川越線

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川越線
川越線の路線図
路線総延長 30.6 km
軌間 1067 mm
電圧 1500 V (直流)

川越線(かわごえせん)は、埼玉県さいたま市大宮区大宮駅から埼玉県日高市高麗川駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。

目次

[編集] 概要

埼玉県の県都・さいたま市から西へ伸び、川越市を経由して高麗川までを結ぶ路線だが、川越駅を境に運転系統がほぼ分断されている。電化以降、川越以東では1985年に開通した埼京線、さらに2002年からは同線を介して東京臨海高速鉄道りんかい線との直通運転が行われており、東京都心の池袋新宿渋谷臨海副都心お台場へ乗換えなしでアクセスすることが可能となっている。一方川越以西では、1996年に電化された八高線南部との直通運転が行われ、東京都西部の八王子まで向かう列車が運転される。

全線が東京近郊区間に含まれており、Suicaおよびこれと相互利用可能な乗車カードが利用可能となっている。

[編集] 路線データ

高麗川駅構内は八王子支社、それ以外は大宮支社の管轄である。

[編集] 歴史

改正鉄道敷設法別表第50号の4に規定する予定線で、東北本線八高線を短絡して中央本線のバイパスとするため、1934年に追加されたものである。大正11年(1922年)公布の改正鉄道敷設法のリストには無かったが、東海道本線と東北本線を東京を経由せずに結ぶという『軍事的な危機管理政策』から必要とされ、1934年の帝国議会で追加と同時に「建設線」となり、同年中に直ちに着工されるという異例のスピードで建設が進められ、1940年に全線が一度に開業した軍需鉄道を出自とする。川越線開通を報じる当時の朝日新聞埼玉版の見出しには「帝都防備の使命も重く」の文字が躍っている。軍事開発の痕跡は、南古谷駅 - 上福岡駅間の道路などに伝承が残る[要出典]。 それによりこれまで大宮と川越を結んでいた路面電車西武大宮線の利用が激減し同年12月に運休、1941年をもって廃線となった。なお、同線の専用軌道区間も河川改修などで消えて、今ではほとんどその痕跡は残っていない[1]

川越線の当初の計画では現行ルートの北側、平方町(現・上尾市)を通る計画であったが、近隣住民の反対にあい、現行ルートに決定されたという話が伝わる[要出典][2]

川越線に転機が訪れたのは、1985年埼京線開業に伴う直通運転の開始と電化である。埼京線は当初、大宮以北を高崎線と併走させる計画だったが、埼京線区間に車両基地を設置する用地が確保できず、南古谷駅付近に新たに川越電車区(現・川越車両センター)を設置したためである。埼京線への直通運転により、川越線は東京圏の外縁を長閑に走る非電化のローカル線から都市近郊の通勤路線に変貌を遂げた。

2002年には、埼京線を通じ東京臨海高速鉄道りんかい線とも相互直通運転を開始した。

[編集] 年表

  • 1940年(昭和15年)7月22日 大宮 - 高麗川 (30.6km) を開業、日進・指扇・南古谷・川越・西川越・的場・笠幡・武蔵高萩の各駅を新設
  • 1985年(昭和60年)9月30日 全線を電化、大宮 - 日進を複線化、大宮 - 川越間で埼京線と直通運転開始
  • 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化に伴い東日本旅客鉄道が承継、全線の貨物営業を廃止
  • 1996年(平成8年)3月16日 川越 - 高麗川間で八高線(高麗川 - 八王子間)と直通運転開始
  • 2002年(平成14年)12月1日 東京臨海高速鉄道りんかい線と相互直通運転開始
  • 2005年(平成17年)8月6日 大宮 - 武蔵高萩間に東京圏輸送管理システム (ATOS) 導入
  • 2005年(平成17年)10月2日 103系3000番台ハエ53編成により、川越線電化開業20周年記念列車・103系営業運転終了。記念列車が一般運用で運転
  • 2008年(平成20年)3月1日 日進 - 武蔵高萩間の有人駅は、川越を除いて宇都宮企画開発からの駅員派遣に変更
  • 2009年(平成21年)3月14日 西大宮駅を新設

[編集] 運行形態

1989年3月までは大宮 - 高麗川間の列車も存在した

途中の川越駅で運転系統はほぼ分断されており、川越以東は埼京線と直通運転を行い、川越以西は川越線内折り返し運転と八高線への直通運転がある。車内に掲示してある路線図には大宮 - 川越間は埼京線と併せて「埼京線・川越線」、川越 - 高麗川間は八高線高麗川 - 八王子間と併せて「川越線・八高線」と案内されている。直通先の路線でトラブルや大幅なダイヤの乱れが発生した時には直通運転を中止し、線内で折り返し運転を行う。

