集中豪雨

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集中豪雨(しゅうちゅうごうう)は、限られた地域に対して短時間に多量(目安として50mm/h以上の)にが降ることを言う。短時間強雨。

集中豪雨
集中豪雨による土石流で被害を受けた集落、2009年7月山口県防府市

目次

[編集] 集中豪雨の定義

「集中豪雨」という用語に気象学的に明確な定義はされていないが、目安として、直径10kmから数十kmの範囲で時間雨量50ミリ(mm)を超える場合を意味すると考えてよい。

時間雨量50mmを超えるような降雨帯は、単体ではおおむねメソβ(ベータ)スケールからメソγ(ガンマ)スケール(水平規模2 - 200km)でしか発生しない。線状降雨帯の場合は長さが200kmを超えるような場合もあるが、幅は200kmを下回る。また統計的に、50mm/hを超えるような降雨帯は長さ数十kmの範囲で発生することが多い。
単位時間当たりの雨量を考えた場合、10分間雨量で見ても50mmを超えるような雨は時間雨量50mmを超える雨と同等かそれ以上の災害を招くと考えられるが、このような雨はほとんど降らない(10分間降水量の限界値は可降水量に近い値となるが、日本ではおよそ60mmとされている。日本の観測史上最大は49.0mm/10minであり、このような雨は観測されたことがない)。

台風などと異なり予測が困難であり、また地形によって土石流地すべり崖崩れなどの土砂災害洪水などの被害がおきやすい。なお一般に市街地における排水能力は時間雨量50ミリ前後を想定しており、これを超える場合には内水氾濫堤防で守られた内側にある排水路などが溢れること)になりやすい。

一般的に気象現象は、その規模が小さくなるほど寿命が短く、予報のリードタイム(予報発表から現象発生までの猶予時間)が短くなる傾向にある。集中豪雨の場合、リードタイムは約1時間半 - 3時間程度であり、毎日の天気予報等で発生場所を的確に伝えるのは不可能である。発生場所を割り出してから伝える場合は、短時間予報に基づく警報・注意報に限られてくる。また、精度よく発生場所を割り出すための数値予報モデルも限られる上、モデルに入力する観測値の種類も限られてくるので、予報は難しくなる。
集中豪雨と他の大雨災害を比べると、急激な降雨により地面の吸水能力(浸透能透水性)・地表水路溝渠放水路など)の排水能力を超えて、速いスピードで水位が上昇して氾濫を起こす例が多い。

雨の降り方を表す言葉の中で似た言葉に驟雨にわか雨などがあるが、集中豪雨はこれらに含まれる。また「大雨」「豪雨」というのは継続時間を問わず雨量の多い雨を指すので、いろいろなパターンがある大雨・豪雨の中の一種として集中豪雨を位置づけることもできる。

初めてこの言葉が公に使用されたのは1953年8月14 - 15日にかけて京都府の木津川上流域で発生した雷雨性の大雨に関する、1953年8月15日の朝日新聞夕刊の報道記事とされている。現在は学術的にも一般的にも広く使われている。

[編集] 原因

集中豪雨は、発達した積乱雲による雨が原因である。ただ、日本の場合は夕立に伴う積乱雲がよく発生するが、そのような積乱雲のすべてが集中豪雨を降らせるわけではない。普通、1つの積乱雲(降水セル)が降らせる雨の量は30mm前後である。集中豪雨となるためには、巨大な降水セル(スーパーセル)が発生するか、降水セル群(マルチセル)が世代交代や移動によって同じ場所に雨を降らせ続けるか、このいずれかによって強い雨が降り続くことが必要になる。前者は非常に稀であり、集中豪雨のほとんどは後者による。

