一畑電車北松江線
| 一畑電車北松江線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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高ノ宮 - 松江フォーゲルパーク間の宍道湖沿岸を走行する5000系
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| 路線総延長 | 33.9 km | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 軌間 | 1,067 mm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 電圧 | 1500 V 架空電車線方式(直流) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
山陰地方特有の築地松がみられる雲州平田 - 布崎間を走る2100系
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北松江線(きたまつえせん)は、島根県出雲市の電鉄出雲市駅から島根県松江市の松江しんじ湖温泉駅に至る一畑電車の鉄道路線。路線名は、松江しんじ湖温泉駅がかつて北松江駅と称していたことによる。
目次 |
[編集] 概要
一畑薬師への参拝客の輸送を目的として建設された路線で、それまで陸路を辿るか、船で小境灘(現在の一畑口駅付近の地名)へ渡るしかなかった一畑薬師への参拝を大幅に改善した。戦前には一畑口から薬師のふもとにあった一畑駅まで線路が延び、名実共に一畑薬師への参拝路線となっていたが、この区間は太平洋戦争末期に不要不急路線として休止になり、レールは名古屋鉄道に供出された。この区間は戦後復活しなかったが、平地にもかかわらずスイッチバック式という一畑口駅の不自然な配線がその跡をよく留めている。現在では一畑口でバスに連絡して参拝客の足を確保している。
松江方面への延伸を機に全線が電化されたが、電化に前後して導入されたデハ1形やデハニ50形はその後長きに渡って使用され、これに他社線から譲渡された車両が加わって多数の旧型車の活躍が見られた。しかし1993年の欠損補助制度が実質的に打ち切られるにあたり、一畑電気鉄道(現在の一畑電車)は近代化補助制度を活用して存続を図ることとなり、その結果として南海や京王の払い下げ車両が大量に入線し、旧型車の本格的な淘汰が始まった。1997年には北松江線の車両近代化が完了[1]し、イベント用として最後まで残っていたデハニ50形52号[2]・53号も2009年に引退した。しかし引退後の車両の扱いをめぐっては未だに議論が続いている。
[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):33.9km
- 軌間:1067mm
- 駅数:22駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 最高速度:85km/h
- 最小曲線半径:175m(松江イングリッシュガーデン前駅 - 松江しんじ湖温泉駅間)
- 最大勾配:25‰
[編集] 運行形態
おおむね毎時間1 - 2本ほど運転されていて、大半の列車が大社線の列車に接続するようにダイヤが構成されている。平日朝の特急「スーパーライナー」のみ4両編成で車掌が乗務する[3]が、その他の列車はすべてワンマン運転である[3]。
[編集] 現行列車種別
- 特急「スーパーライナー」
- 現在の特急は2004年3月15日のダイヤ改正で登場した3代目である。平日朝に電鉄出雲市駅発松江しんじ湖温泉駅行きが1本設定されている。登場当初は定期運用に就く全形式の車両が使用されていたが、2006年3月13日ダイヤ改正で5000系の重連に限定され、一畑電車の定期列車で唯一の4両編成ツーマン列車となっている。ただし、5000系が検査の場合は2100系と5000系の連結列車で代走する。
- 急行「出雲大社号」
