わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
わたらせ渓谷線
わ89-300形気動車
わ89-300形気動車
路線総延長 44.1 km
軌間 1067 mm

わたらせ渓谷線(わたらせけいこくせん)とは、群馬県桐生市桐生駅から栃木県日光市間藤駅に至るわたらせ渓谷鐵道が運営する鉄道路線。旧国鉄特定地方交通線東日本旅客鉄道(JR東日本)足尾線を引き継いだ路線である。通称は「わた渓(わたけい)」、「わてつ」(呼称も参照)。

概要[編集]

わたらせ渓谷線は、路線名の通り、渡良瀬川上流の渓谷に沿って走る。ディーゼルカーが何度か渓谷を渡りながら谷筋を遡り、特に初夏の新緑と秋の紅葉の風景が絶景とされる。ハイシーズンにはトロッコ列車が運行され、風に当たりながら渓谷美を堪能できる。一方、最上流部の足尾近辺では、過去の歴史的な鉱毒被害(「足尾鉱毒事件」参照)の影響により未だ禿山が連なり、異観を呈している。

銅山観光で訪れる観光客も多いが、日光側から細尾峠を経て足尾を訪れるハイカーもいる。

2008年7月23日に上神梅駅本屋などが、2009年11月19日には神戸駅本屋や城下トンネルなど37件が国の登録有形文化財に登録された。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):44.1km
    • うち桐生 - 下新田信号場間 1.7km は、JR東日本両毛線と施設を共用。
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:17駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式:単線自動閉塞式(桐生 - 下新田信号場間)、自動閉塞式(特殊)(下新田信号場 - 相老間)、特殊自動閉塞式(電子符号照査式)(相老 - 間藤間)
  • 保安装置:
    • ATS-P(桐生 - 下新田信号場間)
    • ATS-SN(下新田信号場 - 間藤間)

沿線風景[編集]

桐生駅が始発駅で、JR両毛線と共用し、業務はJR東日本に委託している。桐生駅を出てからは両毛線と線路を共用(二重戸籍区間)し、1.9km先の下新田信号場で両毛線から分岐し、足尾方面に向かう。分岐して最初の駅、下新田駅は同鉄道の中では一番新しい駅であり、JR高崎支社の職員訓練施設や引き込み線などがある。駅を発車し両毛線から離れると、左側から東武鉄道桐生線と合流し、相老駅に到着する。東京浅草から直通する特急「りょうもう」の停車駅であり、わたらせ渓谷線との乗り換え駅でもあるため、乗り換え客が多い。また、サンウェーブ小倉クラッチなどの工業企業もあり、通勤で利用する人もいる。この先より国道122号線にほぼ沿う形で、桐生市相生町の住宅地を通り、上毛電鉄のガード下を潜り、運動公園駅を経て大間々駅に到着する。

大間々駅は、同鉄道の中心駅である。近くには歌舞伎舞台のある「ながめ余興場」があり、過去に歌舞伎が行われた時、大勢の見物客が大間々駅を利用した。

わたらせ渓谷鐵道の見どころは、大間々駅を出発して、「七曲の渓」と呼ばれる渓谷から始まる。この渓谷は、国道122号の地点からいえば大間々警察署あたりで、福岡大橋の場所から、「対向車注意」など運転者に注意を促す電光掲示板がある辺りまでである。この間に3つトンネルがある(国道にはない)。次の上神梅駅は、国の登録有形文化財に登録された木造駅舎で、旧事務所にカラオケ教室がある。川の対岸の断崖のところに、京都貴船に本社のある貴船神社がある。

上神梅駅を発車して次の本宿駅を過ぎると、古路瀬渓谷と呼ばれる渓谷を通る。紅葉ポイントの一つで、鉄道・国道から見ることができる。位置は、城下トンネルあたりで、近くに処刑場があったとされ、今でも幽霊の出るスポットとして知られており、国道のトンネル付近に供養塔がある。

