上越新幹線

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JR logo (white).svg 上越新幹線
E4系「Maxとき」(高崎駅)
上越新幹線の路線図
路線総延長 269.5 km
軌間 1,435 mm
電圧 25,000 V・50Hz
架空電車線方式交流
最高速度 240 km/h

上越新幹線(じょうえつしんかんせん)は、大宮駅(列車運行上は東京駅)から新潟駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の高速鉄道路線およびその列車(新幹線)である。

概要[編集]

冬期間の越後湯沢駅。スプリンクラーで融雪され、雪景色の中でも線路上には積雪がない。

全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線鉄道として初めて『全国新幹線鉄道整備法第四条第一項の規定による建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画』(1971年運輸省告示)に盛り込まれた3線のうちの一つである(残り2線は東北新幹線成田新幹線)。1971年に基本計画の決定・整備計画の決定を経て着工、1982年11月15日に大宮 - 新潟間が開業(当時は国鉄)。のち、東北新幹線の上野 - 大宮、東京 - 上野間の開業に伴い順次運転区間を延長した。

東京 - 大宮間は線籍上は東北新幹線であるが、大宮駅を始終着とする列車はなく、全列車が東京駅(臨時列車の一部は上野駅始終着)まで乗り入れ、新潟行きの列車については東京 - 大宮間においても「上越新幹線」と案内される。同様に、上越新幹線の大宮 - 高崎間に乗り入れている北陸新幹線長野新幹線)の列車については、東京 - 高崎間においても「長野新幹線」と案内される。

群馬県から新潟県にかけての区間(高崎 - 長岡間)は三国山脈を通過するため、大部分がトンネルである。また、世界有数の豪雪地帯である新潟県内を中心にスプリンクラーによる融雪設備を備えているほか、新潟県内の駅では線路プラットホーム全体が屋根で覆われているなど、雪害対策が入念に施されている。そのため、雪による運行上の障害は滅多なことでは発生しない。平野部(関東平野越後平野)では、大部分が高架上を走る。

従来の東海道・山陽新幹線および東北新幹線と違うのは、"本州を横断する新幹線"ということである。本州の太平洋側と日本海側を結ぶ初の新幹線という意味でも注目された。首都圏方面から越後湯沢長岡での乗り継ぎで上越富山高岡金沢方面が、新潟での乗り継ぎで村上鶴岡酒田方面がそれぞれ従前より短時間で首都圏と結ばれた。

上越」の名称は並行在来線の上越線高崎駅 - 宮内駅間)から由来するもので、群馬新潟両県の旧令制国名(上州越後)に由来する。なお、新潟県にはそれとは別に「上越地方」・「上越市」(上越後の意)が存在するが、上越新幹線のルートとは全く別の地域である(上越を参照)。なお、この上越市については、2014年度の開業を目指して建設中である北陸新幹線の延伸区間が経由する予定となっている。

越後湯沢 - ガーラ湯沢間は、冬期間のみ営業する区間である。新幹線車両しか乗り入れないが、線籍上は上越線の支線で在来線扱いとなっている。

最高速度は全線で240km/hであり、大半の区間が直線主体の線形であるため、最高速度での走行が可能である。ただし、高崎 - 上毛高原間の「中山トンネル」については建設時に異常湧水などに悩まされる難工事となり、結果的に当初計画から大きく迂回するルートに変更せざるを得なくなり、その関係で急曲線が介在する線形となったため、同トンネル付近では160km/hの速度制限を受ける。

なお、長岡 - 新潟間は基本計画路線に入っている羽越新幹線との共用区間であるが、基本計画決定以降こちらの建設については動きはない。

路線データ[編集]

本線[編集]

支線(正式には上越線の一部)[編集]

  • 区間:越後湯沢駅 - ガーラ湯沢駅間
  • 路線距離(実キロ・営業キロ):1.8km(両キロとも同じ)
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:2(起終点駅含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線(交流25,000V・50Hz)
  • 保安方式:ATC(DS-ATC)
  • 運転指令所:JR東日本新幹線運行本部 総合指令室
  • 列車運行管理システム:新幹線総合システム(COSMOS)

