スイッチバック
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スイッチバック(switchback)とは、
- 鉄道において、急勾配を登るためなどの目的で設けられる施設。自動車道路でも設けられる場合がある。
- スキー、スノーボードのアルペン競技において、旗門を通過できなかった選手がコースを逆行して再度旗門を通過しようとする行為。
本項では1.について述べる。
目次 |
[編集] 概要
スイッチバック(switchback)とは、険しい斜面を登坂・降坂するために、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に曲折する道路又は鉄道軌道を指す。トンネルや切り通しの設置が難しい地形において丘陵を登坂する方法の一つとして、短区間において進行方向を反転させるものである。道路におけるswitchbackはヘアピンカーブ(つづら折れ)とも呼ばれる。
鉄道では広義には、ある列車が始発から終着までの間にある駅や信号場において、さらに先へと進むために列車の進行方向を変えて運転すること、またそのための施設を指す。狭義には以下の分類の1、2、3のみをさす。
設備としてのスイッチバックを設置形態別に分類すると次の通りである。
- 勾配を緩和するために、本線上で列車の進行方向を逆転させるもの 停車場に停車せずに通過することはできない
- 勾配途中に停車場を設置するために、本線から平坦な場所へ線路を分岐させた結果、列車の進行方向の逆転が発生するもののうち、停車場に停車せずに通過することができないもの
- 勾配途中に停車場を設置するために、本線から平坦な場所へ線路を分岐させた結果、列車の進行方向の逆転が発生するもののうち、停車場に停車せずに通過することができるもの
- 勾配または他の理由で、停車場の線路・ホームの有効長を長くするために作られるもの
- 勾配とは関係なく鉄道敷設の経緯などによって作られるもの
当初は、勾配を克服する事を目的とする1、2および3の類型のみを指し、勾配を伴わない5は含まれていなかった。
3.の類型については、登坂力の小さい機関車牽引列車を勾配中に停車させる事を避けるために設けられるものであるが、車両性能の向上によって存在意義が薄れており、運転取扱いの合理化のため廃止される傾向にある。
[編集] スイッチバックという言葉
スイッチバックの語源は、zig zagやhairpin turnあるいはhairpin bendの意味で米国で用いられているswitchback(米製英語)である。イギリス英語でのswitchbackは、一般的に「波状軌道」つまり上下(縦方向)にうねった道の意味で用いられ、概ねroller coasterを指す。いずれの場合も、switchbackを行為の表現で用いる場合は「(縦方向・横方向に係わらず)ジグザグに進む動作」と解される。鉄道用語として用いる場合も、「登坂を目的とする一時的な後退運転」の語義で用いられ、運行中の列車が進行方向を変えるだけの意味では用いられない。
日本語の主な国語辞書では、「スイッチバック」はおおむね「急勾配を伴う地形における折り返し式(ジグザグ運転を伴う)鉄道線路」の意味が記載されている[1][2][3]。また、停車場の分類としてスイッチバック停車場と折り返し停車場を別個に記載している例がある[4]など、スイッチバックの本来の意味に単なる折り返しは含まれていない。
