JR東日本キハE130系気動車

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JR東日本キハE130系気動車
キハE130形(水戸駅、2010年)
キハE130形
(水戸駅、2010年)
編成 両運転台付単行車(キハE130形)
2両編成(キハE131形+キハE132形)
最高速度 100km/h
起動加速度 1.6km/h/s(0 - 60km/hまでの平均加速度)[1]
減速度 3.5km/h/s[1](常用最大)
3.5km/h/s[1](非常)
車両定員 34(席)+79(立)=113名(キハE130形)
40(席)+85(立)=125名(キハE131形)
48(席)+83(立)=131名(キハE132形)
最大寸法
(長・幅・高)
19,500×2,920×3,620 (mm)
車体材質 ステンレス
機関出力 DMF15HZ(SA6D140HE-2)331kW (450PS) ×1
駆動装置 液体式
台車 ボルスタレス台車
DT74/TR259
制動方式 電気指令式空気ブレーキ直通予備ブレーキ抑速ブレーキ・耐雪ブレーキ
保安装置 0番台:ATS-Ps
100番台:ATS-P,ATS-SN
製造メーカー 新潟トランシス
東急車輛製造

キハE130系気動車(キハE130けいきどうしゃ)は東日本旅客鉄道(JR東日本)の一般形気動車

概要[編集]

キハ110系気動車に続くJR東日本の一般形気動車として製造され、2007年平成19年)1月19日から水郡線で使用を開始した。

同年度中に両運転台構造のキハE130形が13両、片運転台構造で2両固定編成を組むキハE131形+キハE132形が各13両製造され、合計で39両が在籍している。

2012年(平成24年)には久留里線に100番台が導入され、10両が製造された[2]

構造[編集]

車体[編集]

車体はE231系電車の構造を踏襲したステンレス製軽量構体で、混雑緩和を定員増で対応するためキハ110系よりも広い幅2,900mmの広幅車体とし、客用扉は幅1,300mmの両開き扉を片側3か所に設ける。車体腰部から裾部にかけて車体幅を絞った「裾絞り構造」であり、側出入口部のクツズリを延長して車体とホームとの間隙を小さくしている。前面は FRP 製で、JR東日本一般形電車の標準形状に類似するが、貫通扉を装備し印象が異なる。連結面間距離はキハ110系と同一の20,000mmである。空調装置集中式のAU732形を屋根上に搭載する。

室内[編集]

番台によって異なり、0番台の座席配置はセミクロスシートで、100番台の座席配置は、全席ロングシートである。

行先表示器は前面・側面ともにLED式で、側面のものは日本語英語を交互に表示する。車内の乗務員室出入口上部にはLED式の旅客案内表示装置を設置する。自動放送装置は日本語と英語の2か国語対応のものが搭載され、ワンマン・車掌乗務ともに自動で案内放送が行われる[3]

ボックス式クロスシート部は1 - 2の3アブレストロングシート部は1人あたりの座席幅を従来より20mm拡大して余裕を持たせている。座席モケットは暖色系の配色である。座布団・背ズリの詰め物はリサイクル可能なポリエステル製綿の成形品を使用する。

本系列は各部にバリアフリーに配慮した設計が施される。床面の高さをキハ110系より45mm下げて1,130mmとしたほか、車椅子スペース(全車)や車椅子対応の洋式トイレ(0番台のみ)を設ける。車椅子スペースには車椅子に座ったまま使用できる高さに対話型の車内非常通報装置を設置する。0番台のトイレは車椅子スペースの向かい側に設置し、JIS規格に適合する電動・手動の車椅子で使用可能な空間を確保し、客室内の見通しを妨げないように枕木方向の寸法を可能な限り切り詰めている。汚物処理装置は真空吸引式で臭気対策を図り、トイレ出入口はボタン操作による自動開閉式である。優先席部分にはオレンジ色のつり革を低い位置に設け、客用扉にはドアチャイムや開閉時に赤色で点滅するドアランプが設置された。