JR東日本の新幹線では、全体の運行管理業務を本社内の新幹線運行本部が統括する一方、保線管理や駅営業業務等の現業機関については地方支社が新幹線と並行在来線の双方を一体管理する組織体系を取っている[2]。上越新幹線における支社毎の管轄割り当ては以下の通り。

駅一覧[編集]

  • JRの路線名は、その駅に接続している正式路線名のみを記す。
  • 乗車人員は東日本旅客鉄道の駅のもの。在来線併設駅は在来線分を含む。増加減少は前年度に比較した増(増加)減(減少)を表す。

上越新幹線[編集]

起終点の大宮駅と新潟駅をのぞいて、通過線を有する。東北新幹線に属する上野駅と東京駅にも通過線はない。ホームドアが設置された駅はない。

正式路線名 駅名 大宮
からの
営業
キロ
大宮
からの

キロ
[4]
2013年度
乗車人員
(1日平均)[5]
接続路線 所在地
東北新幹線 東京駅 30.3 31.3 415,908増加 東海旅客鉄道東海道新幹線
東日本旅客鉄道東海道本線東北本線総武本線京葉線
東京地下鉄丸ノ内線
東京都 千代田区
上野駅 26.7 27.7 181,880減少 東日本旅客鉄道:東北本線
東京地下鉄:銀座線日比谷線
京成電鉄本線京成上野駅
台東区
大宮駅 0.0 0.0 245,479増加 東日本旅客鉄道:東北新幹線・東北本線・高崎線川越線
東武鉄道野田線
埼玉新都市交通伊奈線
埼玉県 さいたま市
大宮区
上越新幹線
熊谷駅 34.4 36.6 31,290増加 東日本旅客鉄道:高崎線
秩父鉄道秩父本線
熊谷市
本庄早稲田駅 55.7 57.7 2,152増加   本庄市
高崎駅 74.7 77.3 29,468増加 東日本旅客鉄道:北陸新幹線・高崎線・上越線信越本線
上信電鉄上信線
群馬県 高崎市
上毛高原駅 121.3 119.1 767増加   利根郡
みなかみ町
越後湯沢駅 168.9 151.4 3,050増加 東日本旅客鉄道:上越線(本線・ガーラ湯沢支線) 新潟県 南魚沼郡
湯沢町
浦佐駅 198.6 181.0 1,429増加 東日本旅客鉄道:上越線 南魚沼市
長岡駅 240.3 213.8 11,783増加 東日本旅客鉄道:信越本線 長岡市
燕三条駅 263.5 237.4 2,218増加 東日本旅客鉄道:弥彦線 三条市
新潟駅 303.6 269.5 38,427増加 東日本旅客鉄道:信越本線・越後線白新線 新潟市
中央区

支線(上越線支線)[編集]

全駅新潟県南魚沼郡湯沢町に所在

正式路線名 駅名 営業キロ 2013年度
乗車人員
(1日平均)[5]
接続路線・備考
上越線 越後湯沢駅 0.0 3,050増加 東日本旅客鉄道:上越新幹線・上越線(本線)
ガーラ湯沢駅
臨時駅
1.8 1,414増加 ガーラ湯沢スキー場ゴンドラリフト「カワバンガ駅」併設

※支線のガーラ湯沢駅は冬期間のみ営業。越後湯沢 - ガーラ湯沢は書類上は在来線の上越線に属する。

駅構内配線図[編集]

各駅の構内配線とホームの形式
配線分類 2面4線 2面2線+通過線 2面3線+通過線 2面4線+通過線
構内図 Station Track layout-1.png Station Track layout-2.png Station Track layout-3.png Station Track layout-6.png
該当駅 上野駅新潟駅 本庄早稲田駅上毛高原駅
浦佐駅長岡駅
熊谷駅燕三条駅 高崎駅越後湯沢駅
その他の特殊な構内配線とホームの形式
配線分類 3面6線 2面4線(終着駅)
構内図 Station Track layout-12.png Station Track layout-7.png
該当駅 大宮駅 東京駅

運行形態[編集]