日本では、勾配を伴わない一線区内での進行方向転換も非勾配型スイッチバックと呼ぶことがある[5][6]。日本のスイッチバック停車場を取り上げたI love Switch Backのウェブサイトにおいても、石北本線遠軽駅や中央本線塩尻駅などを非勾配型スイッチバック駅として採り上げている。以下の記事においては類型5の形態である。
さらに、線区を跨いだ折り返し運転までスイッチバックと呼ぶ向きもあるが、主要ウェブサイトや雑誌には見られない。この解釈では一旦終着駅扱いとなり直ぐに折り返して他線区の別列車扱いとなるような運用はスイッチバックと呼ばず、進行方向を変えてさらに別方向に運転を継続するような形態のみを指す[要出典]。以下の記事においては、「単なる方向転換が行われている駅」のような形態である。
[編集] 長所・短所
「スイッチバック」の長所は、建設工期が長く高コストとなるトンネル敷設などの方法に比較し、制限勾配を増すことなく短工期・低コストで建設できることが挙げられ、交通量が多くない場合において、実用的な長期的解決策となることである。
「スイッチバック」の短所は、以下の様な多くの制限を受け得ることである。
- 列車長が、スイッチバックの頂点および底点(折り返し部分)における軌道長(有効長)によって制限を受ける。
- 機関車方式の列車では、列車最後尾への機回しをせずに後退運転をするのは危険である。プッシュプル方式で解決可能であるが、速度が制限されることが多い。
- スイッチバック区間における運転の煩雑さから、所要時間が延びてしまう。
[編集] スイッチバック停車場
- アルゼンチン
- トレン・デ・ラス・ヌーベス(Tren de las Nubes)
- オーストラリア
- カラムンダ・スイッチバック(Kalamunda Zig Zag) - 2回折り返し
- ラプストン・スイッチバック(Lapstone Zig Zag) - 2回折り返し
- リスゴー・スイッチバック(Lithgow Zig Zag、Zig Zag Railway)
- マンダリン・ウェア・ブランチ鉄道(Mundaring Weir Branch Railway)
- 中国
- 京包鉄路 青龙桥(Qinglongqiao)
- フランス
- フロワシー・ドンピエール・ライト鉄道(Froissy Dompierre Light Railway)
- ドイツ
- 使用中
- ラウエンシュタイン(Rauenstein) - ヒンターラント線(Hinterlandbahn)
- ラウスカ(Lauscha) - ゾンネベルク(Sonneberg) - プロブスツェラ(Probstzella)線
- エルンスタル・アム・レンシュタイグ(Ernstthal am Rennsteig) - エルンスタル(Ernstthal) - プロブスツェラ(Probstzella)間の廃止によって形成
- レンシュタイク(Rennsteig) - レンシュタイク線(Rennsteigbahn)イルメナウ(Ilmenau) - テマル(Themar)間
- ミハエルシュタイン(Michaelstein) - リューベラント線(Rübelandbahn)
- ヴルツバッハ(Wurzbach) - ザールフェルト(Saalfeld) - ブランケンシュタイン(Blankenstein)
- 使用停止
- シリングスフュルスト(Schillingsfürst)
- レンツキルヒ(Lenzkirch)
- エルム(Elm)(1914年にディシュテルラーゼントンネル(Distelrasen-tunnel)によって置き換え)
- シュタインヘレ(Steinhelle) - メーデバッハ(Medebach)間
