花輪線

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JR logo (east).svg 花輪線
花輪線で使用されているキハ110系
花輪線で使用されているキハ110系
花輪線の路線図
路線総延長 106.9 km
軌間 1067 mm
HST
盛岡
STR
いわて銀河鉄道線
BHF
0.0 好摩
KRW+r
いわて銀河鉄道線
BHF
4.9 東大更
exKRW+r
BHF exBHF
9.0 大更
STR exSTRlf
松尾鉱業鉄道
BHF
13.7 平館
BHF
15.6 北森
BHF
17.8 松尾八幡平
BHF
25.0 安比高原
BHF
30.0 赤坂田
BHF
33.6 小屋の畑
BHF
37.6 荒屋新町
BHF
40.3 横間
BHF
49.1 田山
BHF
55.8 兄畑
BHF
59.9 湯瀬温泉
BHF
64.2 八幡平
BHF
66.1 陸中大里
BHF
69.7 鹿角花輪
eHST
71.7 鏡田 (季)-1934
BHF
74.4 柴平
KBHFl ABZr+r
77.7 十和田南
BHF
82.2 末広
BHF
84.6 土深井
BHF
86.6 沢尻
BHF
89.6 十二所
BHF
92.1 大滝温泉
eHST
97.4 南扇田 (季)1944休止
BHF
98.6 扇田
eHST
101.2 池内 (季)-1934
BHF
103.3 東大館
eHST
103.8 片山 (季)-1934
STRrg KRZo
奥羽本線
KRWg+l KRWr
exKRW+l
exBHF BHF
106.9 大館
exABZlf eKRZu exSTRq
同和鉱業花岡線
exSTR3 STR
小坂製錬小坂線
STR
奥羽本線

  • 季:季節停留所
    毎年4-11月営業

花輪線(はなわせん)は、岩手県盛岡市にある好摩駅から秋田県大館市にある大館駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線地方交通線)である。「十和田八幡平四季彩ライン」(とわだはちまんたいしきさいライン)の愛称が付けられている。

路線データ[編集]

  • 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道第一種鉄道事業者
  • 区間(営業キロ):好摩駅 - 大館駅 106.9 km
  • 駅数:27(起終点駅含む)
    • 花輪線所属駅に限定した場合、終点の大館駅(奥羽本線所属[1])が除外され、26駅となる。なお、起点の好摩駅はかつて東北本線所属[1]であったが、同線のIGRいわて銀河鉄道への移管により、JRの駅としては花輪線所属に変更された。
  • 軌間:1067 mm
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
  • 最高速度:85 km/h
  • 運転指令所:盛岡総合指令室 (CTC)
  • 最急勾配:33.3 (松尾八幡平 - 安比高原間)

起終点駅をのぞく全線が東日本旅客鉄道盛岡支社管轄である(好摩駅IGRいわて銀河鉄道大館駅東日本旅客鉄道秋田支社管轄。ただし好摩駅は共同使用駅のため、盛岡支社管内のJR駅としても扱われる)。東北本線の一部が東北新幹線八戸延伸開業でIGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道に転換されたため、同支社管轄の路線としてはいわば「飛地路線」となっている。

運行形態[編集]

基本的には、大館駅 - 盛岡駅間通しの運行である(好摩駅 - 盛岡駅間はIGRだがJRの乗務員が通し乗務)。好摩駅での折り返し列車はない。ただし、朝夕の一部列車は荒屋新町駅鹿角花輪駅発着の列車が設定されていて、平日の荒屋新町駅始発の上り列車1本は盛岡駅からさらに東北本線に直通して日詰駅まで運行する(ただし、土休日は盛岡駅止まり)。かつては松尾八幡平発着列車もあったが2009年3月14日ダイヤ改正で廃止された。青春18きっぷで好摩駅から盛岡方面へ行く場合、いわて銀河鉄道線の運賃が別途必要である(好摩 - 盛岡間 650円)。