東京 - 新潟間を通して運転する「とき・Maxとき」は概ね1時間に2 - 3本の運行。停車駅は列車ごとに異なるが、東京・上野・大宮・高崎と、越後湯沢 - 新潟間の各駅に停車するものが標準的である。朝に1日1往復のみ東京 - 新潟間ノンストップ列車が存在していたが、2013年3月16日のダイヤ改正にて大宮駅停車となったため、消滅した[6]

東京 - 高崎・越後湯沢間の区間運転列車である「たにがわ・Maxたにがわ」は、臨時列車や、「Maxとき」と併結する列車をのぞいて全列車が各駅停車である。

ダイヤパターンと停車駅[編集]

現行[編集]

下り
種別 東京駅
発車時刻
東京 上野 大宮 熊谷 本庄早稲田 高崎 上毛高原 越後湯沢 浦佐 長岡 燕三条 新潟 終着
(Max)とき ※ 16分 新潟
(Max)とき 32分 新潟
Maxたにがわ 52分   越後湯沢
上り
種別 始発 新潟 燕三条 長岡 浦佐 越後湯沢 上毛高原 高崎 本庄早稲田 熊谷 大宮 上野 東京 東京駅
到着時刻
(Max)とき ※ 新潟 00分
(Max)とき 新潟 20分
Maxたにがわ 越後湯沢   40分
●:停車 ▲:一部列車通過 △:一部列車停車 →:通過
※:時間帯によって定期列車か臨時列車として運行
ダイヤパターン化されていない定期列車、臨時列車は掲載していない。
東京駅の発車、到着時刻に関しては多少の違いあり。

号数の振り方[編集]

  • とき・Maxとき
    • 東京駅 - 新潟駅間:定期列車は300 - 353号、臨時列車は350号台 - 390号台
    • 越後湯沢駅 - 新潟駅間:480・481号(共に毎日運転)
    • 長岡駅 - 新潟駅間:491号(土休日運休)

1987年に上野 - 新潟間を長岡のみに停車する最速達列車に1桁台(例:あさひ1号)の号数が割り当てられた。以降も東京 - 新潟間の最速達列車に1桁が割り当てられたが、現在はすべて上記のように統一されている。なお、繁忙期の一部の臨時列車には1桁や2桁の号数が使われている。

  • たにがわ・Maxたにがわ
    • 東京駅 - 越後湯沢駅間:定期列車は400 - 431号(ただし、東京駅 - 高崎駅または越後湯沢駅間で「とき」と併結する定期列車は「とき」の号数を使用)、臨時列車は70号 - 90号代
    • 東京駅 - 高崎駅間:470 - 476号
  • 列車番号は、定期列車は基本的に号数+C、臨時列車は4000、8000、9000+号数+Cである。
  • また、「たにがわ・Maxたにがわ」をガーラ湯沢まで延長運転する場合は、4000+号数+Cとなる。

ガーラ湯沢駅開業から暫くの間は、越後湯沢 - ガーラ湯沢間のみを走る「シャトル・ガーラ」が運転されていた。列車番号は92xxCが割り当てられていた。博多南線同様に全車自由席で、グリーン車は閉鎖されていた。1995年頃からは運転されていない。

列車の概要[編集]

東京 - 新潟間の全線通し運転列車が「とき・Maxとき」、東京 - 高崎・越後湯沢間の区間運転列車が「たにがわ・Maxたにがわ」と分けられている(一部臨時列車をのぞく)。

1982年の開業当初は東海道・山陽新幹線に倣って、「ひかり」に相当する速達タイプを「あさひ」、「こだま」に相当する各駅停車タイプを「とき」としていた。

1997年10月1日、JR東日本は、北陸新幹線長野新幹線)の開業に合わせて東北・上越両新幹線の列車名を運行区間別とする愛称の再編を行った。それによって東京 - 新潟間の列車はすべて「あさひ」、東京 - 高崎・越後湯沢間の列車はすべて「たにがわ」とし、「とき」の愛称は東北新幹線の「あおば」と共に一旦消滅した。

しかしながら、後述の理由により「あさひ」の愛称は2002年12月1日のダイヤ改正で廃止され、「とき」の名称が5年ぶりに復活した。

すべての定期列車と一部の臨時列車は、東京寄りに普通車自由席3両(または4両)を連結した一部指定席扱いで運行されるが、とき359号など全車指定席で運行される臨時列車も存在する。

