運輸安全委員会

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日本の旗 日本の行政官庁
運輸安全委員会
うんゆあんぜんいいんかい
Go-shichi no kiri crest.svg
Government Office Complex 2 of Japan 2009.jpg
運輸安全委員会のある中央合同庁舎第2号館
役職
委員長 後藤昇弘
事務局長 室谷正裕
組織
上部組織 国土交通省
内部部局 事務局
地方機関 地方事務所
概要
所在地 東京都千代田区霞が関2丁目1番2号
北緯35度40分31.9秒 東経139度45分4.6秒 / 北緯35.675528度 東経139.751278度 / 35.675528; 139.751278
定員 委員長及び委員12名 事務局176名
設置 2008年10月1日
前身 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会海難審判庁
ウェブサイト
運輸安全委員会
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運輸安全委員会(うんゆあんぜんいいんかい、英語Japan Transport Safety Board, JTSB)は、日本国土交通省外局のひとつ。

航空事故鉄道事故船舶事故または重大インシデントの原因究明調査を行うとともに、調査結果に基づいて国土交通大臣または原因関係者に対し必要な施策・措置の実施を求め、事故の防止及び被害の軽減を図ることを目的とする。

従前の航空・鉄道事故調査委員会海難審判庁を改組・統合し、独立行政委員会として2008年10月1日に設置された。設置法は運輸安全委員会設置法

発足の経緯[編集]

2007年8月、国土交通省は運輸安全委員会の新設を総務省(行政管理局)に要求、同年12月に国土交通大臣と総務大臣との折衝により設置が合意されたもので、2008年1月29日、通常国会に関連法案を提出、4月25日に可決成立し、10月1日に運輸安全委員会が発足した。

母体となった航空・鉄道事故調査委員会は国家行政組織法第8条に基づくいわゆる八条委員会たる審議会等であったのに対し、運輸安全委員会は国家行政組織法第3条に基づく外局であるいわゆる三条委員会となるため、権限等が強化された。また、従前の海難審判庁の機能のうち、懲戒のための対審方式による審判については、新設された海難審判所が引き継いだ。海難審判所は当初の構想では、運輸安全委員会に付属することを予定していたが、その後方針を変更し、運輸安全委員会とは別系統の、国土交通省に直属する特別の機関となった。

調査対象[編集]

航空事故等[編集]

  • 航空機の墜落、衝突又は火災
  • 航空機による人の死傷又は物件の損壊
  • 航空機内にある者の死亡(自然死等を除く)又は行方不明
  • 航行中の航空機が損傷を受けた事態
  • 重大インシデント(事故が発生するおそれがあると認められる事態)

鉄道事故等[編集]

  • 列車衝突事故
  • 列車脱線事故
  • 列車火災事故
  • その他の事故
    • 乗客、乗務員等に死亡者を生じたもの
    • 5人以上の死傷を生じたもの
    • 鉄道係員の取扱い誤り又は車両若しくは鉄道施設の故障、損傷、破壊等に原因があるおそれがあると認められるものであって、死亡者を生じたもの
    • 特に異例のもの
  • 重大インシデント(事故が発生するおそれがあると認められる事態)

船舶事故等[編集]

  • 船舶の運用に関連した船舶又は船舶以外の施設の損傷
  • 船舶の構造、設備又は運用に関連した人の死傷
  • 重大インシデント(事故が発生するおそれがあると認められる事態)

組織[編集]

委員会[編集]

  • 委員長(常勤1人)
  • 委員(常勤7人、非常勤5人)
    • 委員長及び委員は両議院の同意を得て、国土交通大臣が任命する。任期は3年で再任可能。任期満了後も後任者の任命までは職務を行う。
    • 航空事業、鉄道事業、海運・港湾事業に従事する者は委員長又は委員になることはできない。
    • 特別職公務員で、国家公務員法の適用を受けない。
    • 設置法には守秘義務が規定されているが、国家公務員法にある守秘義務違反の罰則規定はない[1]
    • 事故原因に関係があるおそれのある者と密接な関係を有すると認めるときは当該事故等に関する調査に従事させたり会議に出席させてはならない。
    • 委員会は学識経験者から非常勤の専門委員をおくことができる[2]
    • 委員会は事故調査を独立行政法人や民間組織などに委託することができる[3]

事務局[編集]

地方事務所[編集]