マルチセルによる雨(マルチセル型雷雨)は以下のように分類される。

  • クラスター(Cluster)型 - マルチセル・クラスター(クラウドクラスター)と呼ばれる不規則に並んだ積乱雲の群れのなかで組織化が起こり、世代交代が繰り返されるもの。
  • ライン(Line)型 - マルチセル・ラインと呼ばれる線状に並んだ積乱雲の群れの中で組織化が起こり、世代交代が繰り返されるもの。
    • バックビルディング(Back building)型 - 先頭の積乱雲の風上に次々と積乱雲が発生していくタイプのもの。
    • これに加えて、降水帯の先端だけではなく側方からも積乱雲が湧き出すタイプのバックアンドサイドビルディング(Back and Side building)というものもある。

日本で発生する集中豪雨の多くは、バックビルディング型の降水セルに分類されるパターンのものが多いという[1]

集中豪雨を降らせるような環境原因として、以下のようなものが挙げられる。

  • 下層(地表から上空1,500m付近までの対流圏下部)において、収束があること。→下層の収束により、上昇流が発生する。
    • 収束を発生させるのは、前線低気圧、地形(山脈などにより、強制的に上昇流が発生する場合がある)などの要因である。
  • 下層で収束のあるところに、相当温位がかなり高い(湿った)大気があること。高度500m(950hPa)で355K以上が目安とされる[2]。→相当温位が高いことにより、上昇流に伴って積乱雲が発達する。また、相当温位が高いほど雲底高度が低くなり、冷気域の広がりが抑えられる。
  • 下層の風が弱く、中層の風が強いこと(バックビルディング型の場合)。→下層では積乱雲消滅期に冷気域ができ、これに乗り上げる形で風上に上昇流ができて新たな積乱雲が発生する。下層の風が弱く冷気域の広がりが抑えられていればこれがほとんど移動しないため、長時間同じ所から雲が湧き続ける。一方、中層の強い風によって積乱雲本体は同じ方向に流されるづけるので、長時間同じところに雨が降り続けることになる。
  • 下層の風と中層の風が正反対であること(バックビルディング型の場合)。→この場合でも、長時間同じ所から雲が湧き続け、同じ所に雨が降り続ける。ただし、あまり起こらない。
  • 中層や上層に乾燥した大気、冷たい大気があること。→積乱雲全般に言えることだが、中層や上層に冷たい大気があると潜在不安定が発達する。また、乾燥した大気は上昇による断熱減率が高いため、これも大気を不安定化させる。
    • 気圧の谷による高緯度からの寒気移流、寒冷渦による寒気移流などがある。

以上のようにいくつかの要因があるが、相当温位と収束線(シアーライン)が重要なファクターである。上空に寒気がなくても、下層の相当温位が非常に高ければ、積乱雲が発達することがある。

相当温位の高い空気の流入は、気象学では暖湿流の流入といって、南方の海洋から低気圧に向かって、あるいは高気圧の辺縁を回り込んでやってくることが多い。幅の広い暖湿流が収束しながら流入すると、湿舌といって舌の様な形をした高相当温位域が現れ、そこでは大気が不安定になる。

台風熱帯低気圧はそれ自体が相当温位の高い空気で構成されており、前線に近づくと集中豪雨を起こしやすい。また、台風は移動速度が速いため全域で集中豪雨となることは少ないが、スパイラル・バンド外縁部降雨帯の積乱雲が連続して通過すると、集中豪雨になりやすい。

前線(特に寒冷前線)付近に収束線や暖湿流が重なると、積乱雲が発達しやすい。

梅雨の時期には、梅雨前線付近に湿った空気があり、そこに南側から湿舌がやってきて、積乱雲が急激に発達して集中豪雨となる場合がある。

夏の夕立が集中豪雨になるパターンとしては、太平洋高気圧に広く覆われて下層の風が弱く、集中豪雨地点を収束線が通過することで積乱雲が発達する例や、上空を気圧の谷が通過することでその前後に寒気が現れ積乱雲が発達する例が多い。