列車愛称[編集]

「とき」「Maxとき」[編集]

E4系「Maxとき」
E2系「とき」方向幕(J70 - 75編成)
E7系も同様の表示

とき」・「Maxとき」は、東京 - 新潟間、越後湯沢・長岡 - 新潟間で運行される上越新幹線の主力列車。使用車両は、「とき」がE2系、「Maxとき」が2階建車両E4系である。

最速達列車である途中大宮のみ停車する列車もあれば、全区間各駅に停車するタイプも存在する(号数はすべて300号代)。またMaxとき310号に限っては越後湯沢 - 東京間ノンストップであり、大宮も通過する。

2階建車両E4系「Max」で運転する列車のうち、一部は高崎・越後湯沢で分割・併合を行っている(東京 - 越後湯沢・高崎間は8両編成を2本併結した16両編成、以降新潟までは8両編成)。高崎以北のみを走行する区間運転列車はすべて各駅停車である。

1982年の上越新幹線開業以前は、上野 - 新潟間の在来線特急列車の愛称だった歴史があり、新幹線開業後も上記の通り各駅停車タイプの列車愛称として承継された。1997年に東北・上越新幹線の列車愛称再編のため一旦消滅したが、残った「あさ」と長野新幹線あさ」とは1文字違いのため紛らわしく誤乗が頻発したことや、「佐渡島トキ」という新潟を象徴する観光資源とも関係の深い名であったことなどから、新潟県内を中心に「とき」の復活を求める声が廃止直後から強く、新潟県などの関係機関からもJR東日本に対し列車名を「とき」に変更するよう要請が行われた。このような経緯から、2002年12月に「あさひ」を「とき」へ改称する形で、5年ぶりの復活を果たした。一度消滅した新幹線の愛称が復活したのは「とき」が唯一の例である。

「たにがわ」「Maxたにがわ」[編集]

たにがわ」・「Maxたにがわ」は、東京 - 高崎・越後湯沢間で運行される近距離列車で、各駅に停車する。使用車両は、「たにがわ」がE2系、「Maxたにがわ」が2階建車両E4系である。

越後湯沢方面の定期列車(400号 - )は、すべて各駅停車である。また、高崎で分割・併合する列車もあるが、これは主に朝・夕のラッシュ時にみられる。冬季期間においては、ガーラ湯沢まで延長運転されるものもあるほか、東京からの臨時列車も多数運転される。臨時列車の中には、途中駅を通過するタイプもある。この列車は、基本的に越後湯沢以北に入線することはないが、臨時列車で東京 - 新潟間の「たにがわ」が運転されたことがある。現在は概ね1時間に1本の運転となっている。

車両[編集]

新潟新幹線車両センター
(2007年11月)
左から200系(オリジナル塗装のK47編成)、E2系、E4系、E1系

現用車両[編集]

営業車両[編集]

  • E2系 - J編成、10両編成。高崎以南では、N編成(長野新幹線「あさま」用の車両)も乗り入れる。2004年3月13日のダイヤ改正で一旦運用が消滅していたが、2013年1月26日より東北新幹線へのE5系導入に伴い、東北新幹線で使用しているE2系を上越新幹線へ転属させることとなり、高崎以北での運用が再開された[7]
  • E4系 - P編成、2階建車両8両編成。2編成併結した16両編成で運用されることも多い。E4系を使用する列車は列車名の頭に"Max"と冠される。

事業用車両[編集]

試験用車両[編集]

新潟新幹線車両センター
(2012年10月)
左からE5系、200系、E4系、E2系、E3系、E926形(East i)、E1系
  • E5系 - U編成。新潟新幹線車両センターでの一般公開時および試運転で乗り入れ。2012年11月17日の「上越新幹線開業30周年号」で初めて営業運転に充当された。
  • E6系 - Z編成。新潟新幹線車両センターでの一般公開時および試運転で乗り入れ。
  • E7系 - F編成。新潟新幹線車両センターでの一般公開時および試運転で乗り入れ。高崎以南では、営業車両として使用される。