- 大社線に直通して、休日に松江しんじ湖温泉駅 - 出雲大社前駅間に1往復設定されている。使用車両は5000系に限定されている。列車自体は1998年10月の5000系登場当初から存在していたが、当初は各駅停車で運転されていた。2004年3月15日ダイヤ改正より急行として運転されている。なお、電鉄出雲市方面への列車接続はない。
- 急行
- 平日夕方に松江しんじ湖温泉駅発電鉄出雲市駅行きが1本設定されているが、2004年3月15日ダイヤ改正から2006年3月13日ダイヤ改正までは2本設定されていた。車両は2100系または3000系のロングシート車両が使用される。なお、大社線の列車には接続しない。
- 普通
- 案内放送では「各駅停車」と呼称されており、終日、電鉄出雲市駅 - 松江しんじ湖温泉駅間に運転されていて、平日朝方の下り2本を除いて全列車が川跡駅で大社線の列車と接続する。また、出庫運用も兼ねて最終列車は雲州平田駅止まりとなっている他、平日には大社線に直通して電鉄出雲市駅発出雲大社前駅行き、出雲大社前駅発松江しんじ湖温泉駅行きが各1本ずつ運転される。
[編集] 過去の列車種別
- 特急(初代・2代目)
- 初代特急は電鉄出雲市駅の開設と同時に登場し、1964年から1973年まで運転されていた。停車駅は電鉄出雲市駅、川跡駅、平田市駅(現・雲州平田駅)、北松江駅(現・松江しんじ湖温泉駅)で、一部座席指定となっていた[4]。
- 2代目は1995年10月1日から1996年9月30日までの間、平日の朝に電鉄出雲市駅から松江温泉駅(現・松江しんじ湖温泉駅)に1本のみ運転され、指定席の設定はなかった[5]。
- 準急
- 1959年頃に撮影された写真に、「準急」のヘッドマークを掲げた電車が確認されている。1961年頃の時刻表では片道1日2本の準急が運転されていたが、1964年の時刻表では姿を消した[6]。
[編集] 使用車両
「一畑電車#車両」を参照
[編集] 歴史
北松江線は、電気技師才賀藤吉が、出雲今市(現・出雲市)と一畑薬師とを結ぶ軽便鉄道路線を計画したのが始まりで、当初は出雲今市と出雲大社とを結ぶ路線を計画していたものが、国鉄も同区間に路線(後の大社線)を敷設することを計画していたために目的地を変更したものである。1912年6月には才賀商会と一畑薬師が中心となって一畑軽便鉄道が設立された。ただし、才賀商会は程なくして倒産してしまっている。当初は762mm軌間の路線を予定していたが、院線(国鉄線)との連絡を考慮し、1,067mm軌間での建設に改められた。また用地買収を進める段階で平田市の市街地の南を通すか北を通すかで意見が分かれ、結局前者が採用された。こうして雲州平田までの部分開業を経て、1915年に一畑口までの非電化路線が開業し、小境灘(現・一畑口)で松江行の汽船と連絡を図った。
1923年には、小境灘から分岐する路線と、大社方面に分岐する路線の新設が決議される。当初はこの延伸区間も非電化路線とする予定であったが、新規開業路線は電化された鉄道が主流となりつつあった当時の時勢を考慮して、全線の電化を決定。社名も一畑電気鉄道と改められた(現在一畑電気鉄道は一畑グループを総括する持株会社の名称となっている)。松江方面の開業に先駆けて1927年10月に既存路線が電化され、松江方面も難工事の末、翌年4月に開業、現在の北松江線の原型が形作られた。
1966年にはCTCが導入された。しかし、この前後から乗客は減少傾向を見せ始め、この年以降毎年赤字を繰り返すようになった。1972年には全線廃止の意向を明らかにしたが、地元の反対で今日まで営業努力が継続されている。
[編集] 年表
- 1913年(大正2年)4月 起工。
- 1914年(大正3年)4月29日 出雲今市(現在の電鉄出雲市) - 雲州平田間開業。
- 1915年(大正4年)2月4日 雲州平田 - 一畑間開業。
- 1927年(昭和2年)10月1日 直流1500V電化。
- 1928年(昭和3年)4月5日 小境灘(現在の一畑口) - 北松江(現在の松江しんじ湖温泉)間開業。
- 1928年(昭和3年)9月15日 今市上町駅(現在の出雲科学館パークタウン前駅)開業。
- 1930年(昭和5年)1月17日 武志駅廃止[7]。
- 1930年(昭和5年)2月2日 大津町 - 旅伏間の鳶巣駅廃止[7]。川跡駅開業。
- 1931年(昭和6年)2月1日 大寺駅開業。
- 1931年(昭和6年)11月16日[7] 武志駅開業。