また、昼間から続いた雨が間に強まり集中豪雨が発生することがあるが、夜になって晴れている上空の気温は下がるにもかかわらず積乱雲に覆われた地上付近ではのために放射冷却が起きにくくなって、上空との温度差が大きくなって上昇気流が強まり、積乱雲の発達が起きるためである。

年間で見ると、梅雨から初秋にかけての時期は集中豪雨が多い。南方の海洋性気団や熱帯低気圧から湿暖気流が流れ込むことが多いことと、日射が強く地上と上空の気温差が大きいことが主な原因である。になると気温の低下により大気中の水蒸気量が減少しそれに伴って雨量も必然的に少なくなるため、集中豪雨は起こりにくくなる。またの場合は空気抵抗が大きいため落下速度がやや遅く、集中豪雨と同じような量が降ることはない。

また、都市部においてはヒートアイランド現象が関係しているとも言われる。構造物からの放熱・人工排熱による気温の上昇、高層建築物の疑似山脈効果による上昇流などが、積乱雲を発達させやすくしていると考えられている。

世界的にみると、集中豪雨の発生地域は海洋の近くが多い。これは海洋から水蒸気が供給されることからも容易に想像できる。ただ内陸部でもインド北部アマゾン西部など、水蒸気の供給が多くしかも山脈等の影響で雲が発生しやすい所では集中豪雨の多発地帯になりうる。

[編集] レーダーによる観測

集中豪雨やその母体である積乱雲を観測する唯一ともいえる手法が、気象レーダーである。現在日本では、減衰が少なく広域観測に適したCバンド降雨レーダー、降水域の風の分布観測に適したデュアル・ドップラー・レーダー(Cバンド)の2つが広く使われており、予報に利用されている。このほかに、都道府県・市単位で高密度の観測に適したXバンドが都市部で主に下水処理管制の目的で運用されているほか、雲の観測に適したKaバンドやWバンド(雲レーダー)も研究用に運用されている[1]

バックビルディング型では、同一地域から湧き出すように、積乱雲が発生しては通過し続けることで集中豪雨がもたらされる。レーダーや雲画像では細長い降水帯(レインバンド)または雲の帯の先端がある一点に停滞し、そこから雲が次々と噴き出すように映る。対流圏下層に暖湿流が流入し中層の強風により積乱雲が流されるため、湧きあがるように次々と雲が世代交代するのが原因である。

また、テーパリングクラウド(にんじん状雲)と呼ばれる強い集中豪雨に特有の雲がある。衛星画像では白く輝き先端の尖った三角形の雲で、先端部では長時間にわたり猛烈な豪雨となる。

[編集] 過去の集中豪雨(- 1999年)