過去の車両[編集]

営業車両[編集]

  • 200系 - E編成・F編成・G編成・H編成・K編成。ただし、H編成は本来の姿である16両貫通編成では乗り入れなかった。2階建て車両を抜いた後に乗り入れ。最後まで残存したK編成については、東北新幹線E5系の増備で余剰となったE2系・E4系への置き換えにより、2013年3月15日をもって定期運用終了。
  • E1系 - M編成、2階建て12両編成。使用列車は列車名の頭にMaxと冠していた。東北新幹線E5系の増備で余剰となったE4系への置き換えにより、2012年9月28日をもって定期運用終了。

事業用車両[編集]

  • 925形(ドクターイエロー) - S1・S2編成

試験用車両[編集]

運賃と特急料金[編集]

運賃営業キロに基づいて算出する。東京 - 新潟間の営業キロは、並行する東北本線(東京 - 大宮間)・高崎線(大宮 - 高崎間)・上越線(高崎 - 宮内間)・信越本線(宮内 - 新潟間)のそれと同一になっている。東京 - 新潟間の営業キロは333.9キロで、東京 - 新潟間の新幹線の実際の距離(300.8キロ)より1割ほど長い。ただし、大宮 - 熊谷間の営業キロは実際の距離より短い。これは、大宮を発車すると約8キロ東北新幹線の線路と並んでほぼ北進し、その後高崎線と平行するために西へカーブするという線形をたどっており、ほぼ北西に直線で走る高崎線の距離のほうが短いためである。

特急料金は、「三角表」と称するものにより各駅間個別に定められている。一方、この各駅間の特急料金は当該区間の営業キロに基づいて算出されたものである。営業キロに対応する特急料金、およびその他の特定の区間の特急料金は以下のとおり。

(参考)上越新幹線特急料金表
(2014年4月1日現在)
営業キロ・区間 特急料金(円)(※1)
自由席 指定席
通常期 閑散期 繁忙期
100キロ以下 隣接駅間[8]
熊谷 - 高崎
860 2,360 2,160 2,560
上記以外 1,840
101 - 200キロ 東京 - 高崎 2,260 2,780 2,580 2,980
上記以外 2,590 3,110 2,910 3,310
201 - 300キロ 3,470 3,990 3,790 4,190
301キロ以上 4,220 4,740 4,540 4,940
  • 東京駅と大宮駅以北の各駅との間の特急料金は、東京駅発着の営業キロは使用せず、上野駅発着の営業キロで算出した特急料金に210円を加算した額となっている。

営業[編集]

車内設備[編集]

全列車に普通車グリーン車を連結する。

なお、JR東日本は2007年3月のダイヤ改正以降、東北・上越・山形・秋田の各新幹線[9]および在来線特急列車のすべてを禁煙車とし、喫煙ルームなども設けていないため、車内での喫煙はできない。

車内改札[編集]

上越新幹線を含むJR東日本の各新幹線では、原則として車内改札を行わない。これは、乗客が乗車駅の自動改札機を通過する際に指定券のデータを読み取り、車掌が携帯する端末に伝送することで座席毎の予約状況を車上で把握可能とするシステムが導入されているためである。車掌は携帯端末に表示された予約状況と乗客の着席状況を照らし合わせ、一致していれば正規の乗客であると見做して通過し、指定券が発券されていないはずの席に乗客が着席している場合などに限って、声を掛け確認する。

車内放送[編集]

1982年の開業から1991年6月19日までは、東北新幹線同様に停車駅に近い地域の民謡などの音楽を、停車駅案内車内放送チャイムに「ふるさとチャイム」という名称で使用していた(「上野」が「」、「高崎」が「八木節」、「長岡」が「長岡甚句」、「新潟」が「佐渡おけさ」など)。その後はすべての停車駅で同一のオリジナル楽曲がチャイムとして使われている(チャイムのメロディーは長野新幹線あさまと同一)。

ナレーションはフジテレビアナウンサー堺正幸1987年より担当している。


利用状況[編集]

