佐世保線

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JR九州 佐世保線
佐世保線の特急「みどり」
佐世保線の特急「みどり
佐世保線の路線図
路線総延長 48.8 km
軌間 1067 mm
電圧 20000 V・60Hz
架空電車線方式交流
最高速度 95 km/h

佐世保線(させぼせん)は、佐賀県杵島郡江北町肥前山口駅から長崎県佐世保市佐世保駅に至る九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線幹線)である。

目次

[編集] 概要

肥前山口駅で長崎本線から分岐し、長崎県北部の佐世保駅まで伸びる路線。佐世保市と佐賀市福岡市を結ぶルートの一部となっており、山陽新幹線に接続する福岡市の鹿児島本線博多駅から、佐世保駅や大村線ハウステンボス駅へ直通する特急列車が走っている。

ほとんどの区間で国道34号国道35号と並走している。また、肥前山口方面と佐世保方面とを行き来する列車は早岐駅で構内配線の都合上スイッチバックする。

佐賀平野や早岐駅周辺は軟弱地帯で、この区間は路盤が非常に悪いために単線用の架線柱の多くが、両側支持の門型の物になっている。

[編集] 路線データ

  • 管轄・路線距離(営業キロ):
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:14(起終点駅含む)
    • 佐世保線所属駅に限定した場合、起点の肥前山口駅(長崎本線所属[1])が除外され、13駅となる。
  • 複線区間:なし(全線単線)
  • 電化区間:全線(交流20,000V・60Hz)
  • 閉塞方式:単線自動閉塞式
  • 運転指令所:博多総合指令センター
  • 最高速度:95km/h

肥前山口駅付近(起点から1.5km地点まで)はJR九州本社直轄、大町駅 - 佐世保駅間が同社長崎支社の管轄である。

[編集] 運行形態

[編集] 優等列車

昼行列車は、全区間に博多駅 - 佐世保駅間の特急「みどり」が1時間あたり1本運転される。(博多駅 - )肥前山口駅 - 早岐駅間で博多 - ハウステンボス駅間の特急「ハウステンボス」を併結する場合もある。1999年(平成11年)3月13日から(長崎 - 大村線経由 - )早岐 - 佐世保間に特急「シーボルト」が運転されていたが、2003年(平成15年)3月15日に廃止されている。

戦後、1954年(昭和29年)に進駐軍専用列車「デキシー・リミテッド (Dixie Limited)」が日本に返還されて急行「西海」と改名のうえ東京 - 佐世保間を結んだのを皮切りに、東海道本線山陽本線から佐世保線へ直通する急行列車が多数設定された。その後、1964年(昭和39年)に大阪発着の急行「平戸」(のちに2代目西海に改名)、1965年(昭和40年)に東京発着の寝台特急「さくら」と新大阪発着のディーゼル特急「みどり」(のちにいそかぜを経てかもめに交代)、1967年(昭和42年)に新大阪発着の寝台特急「あかつき」がそれぞれ運行されたが、1975年(昭和50年)の新幹線博多開業や交通体系の変化により、1999年(平成11年)12月に「さくら」の佐世保発着編成が廃止。そして、2000年(平成12年)3月に「あかつき」の佐世保発着編成が廃止されたのを最後に、佐世保線から本州へ直通する定期優等列車は全廃された。

[編集] 地域輸送

全線を運転する列車のほか、肥前山口駅 - 早岐駅間・早岐駅 - 佐世保駅間の区間列車や長崎本線鳥栖駅まで直通する列車がある。原則、全列車各駅に停車する。朝には早岐駅から鹿児島本線の門司港駅まで直通する列車や、夕方以降には山陽本線の下関駅から早岐駅まで直通する列車も設定されている。

肥前山口駅 - 早岐駅間は1時間あたり1本程度運転されている。有田駅 - 三河内駅間で佐賀県と長崎県との県境を越えるため乗客の入れ替わりが大きいが、長崎本線の肥前大浦駅 - 湯江駅間とは違い、本数が減ることはない。このため、青春18きっぷを使って長崎本線の肥前山口駅以東(鳥栖・佐賀方面)と諫早駅以西(長崎方面)を行き来する場合、時間によっては佐世保線と大村線を経由した方が早く目的地に着けることもある。

早岐駅 - 佐世保駅間には区間列車のほか、快速シーサイドライナー」などの大村線からの列車が乗り入れ、普通・快速列車が1時間あたり2 - 3本程度運転されている。普通列車を補完するため、シーサイドライナーも(ハウステンボス駅 - )早岐駅 - 佐世保駅間は各駅に停車する。