中間の水沼駅には温泉センターが併設されている。畳敷きの広い休憩所があり、近所の人やハイカーがくつろいでいるほか、観光客が訪れることもある。

みどり市東町の最初の駅、花輪駅には、童謡の父「石原和三郎」の出生の地であることから、彼が作詞した童謡「うさぎと亀」の歌に登場するうさぎと亀の石像があり、列車が通る時には同駅のスピーカーから「うさぎと亀」の曲が流される。列車は渓谷に沿いながら、中野・小中の両駅に停車し、次の神戸駅に到着する。

神戸駅構内には、元東武鉄道の特急車デラックスロマンスカー1720系2両を利用した列車のレストラン「清流」がある。また、富弘美術館は神戸駅からみどり市営バスで結ばれており、わたらせ渓谷線を利用して訪れる人も多い。

神戸駅を出ると列車は草木トンネルに入り、トンネルを通過した後すぐに草木湖を渡り、右岸から左岸に変わって沢入駅に到着する。沢入駅から先の足尾方面は急カーブや、急勾配が連続する区間であり、列車はゆっくりと、景色を見るのには十分な速度で走る。時々野生動物が線路のそばにいることがある。3つ目の笠松トンネルで、群馬県から栃木県に入る。そして足尾市街に入り、銅山の施設跡をたどりながら通洞駅足尾駅、そして終着駅間藤駅に到着する。桐生駅から出発して約1時間30分の所要時間で到着する。

2007年頃から車内放送が更新され、桐生駅や大間々駅などの各主要駅には、発車直前に発車の知らせや発車音が追加された。音は電子ブザー音に似ている。

運行形態[編集]

運行本数は1 - 2時間に1本程度。桐生 - 間藤間の全線通し(下りの21時台のみ足尾止まり)の運転と桐生 - 大間々間の区間列車が主で、早朝の下りと夜の上りに足尾 - 間藤間の区間列車が設定されている。一年を通して、桐生 - 間藤間は11往復が運行される。沿線で祭りが開催される日は、桐生 - 大間々・足尾以外に、桐生 - 水沼間、桐生 - 神戸間に臨時列車が運行される。また、大晦日には初詣列車として、桐生 - 上神梅間に1往復運行される。

2006年3月17日までは、運行本数が多く、朝に神戸折り返しの列車があり、最終が21時台の終わりに設定されていた。

ワンマン運転を実施しているが、平日朝の列車の桐生 - 大間々間、休日などの日中の列車などには多くの乗客に対応するため車掌が乗務する。ただし、車内補充券は朝の場合は取扱わず、日中の時間帯のみ取扱う。ワンマン運転時で2両編成の場合、大間々より先は2両目の乗降口は締切となり、1両目のみ乗降が可能となるが、車掌が乗務している列車で車掌が2両目にいる場合は、2両目も乗降が可能になる場合がある。

団体客貸切の場合や、大間々で切り離す場合、始発の桐生駅から1両を締め切りにする。団体で貸切列車を利用する場合、トロッコのダイヤで運行する場合を除き普通列車に連結されて各駅停車で運行される。先頭または最後尾車両のみ一般の乗客が乗車できる様にして、他の車両は専用列車として貸し切られる。

トイレのある車両での運行を基本としているが、1両編成のときはトイレのない車両で運行することもある。2両編成運行時には、1か所または2か所ある。トイレの場所は、一番前の右側のドアの横(足尾方面運転席の近く)にある。水洗式。

営業時間内の大間々駅以外のすべての駅で運賃は車内精算となる。あらかじめ、運賃箱にある両替機にて両替をし列車遅延の原因にもなるため車内放送にて降車直前の両替はしないように注意が促される。両替ができるのは乗務員のいる運賃箱のためワンマン運行時は進行方向の1両目の運賃箱のみだが車掌がいる場合は2両目も利用できる。わたらせ渓谷線の乗車券(切符)を持っている場合は、有人駅に限り開けてある最寄りのドアから降車できる。ただし桐生駅の場合は、JRが管理する駅であるため、運転士のいるドアから乗車券を見せて降り、窓口改札にて切符をわたす。

1998年10月10日から不定期であるがトロッコ列車トロッコわたらせ渓谷号」が運転されている。2012年4月1日からは自走式のトロッコ気動車WKT-551形による「トロッコわっしー号」も運転されている。

国鉄時代は本数が少なく、最終列車も早かった。

トロッコわたらせ渓谷号[編集]