- フランクフルト・アム・マインのマインシュピッツェ(Mainspitze)駅、1846年から1848年まで、マイン・ネッカー鉄道(Main-Necker-Eisenbahn)のフランクフルト仮ターミナルまで連絡するために使用された
- エルドバッハ(Erdbach) - ヴェステルヴァルトクエル線(Westerwaldquerbahn)
- 使用中
- インド
- ダージリン・ヒマラヤ鉄道 - 全部で6つのスイッチバックがあり、多くは開業当時からのものであるが、1940年代に1つ追加され、さらに少なくとももう1つが暴風雨による被害の対策として一時的に設置されていた。
- 日本
- 韓国
- パキスタン
- ペルー
- 台湾
- ミャンマー
- Thazi - Kalaw間に4箇所のスイッチバック
- アメリカ合衆国
- グレート・ノーザン鉄道(Great Northern Railway)のカスケード(Cascade)に1900年まで8箇所のスイッチバックが存在、カスケードトンネルによって置き換えられ、今後さらに長いトンネルに置き換えられる予定
- キャス・シーニック鉄道(Cass Scenic Railroad)、ウェストバージニア州(West Virginia) - 2箇所のスイッチバックと11%の勾配、使用中
[編集] 日本のスイッチバック停車場
日本において現存する各類型の例は、次のとおりである。 なお※印のあるものは、設備としては残存しているものの、2008年4月現在スイッチバック運転は行われていない。
[編集] 類型1
[編集] 類型2
[編集] 類型3
- 坪尻駅、新改駅(土讃線)
- 中在家信号場(関西本線)※
- 滝山信号場(山陰本線)※
- 羽尾信号場※、姨捨駅、桑ノ原信号場(篠ノ井線)
- 二本木駅(信越本線)
- 常紋信号場(石北本線)※
- 岩手石橋駅(岩手開発鉄道):貨物専業路線のスイッチバック構造の終着駅。1992年までは旅客営業も行っていた。
[編集] 類型4
[編集] 類型5
この類型の形成過程には様々な要因が存在する。例えば、十和田南駅や会津若松駅のように市街地に駅をつくるためや、既設の駅に乗入れるための線形上の要因、遠軽駅や新可児駅のように別々に形成された2路線が後に統合された例などがある。ヨーロッパの都市中央駅、ターミナル駅にはこのスタイルの駅が多い。
- 遠軽駅(石北本線)
- 十和田南駅(花輪線)
- 大曲駅(秋田新幹線) - 路線戸籍上は田沢湖線と奥羽本線だが、運転上は一体。
- 会津若松駅(磐越西線)
- 柏駅(東武野田線)
- 飯能駅(西武池袋線)
- 藤沢駅(小田急江ノ島線)
- 富士吉田駅(富士急行大月線・河口湖線) - 線路名称上2路線にまたがるが、運転上は一体。
- 塩尻駅(中央本線)※
- 上市駅(富山地方鉄道本線)
- 知立駅(名鉄三河線)※
- 新可児駅(名鉄広見線)※
- 大垣駅(養老鉄道養老線)※
- 一畑口駅(一畑電車北松江線)
- 伊万里駅(松浦鉄道西九州線)※
- 早岐駅(佐世保線)
[編集] 単なる列車の方向転換が行われている駅
路線の接続方向の関係で、異なる線区に乗り入れるときに進行方向を前後転換することがある。以下は該当する通過列車の存在する駅である。
- 札幌駅(函館本線・千歳線)
- 函館駅もしくは五稜郭駅(函館本線・江差線)
- 青森駅(東北本線・奥羽本線・津軽線)
- 野辺地駅(東北本線・大湊線)
- 川部駅(奥羽本線・五能線)
- 弘前駅(奥羽本線・五能線)
- 大館駅(奥羽本線・花輪線)
- 東能代駅(奥羽本線・五能線)
- 花巻駅(東北本線・釜石線)
- 釜石駅(釜石線・山田線)
- 盛駅(大船渡線・三陸鉄道南リアス線)
- 小牛田駅(石巻線・陸羽東線)
- 前谷地駅(石巻線・気仙沼線)