全線で車内収受式ワンマン運転を実施しているため、佐世保線内では主にワンマン運転対応の817系電車が使用されることが多く(早岐 - 佐世保間の区間列車は一部気動車でも運転される)、ラッシュ時など車掌が乗務する列車には813系電車や415系電車が使用されている。大村線から乗り入れる列車にはワンマン運転対応のキハ66・67系気動車やキハ200系気動車が使用されている。

2009年3月14日から、松浦鉄道直通運転列車の運行が再開された。2011年3月12日現在の運行区間は佐々駅→早岐駅間・早岐駅→伊万里駅間で、松浦鉄道の車両(MR-600形気動車)が使用されている。以前は松浦鉄道の列車が佐世保駅から早岐駅まで、JR大村線の快速「シーサイドライナー」の一部が佐世保駅から松浦鉄道佐々駅たびら平戸口駅まで直通運転していたが、2006年3月18日のダイヤ改正から中止されていた。JRの車両はキハ66・67系気動車が使用されていた。

有田陶器市の際には、福岡・熊本方面から臨時列車が運転される。この臨時列車には811系電車やキハ185系気動車など普段乗り入れない車両も使用される。

[編集] 貨物列車

貨物列車の運転は1996年に廃止されたが、有田駅はオフレールステーションとして存続しており、コンテナを積載したトラックが長崎本線の鍋島駅との間を結んでいる。

[編集] 使用車両

  • 電車
    • 783系(全線、特急みどり・ハウステンボス)
    • 787系(全線、特急みどり)
    • 415系(肥前山口 - 早岐間)
    • 813系(肥前山口 - 早岐間)
    • 817系(全線)
  • 気動車

[編集] 九州新幹線との関連

仮に、九州新幹線長崎ルート(西九州ルート)が開業すると、当線の肥前山口駅 - 武雄温泉駅間が組み込まれる。佐賀県の説明によると同区間は複線化・路盤強化が行われ最高速度が130km/hに引き上げられる。この対応にかかる費用はJR九州の試算によれば約120億円となり、国からの複線化補助金が約30億円、残り約90億円を佐賀県とJR九州で分担するとしており、佐賀県によれば県の負担は国とほぼ同額の「30億円プラスマイナスα」にしたい、とされている(ただし佐賀県とJR九州の費用分担の協議はまだ行われていない)。また、長崎県・佐賀県ならびにJR九州はこの区間の複線化を「整備新幹線扱い」にするよう国に要望するとしている。実現すれば佐賀県の負担は約22億円に軽減されるほか、JR九州は受益の範囲内で線路使用料を支払うことになり、両者にとって都合の良い案であるが、前例がないほか、国の財源がないため財務省のガードは固い模様。九州新幹線長崎ルート・武雄温泉 - 諫早間は2007年(平成19年)12月のいわゆる「三者合意」により江北町鹿島市長崎本線のJR九州からの経営分離への同意が不要とされ、2008年(平成20年)3月に国土交通大臣による着工認可が下り、4月に着工された。ただし佐世保線の区間の複線化工事の具体的な概要はまだ明らかにされていない(ただ、用地買収開始から工事完了までの期間は5年程度、という見解がJR九州から示されている、と佐賀県は説明している)。また、新幹線の区間に組み込まれることによりこの区間の列車本数が増加することにより踏切の閉鎖時間が増えることが予想されるため大町町からこの区間の高架化を求めるとの要望が出ているが、佐賀県は「高架化が必要なほどの道路交通量はない」として否定的見解を示している。

2010年4月5日に鉄道・運輸機構は肥前山口駅 - 武雄温泉駅間の複線化・路盤強化費用が約175億円となる、という試算結果を発表した。JR九州の試算と異なり、高橋駅 - 武雄温泉駅間については腹付線増ではなく新たに複線を新設するため費用が膨らんだ、としている。そのため、佐賀県の負担額は約47億円に増大することになるため、佐賀県知事の古川康は改めて同区間の複線化事業の早期着工と「整備新幹線扱い」の適用を求めた。 2011年12月26日に政府は長崎ルートの諫早駅 - 長崎駅間の新規着工並びに肥前山口駅 - 武雄温泉駅間の複線化事業を「整備新幹線扱い」にすることを決定した。これについて佐賀県知事の古川康は歓迎する見解を示した。 しかし、大町町長の武村弘正は町内に踏切が8か所あることで渋滞や事故の危険性、町内南北の往来に支障が出るとして改めて町内区間の高架化を求める意向を示した。