足尾駅で停車中の「サロン・ド・わたらせ」号(2003年3月23日撮影)

大間々 - 足尾間で運行される、わたらせ渓谷鐵道の観光列車である。渓谷の自然を満喫できるだけでなく、草木トンネルを通過する時は車内イルミネーションが点灯され、旅を楽しめるような工夫がされている。往復の場合、折り返しまでの時間に少し余裕があるので、通洞駅を利用して足尾銅山観光の坑道見学もできる。

運行時期は、4月下旬から11月までの間の土日祝日で(冬季は運休)、1か月前から乗車予約できる。桐生駅では、わたらせ渓谷鐵道は1番線のみの使用であり、また、間藤駅でも機関車の付け替え(機回し)ができないことから、付け替えができる大間々駅から足尾駅間での運転となっている。なお、桐生駅 - 大間々駅間は、普通列車が接続している。 2008年9月の土曜日に限り、下り列車のみ相老駅始発で運転された。これは、特急「りょうもう」を利用した乗客がトロッコ列車に乗り換えるためには、相老駅から大間々駅まで一旦普通列車に乗り換えなければならないことから、相老駅で直接接続できるように変更したものであった。なお上り列車については従来通り大間々駅が終着駅であった。

桐生駅の時刻表には、大間々駅からのトロッコ列車乗り換えの案内はされていない。桐生10:36発の間藤行きがトロッコ列車に接続する(大間々10:51着、トロッコ列車は大間々11:14発、時刻は2012年3月17日改正のもの)。

停車駅
相老駅 -) 大間々駅 - 水沼駅 - 神戸駅 - 沢入駅 - 通洞駅 - 足尾駅
料金(2014年4月1日現在)
普通旅客乗車券(切符)のほか、トロッコ整理券が必要。整理券は、指定席券ではないので全席自由席。整理券は大人片道510円、小児片道260円で団体利用の場合割引がある。トロッコ整理券は大間々駅・相老駅・通洞駅・桐生駅およびJRみどりの窓口・東武トラベルで販売される。なお、大間々駅から乗車して通洞駅・足尾駅で下車し、復路をトロッコおよび各駅停車に乗車する場合は、一日フリーきっぷ(1枚 1,850円 小児930円)を利用するほうが安い。トロッコには一日フリーきっぷとトロッコ整理券で乗車できる。行楽シーズン時期は混雑し、整理券完売により当日に購入できない場合がある。
使用車両
先頭ディーゼル機関車を含む5両編成であるが、内4両が利用できる。先頭車両と最後尾車両が元JR12系客車で、中間の2両が京王5000系電車改造のトロッコ車両になっている。トロッコ車両自体には乗車口はなく、大間々からは最後尾の客車から乗車する。

トロッコわっしー号[編集]

沢入駅に停車中の「トロッコわっしー」号(2012年10月撮影)

春や秋の紅葉シーズンにはそれまでのトロッコわたらせ渓谷号のみではさばききれなくなっていたため、2012年4月に新たに運転を始めたトロッコ列車である。気動車を使用することによって、機回しが不要となり、桐生駅から間藤駅までの全区間通しでの運行が可能となっている。また、冬季には窓ガラスを取り付けることによって通年の運転も可能となっている。

停車駅
桐生駅 - 相老駅 - 大間々駅 - 水沼駅 - 神戸駅 - 沢入駅 - 通洞駅 - 足尾駅 - 間藤駅

歴史[編集]

足尾銅山から産出される鉱石輸送のために足尾鉄道が敷設した路線である。足尾鉄道は資本金200万円、総株数4万株のうち20100株を古河虎之助が引受け社長は古河会社幹部の近藤陸三郎が就任した。開業にあたって汽車製造に注文していた蒸気機関車4両の完成が遅れたため急遽国鉄に払下げを願い出て機関車1両を確保し[1]、客車は南海鉄道から電化により余剰となった木製2軸客車8両を譲受け[2]貨車27両で開業に間に合わせた。鉱石輸送は国策上重要であったことから1913年には全線が国によって借上げられ、1918年には買収、国有化された。

