天城山

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天城山
Mount Amagi 20120610.jpg
伊豆市北部から見た天城山:解説
標高 万三郎岳 1,406[1] m
所在地 静岡県伊豆市伊東市賀茂郡東伊豆町・賀茂郡河津町
位置 北緯34度51分46秒
東経139度00分06秒
座標: 北緯34度51分46秒 東経139度00分06秒[1]
山系 伊豆半島
種類 成層火山
天城山の位置
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天城山(あまぎさん)は、静岡県伊豆半島中央部の東西に広がる山。天城山は連山の総称で、天城連山天城山脈と称されることもある。日本百名山の一つ。

最高峰の万三郎岳(ばんざぶろうだけ 1,406m[1][2])、万二郎岳(ばんじろうだけ 1,299m)、遠笠山(とおがさやま 1,197m)等の山々から構成される。東西の山稜部は富士箱根伊豆国立公園に指定されている。

成り立ち[編集]

天城山は第四紀成層火山。80万〜20万年前の噴火で形成され、火山活動を終え浸食が進み現在の形になった。かつての山頂は浸食が深い南側にあったと考えられている[3]。遠笠山も含めて天城山とすることが多いが、火山学上では伊豆東部火山群に属し、天城山が活動を終えてからできた火山地形である。また、万三郎岳の西に位置する皮子平火口がおよそ3200年前に噴火し、北麓にかけてなだらかな斜面が形成されているが、これも伊豆東部火山群の活動に分類される[4]

気候[編集]

夏期には太平洋からの湿った風が、天城山にあたることで上昇気流となり、雨雲に発達するため雨が多く、年間降水量が4,000mmを超えることもある[5]。また、冬期には積雪することも珍しくない。

主な地形と峠[編集]

MtAmagi Panorama.jpg

北より天城山の全景。左の山頂が割れたピークは伊豆東部火山群の矢筈山。右手前の山体は天子火山と呼ばれる第四紀の成層火山[3]
Izu Peninsula Shizuoka Japan SRTM.jpg

伊豆半島のランドサット衛星写真。右中央部が天城山。スペースシャトル標高データ使用。
Mount Amagi Panorama 20111016.jpg

天城山南麓の東伊豆町より望む。右は相模灘

東から

  • 遠笠山(とおがさやま 地図) 1,197m
  • 万二郎岳(ばんじろうだけ 地図) 1,299m
    馬の背(うまのせ 地図) 1,325m
    花楠立(はなだて 地図
  • 万三郎岳(ばんざぶろうだけ 地図) 1,405m 三角点名は万城岳
    片瀬峠(かたせとうげ)
  • 小岳(こたけ 地図) 1,360m
    戸塚峠(とつかとうげ 地図
    皮子平(かわごだいら 地図伊豆東部火山群の火口[6]
    白田峠(しらたとうげ 地図
  • 八丁池(はっちょういけ 地図) 1,173m
    天城峠(あまぎとうげ 地図

歴史[編集]

Izu city, Ikadaba, Wasabi fields 20111002 C.jpg
天城山の北麓、伊豆市筏場のワサビ田。天城山の清流を利用して250年以上前から栽培され、棚田は1500枚にもおよぶ[7]。
天城山の北麓、伊豆市筏場のワサビ田。天城山の清流を利用して250年以上前から栽培され、棚田は1500枚にもおよぶ[7]

近世には徳川幕府天領として天城山を韮山代官が管理してきた。山中のヒノキスギアカマツサワラクスケヤキカシモミツガの9種は制木とされ(天城の九制木)、公用以外は伐採が禁じられていた[7]

静岡県の安倍川上流の有東木地区よりワサビ栽培が伝えられ[8]シイタケと並ぶ豆駿遠三国の主要な特産物として、江戸でも流通し17世紀後半代には年貢としても納入されていた。明治期には畳石栽培が生まれ[8]、現在では一大産地となり天城のワサビは最高級ブランドとなっている。また、これも明治期に天城湯ヶ島地区にてシイタケの栽培法が確立し、一帯では現在でもシイタケの栽培が盛んである。

