熊本市交通局

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熊本市交通局
Kumamoto City Transportation Bureau
Kumamoto9705AB 1.jpg
種類 地方公営企業
略称 熊本市電、市電、
熊本市営バス、市営バス、市バス
本社所在地 日本の旗 日本
862-0971
熊本県熊本市中央区大江5丁目1番40号
設立 1921年11月16日
業種 陸運業
事業内容 乗合バス・貸切バス・路面電車
外部リンク www.kotsu-kumamoto.jp/
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熊本市交通局(くまもとしこうつうきょく)は、熊本県熊本市で公共交通事業を行う熊本市の地方公営企業の一つで、市電路面電車)と路線バスの運営を行っている。局庁舎は熊本市中央区大江5丁目に所在。

歴史[編集]

1956年ごろの熊本市電・バス路線図。徳王-大窪間は北部村を通過する

熊本市内の交通機関としては明治末期より大日本軌道が運行されていたが蒸気軌道のため評判はよくなかった。市民から電車の要望がでてくるようになり市当局では1917年(大正6年)に「電車期成会」を結成し、翌年には当時すでに電車が運行されている福岡、長崎、久留米、鹿児島の各都市へ視察団を派遣した。こうした結果をふまえ熊本市では大日本軌道と電車化についての交渉をすることとなった。大日本軌道側も電車化を受け入れたが結局実現はみることはなかった。そこで熊本市では審議の結果、電気会社の熊本電気に対し軌道事業の兼営を提案することになった[1]。交渉の結果熊本電気も条件付きで受け入れることになり1920年(大正9年)仮契約を結ぶことになった。しかしこの年の不況により計画は中断してしまう。その後熊本電気は新会社を設立し軌道事業を経営するという提案をした。熊本市もこれを了承し、1921年(大正10年)11月に軌道敷設特許状が下付されるのを待って熊本電車株式会社が設立された。ところがこのころから市民の間からは電車市営の要望が出されるようになる。1922年(大正11年)には新市長が誕生したことにより市営化の方針となり軌道特許敷設権は熊本市へ譲渡されることとなった[2]

熊本市では第一期工事として幹線と水前寺線を選定した。その建設費は起債によることとして1923年(大正12年)3月に許可を得た。そして5月から用地買収にとりかかった。幹線は熊本駅前を起点とする市の中心部を貫通する道路であるが道幅は狭く幅員を10間ないし12間に拡張することになった。幸い家屋移転は順調にすすみ10月には起工式を挙げ1924年(大正13年)8月1日に開通した。

第二期工事(春竹線、上熊本線、黒髪線(子飼橋線))については1926年(大正15年)6月16日に市議会において可決され、工事施工及び起債発行の申請が1927年(昭和2年)4月及び7月に認可となったため1928年(昭和3年)より用地買収、工事にかかり1928年(昭和3年)12月に黒髪線が開通し、1929年(昭和4年)6月に春竹線辛島町 - 春竹駅前間および上熊本線辛島町 - 段山町間が開通した。上熊本線段山町 - 上熊本駅前間は藤崎台にある陸軍練兵場の堀鑿や井芹川の改修工事、耕地整理事業の関係で着工が遅れていた、市では1935年(昭和10年)3月の熊本大博覧会の開催までには開通するべく昼夜工事を敢行し博覧会開催の前日の1935年(昭和10年)3月24日に開通することができた。

熊本市内には熊本市のほか、熊本電気軌道が運営する路面電車路線もあったが、1945年に熊本市は熊本電気軌道を買収した。

年表[編集]