盛岡駅始発の花輪線列車は前述の荒屋新町発日詰行き以外はすべてIGRホーム(0・1番線)から発車するため、東北本線・田沢湖線・山田線から乗り換える場合はいわて銀河鉄道線利用と同様に、一旦JR改札を出てIGR改札を通る必要がある。また、いわて銀河鉄道との連絡運輸の関係上、盛岡方面の各駅と花輪線各駅相互間の乗車券は通しで購入できるが、八戸方面の各駅と花輪線各駅相互間の乗車券は通しで購入することができない(ただしJR線各駅相互間の通過連絡乗車券はのぞく)。そのため花輪線から八戸方面に乗り継ぐ場合は、好摩駅で乗車券を買い直すか車内精算となる。

花輪線内の速達列車としては快速列車八幡平」が1往復設定されている。2008年3月15日より奥羽本線直通列車は廃止された(詳しくは後述)。

1980年代前半頃までは、奥羽本線陣場駅や鷹巣駅まで乗り入れる列車[2]がそれぞれあった。

自家用車の普及過疎化による沿線人口の減少、さらに1980年代以降は並行する東北自動車道を走る高速バスとの競争にて劣勢に追い込まれたことにより、上野駅秋田駅に直通していた急行列車の設定もなくなり、他の列車も減便された。2009年現在の運転間隔は1 - 3時間に1本程度と開いており、国鉄時代にあった交換設備が撤去された駅も多い。

使用車両[編集]

2008年3月15日より全列車、盛岡車両センターに所属するキハ110系列の気動車により運行されている。ワンマン運転は行われていない。

また、かつて快速「八幡平」の運用は秋田支社が受け持っていたため、秋田色の気動車が乗り入れる姿が見られた。

2007年3月18日ダイヤ改正をもって車両がキハ58キハ52形からキハ110系列(キハE130系が投入された水郡線からの転属車両)に置き換えられ、非冷房車は姿を消した。なお、キハ58系気動車は機関1台あたりの出力が小さく、花輪線のような急勾配線区においては全車2台機関搭載車とせざるを得なかったという事情もあり、最後まで冷房装置の取り付けは行われなかった。また、鹿角花輪駅 - 秋田駅間の奥羽本線直通列車1往復(大館 - 秋田間快速、かつての急行よねしろ」)は、秋田車両センター所属のキハ58系(こちらは冷房付であった)により運行されていたが、2008年3月15日のダイヤ改正で運転系統が大館駅で分断され、キハ110系列に置き換えられた(奥羽本線大館駅 - 秋田駅間は701系電車に置き換え)。

キハ58系アコモ改善車
(元急行「よねしろ」用)

歴史[編集]

花輪線の建設は、鹿角花輪(旧・陸中花輪)を境に2つに分かれる。先に開業したのは大館側で、こちらは私鉄の秋田鉄道(あきたてつどう)として1914年から1923年にかけて陸中花輪までが全通した。このうち、毛馬内(十和田南) - 陸中花輪間は、改正鉄道敷設法別表第5号に規定する予定線「青森県三戸ヨリ秋田県毛馬内ヲ経テ花輪ニ至ル鉄道」の一部である。

一方、好摩側は国が軽便鉄道法により計画した区間で、花輪線として1922年から順次開業し、1931年に陸中花輪まで延伸され、秋田鉄道に接続した。1934年には、秋田鉄道が買収・国有化のうえ花輪線に編入され、名実ともに東北横断ルートとして完成した。

国有鉄道花輪線[編集]

  • 1922年大正11年)8月27日 好摩 - 平館間を新規開業、大更・平館の両駅を新設
  • 1926年(大正15年)11月10日 平館 - 赤坂田間を延伸開業、岩手松尾駅・赤坂田駅・龍ヶ森信号場を新設
  • 1927年昭和2年)10月30日 赤坂田 - 荒屋新町間を延伸開業、荒屋新町駅を新設
  • 1929年(昭和4年)10月25日 荒屋新町 - 田山間を延伸開業、田山駅を新設
  • 1931年(昭和6年)10月17日 田山 - 陸中花輪間を延伸開業、兄畑・湯瀬・小豆沢の各駅を新設(陸中花輪は秋田鉄道の駅として既設)