- 小山駅(東北本線・両毛線)
- 所沢駅(西武新宿線・西武池袋線)
- 高幡不動駅(京王線・京王動物園線)
- 蒲田駅(東急多摩川線・東急池上線)
- 京急蒲田駅(京急本線・京急空港線)
- 霞ケ関駅(東京都)(東京地下鉄・千代田線)(注意 小田急小田原線と有楽町線へ直通する特急ロマンスカーベイリゾート号のみ。)
- 大月駅(中央本線・富士急行大月線)
- 新潟駅(信越本線・白新線)
- 長岡駅もしくは宮内駅(上越線・信越本線)
- 岡谷駅(中央本線・飯田線)
- 寺田駅(富山地方鉄道本線・富山地方鉄道立山線)
- 金沢駅(北陸本線・七尾線)
- 富士駅(東海道本線・身延線)
- 沼津駅(御殿場線・東海道本線)
- 多治見駅(中央本線・太多線)
- 金山駅(名鉄名古屋本線・名鉄常滑線)
- 犬山駅(名鉄犬山線・名鉄広見線)
- 岐阜駅(東海道本線・高山本線)
- 伊勢中川駅(近鉄大阪線・近鉄名古屋線)
- 平端駅(近鉄橿原線・近鉄天理線)(注意 天理教祭事時の臨時列車運行時、最低月一回ある。)
- 米原駅(東海道本線・北陸本線)
- 近江塩津駅(北陸本線・湖西線)
- 八日市駅(近江鉄道本線・八日市線)
- 綾部駅(山陰本線・舞鶴線)
- 西舞鶴駅(舞鶴線・北近畿タンゴ鉄道宮津線)
- 宮津駅(北近畿タンゴ鉄道宮福線・北近畿タンゴ鉄道宮津線)
- 川西能勢口駅(阪急宝塚本線・能勢電鉄妙見線)
- 高田駅(和歌山線・桜井線)
- 姫路駅(山陽本線・播但線)
- 上郡駅(山陽本線・智頭急行智頭線)
- 豊岡駅(山陰本線・北近畿タンゴ鉄道宮津線)
- 米子駅(山陰本線・境線)
- 川跡駅(一畑電車北松江線・一畑電車大社線)
- 茶屋町駅(本四備讃線・宇野線)
- 高松駅(予讃線・高徳線)
- 宇多津駅(予讃線・本四備讃線)
- 小倉駅(鹿児島本線・日豊本線)
- 西鉄二日市駅(西鉄天神大牟田線・西鉄太宰府線)
- 熊本駅(鹿児島本線・豊肥本線)
方向転換の変遷が生じた例で著名なケースとして中央本線塩尻駅がある。塩尻駅は本来中央本線の中間駅で方向転換駅ではなかった。しかし中央本線の運行系統は塩尻駅を境に東西に分かれており、双方が塩尻駅から篠ノ井線方面と直通する結果、名古屋駅方面から篠ノ井線方面に直通する列車が方向転換することになった。後にこれを解消するために塩尻駅を200メートル北に移転して配線を変え、名古屋駅方面から篠ノ井線方面へのスイッチバック状態を解消した。現在では中央本線だけを見ると塩尻駅で方向転換する構造となっているが、通過する列車は篠ノ井線系統直通であり、塩尻駅でスイッチバックする定期列車は今のところ存在しない(臨時列車としては存在したこともある-塩尻駅#駅構造を参照のこと)。
この他、黒部峡谷鉄道本線鐘釣駅(類型4に含まれる)や能勢電鉄日生線山下駅のように、駅の構造上止むを得ずスイッチバックを行うこともある(詳細は各駅の項を参照のこと)。
[編集] かつてスイッチバックが存在した停車場
[編集] 類型1
- 錦沢駅(夕張鉄道) 1975年、路線廃止に伴い廃駅。
- 二度上駅(草軽電気鉄道) 1960年の路線区間廃止に伴い廃駅。
- 東三原駅(草軽電気鉄道) 1962年の路線廃止に伴い廃駅。
- 諸原駅(尾道鉄道) 1957年、路線廃止に伴い廃駅。
- 寺泊海水浴駅(越後交通長岡線) 路線短縮に伴い1966年廃駅。
[編集] 類型3
- 大志田駅、浅岸駅(山田線) 1982年、本線上へのホーム移設によりスイッチバック解消。
- 赤岩駅、板谷駅、峠駅、大沢駅(奥羽本線) 1990年、改軌工事と同時に本線上にホームが移設され、スイッチバック解消。