年月日 被害地域 摘要
1938年7月3 - 5日 兵庫県 阪神大水害
24時間雨量は六甲山で616mm、神戸市で461.8mm。生田川など市内の河川が氾濫し死者616名。これ以降六甲山の砂防事業が開始。
1953年6月25 - 29日 福岡県
佐賀県
熊本県
大分県
昭和28年西日本水害
24時間雨量は小国で433.6mm、佐賀市で366.5mm、久留米市で308.7mmなど。筑後川遠賀川大分川矢部川白川など九州北部の河川のほとんどが氾濫。九州電力夜明ダムが決壊するなど浸水被害甚大。死者759名、浸水家屋45万棟以上。これ以降筑後川の松原ダム、矢部川の日向神ダムなど各河川で多目的ダム建設が進められる。
1953年7月1718日 和歌山県 紀州大水害(南紀豪雨)
紀伊半島南部を中心に24時間雨量が500mmを超える。有田川日高川日置川など県内全ての河川が氾濫し死者・行方不明者1,046名と和歌山県史最悪の被害。これ以降七川(日置川)・二川(有田川)・椿山(日高川)などの多目的ダムが和歌山県により建設される。
1953年8月1415日 京都府 南山城豪雨(南山城水害)
京都府南部の木津川流域を中心に豪雨。24時間雨量は和束で428mmの猛烈な豪雨となったが10数km離れた京都市では雷鳴が轟いただけだった。大正池が決壊し死者105名。この豪雨において新聞が初めて「集中豪雨」の名称を使用する。
1957年7月25 - 28日 長崎県 諫早豪雨
死者856、不明136、負傷3,860、浸水72,565、24時間雨量は瑞穂町西郷(現:雲仙市)で1,109mm。
1967年7月9日 大阪府 北摂豪雨
大阪府北摂を中心とした地域に豪雨。最多雨量は北摂で255mm。死者61名。この災害で治水対策として、安威川ダム箕面川ダムが建設された。
1967年8月26 - 29日 新潟県
山形県
羽越豪雨(羽越水害)
24時間雨量は新潟県関川村で700mm近くに達する。最上川荒川胎内川加治川などが氾濫し死者104名、被害総額は現在の貨幣価値で約4,000億円に上る。これ以降治水対策の根本が見直され荒川が一級河川に指定されたほか多くの河川で多目的ダム、治水ダムが建設された。
1968年8月17日 岐阜県 昭和43年8・17豪雨災害
1時間雨量は郡上郡美並村で114mm。8月18日2時10分に土砂崩れにより白川町で飛騨川に観光バス2台が転落し、104人の犠牲者をだす飛騨川バス転落事故が発生した。
1970年7月1日 千葉県 1時間雨量は大多喜町で116mm、同町中野で114mm)。当時の内閣総理大臣佐藤栄作が現地視察した。
1974年7月7日 静岡県 七夕豪雨
24時間雨量は静岡市で508mm。漫画『ちびまる子ちゃん』にはこの時の様子を描いた「まるちゃんの町は大洪水」という話がある。
1982年7月23日 長崎県 昭和57年7月豪雨長崎大水害
1時間雨量は長与町で187mm(日本歴代最多)、長崎市で127.5mm。重要文化財眼鏡橋が半壊。この災害を受けて「記録的短時間大雨情報」が1983年10月に創設される。
1983年7月23日 山口県
島根県
山陰豪雨
三隅町(現:浜田市)、田万川町(現:萩市)などで33人が死亡。これにより益田川ダム建設計画(益田川)が見直された。
1993年8月16日 鹿児島県 平成5年8月豪雨
鹿児島市姶良郡。8月6日にはJR日豊本線竜ヶ水駅が土石流に埋まり、復旧に約1か月を要した。
1994年9月7日 大阪府 1時間雨量は池田市で130mm。9月4日関西国際空港に国際線発着の機能を移転させたばかりの大阪国際空港で地下の空港施設や機器類が浸水し、翌日まで使用不能となった。
1998年8月27日 栃木県
茨城県
那須町で1時間雨量が90mm、総雨量が1254mm。那珂川支流余笹川が氾濫し死者・行方不明24人、55人負傷。101棟全壊。下流の水戸市でも那珂川が氾濫し浸水や橋梁の流失などが起こる。
1998年9月2425日 高知県 1998年高知豪雨
高知市で1時間雨量が129.5mm、24時間雨量が861.0mm。高知市東部の国分川、舟入川などの河川が氾濫し高知市東部の平野域がほぼ2日間にわたり水没。マンホールの蓋が水圧で外れて吸い込まれて2人が死亡。死者8人、負傷者14人、住宅の全半壊55棟、一部損壊86、浸水家屋17000棟。
1999年6月29日 福岡県
広島県
1時間雨量は福岡市で79.5mm。博多駅の地下街が水没し、都市型自然災害として問題となった。また、同日広島県を中心に6.29豪雨災害中国地方4県で死者36人。
1999年7月23日 長崎県 1時間雨量は諫早市で101mm。
1999年10月27日 千葉県 1時間雨量は佐原市で152.5mm。

[編集] 近年の集中豪雨(2000年 - )