山名の由来[編集]

葉に多くの糖分が含まれているアマギアマチャ(天城甘茶 学名: Hydrangea macrophylla var.amagiana)という、ヤマアジサイに近い種類の植物があり、日本国内にはこの葉を乾燥して甘茶をつくり薬用や仏事に用いる風習が残る地方がある。そのアマギアマチャが伊豆の山地に多く自生しており、かつて天城山周辺の住民にも同様の風習があったために天城山の名になったのではないかという一説がある[11][リンク切れ]。また、気候の節で述べたように天城山は多雨地帯であり、「雨木」という語が由来であるとする説もある[12]

植生[編集]

標高約600m以下の地帯 [11][編集]

常緑広葉樹を主とする暖温帯林


標高600m以上の地帯[編集]

落葉広葉樹を主とする冷温帯林


人工林としてはスギヒノキが、東麓では標高1,000m付近まで、北麓では800m付近にまで植林されている。

山腹、山麓の巨木[編集]

太郎杉
太郎杉
天城山中で最大のスギで、老木には珍しく幼木をそのまま巨大にしたような整った樹型が特徴。
推定樹齢400年、幹周約9.6m、静岡県指定の天然記念物、所在地 静岡県伊豆市湯ヶ島(地図)
シラヌタの大杉(不知沼の大杉)
天城山の南麓にあるスギの大木で、太郎杉につぐ大杉として次郎杉とも呼ばれる。
幹周約8.6m、東伊豆町指定の天然記念物、所在地 静岡県賀茂郡東伊豆町大字奈良本(地図)
お化け杉
シラヌタの大杉の近くにあり、異様なほどに多くの枝を持つスギの大木。千手観音杉とも。
幹周約5.4m、所在地 静岡県賀茂郡東伊豆町片瀬国有林(地図)

登山[編集]

最高峰万三郎岳の山頂
万二郎岳を西から望む
万三郎岳と馬の背を東から望む

天城山は著名な登山家である深田久弥日本百名山の一座として選ばれ、登山シーズンには多くの登山客を集める。山稜は森林限界を超えていないため、登山道の大部分が広葉樹に覆われている。そのため、万二郎岳から馬の背に至る鞍部にある2箇所の岩場と、八丁池展望台、山体西部の青スズ台で展望が開ける程度である。最高峰である万三郎岳においてもわずかに北方が望めるほど。

登山道の脇にはブナヒメシャラアセビシャクナゲなどが特に目立ち、万二郎岳と万三郎岳の間の馬の背と呼ばれる尾根には、登山道がアセビの樹林の中を通るアセビのトンネルがある。万三郎岳の北にはシャクナゲが群生している。

なお、天城山は積雪があるため、冬期登山の場合はアイゼンが必要になることがある。

主な登山路[編集]

天城山の主稜を東西に歩く天城縦走路が山頂へ至る主なルートで、東は天城トンネル付近から入る複数の登山口と、西は天城高原ゴルフ場の横から入る登山口が主に使われている。なお、天城峠の西からは伊豆山稜線歩道に繋がり、達磨山などの伊豆半島の西北部の山稜へ歩くこともできる。

皇族と登山[編集]

昭和天皇1930年(昭和5年)6月に八丁池までの往復を歩き、この際に使用した登山道を御幸歩道と呼ぶようになった。八丁池にはこの登山を記念して「天蹕留蹤碑 (てんひつりゅうしゅうのひ)」と刻まれた記念碑が残っている。なお、昭和天皇は1981年(昭和56年)6月にも登山している。また、昭和天皇の孫である皇太子徳仁親王1982年(昭和57年)7月に天城山の縦走を行い、万二郎岳から万三郎岳、八丁池を抜けるコースを歩いた[11]

関連作品[編集]

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]