側窓は上下分割上部下降窓と固定窓を組み合わせた大面積の仕様で、ガラス素材は光線透過率の低い乗用車用汎用強化ガラスを用いる。熱線吸収率も強化され、赤外線を 100 % 遮断する IR カットガラスである。

駆動系・台車[編集]

駆動用のディーゼルエンジン環境負荷に配慮し、北海道旅客鉄道(JR北海道)のキハ150形が搭載しているN-KDMF15HZをベースとしつつ、排気中の窒素酸化物 (NOx) や粒子状物質 (PM) を低減できる「コモンレール式燃料噴射装置」などを採用したコマツ製の新型ディーゼルエンジン SA6D140HE-2(JR形式 DMF15HZ、定格出力 450PS/2,000rpm)を採用している。車体重量は増加したが、変速機の性能向上によりキハ110系とほぼ同等の駆動性能を確保し、同系列との併結運転も可能である。実際、水郡線の車両交替期には両者の併結運転も行われていた。台車は軸梁式のボルスタレス台車 DT74形(動力台車)・ TR259形(付随台車)である。

運転設備[編集]

キハE130系の運転台

運転室はキハ110系に準じた半室構造で、非貫通時は客室との間に設けた引戸により、運転室および助士側の空間を客室と完全に仕切る構造である。引戸には傾斜式戸閉装置を取り付け、貫通時には扉が開いたままにならないように自動で閉とする構造である。貫通時は運転室を開戸により完全に仕切ることができる。主幹制御器は左手操作式ワンハンドルマスコンが採用されている。保安機器では緊急停止装置(EB装置)と緊急列車防護装置(TE装置)を標準装備している。各番台とも乗務員室内には異常時に、非常用ハシゴとしても使用可能な補助腰掛が設置されている。またワンマン運転時は下部の運賃箱と上部に回転式の仕切りで客室と区切る構造である。運賃箱は助士側背面に完全収納できる。運転室背面仕切り部には非常用脱出口が設置されている。

番台区分[編集]

0番台[編集]

水郡線向けに導入された車両で、外装デザインは形式によって異なっている。配置先は水郡線営業所である。

両運転台車のキハE130形は久慈川紅葉をイメージした赤色、片運転台車のキハE131形・キハE132形は久慈川と新芽をイメージした青緑色とされた[4]。各形式とも、前面は黒色の地に黄色の帯を配し、前面周囲は白色、客用扉は黄色である。

100番台[編集]

久留里線向けに導入された車両で、10両(101 - 110)が導入された[2]。配置先は幕張車両センター木更津派出である。

久留里線・内房線外房線[5]でキハE130-101を中心に試運転を行った後、2012年12月1日より既存のキハ30形キハ37形キハ38形を置き換える形で営業運転を開始した。

塗装は上部に青、下部に緑を配した独自のものであり、全車共通である。 また、0番台に引き続き全車両が新潟トランシスで製造された。

形式別詳説[編集]

キハE130形
両運転台式の車両である。0番台はトイレが設置されているが、100番台はトイレが設置されていない。
キハE131形
片運転台式の車両で、トイレを設置する。キハE132形と2両1組で使用される。
キハE132形
片運転台式の車両だが、トイレは設置しない。キハE131形と2両1組で使用される。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 日本鉄道車両工業会「車両技術」234号「JR東日本 キハE130系一般形気動車」記事。
  2. ^ a b 久留里線新型車両の導入について (PDF) - 東日本旅客鉄道千葉支社 プレスリリース 2011年12月15日
  3. ^ 音声は、日本語放送を三浦七緒子が、英語放送をクリステル・チアリが担当している。
  4. ^ 投入先の水郡線利用者の意見を基に決定され、2006年(平成18年)6月16日に発表された。
  5. ^ 外房線での試運転は土気~大網間にある勾配での試験のため入線した。(折り返し設備の関係上本納駅まで入線)

関連項目[編集]