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年月日 被害地域 摘要
2000年9月1112日 愛知県 東海豪雨
1時間雨量は愛知県東海市で114mm。名古屋市では2日間で一年の降水量の1/3を超える567mmの降水量。
2001年9月2日 鹿児島県 1時間雨量は鹿児島県熊毛郡中種子町で162mm、西之表市で日降水量341mm[3]、熊毛郡屋久町で日降水量394mmなど[4]
2003年7月18 - 21日 九州全域 1時間雨量は福岡県太宰府市で104mm、長崎県厳原町(現:対馬市)で116mmなど。
2004年7月1213日 新潟県
福島県
平成16年7月新潟・福島豪雨
24時間雨量は新潟県栃尾市で422mmなど。
2004年7月17・18日 福井県 平成16年7月福井豪雨
1時間雨量は福井県美山で96mmなど。被害は福井市足羽川堤防決壊により中心部浸水被害)・鯖江市美山町(浸水被害、山間部の土砂崩れ)など。
2004年10月20日 兵庫県
豊岡市
総雨量は282mmだが、流域に短時間で降雨したため市内の円山川、出石川が堤防決壊。死者7名、全壊333、半壊3733、市街のほぼ全てが浸水。
2005年9月4日 埼玉県
神奈川県
1時間雨量は東京都杉並区下井草で112mm、東京都三鷹市新川で105mmなど。
2005年9月4 - 7日 宮崎県 宮崎水害
総雨量が宮崎県えびの市で1307mmなど。台風14号の影響。
2006年8月22日 大阪府 1時間雨量は豊中市で110mm。
2007年7月16・17日 大阪府
奈良県
解析1時間雨量は大阪府富田林市で120mm以上、堺市南区和泉市で110mm、奈良県宇陀市で110mmなど。浸水57、崖崩れ14。
2007年9月15 - 18日 秋田県
岩手県
青森県
15日19時から18日24時までの雨量は岩手県花巻市豊沢で300mm、秋田県仙北市鎧畑で289mm、青森県新郷村戸来で216mmなど。多数の床下床上浸水、非住家被害、死者および行方不明の被害。
2008年8月5日 東京都 東京都豊島区雑司が谷の下水道工事現場で、作業員6人で工事中の下水道内で5人が流された(5人とも死亡)。
2008年8月26 - 31日 東海地方
関東地方
中国地方
東北地方
平成20年8月末豪雨
1時間雨量は愛知県岡崎市で146.5mm、一宮市で120mm、千葉県我孫子市で104mmなど。その他東海地方・関東地方の多くの地点で解析1時間雨量が100 - 120mm。多数の床下床上浸水、行方不明の被害。
2009年7月19 - 26日 山口県
福岡県
平成21年7月中国・九州北部豪雨
1時間雨量は防府市で70.5mm、福岡市博多区で114mmなど。大規模な土砂崩れが発生。死者32人となった。
2009年11月11日 和歌山県 1時間雨量は和歌山市で119.5mm。
2010年10月18 - 21日 鹿児島県
奄美大島
奄美豪雨 (2010年)
48時間雨量は奄美市住用町で約800mm、24時間雨量は同市名瀬で648mmなど。増水や土砂崩れにより3人が死亡。

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/new/jyun_sokuji20101018-21.pdf 前線による大雨 平成22年(2010年)10月18日〜10月21日] 気象庁 災害をもたらした気象事例、2010年10月26日閲覧。

2011年7月18 - 21日 四国地方
近畿地方
東海地方
総雨量は高知県馬路村で1199ミリ。同村では、1日の雨量が多い時で日本での観測史上最大の851.5ミリを記録。また、近畿の熊野川など各地で川が氾濫し浸水の被害が出た。平成23年台風第6号の影響。
2011年7月25日 三重県 上空の強い寒気の影響で大気の状態が不安定になりゲリラ豪雨が相次ぎ三重県では、桑名市では同日午後5時までの1時間雨量が83ミリに達し、午後7時までの3時間だけで約170ミリの雨が降った。また、気象庁のレーダー解析の結果では同県四日市市付近で1時間に90ミリの猛烈な雨が降った。両市では住宅の床上や床下浸水が相次ぎ、自主避難者が出た。土砂崩れも相次ぎ東名阪自動車道では、車1台が土砂に巻き込まれた。
2011年7月27 - 30日 福島県
新潟県
平成23年7月新潟・福島豪雨
前線と湿った空気の影響で大気の状態が不安定になって三条市加茂市周辺や福島県只見町周辺で1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が降り続き、新潟県内の河川では氾濫が相次いだ。三条市では29日夜、全世帯に避難勧告が出された。30日朝も猛烈な雨が降った。