大正期の熊本駅前と熊本市電
軌道緑化された通町筋電停の市電と熊本城
  • 1921年(大正10年)11月14日 熊本電車に対し軌道特許状下付[3]
  • 1921年(大正10年)11月16日 熊本電車株式会社を設立。
  • 1923年(大正12年)4月13日 熊本電車は予定線の特許などの全権利義務を熊本市へ譲渡し[4]、のちに解散。
  • 1924年(大正13年)8月1日 幹線熊本駅前 - 浄行寺町間および水前寺線水道町 - 水前寺間が開通。当初の事業者は熊本市電車部。
  • 1926年(大正15年)5月11日 水道部と統合し電気水道局に改組。
  • 1927年(昭和2年)11月23日 バス事業開始。当時熊本市外の健軍村龍田村への乗り入れも行われた。[5]
  • 1928年(昭和3年)
    • 6月21日 水道局が分離し電気局に改組。
    • 12月26日 黒髪線浄行寺町 - 子飼橋間が開通。
  • 1929年(昭和4年)6月20日 春竹線辛島町 - 春竹駅前(のちの南熊本駅前)間および上熊本線辛島町 - 段山町間が開通。
  • 1932年(昭和7年)12月28日 電気局局舎を大江町九品寺(現在地)に移転。
  • 1935年(昭和10年)3月24日 上熊本線段山町 - 上熊本駅前間が開通。
  • 1937年(昭和12年)2月9日 軌道特許失効(1921年11月14日特許 熊本市東坪井町-同市池田町間、同市薬園町-同市黒髪町間、同市水道町-同市新鍛冶町間、指定ノ期限マテニ施工認可申請為ササルタメ)[6]
  • 1944年(昭和19年)6月1日 熊本市電気局を熊本市交通局に改称。
  • 1945年(昭和20年)12月1日 熊本電気軌道を買収し、同社が保有していた百貫線田崎 - 百貫石間および川尻線河原町 - 川尻間を交通局の管理下に置く(百貫線は休止中のまま買収し、そのまま再開せず)。
  • 1954年(昭和29年)10月1日 坪井線藤崎宮前 - 上熊本駅前間が開通。
  • 1959年(昭和34年)
    • 8月1日 局舎を建替。
    • 12月24日 田崎線熊本駅前 - 田崎橋間が開通。
  • 1965年(昭和40年)
  • 1970年(昭和45年)5月1日 坪井線および春竹線を廃止。
  • 1972年(昭和47年)3月1日 幹線水道町 - 浄行寺町間および黒髪線を廃止。
  • 1979年(昭和54年)
    • 5月3日 貸切バス事業を休止(廃止は同年8月1日)。
    • 12月14日 上熊本線の存続を議決。
  • 1982年(昭和57年)8月2日 日本全国初のVVVFインバータ方式軽快電車8200形運行開始。
  • 1983年(昭和58年)7月24日 8200形電車がローレル賞受賞。
  • 1988年(昭和63年)12月18日 国際交流電車サンアントニオ号(8801)命名式。
  • 1989年(平成元年)7月29日 国際交流電車桂林号(8802)命名式。市政100周年記念運行(1353)。
  • 1992年(平成4年)
    • 8月1日 火の国祭り出発式の中で戦後初の女性運転士登場(1名)。
    • 9月14日 国際交流電車ハイデルベルク号(9201)命名式。
  • 1993年(平成5年)9月23日 レトロ調電車101の登場。
  • 1996年(平成8年)7月13日 貸切事業免許を再取得し熊本競輪の無料バス輸送を開始。
  • 1997年(平成9年)8月1日 超底床電車9700形運行開始式。
  • 1998年(平成10年)4月17日 9700形が第19回国際交通安全学会賞受賞。ローレル賞受賞。
  • 2002年(平成14年)9月30日 車庫・検査設備を上熊本駅前へ移転(局舎は移転せず)。
  • 2005年(平成17年)10月1日 市電全線130円均一運賃の試行(同年10月31日まで)。
  • 2006年(平成18年)
    • 7月1日からの夏季3か月間にビール電車「ビアガー電」運行開始。
    • 10月1日 市電全線150円均一運賃の試行(同年12月31日まで)。
  • 2007年(平成19年)
    • 10月12日 市電全線150円均一運賃の実施。
    • 12月15日 大江新局舎落成(2008年2月18日に移転)。
  • 2008年(平成20年)12月10日 イルミネーション電車運行開始。
  • 2009年(平成21年)4月1日 超低床電車0800形運行開始。
  • 2010年(平成22年)4月26日 田崎線をサイドリザベーション化。市電「緑のじゅうたん」サポーター制度開始[7]。市役所前 - 通町筋間を軌道緑化。
  • 2011年(平成23年)3月1日 市電運行系統名称の変更、運行系統の色分け、一部の電停名称の変更、電停のナンバリングを実施。通町筋 - 水道町間を軌道緑化。
  • 2014年(平成26年)3月28日 ICカード「でんでんnimoca」を導入、運用開始。交通系ICカード全国相互利用サービスにも加入[8][9]