交通需要について国土交通省2005年に調査した都道府県間鉄道旅客流動データによると、東京都から鉄道で他道府県に移動した年間旅客のうち、上越新幹線沿線各県(群馬県新潟県)への年間旅客数は440.3万人であった。さらに東京圏(東京都+神奈川県+埼玉県+千葉県)から群馬県・新潟県への年間旅客数は749.0万人であった。

また、沿線各都県間を流動する出発鉄道旅客数は、東京都出発客が440.3万人(行き先は新潟県・群馬県のみ)と最も多く、次いで新潟県の435.1万人であり、同じく目的地旅客数は、東京都を目的地とする客が440.3万人、新潟県が432.2万人であった。

沿線各都県間の旅客流動状況(2005年)は以下のとおり。

上越新幹線沿線各都県間旅客流動状況(2005年)
出発地\目的地 東京圏* 群馬県 新潟県 合計
東京圏 - 3,377 4,096 7,473
群馬県 3,366 - 226 3,592
新潟県 4,124 227 - 4,351
合計 7,490 3,604 4,322 -

(単位:千人/年)

*東京圏:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県とする。
東京圏 - 群馬県の鉄道旅客流動は長野新幹線安中榛名駅利用客等を含む。

歴史[編集]

計画から建設まで[編集]

全国新幹線鉄道整備法の成立後初の計画として1971年、東北新幹線(東京 - 盛岡間)、成田新幹線(東京 - 成田空港間)とともに着工。当初は、5 - 6年ほどで全線開業の予定だったが、折からのオイルショックの影響で建設費が高騰するなど、計画は大きく乱れた。

起点は元々の計画では新宿が起点であったが、変更された。1973年4月26日から、戸田市・さいたま市(当時は与野市浦和市)などで非常に大規模な反対運動が発生している。工事地内への居座り行動・デモ行進・国鉄説明会打ち切りなどが実施され、東北・上越新幹線の騒音対策や埼京線の快速停車駅数など地元の要望が実現化するきっかけとなった。この一連の反対運動を「東北・上越新幹線反対運動」という。詳しくは該当ページ、及び埼京線と地元住民の関係を参照。

1979年3月20日には建設工事中だった大清水トンネルの保登野沢工区(県境付近から群馬県寄り約5キロ付近)で火災が起き、16名の死者を出した(この入口は「保登野沢斜抗」として点検等に使用されており、隣接して殉職の碑が建立されている)。そして、中山トンネル工事中に2回の異常出水事故が発生した。迂回のトンネルを掘るなど工事は難航し、このために東北新幹線(大宮 - 盛岡間・暫定)との同時開業は果たせず、5か月遅れの1982年11月15日の開業となった。

新潟県中越地震による影響[編集]

2004年10月23日17時56分頃(JST)に発生した新潟県中越地震により、新潟・群馬県内で7本の列車が被災し[10]、うち2本は運転を再開したが4本は停電などで動けなくなった。そして、東京発新潟行のとき325号(200系K25編成・10両編成。2005年3月25日廃車)は時速約200kmで走行中、長岡駅の手前約5km、滝谷トンネル先の地点で10両中8両が脱線した。1964年10月1日東海道新幹線開業以来、日本国内の新幹線史上初の営業運転中の脱線事故となった(詳細は上越新幹線脱線事故の項を参照のこと)。

この地震の影響で浦佐 - 長岡間の高架橋・トンネルなどの設備が損壊し、越後湯沢 - 新潟間が不通となった。このため、10月31日から不通区間に代行バスを運行する一方、応急補強工事(トンネル5本の復旧作業、高架橋の耐震補強工事)が実施された。長岡以北の区間については、EAST i を送り込めないため、京浜急行電鉄から借用した軌道検測車を陸送して軌道状態を点検した後に運行を再開した。地盤が隆起した魚沼トンネルと妙見トンネルについては、いったん軌道を撤去したうえで岩盤を削るなど新線敷設と同様の工事が行われたが、年末年始の帰省ラッシュに間に合わせる形で2004年12月28日に全線で運行を再開した。