最盛期には日本国内の銅産出量の4割を占めた足尾銅山だが、資源の枯渇により1973年に閉山され、その後も輸入鉱石の製錬が継続されたものの、1986年にはそれも縮小され、足尾線による鉱石、精錬用の硫酸の輸送も廃止された。

銅山の衰退と歩調を合わせるように、足尾線の輸送量も減少を続け、営業係数は677に達し、1980年の国鉄再建法施行により1984年に第2次特定地方交通線に指定。1989年にわたらせ渓谷鐵道に転換された。

  • 1910年(明治43年)1月31日 本免許状下付(桐生-足尾間)[3]
  • 1911年(明治44年)4月15日 足尾鉄道下新田連絡所 - 大間々町間開業[4](桐生 - 下新田連絡所間は、官設鉄道両毛線を借用)。
  • 1912年(明治45年)7月1日 相生駅を相老駅に改称[5]
  • 1912年(大正元年)
  • 1913年(大正2年)10月13日 国が借入れ。足尾線(桐生 - 足尾)に改称[10]
  • 1914年(大正3年)8月25日 足尾 - 足尾本山間貨物支線開業(足尾線全通。同時に借入れ)[11]
  • 1914年(大正3年)11月1日 間藤駅開業。足尾 - 間藤間旅客営業開始[12]
  • 1918年(大正7年)6月1日 買収、国有化。足尾線(桐生 - 間藤、間藤 - 足尾本山(貨物線))。
  • 1934年(昭和9年)2月1日 C12形蒸気機関車の使用開始[13]
  • 1956年(昭和31年)11月 キハ04形気動車運転開始[13]
  • 1959年(昭和34年)9月8日 草木駅新設。
  • 1960年(昭和35年)
    • 3月22日 旅客列車を全面ディーゼルカーとする[13]
    • 11月18日 小中駅新設。
  • 1970年(昭和45年)9月30日 C12形蒸気機関車が廃止され(10月4日さよなら運転)DE10形ディーゼル機関車へ置き換え[13]
  • 1973年(昭和48年)
  • 1984年(昭和59年)9月11日 廃止承認(第2次廃止対象特定地方交通線)。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道に承継[注 1]
  • 1989年(平成元年)3月29日 JR足尾線廃止[注 2]。わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線開業 (44.1km)。運動公園駅、本宿駅、中野駅新設。神土駅を神戸駅に改称。
  • 1992年(平成4年)3月14日 下新田駅新設。
  • 1998年(平成10年)6月2日 間藤 - 足尾本山間の鉄道事業免許失効。
  • 2006年(平成18年)3月18日 ダイヤ改正により本数削減、最終列車を30分ほど繰上げ。
  • 2011年(平成23年)3月11日 東北地方太平洋沖地震が発生し、足尾銅山の源五郎沢堆積場が決壊。この影響で神戸 - 間藤間が運休。
    • 3月14日 東京電力輪番停電(計画停電)を実施した影響で全線運休。
    • 3月17日 相老 - 神戸間が運転再開。
    • 3月31日 桐生 - 相老間が運転再開。
    • 4月1日 神戸 - 間藤間が運転再開。
  1. ^ 東日本旅客鉄道(JR東日本)に承継されたため、名目上桐生 - 足尾本山間で旅客営業開始。ただし、実際の旅客営業は桐生 - 間藤間であった。同時に、下新田信号場 - 足尾本山間が日本貨物鉄道(JR貨物)の第2種鉄道事業区間(貨物扱い駅は足尾、足尾本山)となった。
  2. ^ 転換と同時に日本貨物鉄道の第2種鉄道事業も廃止。間藤 - 足尾本山間 (1.9km) は、わたらせ渓谷鐵道の免許線(未開業)となった。

駅一覧[編集]