現在川越線全線を直通する列車はないが、全線非電化だった頃は大宮から八高線東飯能まで行く気動車列車も設定され、1985年の電化後も1989年3月までは大宮 - 高麗川間を直通する列車が設定されていた。

大宮 - 川越間で使用されている205系電車

[編集] 大宮 - 川越間

この区間は事実上、埼京線の延長として運行されている。大宮 - 川越間を運転する全定期列車が埼京線と直通運転を行い、りんかい線直通の新木場発着の列車も運転されている。多くの列車は埼京線内は快速・通勤快速として運転されるが、共に川越線内は各駅に停車する。

日中はりんかい線新木場発着の快速が20分に1本運転される。川越駅で高麗川方面の電車と接続する(接続時間は約3分)。日中は西大宮と南古谷で上下列車の交換が行われる。

上述の通り電化開業から数年間は、日中に大宮 - 高麗川間の列車(3両編成)が存在していたが、埼京線の快速電車の運転を30分間隔から20分間隔に、川越 - 高麗川間の運転を20分・40分の交互間隔から20分間隔に統一したのに伴い、川越 - 高麗川間に短縮された。直通運転は無くなったが、運転間隔は均一化され、川越 - 高麗川間は増発となった。

列車は川越発着が基本であるが、川越車両センターからの車両出庫のため、早朝・夕方と平日の朝ラッシュ時間帯の一部に指扇始発の上り列車も設定されている。また、2009年(平成21年)3月14日改正で早朝に南古谷始発の上り列車が1本新設された。

使用されている車両(205系東京臨海高速鉄道70-000系)のLED表示は路線名と行き先を交互に表示している。大宮駅を過ぎ、川越線区間のみ(異常時の大宮 - 川越間折返も含む)の走行となっても「埼京線」と表示され、りんかい線直通新木場行きの場合は「りんかい線直通」と表示されるため、LED表示に「川越線」と表示されることは無い。

東京臨海高速鉄道70-000系車内ドア上の停車駅案内は205系(埼京線・りんかい線直通車)の物と異なり、新木場 - 川越間のみで川越 - 高麗川間各駅の表記がない。ただし高麗川方面への乗り換え案内表記はある。2009年3月14日に西大宮駅が開業し停車駅案内がリニューアルされるまでは、川越駅の乗り換え案内表記も東武東上線のみで高麗川方面への乗り換えが表記されておらず、車掌による川越駅到着前の高麗川方面への乗り継ぎ案内放送で補っていた。なお、この案内放送は現在も継続されている。

当区間では指扇 - 南古谷間の荒川を鉄橋で越えるため、強風などの荒天による影響を受けやすく、埼京線との直通運転が中止されることも多い。

  • 列車番号の末尾の英字:各駅停車…K 快速…F 通勤快速…S

[編集] 川越(南古谷) - 高麗川間

八高線八王子 - 高麗川間と一体の運転系統として運行されている。およそ半数の列車は八高線と相互直通運転を行い、残りの半数程は高麗川駅発着となっている。こちらも列車は川越発着が基本であるが、川越車両センターからの出庫のため、早朝の3本のみ南古谷始発となっている。八高線電化時からこのような形態となったが、八高線との相互直通運転開始当時は、ごく一部の列車が拝島から青梅線を経由して立川駅まで運行されていたことがある(1999年12月3日に廃止)。

日中は完全な20分に1本の体制となっており、川越駅では大宮方面の列車と接続する(同一ホーム乗換えが可能。待ち時間は上下線とも約3分)。日中は的場と武蔵高萩で上下列車の交換が行われる。なお、八高線とは列車の運転間隔があっておらず(日中は30分に1本)、八高線と直通する列車は高麗川駅で長時間停車する場合がある。

なお、夏と冬の期間限定で主に列車交換時や長時間停車時を中心にドアの開閉をボタン式に設定していたが、2006年12月1日から通年でドアの開閉がボタン式に変更された。

列車番号の末尾の英字はH(八高線内は、川越方面行きは{川越線内の番号+1}+E、八王子方面行きは{川越線内の番号-1}+Eとなる)。

[編集] 使用車両

209系3000番台
運用最終予定日の103系3000番台(2005年10月2日、八王子駅にて撮影)

現在使用されている車両は、すべて片側4扉(一部6扉)の電車である。

他社車両である70-000系を除き、川越車両センターに所属する車両を使用する。大宮 - 川越間は埼京線・東京臨海高速鉄道りんかい線と共通の車両が使われ、(南古谷 - )川越 - 高麗川間は八高線と共通で、半自動扉などの寒冷地対策を実施した車両が使われる。