復旧後も当面は越後湯沢 - 燕三条間で70-110km/hの徐行運転を実施する区間があるため、通常ダイヤを基準に越後湯沢以北で15分前後の遅着(下り)・早発(上り)させる特別ダイヤが編成された。なお、2005年1月22日には通常ダイヤとのずれが5分前後に緩和され、3月1日からは通常のダイヤに戻っている。また、その他の道路交通も寸断されたため、羽田空港新潟空港を結ぶ航空便も臨時開設された。この地震の際、新潟新幹線運輸区の乗務員は東京 - 越後湯沢間の乗務のために、郡山まで出た上で東京入りし乗務列車に乗り込む方法と丸の内車掌区等への一時転属などの臨時措置を行った。

年表[編集]

  • 1971年(昭和46年)11月28日:起工。キャッチコピーは「ひかりは北へ」。
    • 途中、中山トンネルの建設時の異常出水事故が起こるなど、難工事に悩まされる。当初は1976年度の開業予定だったが延期され、1982年になった。
  • 1980年(昭和55年)11月5日:新潟車両基地 - 長岡間で走行試験を開始。
  • 1981年(昭和56年)10月29日:列車愛称を「あさひ」「とき」と発表。
  • 1982年(昭和57年)
  • 1985年(昭和60年)3月14日上野駅開業。名目上は東北新幹線となるが、事実上乗り入れている。これに合わせ、4月1日から6月30日の期間で「群馬県・新潟県デスティネーションキャンペーン」が開催された。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道が承継。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:一部の「あさひ」で240km/h運転開始。
  • 1990年(平成2年)
    • 3月10日:一部の下り「あさひ」が大清水トンネル内の下り勾配(上毛高原駅 - 越後湯沢駅間)で日本の営業列車としては最高速の275km/hでの運転を開始。
      • ATC車内信号現示が「あさひ」(200系F90番台編成)の場合は「275km/h」、1992年(平成4年)に営業を開始した東海道新幹線のぞみ」(300系)の場合は「270km/h」であることから[13]、日本一速い新幹線と言われていた。実際には、ATCの頭打ち速度は「のぞみ」も275km/h[14]だったため、ATCの抑止速度で考えた場合の最高速は同速ということになるが、営業速度で考えた場合はこの「あさひ」が最速であった。現在は全列車240km/h運転となっている。
    • 12月20日ガーラ湯沢駅開業。
  • 1991年(平成3年)6月20日東京駅開業。上越新幹線と東北新幹線にとって念願の東京駅乗り入れだった。名目上は東北新幹線の駅だが乗り入れている。
  • 1994年(平成6年)7月15日E1系Max営業運転開始。「Maxあさひ」と「Maxとき」が登場した。
  • 1997年(平成9年)10月1日:列車愛称を行先別に整理し「たにがわ」・「Maxたにがわ」新設、「とき」・「Maxとき」廃止(詳細は後述)。長野新幹線が開業し「あさま」でE2系営業運転開始。これによる東京駅20・21番ホームの新設に伴い、上野駅発着の定期列車が消滅した(東北新幹線についても同じ)。
  • 1998年(平成10年)12月8日:「あさひ」でもE2系営業運転開始。
  • 2001年(平成13年)5月7日E4系Max営業運転開始。
  • 2002年(平成14年)12月1日:「あさひ」・「Maxあさひ」を「とき」・「Maxとき」に改称。5年ぶりに「とき」の愛称が復活した。
  • 2004年(平成16年)
    • 3月13日:本庄早稲田駅開業。すべての「とき」で240km/h運転開始。同時にE2系が定期運用を撤退。
    • 10月23日:17時56分頃、浦佐駅 - 長岡駅間で「とき325号」(200系K25編成)が新潟県中越地震のため脱線。負傷者なし(上越新幹線脱線事故を参照)。高崎駅 - 新潟駅間が不通に。高崎駅 - 上毛高原駅間は約4時間後に運転再開。
    • 10月24日:上毛高原駅 - 越後湯沢駅間で運転再開。
    • 10月30日:新潟駅 - 燕三条駅間で160km/hで運転再開。
    • 11月4日:燕三条駅 - 長岡駅間で運転再開。
    • 12月28日:全線で運転再開。
  • 2007年(平成19年)3月18日:全車両を禁煙化。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月14日:大宮駅 - 越後湯沢駅間でDS-ATCを使用開始。
    • 10月18日:越後湯沢駅 - 新潟新幹線車両センター間でDS-ATCを使用開始。これにより全線がDS-ATC化された。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月17日 : 越後湯沢駅以北にてE4系16両編成による運転が開始。
    • 9月28日 : この日限りでE1系Max定期運転終了。E4系Maxの売店の営業終了。
    • 10月28日 : この日運転の臨時列車「さよならE1Maxとき号」を最後にE1系Maxが営業運転終了。
    • 11月17日 : 下りの臨時列車「とき395号」に「上越新幹線開業30周年記念号」として開業時の塗装の200系K47編成を、上りの臨時列車「上越新幹線開業30周年号」にE5系を充当して運転。
  • 2013年(平成25年)
    • 1月26日 : 上越新幹線にE2系4編成投入[7]
    • 3月16日 : 前日限りで200系の定期運用終了。東京 - 新潟間ノンストップ列車1往復が大宮駅に停車し、ノンストップ列車が消滅[6]
    • 4月14日 : この日運転の臨時列車「さよなら200系」号を最後に200系が営業運転終了。