熊本市電[編集]

熊本市電の路線図
緑化された線路を走る市電(二本木口電停付近)

現有路線[編集]

路線数は5本、運転系統は2系統ある。洗馬橋 - 新町間のみ専用軌道であり、ほかは全路線併用軌道となっている。軌間は全線1435mm(標準軌。廃止路線も1067mmの百貫線以外同じ)。田崎橋電停付近と健軍町電停付近(それぞれ100m弱)を除くほぼ全線が複線で、電化方式は直流600V。車庫は上熊本にあるが、以前車庫があった大江の交通局横にも留置線が少し残されている。

運転系統
  • A系統〈赤〉(田崎橋 - 熊本駅前 - 辛島町 - 水道町 - 水前寺公園 - 健軍町)
  • B系統〈青〉(上熊本駅前 - 辛島町 - 水道町 - 水前寺公園 - 健軍町)

A系統・B系統それぞれ全線通しての運転が主だが、熊本駅発着や交通局前発着の便もある(ただし、健軍町方面に向かう便は味噌天神前発となる)。そのほか、便数は少ないが健軍交番前発、神水・市民病院前発着、辛島町発着も設定されている。

JR線とは熊本駅上熊本駅新水前寺駅で乗り換えが可能。上熊本駅では熊本電気鉄道とも乗り換え可能。

2011年3月1日に、運転系統名や電停名などの改称など、以下の変更が実施された。

  • 現存する「2系統」と「3系統」の運転系統をそれぞれ「A系統」「B系統」へ改称し、A系統を赤、B系統を青とするラインカラーを制定する。
  • 電停のナンバリングを実施。
    • A系統(元の2系統)は、田崎橋を1番とし、26番の健軍町まで数字のみの番号を振る。
    • B系統(元の3系統)は、上熊本駅前をB1番とし、B9番の西辛島町まで "B" を頭に付けた番号とする。辛島町から健軍町まではA系統と同じ番号(8番から26番)。
  • 6か所の電停を改称。
    • 熊本城前 → 花畑町
    • 市役所前 → 熊本城・市役所前
    • 動植物園前 → 動植物園入口
    • 神水橋 → 神水・市民病院前
    • 水前寺駅通 → 新水前寺駅前
    • 本妙寺前 → 本妙寺入口

廃止路線[編集]

廃止系統(運行区間は廃止時点のもの)
  • 1系統(田崎橋 - 熊本駅前 - 辛島町 - 水道町 - 子飼橋)
  • 4系統(上熊本駅前 - 藤崎宮前 - 水道町 - 体育館前)
  • 5系統(交通局前 - 水道町 - 辛島町 - 南熊本駅前)
  • 6系統(交通局前 - 水道町 - 辛島町 - 南熊本駅前)
  • 7系統(河原町 - 川尻町)

なお、5系統廃止段階では、6系統は段山町 - 辛島町 - 南熊本駅前の路線であった。その後、上熊本駅前まで延伸された後、辛島町 - 南熊本駅前となり、最後は5系統と同じ路線となった。