地方海難審判所(那覇支所を含む)の所在地に対応して事務所を設置し、横浜、神戸、広島、門司の各事務所の所長には首席地方事故調査官を充て、函館、仙台、長崎の各事務所の所長には次席地方事故調査官を充て、那覇事務所長には統括地方事故調査官を充てる。

これらの地方事務所は組織法令上の正式な組織ではなく通称である。

地方事故調査官は、旅客の死亡を伴うなどの重大な船舶事故を扱うほか、航空事故と鉄道事故についても初動調査を扱う。

歴代委員長[編集]

  • 前身の航空事故調査委員会委員長及び航空・鉄道事故調査委員会委員長も含めて記載。
  • 前身も含め委員長の任期は3年で再任可能。同一人の連続再任は個別の代数として記載。
  • 退任日に付した(願)は任期途中の依願退任を、(亡)は在任中死亡を、(法)は法令改正による官職名等の変更を表す。(続)は後任者未定のため任期満了者が引き続き職務を行ったことを表す(本来の任期満了日を付記)。これらの括弧書きがないものは後任者未定による継続在任のない通常の任期満了を表す。
  • 1974年3月2日の守屋富次郎の死亡時から同年6月1日の岡田實の任命時までの間は、委員長職は空席となった。このときは第72回国会(常会)の会期中であったため、当時の航空事故調査委員会設置法第6条第2項の規定(いわゆる閉会中任命)は適用されなかった。
  • 1977年1月10日の任期満了の翌日(1月11日)から同年2月22日の岡田實の再任命時までの間は、委員長職は空席となった。当時の航空事故調査委員会設置法第7条には、後任者未定の場合に任期満了者が引き続き在任する旨の規定はなかった。
  • 2001年10月1日の委員会名称・委員長官職名の変更は法令の一部改正によって行われており、委員長について両議院の再度の同意手続も新たな辞令の発出も「みなし任命」規定もなく任期が継続しているため、この表での代数は更改しない。
  • 2008年10月1日の委員会名称・委員長官職名の変更は法令の一部改正によって行われており、委員長について両議院の再度の同意手続も新たな辞令の発出もなかったが、国土交通省設置法等の一部を改正する法律(平成20年法律第26号)附則第3条第1項前段の規定により「みなし任命」が適用され、組織としてもいわゆる八条委員会から三条委員会への「格上げ」がなされているため、この表での代数の起算を改める。なお、初代の任期は同項後段の規定により(3年間でなく)旧委員長の残任期間と同一とされ、2010年2月21日満了となっている。
氏名 在任期間 主な前職
航空事故調査委員会委員長
1 守屋富次郎 1974年1月11日 - 1974年3月2日(亡) 東京大学教授、防衛大学校教授、技術研究本部
2 岡田實 1974年6月1日 - 1977年1月10日 大阪大学総長、航空事故調査委員会委員
3 1977年2月22日 - 1980年2月21日
4 八田桂三 1980年2月22日 - 1983年2月21日 東京大学宇宙航空研究所長、航空事故調査委員会委員
5 1983年2月22日 - 1985年10月9日(願)
6 武田峻 1985年10月9日 - 1986年2月21日 航空宇宙技術研究所
7 1986年2月22日 - 1989年2月21日
8 1989年2月22日 - 1992年2月21日
9 竹内和之 1992年2月22日 - 1995年2月21日 航空宇宙技術研究所長、航空事故調査委員会委員
10 1995年2月22日 - 1998年2月21日
11 相原康彦 1998年2月22日 - 2001年2月21日 東京大学教授
12 佐藤淳造 2001年2月22日 - 2001年9月30日(法) 東京大学教授
航空・鉄道事故調査委員会委員長
12 佐藤淳造 2001年10月1日 - 2004年2月21日 (前掲)
13 2004年2月22日 - 2007年2月21日
14 後藤昇弘 2007年2月22日 - 2008年9月30日(法) 九州大学大学院教授
運輸安全委員会委員長
1 後藤昇弘 2008年10月1日 - 2010年2月21日 (前掲)
2 2010年2月22日 - 2013年2月27日(続)(2月21日)
3 2013年2月27日 -

脚注[編集]

  1. ^ JR福知山線脱線事故で委員が報告書案を漏洩した事件を重く見た前原誠司国土交通相は運輸安全委設置法に、罰則規定を盛り込むよう検討することを明らかにした(毎日新聞 2009年9月26日)。
  2. ^ 守秘義務や罰則が規定されていない
  3. ^ 守秘義務があり、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]