  • 大宮 - 川越間(10両編成)
    • 205系0番台:埼京線のラインカラーである緑()の帯が巻かれている。
    • 東京臨海高速鉄道70-000系:エメラルドグリーンと青( )の帯が巻かれている。
  • (南古谷 - )川越 - 高麗川間(4両編成):オレンジとウグイス色()の帯が巻かれている車両が用いられる。
    • 205系3000番台(山手線からの転用車)
    • 209系3000番台
    • 209系3100番台(主に70-000系からの改造車、一部新造車)

[編集] 過去に使用された車両

起点駅の大宮に隣接して大宮工場(現・大宮総合車両センター)があることから、キハ81系キハ391系が新造直後の試運転で入線している。

[編集] 女性専用車

女性専用車は埼京線と同じく、平日の朝7時30分 - 9時30分に新宿駅に到着する大崎方面行全列車と夜23時以降に新宿駅を発車する下り全列車で設定され、共に設定車両は大崎寄り先頭車両である10号車となっている。

[編集] 他社線との比較

東京都心 - 川越間の各路線の経路

川越 - 池袋・新宿・渋谷・新木場間においては東武東上線および同線と直通運転を行う東京地下鉄副都心線有楽町線と、川越 - 新宿間においては東上線 - 地下鉄副都心線ルートに加えて西武新宿線とも競合している。

川越 - 池袋においては、東武東上線と比べて所要時間が長いものの、平日朝ラッシュ時に運行される埼京線の通勤快速は、東武東上線の通勤急行とほぼ同等の所要時間となっている。ただし、運賃は埼京線が大人運賃で140円高い。

運転区間の南進により、川越からの渋谷以遠へは東武・西武両鉄道より所要時間が短縮されるようになった。新宿以南への利用において埼京線は池袋駅での乗り換えが不要であるという利点があり、所要時間は乗換時間を含めて同等もしくは長い。しかし、2008年に東武東上線が東京地下鉄副都心線との直通運転を開始し、東武東上線からも新宿や渋谷へ乗換えなしでアクセスできるようになっている。

また、川越駅から発車する上り列車の大部分はりんかい線に直通して新木場駅まで運転されているが、川越 - 新木場については東武東上線 - 地下鉄有楽町線ルートが運賃面・所要時間面で優位に立っている。

[編集] 駅一覧

  • 全駅埼玉県に所在。
  • 埼京線内で快速・通勤快速となる列車も含め、川越線内では全列車とも各駅停車(運転区間内の全駅に停車)。
  • 大宮駅の接続路線のうち、東日本旅客鉄道の路線名は、旅客列車の運転系統上の名称。
  • 川越駅では大宮方面と高麗川方面はそれぞれ乗換が必要となる。なお、一部早朝および夜間に、川越車両センターからの出庫のため南古谷始発高麗川方面列車が存在する。
凡例
列車交換 … ∥:複線、◇・∨・∧:交換可、|:交換不可
接続路線 … ※:連絡運輸なし
駅名 駅間営業キロ 累計
営業
キロ
接続路線・備考 列車交換 所在地
大宮駅 - 大宮
から

0.0
大崎
から

36.9
東日本旅客鉄道埼京線大崎駅経由東京臨海高速鉄道りんかい線新木場駅まで直通運転)東北新幹線山形新幹線秋田新幹線上越新幹線北陸新幹線長野新幹線)・東北本線宇都宮線)・高崎線湘南新宿ライン京浜東北線
東武鉄道野田線
埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)
さいたま市 大宮区
日進駅 3.7 3.7 40.6   北区
西大宮駅 2.6 6.3 43.2   西区
指扇駅 1.4 7.7 44.6  
南古谷駅 4.7 12.4 49.3   川越市
川越駅 3.7 16.1 53.0 東武鉄道:東上線
西武鉄道新宿線本川越駅)※
八王子
から

45.6
西川越駅 2.6 18.7 43.0  
的場駅 2.2 20.9 40.8  
笠幡駅 2.9 23.8 37.9  
武蔵高萩駅 3.2 27.0 34.7   日高市
高麗川駅 3.6 30.6 31.1 東日本旅客鉄道:八高線八王子駅まで直通運転)

[編集] 脚注

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  1. ^ 今尾恵介 『地形図でたどる鉄道史[東日本編]』 JTB〈JTBキャンブックス〉、2000年。
  2. ^ 軍事計画線を誤魔化したか、鉄道忌避伝説の可能性がある。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