未成線[編集]

熊本市は以下の区間の特許も保有していたが1937年に失効している[6][10]

  • 東坪井町 - 池田町
  • 黒髪町 - 薬園町
  • 水道町 - 新鍛治屋町

計画路線[編集]

熊本市運輸局では2002年1月に市電網拡大についての路線10案を発表した。この中には、熊本港熊本空港方面への延伸、熊本電鉄との接続が含まれていた。

健軍町方面延伸案[編集]

2004年1月の熊本日日新聞において、熊本市が策定中の江津湖観光活性化計画の一環として、市電の延伸を検討していると報じられた。この計画は2002年の路線10案には含まれていない。総事業費は約10億円。報道によれば、2007年度の着工、2008年度中の開業を考えているなど、最も実現性の高い計画であった。概要は以下のようなものである。

  • 健軍線動植物園入口電停から分岐し、熊本市東区庄口公園の東側に単線を敷設、動植物園正門まで800メートル延伸する。
  • 公園の南側と終点の動植物園正門前の2箇所に交換設備つき電停を設置する。
  • 動植物園の第一駐車場(330台収容)はパークアンドライド駐車場として活用する。
  • 公園北側には現在の大江車両基地に代わる12両収容の車庫を設ける。

続いて同年9月には、路線10案の中にある健軍町から東部への延伸と自衛隊方面の新設の2案が追加された。こちらの事業費は60億から70億円と見込まれたが、市有地が少ないため、道路拡幅による用地取得が鍵となっている。

しかし、庄口公園方面の延伸については、同年度の予算によって調査をした結果、採算性が見込めないことと、湖の水質に悪影響を与える可能性があることから、12月に計画の中止を発表した。自衛隊方面延伸についても、その後の進展は無い。しかし、益城方面への延伸については調査が開始された。

熊本電鉄接続案[編集]

一方、熊本電気鉄道は2004年7月に藤崎宮前駅と市電の接続計画を発表した。電鉄全線を市電に合わせて改軌した上でLRT化、国道3号バスレーンに軌道を敷設して市電に接続、熊本駅方面へ直通させるもの。総事業費は100億円以上と見込まれ、電鉄では負担しきれないことから、公的支援を要請した。また、受け入れられない場合は2008年3月に鉄道事業を廃止するとして、自治体側を強く牽制していた。

電鉄は2005年10月に計画を市に譲り渡し、その後熊本市は熊本県と合志市と共同で、電鉄案(電鉄から熊本市に譲渡した)のほかにも、市電を藤崎宮前まで延長して電鉄と同一ホーム乗り換えを行うという形も含めて検討することとし、委員会を設けて事業計画の策定を行うことを2007年3月に決定した。これを受けて熊本電鉄側では廃止案を撤回している。しかし、交通渋滞を引き起こす可能性があることや、採算性の問題などで、計画は一時凍結となった。その後、熊本県・熊本市・合志市は電鉄案のほか、市電の藤崎宮前までの延長と同一ホーム乗り換えという形も含め、都心結節計画検討委員会を設けて事業計画の策定を行い、2008年3月、鉄道を廃止して線路敷をバス専用道に転用し、連節バスガイドウェイバスを走らせる新バスシステム導入を軸に検討を進める方針を決めた。その後、同年6月に熊本電気鉄道が7カ年での経営再建計画を発表し、LRTなどの新規投資ができる環境にないことから、8月に検討委員会は計画検討の凍結を決定した。

現有車両[編集]

左は1200形、右は日本初の超低床車9700形 左は1200形、右は日本初の超低床車9700形
左は1200形、右は日本初の超低床車9700形

計45両

計2両

合計47両

過去の形式[編集]