- 1941年(昭和16年)以降 今市上町駅を大和紡前駅に改称。
- 1944年(昭和19年)12月10日 小境灘 - 一畑間を営業休止。
- 1946年(昭和21年)以降 許曽志駅を古曽志駅に改称[7]。
- 1952年(昭和27年)1月15日 美談駅開業。
- 1952年(昭和27年)10月1日 小境灘駅を一畑口駅に改称。
- 1957年(昭和32年)4月1日 出雲今市駅を出雲市駅に改称。同年、北松江線は最高運転速度85km/hの認可を受ける。当時の地方私鉄としては非常な高速運転であった。
- 1960年(昭和35年)4月26日 休止中の一畑口 - 一畑間を廃止。
- 1964年(昭和39年)4月1日 出雲市ターミナルビルが完成、出雲市駅は国鉄線から分離し電鉄出雲市駅と改称。古曽志駅を移転し古江駅(現在の松江イングリッシュガーデン前駅)に改称[8]。古江 - 北松江間の浜佐陀駅廃止。同時に列車本数を増発、特急の運転開始。
- 1966年(昭和41年)10月1日 CTC使用開始。
- 1970年(昭和45年)10月1日 北松江駅を松江温泉駅、雲州平田駅を平田市駅に改称。
- 1973年(昭和48年)3月16日 貨物輸送を廃止。
- 1973年(昭和48年)5月15日 特急の運転を廃止。
- 1988年(昭和63年)4月1日 朝日ヶ丘駅開業。
- 1995年(平成7年)10月1日 湖遊館新駅駅開業。ワンマン運転開始。特急を再度設定。
- 1996年(平成8年)10月1日 特急運転取りやめ。
- 1997年(平成9年)2月20日 この日のダイヤ改正をもって北松江線の近代化が完了[1]。
- 2001年(平成13年)4月2日 古江駅をルイス・C.ティファニー庭園美術館前駅に改称。
- 2001年(平成13年)7月23日 松江フォーゲルパーク駅開業。
- 2002年(平成14年)4月1日 松江温泉駅を松江しんじ湖温泉駅に改称。
- 2002年(平成14年)7月20日 大和紡前駅を出雲科学館パークタウン前駅に改称。
- 2004年(平成16年)3月15日 特急「スーパーライナー」運転開始。この時点では2両編成での運転。
- 2005年(平成17年)3月22日 平田市駅を雲州平田駅に改称。
- 2006年(平成16年)3月13日 特急「スーパーライナー」は、この日から4両編成での運転となる[9]。
- 2006年(平成18年)4月1日 一畑電気鉄道の持株会社移行に伴い、新設の一畑電車株式会社が鉄道事業を承継。
- 2006年(平成18年)7月17日 梅雨末期の豪雨により発生した土砂崩れにより長江駅付近で2両編成の列車が脱線[10]。
- 2007年(平成19年)5月21日 ルイス・C.ティファニー庭園美術館前駅を松江イングリッシュガーデン前駅に改称。
- 2009年(平成21年)8月27日 朝日ヶ丘 - 松江イングリッシュガーデン前間で電車脱線。乗客1名軽傷[11]。
- 2009年(平成21年)11月30日 一畑口 - 伊野灘間で工事列車の電車と貨車とを繋ぐ連結器が外れて貨車が置き去りとなり、長時間不通となる事故が発生。その後、この工事列車を運行する際に、国土交通省令で定められた線路閉鎖を行っておらず、しかも30年以上に亘り同様な状態が続いていたことも判明[12][13]。
- 2010年(平成22年)12月12日 並行する国道431号の拡幅工事に伴う線路移設工事の完了に伴い、松江イングリッシュガーデン前 - 松江しんじ湖温泉間で線路切り替え[14]。
[編集] 駅一覧
全駅島根県に所在。
- 凡例
- ●:停車、|:通過
- 普通列車は各駅に停車するため省略
| 駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 急行 | 急行出雲大社号 | 特急 | 接続路線 | 所在地 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 電鉄出雲市駅 | - | 0.0 | ● | 大社線直通 | ● | 西日本旅客鉄道:山陰本線(出雲市駅) | 出雲市 |
| 出雲科学館パークタウン前駅 | 0.8 | 0.8 | ● | | | |||
| 大津町駅 | 1.2 | 2.0 | ● | ● | |||