[編集] 歴史

佐世保線の大半は、九州鉄道が鳥栖と長崎を結ぶ幹線鉄道(長崎線)の一部として建設したもので、建設当初は早岐から分岐する支線区間のみが佐世保線であった。1907年に九州鉄道は鉄道国有法により買収、国有化され、1912年に鳥栖 - 早岐 - 長崎間が長崎本線、早岐 - 佐世保間が佐世保線となったが現在の長崎本線(有明線)のルートが開通した1934年に(旧)長崎本線の肥前山口 - 早岐間を分離・編入して現行の佐世保線となった。また、現在松浦鉄道西九州線の一部となっている旧国鉄松浦線の佐世保 - 北佐世保間も、当初は佐世保線として開業している。

  • 1895年(明治28年)5月5日 【開業】九州鉄道長崎線 佐賀 - 武雄 【駅新設】山口、北方、武雄 ※佐世保線関係分のみ
  • 1897年(明治30年)7月10日 【延伸開業】武雄 - 早岐 【駅新設】三間坂、有田、三河内、早岐
  • 1898年(明治31年)1月20日 【延伸開業】早岐 - 佐世保 【駅新設】佐世保
  • 1907年(明治40年)7月1日 【買収・国有化】九州鉄道→官設鉄道
  • 1909年(明治42年)5月1日 【駅名改称・貨物駅→一般駅】中樽→上有田
  • 1910年(明治43年)12月26日 【駅新設】日宇
  • 1913年(大正2年)3月1日 【駅名改称】山口→肥前山口
  • 1919年(大正8年)12月11日 【信号所新設】大町
  • 1922年(大正11年)4月1日 【信号所→信号場】大町
  • 1923年(大正12年)8月21日 【駅新設】高橋
  • 1928年(昭和3年)9月1日 【信号場→駅】大町
  • 1934年(昭和9年)12月1日 【区間編入】佐世保線 肥前山口 - 佐世保(長崎本線肥前山口 - 早岐間を編入)
  • 1935年(昭和10年)11月9日 【延伸開業】佐世保 - 北佐世保 【駅新設】北佐世保
  • 1942年(昭和17年)9月30日 【信号場新設】永尾、大塔
  • 1943年(昭和18年)8月30日 【区間分離】肥前山口 - 佐世保(佐世保 - 北佐世保間を分離し松浦線に編入)
  • 1945年(昭和20年)5月15日 【信号場→駅】大塔
  • 1949年(昭和24年)1月15日 【信号場→駅】永尾
  • 1975年(昭和50年)6月19日 【駅名改称】武雄→武雄温泉
  • 1976年(昭和51年)6月6日 【電化】肥前山口 - 佐世保
  • 1979年(昭和54年)3月30日 【信号場新設】西有田
  • 1985年(昭和60年)3月14日 【貨物営業廃止】早岐 - 佐世保
  • 1987年(昭和62年)4月1日 【承継】九州旅客鉄道(第1種)、日本貨物鉄道(第2種・肥前山口 - 有田) 【貨物営業廃止】有田 - 早岐
  • 1996年(平成8年)3月16日 【貨物列車廃止】肥前山口 - 有田
  • 2002年(平成14年)3月23日 【ワンマン運転開始】全線

[編集] 駅一覧

駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 所在地
肥前山口駅 - 0.0 九州旅客鉄道長崎本線鳥栖方面へ直通あり) 佐賀県 杵島郡江北町
大町駅 5.1 5.1   杵島郡大町町
北方駅 2.3 7.4   武雄市
高橋駅 4.0 11.4  
武雄温泉駅 2.3 13.7  
永尾駅 4.6 18.3  
三間坂駅 3.2 21.5  
上有田駅 4.2 25.7   西松浦郡
有田町
有田駅 2.5 28.2 松浦鉄道西九州線
西有田信号場 - 31.4  
三河内駅 7.5 35.7   長崎県
佐世保市
早岐駅 4.2 39.9 九州旅客鉄道:大村線(佐世保方面から直通あり)
大塔駅 2.7 42.6  
日宇駅 2.9 45.5  
佐世保駅 3.3 48.8 松浦鉄道:西九州線

[編集] 脚注

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  1. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年

[編集] 関連項目


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