170形(現・長崎電気軌道600形) 400形廃車体
170形(現・長崎電気軌道600形)
400形廃車体
  • 10形
  • 50形(初代)
  • 60形
  • 70形
  • 80形
  • 120形
  • 130形
  • 170形(→長崎電気軌道600形
  • 380形・390形・400形(もと大阪市電901形
  • 1000形(同上、ワンマンカー)
  • 1050形(旧150形、ワンマンカー)

車両数の変遷[編集]

1050形 1060形 1080形 1090形 1200形 1350形 5000形 8200形 8500形 8800形 9200形 9700形 0800形 計(冷房車)
1982 2 3 5 7 10 6 8 41(37)
1983 1 3 5 7 10 6 8 2 42(39)
1984 1 3 5 7 10 6 8 2 42(39)
1985 1 2 5 7 8 6 8 2 2 41(39)
1986 1 2 5 7 8 6 8 2 2 41(39)
1987 1 2 5 7 6 6 8 2 4 41(39)
1988 1 2 5 7 6 6 8 2 4 41(39)
1989-
1991
1 5 7 6 6 8 2 4 2 41(41)
1992 1 5 7 6 6 8 2 4 2 2 43(43)
1993 1 4 7 6 6 8 2 4 2 4 44(44)
1994 1 4 7 6 6 8 2 4 3 4 45(45)
1995-
1997
1 4 7 6 6 8 2 4 3 5 46(46)
1998 1 4 7 6 6 8 2 4 3 5 2 48(48)
1999 1 4 7 6 6 6 2 4 3 5 6 50(50)
2000 1 4 7 6 6 6 2 4 3 5 6 50(50)
2001-
2008
1 2 7 6 6 6 2 4 3 5 10 52(52)
2009 1 2 7 6 6 4 2 4 3 5 10 4 54(54)
2010 1 2 7 6 6 2 2 4 3 5 10 4 52(52)
2011 1 2 7 6 6 2 2 4 3 5 10 4 52(52)
  • 事業用車除く
  • 1982・83年は1月1日現在、84年以降は4月1日現在
  • 『私鉄車両編成表』各年版、ジェー・アール・アール

日本初[編集]

運賃[編集]

市電全線おとな150円、こども80円の均一運賃(2007年10月12日改定)。

2007年10月の改定までは、130円から200円までの距離制運賃であったが、利用者増加策の一環として分かりやすい運賃体系への統一や長距離利用者に対する値下げ、整理券の廃止による経費削減を狙って均一制運賃に改められた[12]。これに伴い、整理券が廃止されたため、乗車口に設置されていた整理券発行機とTO熊カードを読み取るカードリーダーにはカバーがかけられたが、現在はすべて撤去されている。

辛島町停留場で乗り換える際はのりかえ券が発行される。

2014年3月28日にはICカード「でんでんnimoca」を導入した。「でんでんnimoca」のほか、全国相互利用サービス対象ICカード(nimocaKitacaSuicaPASMOTOICAmanacaICOCAPiTaPaSUGOCAはやかけん)も利用できる。

他にも、「わくわく1dayパス」「わくわく2dayパス」という名称で、1日乗車券と2日乗車券が発売されている。適用範囲によって販売価格が異なる。2日乗車券は、連続する2日間でのみ有効である。市電全線のほか、市バス熊本電気鉄道の電車が利用でき、1日乗車券では適用範囲により熊本電気鉄道のバス・熊本都市バス九州産交バス産交バスも利用できる(市電以外の利用可能区間は適用範囲により異なる)。施設利用割引券が両方とも8枚付き、内容としては旅行者向けとなっている。

全線廃止計画[編集]

熊本市電は2014年現在5路線2系統が存続しているが、かつては全線を廃止する計画があった。熊本市電は1960年代頃から他都市の路面電車と同じく採算悪化に悩まされ、5路線2系統を残して廃止された。

さらに残る5路線2系統についても1980年前後をめどに廃止し、代替としてモノレールを建設する構想もあったが、市民から存続を求める声が上がったことや、オイルショックによる車社会依存の見直し等により、熊本市議会により存続が決議された。