- 中山宿駅(磐越西線) 1997年、本線上へのホーム移設によりスイッチバック解消。
- 元宿駅、六本松駅、大日向診療所前駅、水沢駅(東武伊香保軌道線) 1956年の路線廃止に伴い廃駅。
- 万座温泉口駅(草軽電気鉄道) 1962年の路線廃止に伴い廃駅。
- 松井田駅(信越本線) 日本で最古のスイッチバック駅。1962年、駅移設によってスイッチバック解消。
- 熊ノ平駅(信越本線) 1966年、信号場へ降格時にスイッチバック解消。
- 御代田駅(信越本線;現・しなの鉄道線) 1968年、駅移設によってスイッチバック解消。
- 関山駅(信越本線) 1985年、本線上へのホーム移設によりスイッチバック解消。
- 初狩駅(中央本線) 1966年、複線化に伴い旅客ホームが本線上に移設された。ただしスイッチバックは貨物列車(現在は砕石輸送列車)用として残されている。
- 笹子駅(中央本線) 1966年、複線化に伴いホームが本線上に移設され、スイッチバック解消。
- 勝沼駅(現・勝沼ぶどう郷駅。中央本線) 1968年、複線化に伴いホームが本線上に移設され、スイッチバック解消。
- 韮崎駅(中央本線) 1970年、複線化に伴い旅客ホームを本線上に移設。1972年、貨物営業廃止によりスイッチバック解消。
- 穴山駅(中央本線) 1971年、複線化に伴いホームが本線上に移設され、スイッチバック解消。
- 長坂駅(中央本線) 1966年、複線化により複線スイッチバック駅となる。1972年貨物営業廃止によりホーム移設、スイッチバックを解消。
- 東塩尻信号場(中央本線) 信号所だが旅客も扱った。1983年廃止。
- 谷峨駅、富士岡駅、岩波駅(御殿場線) 本線上にホームが移設され、スイッチバック解消。
- 東赤谷駅(赤谷線) 路線終点がスイッチバック構造となっている珍しい駅だった。1984年の路線廃止に伴い廃駅。
- 新保駅、大桐駅(北陸本線) 1962年、北陸トンネル経由の新線移行により廃駅。
- 刀根駅(北陸本線→柳ヶ瀬線) 1964年、路線廃止に伴い廃駅。
- 北宇智駅(和歌山線) 2007年3月に駅構内改良工事が実施されスイッチバック解消。
- 呼野駅(日田彦山線) 1983年、本線上へのホーム移設によりスイッチバック解消。
- 本川内駅(長崎本線) 2002年、本線上へのホーム移設によりスイッチバック解消。
- 上日置駅(鹿児島交通枕崎線) スイッチバック廃止時期不明。
[編集] 類型4
- 湯田中駅(長野電鉄長野線) 2006年9月に駅構内改良工事が実施されスイッチバック解消。なお、終端側が踏切のため、類型3と分類される場合もあるが、実情は鐘釣駅(黒部峡谷鉄道本線)のように、スイッチバックなしでの信州中野方への3両分のホーム延長が、勾配によって困難なためであった。
[編集] 類型5
- 東留萠信号場(留萠本線・羽幌線) 1941年、新線付替えにより廃止。
- 西花巻駅(花巻電鉄軌道線・鉄道線)1960年代後半に駅移転によりスイッチバック解消(1969年に路線廃止により廃駅)。
- 米谷駅(仙北鉄道登米線) 1968年、路線廃止に伴い廃駅。
- 千葉駅(外房線・内房線)両国方面からの直通のみ。1963年に駅移転によりスイッチバック解消。
- 大網駅(外房線) 1972年に駅移転によりスイッチバック解消。
- 横浜駅(初代。現・桜木町駅。東海道本線) 1915年、別ルート建設に伴う終端駅化によりスイッチバック解消。
- 遠州馬込駅(遠州鉄道鉄道線) 1985年、新浜松駅~助信駅間の高架化に伴い路線が付け替えられ、廃駅。
- 西長岡駅(越後交通長岡線) 路線短縮に伴い1993年スイッチバック解消。
