八甲田山

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八甲田山(はっこうださん)


奥入瀬渓流側から見た八甲田山
中央手前が雛岳、中央奥が高田大岳

八甲田山(はっこうださん)は、青森市の南側にそびえる火山群の総称で日本百名山の一つ。「八甲田山」と名がついた単独峰は存在しない。岩木山と同様 本州最北部にある火山群。命名の由来について「新撰陸奥国志」によれば、八の(たくさんの)甲(たて)状の峰と山上に多くの田代(湿原)があるからという。現在の火山活動は穏やか。周辺は世界でも有数の豪雪地帯

明治35年に青森の歩兵第五連隊が雪中行軍の演習中に記録的な寒波に由来する吹雪に遭遇し、210名中199名が遭難した事件(八甲田雪中行軍遭難事件)が発生、それを基に新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」が書かれている。

なお、陸上自衛隊青森駐屯地に駐屯する第5普通科連隊も、毎年、厳冬期に、八甲田山系での冬季雪中戦技演習を行なっている。

目次

[編集] 地形と噴火史

冬の八甲田山

八甲田山は近くにある十和田湖と同じく、カルデラを有する火山群である。広い湿原のある田代平近辺の窪地がカルデラの北半分に相当し、南半分はカルデラ形成後に噴火した八甲田大岳などの火山群が盛り上がっている。櫛ケ峯(1,517m)のある南八甲田は古い先カルデラ火山に相当する。カルデラを形成した巨大噴火は、調査されているだけで過去2回(65万年前と40万年前)発生した。南八甲田は2回目のカルデラ噴火の前に火山活動を終えている。北八甲田はカルデラ南半分を埋める形で16万年前から活動を始め、繰り返し噴火しながら多数の(余り大きくない)成層火山を形成した。歴史時代の記録では溶岩を流出するような大きな噴火は無いが、山群の所々から火山ガスが噴気している。1997年には訓練中の自衛隊員3名が窪地にたまっていた火山ガスにより死亡する事故が発生している。また2010年6月には、酸ヶ湯温泉上方の登山道を外れた沢に於いて、山菜採りに訪れていた女子中学生1名が、現場に滞留していたと考えられる火山ガスによって、中毒死する事故が発生している。

[編集] レジャー

紅葉の頃の睡蓮沼

標高1,584mの大岳のほかに、田茂萢岳(たもやちだけ)、赤倉岳小岳高田大岳などの山々がほとんど同じ高さで並んでいる。ロープウェイは田茂萢岳に設置されており、冬はスキー、積雪期以外ならハイキング気分で山歩きが楽しめる。秋には全山紅葉し見事な錦秋模様となる上、登山道沿いにはコケモモガンコウランがたくさん実をつけており、目と舌の両方を楽しませてくれる。また、冬季には東北地方でも有数の豪雪と強い季節風によりアオモリトドマツに見事な樹氷を楽しむことができる。加えて、山麓に散在する温泉群は、多様の泉質で味わい深い。

[編集] モデルコース

酸ヶ湯方面から見た八甲田山大岳
  • 酸ヶ湯温泉バス停→仙人岱→八甲田大岳→毛無岱→酸ヶ湯温泉バス停・所要時間5時間(標高差700m)

[編集] 山岳スキー

日本有数の山岳スキー場としても有名で、6km前後の各コースを約半年に渡り楽しむことが出来る。

[編集] 八甲田山系

登山コースの木道

八甲田山系は八甲田大岳を盟主として南北2群の火山よりなり、その中間に睡蓮沼を含む湿原地帯がある。

山系を構成する山々は北部より前嶽・田茂萢岳 (1,324m) ・赤倉岳 (1,548m) ・井戸岳 (1,550m) ・大岳 (1,584m) ・小岳 (1,478m) ・高田大岳 (1,552m) ・雛岳 (1,240m) ・硫黄岳(八甲田) (1,360m) ・石倉岳 (1,202m) ・逆川岳 (1,183m) ・猿倉岳 (1,354m) ・駒ヶ峯 (1,416m) ・櫛ヶ峯 (1,517m) ・乗鞍岳(八甲田) (1,450m) ・南部赤倉岳・等の山群である。

[編集] 高山植物

八甲田山には湿原が多く、イワイチョウモウセンゴケミズバショウが見られる。山にはアオモリトドマツ(オオシラビソ)の林があり、稜線にはハイマツが茂っている。

[編集] 温泉

麓には千人風呂が有名な酸ヶ湯がある。その他にも城ヶ倉温泉谷地温泉猿倉温泉蔦温泉八甲田温泉田代平温泉、など山のいで湯があちこちに湧出している。

[編集] 参考文献

遭難した後藤房之助伍長の像

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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