バス事業[編集]

熊本市営バス(ノンステップバス)
熊本市営バス(ワンステップバス)
熊本市営バス(一般車両)

現在は基本的に路線バスのみの運営となっており、熊本市内各地に路線を持つ。ただし、熊本競輪場への無料バスを運行しているため、貸切免許も保有する。熊本市外には路線を持っていない。

かつては各路線ごとに異なる動物のイラストを描いた路線番号板を車両前面に掲出していたが、1996年4月1日に系統番号の使用が開始されたため中止している。現在は、番号を表示せず単に動物のイラストを描いただけの板を前面に掲出している。

なお、熊本市営バスの路線では、SUNQパスが当初は利用できなかったものの2006年10月1日から利用できるようになった。また、同日から熊本城周遊バスの運行が九州産交バスへ移管された(さらに2011年10月1日から熊本都市バスに再移管)。

熊本市営バスでは、民間との競合路線の民間会社への移譲を進めている。2004年6月1日の川尻帯山線の交通センター以南を皮切りに、2008年4月1日までに、川尻(国道)線、池田大窪線(一部)、野口健軍線(一部)、御幸木部線、高平団地線、画図線、楠城西線(一部のぞく)の移譲が順次行われた。さらに、2009年4月1日より、本山車庫を、2011年4月1日より、上熊本営業所を「面的移譲」として、本山車庫、上熊本営業所に所属する路線をすべて民間三社が共同出資して設立した熊本都市バス株式会社に移譲された。

2012年4月1日より、小峯営業所が運行する帯山線・島崎保田窪線・熊本駅県庁線・熊本駅長嶺線(すべて)を熊本都市バスに譲渡。小峯営業所自体も1つの建物に当局と都市バスの2社局が同居する形となり、車庫も2社局で共有している。

2016年3月までに残る全路線を熊本都市バスに譲渡し、バス事業を廃止する方針が示されている。バス事業に従事する職員は他部門に転配する。

営業所[編集]

廃止[編集]

  • 本山車庫 - 熊本市中央区本山2丁目9番23号(2009年より熊本都市バスの本社・営業所)
  • 坪井営業所 - 熊本市中央区黒髪3丁目3番10号(2010年現在は同市の施設がある)
  • 上熊本営業所 - 熊本市西区上熊本3丁目15番61号(2011年より熊本都市バスの営業所)

車両概説[編集]

塗装は従来からのツーステップ車は緑色と白色のツートンカラー。ノンステップバスは黄緑色・白色・橙色の3色で前面窓下に赤帯を加えた塗装である。リフト付きバスとワンステップバスはこれに赤帯を加えた塗装を施していたが、ワンステップバスは熊本都市バスに譲渡され、リフト付きバスについても赤帯を外された後熊本都市バスに譲渡されて消滅した。

メーカーは国内大型4メーカー全社を使用している。1995年までは西日本車体工業製車体を架装した車両を中心に導入していたが、その後は車両のワンステップ・ノンステップ化により、純正車体での購入の割合が増えた。日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)のノンステップバスのみ西日本車体工業製の車体を架装した車両を一部導入している。需給の関係から近年の新車は中型車の導入が多かったこともあり、中型ロング車の導入は比較的遅めであった。また、ノンステップバスの購入開始と同時に並行して都営バスから中古車を購入したのを皮切りに、その後全国各社から中古車を購入[13]し、特に大型車の代替としていた。熊本都市バスへの移管を控えた2008年度以降は新車の導入が無くなった。

1997年10月からノンステップバスを投入している。九州では大分バスに次ぎ2番目のノンステップバス導入事業者となっている。

運賃表示器交通電業社製、整理券発行機と運賃箱小田原機器製(整理券発行機はSAN-V型、運賃箱はRX-SB型)が導入されている。

路線[編集]