  • ●:停車、|:通過
  • 普通列車は下新田信号場を除くすべての駅に停車する。
  • *印は有人駅
  • トロッコわたらせ渓谷号は、期間限定で相老駅あるいは桐生駅始発としたことがある。
  • 線路 … ◇:列車交換可、|:列車交換不可
駅名 駅間キロ 累計キロ トロッコ
わっしー号
トロッコ
わたらせ
渓谷号
接続路線 線路 所在地
*桐生駅 - 0.0   東日本旅客鉄道両毛線
上毛電気鉄道上毛線西桐生駅
群馬県 桐生市
下新田信号場 - 1.7    
下新田駅 1.9 1.9    
*相老駅 1.2 3.1 東武鉄道桐生線
運動公園駅 1.1 4.2 上毛電気鉄道:上毛線(桐生球場前駅
*大間々駅 3.1 7.3 東武鉄道:桐生線(赤城駅
上毛電気鉄道:上毛線(赤城駅)
みどり市
上神梅駅 5.1 12.4  
本宿駅 1.4 13.8   桐生市
水沼駅 3.1 16.9  
花輪駅 4.1 21.0   みどり市
中野駅 1.0 22.0  
小中駅 2.4 24.4  
神戸駅 2.0 26.4  
沢入駅 7.0 33.4  
原向駅 5.3 38.7   栃木県
日光市
通洞駅 3.2 41.9  
足尾駅 0.9 42.8  
間藤駅 1.3 44.1    

未成区間[編集]

間藤駅 - 足尾本山駅

廃止区間[編集]

神土駅(現・神戸駅) - 草木駅 - 沢入駅

  • 草木ダムの建設に伴う付替えにより旧線が廃線となった。

文化財[編集]

以下の施設が国の登録有形文化財に登録されている。

  • 第一松木川橋梁
  • 足尾駅本屋および上り線プラットホーム
  • 足尾駅貨物上屋およびプラットホーム
  • 足尾駅下り線プラットホーム
  • 足尾駅手小荷物保管庫
  • 足尾駅危険品庫
  • 渋川橋梁
  • 通洞駅本屋およびプラットホーム
  • 通洞橋梁
  • 有越沢橋梁
  • 第二渡良瀬川橋梁
  • 笠松トンネル
  • 吉ノ沢架樋
  • 名越トンネル
  • 沢入駅上り線プラットホームおよび待合所
  • 沢入駅下り線プラットホームおよび待合所
  • 神戸駅本屋および下り線プラットホーム
  • 神戸駅休憩所
  • 神戸駅危険品庫
  • 神戸駅上り線プラットホーム
  • 第二神土トンネル
  • 第一神土トンネル
  • 小中川橋梁
  • 唐沢橋梁
  • 小黒川橋梁
  • 水沼沢橋梁
  • 不動沢橋梁
  • 江戸川橋梁
  • 城下トンネル
  • 城下橋梁
  • 深沢橋梁
  • 上神梅駅本屋およびプラットホーム
  • 第三神梅トンネル
  • 第二神梅トンネル
  • 第一神梅トンネル
  • 手振山架樋
  • 大間々駅本屋および下り線プラットホーム
  • 大間々駅上り線プラットホーム

存廃問題[編集]

わたらせ渓谷鐵道は開業以来赤字に悩まされ続けており、基金も2003年に尽きたことにより、近年はたびたび存廃問題が取りざたされている。ただし、2007年5月28日の「わたらせ渓谷鉄道再生協議会」の総会で、以前は「赤字補填のための税金は注入しない」という態度を貫いてきた群馬県が、省力化やサービス向上などのために「近代化設備費補助」として支援するとの考えを示した。

わたらせ夢切符[編集]

同鉄道は、幾つかの増収策を実行してきた。その大きなものとして2005年9月に発売された「わたらせ夢切符」が挙げられる。金額は1万円で、1年間全区間乗降自由で乗り放題というものであった。導入には賛否両論があった。従来の通勤・通学用定期代よりもはるかに安価となることから、かえって減収を招き2006年9月限りで発売中止となった。

ICカード乗車券・企画乗車券について[編集]

SuicaPASMOなどのICカード乗車券では利用できないため、桐生駅では一度改札を出て乗車券を購入する必要がある。相老駅では、東武線から乗り継ぐと足尾方面行きホームには出口・入口それぞれの専用のタッチ式簡易改札機がある。桐生方面は、改札口にタッチ式簡易改札機があるので、そこで処理する。足尾方面行きのホームでタッチした場合、整理券を取って降車駅にて車内精算となる。取るのを忘れると桐生駅からの運賃を精算することになる場合もある。また、桐生 - 相老間をICカード乗車券で乗車してしまうと、わたらせ渓谷線の運賃が適用されず、JRと東武鉄道経由で運賃が精算される。ICカード以外でも、JRの企画乗車券も使用することができない。ただし、一旦改札を出なくても利用できる乗車券に限り、桐生駅・相老駅で乗り越しした証明(JR・東武の乗車券)さえあれば、降りる時に乗務員・駅員に渡して乗車区間の運賃を精算することでそのまま乗り換えができる。