秋田鉄道[編集]

  • 1912年(大正元年)8月30日 鉄道免許状下付(北秋田郡大館町-鹿角郡尾去沢村間)[3]
  • 1914年(大正3年)7月1日 大館 - 扇田間を新規開業、片山停留場・東大館駅・池内停留場・扇田駅を新設[4]
  • 1915年(大正4年)
    • 1月19日 扇田 - 大滝温泉間を延伸開業、南扇田停留場・大滝温泉駅を新設[5]
    • 12月25日 大滝温泉 - (貨)毛馬内間を延伸開業、十二所・尾去沢・毛馬内(初代)の各貨物駅を新設[6]
  • 1916年(大正5年)1月5日 大滝温泉 - 毛馬内間の旅客営業を開始、十二所・尾去沢・毛馬内の各貨物駅を一般駅に変更[7]
  • 1917年(大正6年)4月27日 鉄道免許状下付(鹿角郡錦木村-同郡小坂町間)[8]
  • 1920年(大正9年)
    • 5月1日 毛馬内駅を末広駅に改称[9]
    • 7月4日 末広 - 毛馬内(2代)間を延伸開業、毛馬内駅(2代)を新設[10]
    • 8月13日 鉄道免許状下付(鹿角郡錦木村-同郡大湯村間)[11]
  • 1922年(大正11年)8月1日 鉄道免許失効(1920年8月13日免許鹿角郡錦木村-同郡大湯村間 指定ノ期限内ニ工事施工認可申請ヲ為ササルタメ)[12]
  • 1923年(大正12年)11月10日 毛馬内 - 陸中花輪間を延伸開業、柴平駅を新設[13]
  • 1926年(大正15年)4月13日 起業廃止(1917年4月27日免許鹿角郡錦木村-同郡小坂町間)[14]
  • 1928年(昭和3年)7月11日 沢尻停留場を新設
  • 1929年(昭和4年)
    • 4月5日 片山・鏡田の両停留場を新設
    • 12月4日 片山・池内・南扇田・沢尻・鏡田の各停留場を季節停留場に変更
  • 1930年(昭和5年)12月8日 鉄道免許状下付(鹿角郡錦木村-同郡大湯町間)[15]
  • 1934年(昭和9年)6月15日 鉄道免許失効(1930年12月8日免許 鹿角郡錦木村-同郡大湯町間 指定ノ期限マテニ工事著手セサルタメ)[16]

秋田鉄道買収・編入後[編集]

  • 1934年(昭和9年)
    • 6月1日 秋田鉄道を買収・国有化し花輪線に編入[17]。沢尻・南扇田の両季節停留場を駅に変更、鏡田・池内・片山の各季節停留場を廃止。機関車5両、ガソリンカー6両、客車16両、貨車23両を引き継ぐ[18]
    • 8月1日 陸中花輪-湯瀬間ガソリンカー運転開始[19](旧秋田鉄道線はガソリンカー導入済)。
  • 1942年(昭和17年)4月1日 尾去沢駅を土深井駅に改称
  • 1944年(昭和19年)11月11日 南扇田駅を休止
  • 1957年(昭和32年)
    • 4月1日 小豆沢駅を八幡平駅に改称
    • 6月1日 毛馬内駅を十和田南駅に改称
  • 1960年(昭和35年)12月1日 東大更・小屋の畑・陸中大里の各駅を新設
  • 1961年(昭和36年)
  • 1966年(昭和41年)11月1日 横間駅を新設
  • 1971年(昭和46年)9月30日 蒸気機関車8620の運行終了にともない無煙化
  • 1984年(昭和59年)2月1日 全線の貨物営業を廃止
  • 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化にともない東日本旅客鉄道が承継
  • 1988年(昭和63年)3月13日 岩手松尾駅を松尾八幡平駅に、龍ヶ森駅を安比高原駅に改称
  • 1995年平成7年)12月1日 湯瀬駅を湯瀬温泉駅に、陸中花輪駅を鹿角花輪駅に改称
  • 1998年(平成10年)12月 好摩 - 大更間特殊自動閉塞化
  • 1999年(平成11年)
    • 7月 大更 - 荒屋新町間特殊自動閉塞化
    • 12月4日 荒屋新町 - 大館間特殊自動閉塞化、全線CTC
  • 2002年(平成14年)12月1日 東北本線盛岡 - 目時間がIGRいわて銀河鉄道に移管され、東北本線との直通運転からいわて銀河鉄道線への直通運転に変更
  • 2007年(平成19年)
    • 9月17日 大雨によって岩手県内の川沿いの線路の土砂が崩れた影響で、松尾八幡平 - 鹿角花輪間が不通に。20日からバス代行輸送開始
    • 9月28日 松尾八幡平 - 荒屋新町間が復旧
    • 10月6日 荒屋新町 - 鹿角花輪間復旧、バス代行輸送終了
  • 2009年(平成21年)3月14日 松尾八幡平 - 盛岡間区間運転列車すべて廃止
  • 2011年(平成23年)
  • 2013年(平成25年)
    • 8月9日 秋田・岩手集中豪雨の影響で、柴平 - 十和田南で線路の盛土が崩れたため、全線不通に
    • 8月13日 好摩 - 鹿角花輪間が復旧
    • 9月4日 鹿角花輪 - 大館間が復旧