[編集] 増加する集中豪雨

気象庁の観測統計によれば、アメダス1000地点あたりでの時間雨量50mm以上の雨の回数は、1976年 - 1986年に160回だったものが1998年 - 2009年には233回になっていて、+45%と明らかな増加を示している。また、同じく時間雨量80mm以上の雨の年間平均発生回数は1976年 - 1986年に9.8回だったものが1998年 - 2009年には18.0回になっていて、+80%と更に急激な増加を示している[5]

集中豪雨が増加傾向にあることは明らかであり、それによる災害のリスクも増している。都市では下水道の処理能力向上によって対策を行い、農村地帯でも河川整備・堤防構築やダム・遊水池による水位制御を行ってきた。一方で、農地や林野の宅地化、路面舗装率の上昇や緑被率の低下、地下構造物の増加などリスクが高まった部分もある。都市型水害の例は何度も報告され、その度に危険が報道されている。

土砂災害に関しては、法的に厳しく規定されている土砂災害警戒区域土砂災害防止法)、砂防指定地(砂防法)、地すべり防止区域(地すべり等防止法)、急傾斜地崩壊防止区域(がけ崩れ防止法)のほか、それを補完する土砂災害危険箇所(土石流危険渓流、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所)が調査の上指定・公表されている。災害の際には指定漏れや周知不足が問題になることがある。他方では予報や警報・注意報の周知不足も問題となることが多い。

確実に増していると考えられる集中豪雨であるが、この時間スケールにおいてはいくつかの気候変動周期(レジームシフトなど)が存在するため、地球温暖化との相関性が明らかとはいえない[5]

2011年9月7日日本気象協会は「総雨量2000mmの時代を迎えて」と題する見解を発表した。 平成23年台風第12号は高知県東部に上陸しても時速10km/hと進行速度は上がらず、紀伊半島南部で記録的な1時間雨量と累計雨量をもたらした。これらを受け、同協会は台湾付近と日本の南海上は海面水温に2近く差があるが100年後をシミュレーションした予測結果によれば日本の南海上の海面水温は台湾近海並みに上昇した水温となり、台風の進行速度や海面水温を考慮すれば日本も台湾と同様に総雨量2000mmを超える大雨を想定した対策が必要としている[6]

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ a b 局地的な降雨観測・予測技術の動向白石栄一、科学技術政策研究所。
  2. ^ 突発的集中豪雨の発生環境場と発生メカニズム加藤輝之、日本気象学会第44回夏季大学「新しい気象学」
  3. ^ “平成13年9月集中豪雨災害1”. 鹿児島県 種子島 西之表市役所. (2011年1月11日). http://www.city.nishinoomote.lg.jp/disaster/13-9/saigai1.html 2011年7月5日閲覧。 
  4. ^ “平成13年9月集中豪雨災害2”. 鹿児島県 種子島 西之表市役所. (2011年1月11日). http://www.city.nishinoomote.lg.jp/disaster/13-9/saigai2.html 2011年7月5日閲覧。 
  5. ^ a b アメダスで見た短時間強雨発生回数の長期変化について気象庁。
  6. ^ 総雨量2000mmの時代を迎えて”. ホーム / トピックス / 日付順で見る. 日本気象協会 (2011年9月7日). 2011年9月22日閲覧。

[編集] 外部リンク

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