- 上見附駅(越後交通栃尾線) 1973年、路線短縮に伴いスイッチバック解消(1975年に路線廃止により廃駅)。
- 駄知駅(東濃鉄道駄知線) 1972年路線休止、1974年路線廃止に伴い廃駅。
- 美濃大久保駅(西濃鉄道昼飯線) 2006年の路線廃止に伴い廃駅。
- 岡本新駅(福井鉄道南越線) 1971年、路線区間廃止に伴い廃駅。
- 膳所駅(東海道本線) 1889年、湖東線全通に伴い解消(方向転換駅化)。日本最古の折り返し型スイッチバック駅。
- 浜大津駅(京阪電鉄) 1981年、浜大津駅統合に伴い解消。
- 播電龍野駅(播電鉄道) 1934年、路線廃止に伴い廃駅。
- 東唐津駅(筑肥線) 1983年、路線移設に伴い駅も移転となり、スイッチバック解消。
- 藤崎宮前駅(熊本電気鉄道藤崎線) 1954年、路線短縮に伴いスイッチバック解消。
- 薩摩永野駅(宮之城線) 1987年の路線廃止に伴い廃駅。
- 鹿屋駅(大隅鉄道、後の大隅線) 1938年、駅移転に伴いスイッチバック解消。
[編集] スイッチバック回数
2008年4月現在、日本の営業鉄道路線における1列車あたりの最大スイッチバック回数は「3回」である。うち、狭義の「勾配を克服するスイッチバック」にあたるのは、箱根登山鉄道鉄道線列車(出山信号場・大平台駅・上大平台信号場の3回)のケースのみであり、以下に挙げるその他の例は分岐駅での単なる方向転換に過ぎない。
快速「リゾートしらかみ1・2・4・5号」(東能代駅・川部駅・弘前駅の3回)
以前は特急「タンゴディスカバリー1号」も綾部駅・西舞鶴駅・豊岡駅の3回スイッチバックを行っていたが、2008年3月15日のダイヤ改正で宮福線経由への経路変更および豊岡~城崎温泉間の廃止が実施されたため、スイッチバックは宮津駅の1回だけになった。
一般営業鉄道でない路線では遙かに極端なケースとして、国土交通省立山砂防工事事務所(富山県)の管轄する立山砂防工事専用軌道での延べ38段という特異例がある。同路線の樺平連絡所付近には世界的にも類例がないとみられる18段に及ぶ連続スイッチバック区間がある。峻険な急斜面を登坂するための工事用軌道であり、部外者の乗車は砂防工事見学会への参加という限られたケースを除き、許可されない。
[編集] 加速線
[編集] 概要
スイッチバックに類似したものとして、「加速線」と呼ばれるものがある。
停車場自体が勾配上にあるか、停車場の構内を出た直後に勾配がある場合、停車した列車が十分な加速をする前に上り勾配にかかってしまい、登坂に必要な力が得られない場合がある。このような場合、停車場の下り勾配側に水平(ないしは駅・信号場に向かって若干の下り勾配)の引上線を設置することがあり、これを「加速線」と呼ぶ。停車場から上り勾配方へ進行する列車は、いったん加速線に待避し、加速線上で十分な速度を得てから上り勾配に向かう。
停車場の下り勾配方のみに引上線があり、上り勾配方には引き込み線がないことが、スイッチバックとの構造上の違いである。また、その性質上、加速線を利用するのは勾配を上る列車だけで、下る列車は利用しない。
登坂力の弱い機関車牽引列車が減り、代わって電車や気動車が主力となると、スイッチバック同様に不必要となり消えていった。
[編集] 加速線のあった駅・信号場
- 仁山駅(函館本線) - 利用はされていないが、加速線はそのまま残っている。
- 奥中山高原駅(IGRいわて銀河鉄道) - 中線に使用されていないが残っている。
- 東山信号場(函館本線) - 現東山駅
- 新府信号場(中央本線) - 現新府駅