駅一覧[編集]

  • 停車駅
    • 普通…基本的にすべての駅に停車。ただし、荒屋新町午前5時32分始発の大館行は▽印の駅を通過
    • 快速「八幡平」…●印の駅は停車、▲印の駅は下りのみ停車、|印の駅は通過
  • 線路(全線単線) … ◇・◆・∨・∧:列車交換可(◆はスイッチバック)、|:列車交換不可
駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
快速八幡平 接続路線 線路 所在地
好摩駅 - 0.0 IGRいわて銀河鉄道いわて銀河鉄道線盛岡駅まで直通) 岩手県 盛岡市
東大更駅 4.9 4.9   八幡平市
大更駅 4.1 9.0  
平館駅 4.7 13.7  
北森駅 1.9 15.6  
松尾八幡平駅 2.2 17.8  
安比高原駅 7.2 25.0  
赤坂田駅 5.0 30.0  
小屋の畑駅 3.6 33.6  
荒屋新町駅 4.0 37.6  
横間駅 2.7 40.3  
田山駅 8.8 49.1  
兄畑駅 6.7 55.8  
湯瀬温泉駅 4.1 59.9   秋田県 鹿角市
八幡平駅 4.3 64.2  
陸中大里駅 1.9 66.1  
鹿角花輪駅 3.6 69.7  
柴平駅 4.7 74.4  
十和田南駅 3.3 77.7  
末広駅 4.5 82.2  
土深井駅 2.4 84.6  
沢尻駅 2.0 86.6   大館市
十二所駅 3.0 89.6  
大滝温泉駅 2.5 92.1  
扇田駅 6.5 98.6  
東大館駅 4.7 103.3  
大館駅 3.6 106.9 東日本旅客鉄道奥羽本線

過去の接続路線[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  2. ^ その名残で現在、朝に奥羽本線大館駅 - 鷹巣駅間でディーゼル車による区間普通列車が運行されている。
  3. ^ 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1912年9月3日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1914年7月3日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1915年1月22日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. ^ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1916年1月13日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1916年1月13日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1920年4月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 「地方鉄道停車場名改称」『官報』1920年3月26日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1920年7月8日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1920年8月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  12. ^ 「鉄道免許失効」『官報』1922年8月1日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  13. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1923年11月17日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  14. ^ 「鉄道起業廃止許可」『官報』1926年4月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  15. ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1930年12月11日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  16. ^ 「鉄道免許失効」『官報』1934年6月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  17. ^ 「鉄道省告示第207号・第208号」『官報』1934年5月23日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  18. ^ 『鉄道統計資料. 昭和9年度』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  19. ^ 『鉄道省年報. 昭和10年度』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)

関連項目[編集]