一日フリーきっぷ[編集]

1枚大人1,850円、小児930円で、購入日当日に限りわたらせ渓谷線を自由に乗り降りできる。JR桐生駅窓口・相老駅大間々駅通洞駅で販売している。また、水沼駅温泉センター入館料・陶器と良寛書の館・冨弘美術館入館料2割引の特典がある。券の表面には、沿線の風景や写真などが印刷されている。全区間往復利用の場合、片道1,110円で往復2,220円のところ、フリー切符を利用すると差額が370円で安い。「トロッコわたらせ渓谷号」の節で前述したように、トロッコ列車などの臨時列車でも利用できる。

この切符も、同鉄道で扱われる他の切符と同様、自動改札機は通過できないので、有人の窓口を通る必要がある。

桐生駅の自動改札機と自動券売機について[編集]

わたらせ渓谷線内で取扱われる切符は、桐生駅で扱う切符もしくは、東武鉄道の各駅(相老駅経由)の自動券売機で発行される切符を除いてすべて裏が白い非磁気券であるため自動改札は通過できない。入場のみ通過できる。大間々駅や相老駅にある自動券売機で連絡乗車券を買い求め、JR線・東武鉄道に乗り換える場合も下車する駅の自動改札を通過できないので、駅員のいる窓口から出る必要がある。上り列車利用の場合では磁気券の切符(東武鉄道からの乗り継ぎ)でも、自動改札による入場処理のされていない切符は通過できない仕組みになっている。なお、相老・大間々・水沼(温泉センター内)・神戸の自動券売機設置駅には必ず注意書きが記されている。また、階段を下りた1階のところにもポスターで案内されている。桐生駅の自動券売機で扱う切符で、わたらせ渓谷線は下りのみの扱いであるため、往復乗車券は購入できない。

宮脇俊三[編集]

国鉄足尾線時代の1977年5月28日、紀行作家の宮脇俊三がこの路線を最後に国鉄全線完乗を達成した。著書『時刻表2万キロ』にその顛末と乗車記が1章を割いて記述されている。宮脇が最初に足尾線に乗車した際は全線完乗を企図する前であり、間藤の1駅前の足尾までしか乗車しておらず、最後の1駅の区間のみを乗車するために再度足尾線へ乗車することになった。日本全国に散在した未乗車区間を、会社勤めの間を縫って週末や年末年始の休みを利用し地域ごとに潰していった結果、宮脇の居所である東京から近く、かつ近傍に未乗車区間のない足尾線が偶然最後になったものであって、足尾線が最後になったのは必ずしも本意ではなかったと心情を吐露している。2003年に宮脇が亡くなり、同年6月1日間藤駅で追悼行事が行われた際には、「宮脇先生追悼号」という臨時列車が特製ヘッドマーク付きで運転された。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 『足尾鉄道の一世紀』42頁
  2. ^ その後も譲渡を受け計22両。澤内一晃「南海の二軸客車」『鉄道ピクトリアル』No.835
  3. ^ 「本免許状下付」『官報』1910年2月2日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ 「運輸開始」『官報』1911年4月20日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 「停車場名改称」『官報』1912年6月19日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. ^ 「私設鉄道運輸開始」『官報』1912年9月12日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ 「私設鉄道運輸開始」『官報』1912年11月18日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ 「停車場改称」『官報』1912年11月27日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 「私設鉄道運輸開始」『官報』1913年1月14日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 「鉄道院告示第92号」『官報』1913年10月10日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 「鉄道院告示第70号」『官報』1914年8月24日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  12. ^ 「鉄道院告示第94号」『官報』1914年10月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  13. ^ a b c d e 『足尾鉄道の一世紀』184-185頁

参考文献[編集]

  • 『足尾鉄道の一世紀』新樹社、2008年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]