- 友田信号場(東海道本線) - 現金谷駅~菊川駅間 2007年3月現在は築堤のみ残存している。明治時代の建設当時は、菊川から登坂してきた列車が失速して本線上に立ち往生してしまうケースが想定されたため、これに対応するために設置された。1949年の電化後まもなく廃止。
- 167信号場(台湾の旧山線)- 既に廃止された。
[編集] 座席の転換
スイッチバックは通常短区間における後退運転のため、進行方向によって座席の向きを前後させる座席の転換は伴わない。またスイッチバックを多数箇所で繰り返す路線での転換式シートの採用はあまり見られず、採用されても後に固定シートに切り替えられた例が散見される。
[編集] 単なる列車の方向転換が行われる駅での座席の転換
座席が進行方向へ向いている回転式クロスシート(リクライニングシートを含む)または転換式クロスシートの場合、単なる列車の方向転換が行われる駅で乗客が座席転換を行なう。この場合前後方でも回転や転換を行なうため、座席がぶつかり合ったりしないよう注意が必要である。
方向転換駅を挟んだ片側区間の運転時間(距離)が短い「こまち」の秋田~大曲間や「ひだ」の名古屋~岐阜、「ふじかわ」の静岡~富士間、「まいづる」の綾部~東舞鶴間等は、当該区間は始発時点で座席は定常的に進行方向に対し逆方向を向いている。
[編集] 自動車でのスイッチバック
自動車は鉄道と比較して路面と車輪の間の摩擦が大きく登坂能力や機動性に富んでいるため、鉄道のように緩斜面でスイッチバックを要する例はない。ただし、険しい山間部の林道などで見られる場合がある。
自動車のスイッチバックの代表例はヘアピンカーブである。斜面上にジグザグの道路を敷設し小まめに方向転換を行わせることによって、傾斜角度の大きな斜面であっても緩やかな斜面上を登坂・降坂させることを可能とする。東京近郊で著名なのが、栃木県日光市のいろは坂上下線(国道120号の馬返 - 中禅寺湖間)である。そのほか、同県矢板市および那須塩原市の八方ヶ原観光道路(栃木県道56号塩原矢板線)、同県那須町のボルケーノハイウェイ上り線(栃木県道17号那須高原線)、群馬県吾妻郡草津町の草津志賀道路(国道282号西之川原 - 白根山間)、同県同郡嬬恋村の万座ハイウェーなどがある。両県にはほかにもヘアピンカーブを有する観光道路が多く見られる。
また、かつてはヘアピンカーブのカーブ地点に平坦地を設け、この平坦地で方向転換させた後に元来た坂道と同じ方向に伸びる次の坂道に進むスイッチバック方式も用いられていたが、現在は自動車のエンジン(冷却)性能が格段に向上し、こうした類のスイッチバック施設は解消されている。
さらに、鉄道と同様に車両の完全な前進・停止・後退を伴う(坂道をバックで登坂・降坂する)スイッチバック型道路もあり、山形県の姥湯温泉に向かう道路にあるものが比較的有名だったが、現在はカーブ地点での切り換し(前進・停止・方向転換・前進)を要する鋭角のヘアピンカーブに改修されている。
[編集] その他
作者菊池直恵、案内人横見浩彦の漫画『鉄子の旅』の作品中によく登場する。同作品を掲載する月刊IKKIの編集長江上英樹はスイッチバックファンであり、本人が持つ以下のウェブサイトで各スイッチバックの解説がある。
[編集] 脚注
- ^ 広辞苑 第5版
- ^ 三省堂 大辞林 第2版
- ^ 大辞泉 増補・新装版
- ^ 久保田博「鉄道工学ハンドブック」p.178 グランプリ出版 1995年 ISBN 4-87687-163-9
- ^ 大島 登志彦「わが国の峠越え鉄道とスイッチバック停車場」 鉄道ピクトリアル790号 電気車研究会 2007年6月
- ^ 鶴 通孝「幻想の夜汽車 夜行特急オホーツクの白い旅路」鉄道ジャーナル474号 p.34 鉄道ジャーナル社 2006年4月