2008年4月1日現在の路線名に基づいて記す(ただし、系統番号は1996年以降は熊本都市圏に乗り入れている他社と共通の「漢字1文字」と「数字」を組み合わせた番号を用いている、数字のみの番号は実質的には使われていない)。

熊本市営バス路線一覧
現存、廃止または民間移譲
旧番号 路線名 イラスト 備考 担当営業所
(臨時増発等のぞく)
1 (第1環状線) ゾウ 2009年4月に都市バスへ譲渡 本山
2 (第2環状線) ウシ 八王寺環状線と子飼渡瀬線に分割され廃止 小峯
3 (池田大窪線) ツバメ 2005年4月に大窪方面の系統を産交バスへ移譲。残った系統(池田京町線)も2011年4月に都市バスへ譲渡 上熊本
4 小峯京塚線 ライオン 小峯
5 (川尻帯山線) ハト 2004年6月に川尻町方面の系統を産交バス・熊本バスへ移譲。残った系統(帯山線)も2012年4月に都市バスへ譲渡 小峯・本山
6 (島崎保田窪線) シカ 2012年4月に都市バスへ譲渡 小峯・上熊本
7 (子飼長嶺線) イヌ 2006年1月に廃止 小峯・上熊本
8 (楠城西線) ワニ 2008年4月に蓮台寺・熊本駅交通センター - 竜田口駅楠団地武蔵塚駅の系統を産交バス・電鉄バスへ移譲。営業所からの出庫ダイヤだった上熊本駅→竜田口駅・楠団地・武蔵塚駅の系統は廃止。残った城西校 - 交通センターの系統は大江城西線へ、2010年4月に大江城西線も都市バスへ譲渡 上熊本・本山
9 (流通団地線) ウマ 2009年4月に都市バスへ譲渡 本山
10 (秋津健軍線) パンダ 旧・野口健軍線。2005年4月に春日校経由のアクアドーム系統を産交バスへ譲渡、2009年4月熊本駅・島団地経由のアクアドーム系統も都市バスへ譲渡、2013年4月残りの全線を都市バスへ譲渡 小峯
11 (御幸木部線) ワシ 2007年4月に熊本バスへ譲渡 本山
12 (花園柿原線) タヌキ 2011年4月に都市バスへ譲渡 上熊本
13 (川尻(国道)線) サル 2005年4月に産交バスへ移譲 本山
14 (画図線) トラ 2008年4月に熊本バスへ移譲 小峯
15 (池田健軍線) カンガルー 2011年4月に都市バスへ譲渡 小峯
16 (健軍長嶺線) リス 2013年4月に都市バスへ譲渡 小峯
17 (川尻土河原線) インコ 廃止 本山
18 (東町団地線) クジラ 2013年4月都市バスへ譲渡 小峯
19 (中央環状線) キリン 2009年4月に都市バスへ譲渡 本山
20 (昭和町線) ダチョウ 2011年4月に都市バスへ譲渡 小峯・上熊本
21 (高平団地線) ネズミ 2007年7月に電鉄バスへ移譲 上熊本
22 (熊本駅県庁線) ネコ 2012年4月に都市バスへ譲渡 小峯(本山担当は先に廃止)
23 (上熊本線) ペンギン 2011年4月に都市バスへ譲渡 小峯・上熊本
24 (長溝団地線) ウサギ 2009年4月に都市バスへ譲渡 本山
25 (上熊本車庫線) ニワトリ 共同運行時にはイラストなしになっていた。2010年4月に都市バスとの共同運行を開始し、2011年4月に全便移管 上熊本
26 (川尻県庁線) ミミズク 廃止 本山
27 (本山車庫線) (なし) イラストなし。2009年4月に都市バスへ譲渡 本山
28 (八王寺環状線) サイ 2009年4月に都市バスへ譲渡 本山
29 (子飼渡瀬線) ハクチョウ 2010年4月に都市バスへ譲渡。営業所から出入庫の交通センター - 小峯営業所の系統は廃止 小峯
30 熊本城周遊バス (なし) 2006年10月に民間移譲 上熊本・本山
31 (熊本駅長嶺線) イノシシ 2012年4月に都市バスへ譲渡 小峯
32 (渡鹿長嶺線) カメ 2014年4月に都市バスへ譲渡 小峯
(33) (大江城西線) (ワニ) 2010年4月に都市バスへ譲渡 上熊本

