鳥海山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| 鳥海山 | |
|---|---|
鳥海山(2001年8月)
|
|
| 標高 | 2,236m |
| 位置 | 北緯39度05分57秒 東経140度02分56秒 |
| 所在地 | 山形県飽海郡遊佐町・酒田市 秋田県由利本荘市・にかほ市 |
| 山系 | 出羽山地 |
| 種類 | 成層火山 |
鳥海山(ちょうかいさん、ちょうかいざん[1])は、山形県と秋田県に跨がる標高2,236mの活火山。出羽富士(でわふじ)とも、秋田県では秋田富士(あきたふじ)とも呼ばれる。日本百名山・日本百景の一つ。2007年(平成19年)には日本の地質百選に選定された。
目次 |
[編集] 概要
鳥海山は、東北地方では燧ヶ岳(標高2,356m)に次いで2番目に標高が高い。山形県の最高峰であり、中腹には秋田県の最高地点(標高1,775m)がある。
山体は山形県の遊佐町・酒田市と秋田県の由利本荘市・にかほ市の4市町に跨がるが、山頂は遊佐町に位置する。山頂からは、北方に白神山地や岩手山、南方に佐渡島、東方に太平洋を望むことができる。
全体としては玄武岩ないし安山岩(SiO2 51~62%)の溶岩からなる富士山型の成層火山であるが、北側から西側にかけては側火山や火口、さらには河川による侵食で、複雑な山容を示している。新旧2つの二重式火山が複合したもので、侵食の進んだ「西鳥海」と新しい溶岩地形をもつ「東鳥海」とからなり、それぞれに中央火口丘と外輪山がある。
紀元前466年には大規模な山体崩壊を起こし、岩石や土砂が現在のにかほ市に堆積して象潟の原型を形成している[2]。1801年の噴火では死者8名の記録があり[3]、生じた溶岩ドームは東鳥海山の新山として現在も残っている。1974年3月から5月にかけては新山の東側火口および荒神ヶ岳の割れ目から噴煙を噴出した。
山の南側には夏、「心」の字の形に雪が残る「心字雪渓」がある。山頂付近には夏場も溶けない万年雪(小氷河と表現されることがある)が存在することや、氷河の痕跡として特徴的なカール地形が存在することから、かつて氷河が形成されていたという説がある。このため、山麓の市町村では「氷河」を冠した特産品が見受けられる。
鳥海山の固有種としてはチョウカイアザミやチョウカイフスマがある。
[編集] 鳥海山の峰々
東鳥海
- 中央火口丘
- 新山(しんざん) 2,236m - 最高峰。別名・享和岳。
- 荒神ヶ岳(こうじんがたけ) 2,170m
- 外輪山
- 七高山(しちこうさん) 2,229m
- 行者岳(ぎょうじゃだけ) 2,159m
- 伏拝岳(ふしおがみだけ) 2,130m
- 文珠岳(もんじゅだけ) 2,005m
西鳥海
- 中央火口丘
- 扇子森(せんすもり) 1,759m
- 鍋森(なべもり) 1,652m
- 外輪山
- 月山森(がっさんもり) 1,650m
- 笙ガ岳(しょうがだけ) 1,635m
[編集] 火山活動史
- 紀元前466年 大規模な山体崩壊を起こす。
- 810年 - 823年に噴火の記録あり。
- 871年 噴火および溶岩流?
- 1560年 噴火の記録あり。
- 1659年 - 1663年 噴火の記録あり。
- 1740年 - 1741年 噴火の記録あり。
- 1800年 - 1801年 マグマ水蒸気爆発、溶岩流出、新山(溶岩ドーム)形成。8名死亡。
- 1821年 噴火の記録あり。
- 1834年 噴火の記録あり。
- 1971年 噴火の記録あり。
- 1974年 水蒸気爆発、小規模な泥流。
[編集] 歴史
鳥海山は海岸に近く標高の高い独立峰であることから、古くから日本海を往来する船乗りにとってもよき目印であったと考えられる。鳥海山という名は、少なくとも1342年にまでさかのぼるが、その由来について定説はない。秋田県の郷土史家田牧久穂によると、鳥海山の神である大物忌神は、大和朝廷による蝦夷征服の歴史を反映し、蝦夷の怨霊を鎮める意味の神名だという。
日本海に裾野を浸した秀麗な山容を持つためか、古くから山岳信仰の対象となり、山頂と、麓の吹浦(山形県遊佐町)と蕨岡(山形県遊佐町)には大物忌神社が祀られ、出羽国一ノ宮として崇められてきた。日本海に浮かぶ酒田市の飛島には、鳥海山の山頂部が吹き飛んできて出来た、という伝承があり、それが島の名前の由来であるという。また、飛島に祀られた小物忌神社は鳥海山の大物忌神社と対をなしている。
[編集] 鳥海山にちなんだ名称
日本海軍の重巡洋艦及び海上自衛隊の護衛艦にこの山から名前をとった「鳥海」「ちょうかい」がある。
列車の愛称名としても歴史は古く、最初は上野発東北本線・奥羽本線経由で秋田行きの急行の愛称として登場し(この列車が後の「津軽」)、その後は上野発上越線・羽越本線経由で秋田行きの急行の愛称として長く親しまれた(臨時列車には酒田発着もあった)。東北・上越新幹線開業後は上野発上越線・羽越本線・奥羽本線経由で青森行きの特急の愛称(昼行の時と夜行の時があった)となったが、この特急時代の「鳥海」は地味かつ不遇であった。
[編集] 登山
[編集] 登山口までのアクセス
[編集] 公共交通機関
- JR東日本・羽越本線「象潟駅」下車。象潟合同タクシーバス「鳥海ブルーライナー」で終点鉾立下車(運行日注意)。
- JR東日本・羽越本線「酒田駅」か「吹浦駅」下車。庄内交通バス「快速 鉾立行き」で終点下車。
[編集] 道路
- 秋田県側から:国道7号、秋田県道58号象潟矢島線、秋田県道131号鳥海公園小滝線(鳥海ブルーライン)経由。
- 山形県側から:国道7号(鳥海ブルーライン入口交差点)もしくは国道345号(十六羅漢交差点)、山形県道210号鳥海公園吹浦線(鳥海ブルーライン)経由。
[編集] モデルコース
- 鉾立バス停→賽の河原→御浜小屋→頂上御室(大物忌神社・泊)→鳥海山(新山)→河原宿小屋→八丁坂→滝の小屋車道終点
他に矢島口・吹浦口・百宅口コース等多数。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
- 各都道府県の最高峰(山形県)
- 森敦 - 小説『鳥海山』の著者。
- おくりびと - 山形県酒田市を舞台とする映画。鳥海山が背景に出てくる。
- 岩木山 - 青森県にある山。山頂が三峰に分かれており、うち西側の峰が鳥海山と呼ばれる。
[編集] 外部リンク
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||

