card(中:香港國際機場訪港常客證)」とよばれるカードを申請することができる[3]

このカードを取得すると、香港空港における入境審査および出境審査において、HKIA Frequent Visitor Card保持者専用レーンに並んで中華人民共和国香港行政区へ出入国することができる。レーンの付近には空港職員が認識端末を持って待機しており、カードを職員にスキャンしてもらったあと専用レーンを通過する。入国・出国のスタンプは通常の審査と同じくパスポートに押印される。

申請方法は、香港国際空港のHKIA Frequent Visitor Cardのサイト[3]からオンラインで申請する方法、FAXまた郵送で申請する方法、空港ターミナル1出発ホールにある申請箱(空港インフォメーションカウンターの向かって右)に申請書類を投函する方法がある。

申請書式は空港公式サイトからダウンロードするか、または空港インフォメーションカウンターでも入手できる。提出書類は申請書式のほか、パスポートの氏名およびパスポート番号が書かれたページおよび過去12ヶ月で香港を訪れた直近3回の記録(スタンプ)がわかるページのコピーが必要になる。空港には有料のコピーサービスを行うカウンターがある。ただし梱包などその他のサービスも平行して行っているため、カウンターが混んでいる場合がある。申請後にカードが郵送されてくるまでは約2ヶ月ほど日数がかかる。

またe-Channelと呼ばれる自動ゲート(旅客自助出入境検査系統)も空港には設置されている[4]。指紋を事前登録することで、機械による審査で入出境することができる。ただしこの登録は2009年4月時点においては香港国際空港のみで有効であり、外国人は香港特別行政区外の中国との出入境(深セン市)に設置されている機械は利用できない。

[編集] 空港税/出国税

120香港ドル(11歳以下は不要)。なお、航空券に出国税が含まれていない場合、チェックインカウンターにて現金で支払うことが必要になる。

[編集] 拠点・焦点都市としている航空会社

キャセイパシフィック航空、およびその傘下の香港ドラゴン航空エア・ホンコンハブ空港としている。

[編集] 就航路線

[編集] ターミナル1

[編集] ターミナル2

[編集] 空港へのアクセス

エアポートエクスプレス空港駅
Cityflyer空港バス

かつての啓徳空港は、市街地にあった事から交通アクセスに優れた空港であったが、新しい空港は市街地から遠く離れた場所に新設される為、出来る限りアクセス時間を短縮し、旅客の不便を軽減する様に整備された。

[編集] 鉄道

香港国際空港と香港駅(MTR中環駅に直結)を青衣駅九龍駅経由で結ぶエアポート・エクスプレス(機場快綫)が運行されており、空港―香港間の所要時間は約24分、約12分間隔で運転されている。

ランタオ島北部から青衣駅にかけての走行路線はMTR東涌線と共通だが、東涌線は空港には乗り入れていない。なお、到着ロビーから鉄道駅の間には階段などの段差はなく、荷物を持ったまま円滑に移動することが可能である。

また、エアポート・エクスプレスの利用者は、香港駅、九龍駅のチェックインカウンターでチェックインが可能である。荷物もここで預けることが可能である。

[編集] バス・タクシー

香港島や九龍・新界へ空港バスが運行されており、所要時間は香港島だと1時間程度、九龍だと40分程度、新界だと30分から1時間程度。梅窩など、ランタオ島内行きの一般バスもある。

香港のタクシーは運行地区別に車体の色が分かれているため(香港島・九龍は赤・新界は緑、ランタオ島内は青)、利用者は、目的地に応じたタクシー乗り場から乗車することになる。なお、香港国際空港へは、前述の営業エリアに関わらず、全てのタクシーが行くことができる(香港の交通#タクシー参照)。

[編集] 高速船

空港のスカイピア(フェリー埠頭)からTurboJET社などによってマカオや中華人民共和国本土を結ぶ高速船が就航している。現在はマカオ(マカオフェリーターミナル)、珠海(九州港)、中山東莞(虎門)、深圳(福永:但しTurboJET社運行停止中[5])、深圳(蛇口)へそれぞれ運航している。

船への乗り継ぎカウンターは空港の到着階(5階)の入国審査手前にある。一度香港へ入国してしまうと利用できない。また空港出迎えなどの目的で利用することはできない。チェックインは乗船の1時間前に締め切られるが、飛行機で受託手荷物が無い場合は30分前まで可能である。受託手荷物は船会社職員が代理で受け取り、船内に運ばれる。チェックイン後は、専用のバスでスカイピアへ行き、乗船する。入国審査はマカオや中国本土に着いてから埠頭で行う。

マカオや中国本土から乗る場合は、飛行機が出発する2時間前までにスカイピアに到着することが求められる。その時間に間に合わない場合はチケットの販売を拒否されたり、乗船を断られることがある。マカオや中国本土側の埠頭に出国審査場があり、そこで出国審査を行ってから乗船する。船でスカイピアに着くと各航空会社のチェックインカウンターがあり、そこでチェックインを行う。香港人や中国人の団体客が多いため、特定の航空会社の窓口に人が集中することが多い。その後、セキュリティチェックを受けると同時に、航空券購入時に香港空港の利用税を支払っている場合はここで払い戻しを受ける(HK$120)。スカイピアからは専用のバスで直接空港ターミナルビルの出発ロビーに向かう。

バスや電車を利用する場合よりも乗り継ぎが少なく便利なので、料金が少々高めでも利用者数は年々増加している[要出典]

[編集] 脚注

  1. ^ さよなら香港啓徳機場
  2. ^ 旋回しながら着陸進入を行うので計器着陸装置を解除しなくてはならず、そのため目測を誤って着陸復航したりしりもちをついて着陸する機が少なくなく、オーバーランして滑走路先の海中に突っ込む事故も何度か起った。
  3. ^ a b HKIA Frequent Visitor Channel (英語)
  4. ^ Automated Passenger Clearance System 香港特別行政区政府入境事務所 e-Channels(英語)
  5. ^ 深圳機場至九龍及香港國際機場航線 由2009年4月24日起,以上航線將暫停服務

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