| 武志駅 | 2.1 | 4.1 | | | | | |||
| 川跡駅 | 0.8 | 4.9 | ● | ● | ● | 一畑電車:大社線 | |
| 大寺駅 | 1.5 | 6.4 | | | | | | | ||
| 美談駅 | 1.3 | 7.7 | | | | | | | ||
| 旅伏駅 | 1.3 | 9.0 | | | | | | | ||
| 雲州平田駅 | 1.9 | 10.9 | ● | ● | ● | ||
| 布崎駅 | 3.6 | 14.5 | ● | ● | | | ||
| 湖遊館新駅駅 | 0.7 | 15.2 | | | | | | | ||
| 園駅 | 0.7 | 15.9 | | | | | | | ||
| 一畑口駅 | 1.6 | 17.5 | ● | ● | ● | ||
| 伊野灘駅 | 1.9 | 19.4 | | | | | | | ||
| 津ノ森駅 | 1.8 | 21.2 | ● | ● | | | 松江市 | |
| 高ノ宮駅 | 1.3 | 22.5 | | | | | | | ||
| 松江フォーゲルパーク駅 | 1.3 | 23.8 | | | ● | | | ||
| 秋鹿町駅 | 1.2 | 25.0 | ● | ● | | | ||
| 長江駅 | 1.7 | 26.7 | | | | | | | ||
| 朝日ヶ丘駅 | 1.3 | 28.0 | ● | | | | | ||
| 松江イングリッシュガーデン前駅 | 1.6 | 29.6 | ● | ● | | | ||
| 松江しんじ湖温泉駅 | 4.3 | 33.9 | ● | ● | ● |
[編集] 過去の接続路線
- 電鉄出雲市駅(出雲市駅):
- 西日本旅客鉄道大社線 - 1990年4月1日廃止。
- 一畑電気鉄道立久恵線 - 1965年2月18日廃止。
[編集] 廃止区間
- 線路跡は島根県道23号斐川一畑大社線(一畑自動車道)になっている。
[編集] 脚注
- ^ a b 白川淳『全国保存鉄道IV 西日本編』、JTB、1998年、100頁。 ISBN 4-533-03097-1
- ^ イベント対応化改造の際にデハ52に改番
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』2007年6月号(通巻488号)p75
- ^ 当時は昼間時間帯の急行にも指定席が設けられていた。
- ^ 『消えた鉄道の記録 1985 - 2001』 新人物往来社、2001年、133頁。ISBN 978-4404027917
- ^ 一畑電車株式会社発行「BATADEN [特別展]一畑電車百年ものがたり」51頁
- ^ a b c d 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳 11号 中国四国』新潮社、2008年、p.48
- ^ 『日本鉄道旅行地図帳』では古曽志駅の廃止・古江駅の新設ではなく、古江駅を古曽志駅の移転・改称としている。
- ^ 一畑電車公式サイト内 “(お知らせ)3月13日より時刻改正”. 2010年11月4日閲覧。
- ^ 一畑電車株式会社北松江線秋鹿町駅〜長江駅間列車脱線事故 鉄道事故報告書 (PDF) - 航空・鉄道事故調査委員会、2007年12月21日。
- ^ 一畑電車が脱線、柱に衝突 松江、1人けが - 共同通信、2009年8月27日。
- ^ 鉄道トラブル:一畑電車、工事列車連結器故障で一時不通 /島根[リンク切れ] - 毎日新聞、2009年12月2日。
- ^ 法令違反30年、線路閉鎖せず貨車…島根・一畑電車[リンク切れ] - 読売新聞、2009年12月17日。
- ^ 一畑電車公式サイト内 “線路移設工事完了に伴う新線切替工事ドキュメント”. 2010年12月19日閲覧。
[編集] 参考文献
- 根宜康広『一畑電車がゆく 【松江〜出雲】神々の棲まう里を旅する』 今井書店、1999年。ISBN 4-89678-040-X
- 寺田裕一『日本のローカル私鉄2000』、ネコ・パブリッシング、2000年。ISBN 4-87366-207-9
- 『鉄道ピクトリアル』 電気車研究会 1968年7月増刊号(通巻212号)私鉄車両めぐり第9分冊 p.86 - 95