その他[編集]

  • 大清水トンネルは工事中に湧水に悩まされたが、それを逆手にとり1984年に「大清水」という名称で商品化され、ミネラルウォーター清涼飲料水などにシリーズ化された。なお、トンネルの名前は「だいしみず」だが、こちらは全く同じ漢字でも「おいしい水」をもじり「おおしみず」と読む。2007年からはJR東日本ウォータービジネスがこの水を“FromAQUA”として販売している。
  • 長岡まつり花火大会が行われる8月2日、3日には新潟 - 長岡間に臨時列車が増発されたり、下り列車が長岡駅発車後に花火が見られるように、減速・停車していたこともある。

路線形態詳細[編集]


脚注[編集]

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  1. ^ 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2008年2月号 (Vol.800) p.145「日本の高速鉄道 - その軌跡と今後の展望 -」高津 俊司、土井 充
  2. ^ 現在この組織体系を取っているのはJR東日本のみであり、東海旅客鉄道(JR東海)の東海道新幹線は同社新幹線鉄道事業本部が並行在来線とは分離して独立管理している。同様に西日本旅客鉄道(JR西日本)の山陽新幹線は同社新幹線管理本部が、九州旅客鉄道(JR九州)の九州新幹線は同社新幹線部が独立管理する。
  3. ^ 具体的には、大宮駅から埼玉新都市交通伊奈中央駅付近までの区間。
  4. ^ 国土交通省監修『数字で見る鉄道2008』(財)運輸政策研究機構、p.22。
  5. ^ a b 東日本旅客鉄道株式会社ホームページ
  6. ^ a b 2013年3月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道、2012年12月21日。
  7. ^ a b E5系車両を東北新幹線に追加投入! E2系車両を上越新幹線に投入! (PDF) - 東日本旅客鉄道、2012年11月16日。
  8. ^ 特定特急券区間
  9. ^ 長野新幹線は2005年から全面禁煙化済。
  10. ^ 『巨大地震と高速鉄道 新潟県中越地震をふりかえって』 監修:仁杉巌、編著:久保村圭助、町田冨士夫、山海堂、2006年、p.16, p.92。ISBN 4381018249
  11. ^ 東北新幹線と異なり、当時から速達列車の停車駅パターンは統一されていなかった。(『国鉄監修 交通公社時刻表1983年12月号』より)
  12. ^ 「あさひ」「とき」合わせて毎時1往復以上の運転で、「あさひ」の運転間隔が3時間空く時間帯もあった。通過列車のある駅では2時間につき1往復の発着となる場合が多々あり、その時間帯も長かった。(『国鉄監修 交通公社時刻表1983年12月号』より)
  13. ^ 『新幹線EXPLORER Vol.11 新幹線車両DATABOOK200系』 三好裕一、イカロス出版、2009年、p.21。
  14. ^ 東海道・山陽新幹線のATCは220信号以上での抑止速度は現示速度+5km/hであるのに対し、東北・上越・長野新幹線では現示速度=頭打ち速度のため

関連項目[編集]

外部リンク[編集]