2014年現在、小峯京塚線(下記2路線)のみの運行となっている。

  • 西1/味4 蓮台寺 - 熊本駅前 - 交通センター - 水前寺駅前 - 競輪場前 - 京塚 - 新外 - 小峯営業所 - 小峯 - 西戸島 - 三山荘
    交通センター発や小峯営業所止めや小峯止めあり。また三山荘行きの一部は東部交流センターを経由する。
  • 味5/味4 熊本交通センター - 水前寺駅前 - 競輪場前 - 京塚 - 新外 - 小峯営業所 - 東稜高校
    西1/味5の蓮台寺 - 熊本駅前 - 熊本交通センター 経由東稜高校行きはなくなったので、味5/味4の交通センター発着のみになった。

関連項目[編集]

脚注・出典[編集]

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  1. ^ 「熊本の電車計画」『大阪朝日新聞』1918年5月24日(神戸大学新聞記事文庫)
  2. ^ 「愈熊本市電敷設 熊本電気買収契約成立」『大阪朝日新聞 九州版』1922年7月26日(神戸大学新聞記事文庫)
  3. ^ 「軌道特許状下付」『官報』1921年11月17日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ 3月26日許可「軌道特許敷設権譲渡」『官報』1923年3月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 『全国乗合自動車総覧』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  6. ^ a b 「軌道特許失効」『官報』1937年2月9日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ 市電緑のじゅうたんサポーター制度 熊本市役所ホームページ
  8. ^ 熊本市電ICカードの名称決定について - 熊本市交通局2013年10月28日
  9. ^ 熊本市電でnimocaがご利用いただけるようになります! (PDF, 株式会社ニモカ 2013年10月28日)
  10. ^ 森口誠之著『鉄道未成線を歩く私鉄編』JTB、2001年、p.175
  11. ^ 「日本鉄道賞表彰選考委員会 路面電車活性化賞」(平成23年10月14日)選考理由の中で、『道路中央にある軌道を歩道側に寄せる「軌道のサイドリザベーション化」を全国で初めて本格的に実施』と触れられているが、サイドリザベーションそのものを全国初としているわけではない。道路端に併用軌道を確保することは古くから例があり、名鉄美濃町線上芥見 - 白金 - 小屋名間の一部の併用軌道(『鉄道ピクトリアル』No. 688(2000-7臨時増刊号)p. 182)に同様な例が見られたほか、富山ライトレール富山港線富山駅北 - インテック本社前間の一部もサイドリザベーションとなっている(『鉄道ピクトリアル』No. 852(2011-8臨時増刊号)p. 187)。また、工事に伴う一時的な道路端への軌道移設は、岡山電気軌道清輝橋線でも行われたことがある(同誌No. 852 p. 220)
  12. ^ 熊本市電150円均一で収益アップ、半年で1380万円増 読売新聞熊本面 2008年5月10日
  13. ^ 主な譲受先は、東京都交通局京浜急行バス西武バス川崎鶴見臨港バス江ノ電バス船橋新京成バスである。

参考文献[編集]

  • 中村弘之「熊本市交通局」『私鉄車両めぐり特輯』1、鉄道図書刊行会、1977年
  • 『熊本県案内』大正14年(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  • 『熊本市史』昭和7年, 835872頁(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  • 大眉一末『熊本市政五十年史』、九州中央新聞社、昭和14年、309418438453516頁(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)

外部リンク[編集]