TOICA

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TOICA 表面(通常版)


TOICA(トイカ)は、東海旅客鉄道(JR東海)が提供する在来線のIC乗車券サービスの総称である。「tokai Ic CArd」(東海ICカード)の頭文字から命名され、2006年7月28日に同社によって商標登録されている。

2006年11月25日名古屋地区で初めて導入され、2008年4月8日に50万枚を突破し、2010年10月8日に100万枚を突破した[1]。2011年11月末現在は約121万枚に達している。

目次

[編集] 概要

自動改札機

旅客がカード財布や定期入れに入れたままでよい)を自動改札機読み取り部に軽く触れるだけで通過できる。あらかじめカードにチャージ(入金)しておくだけで、その都度乗車券の購入や乗り越し精算を行う必要がなく、財布などから定期券やカードを出す手間も省ける。

一方で、事業者側では利用促進の他、同一カードの利用履歴(記名式カードではさらに旅客属性)を集積できる他、乗車券の発売回数を減らし、券片を取り込む改札機の処理動作を省略できるなど、戦略的な情報収集やシステムの稼動・保守費用縮減の効果を期待している。

SuicaICOCAおよびSUGOCAと同様にソニー非接触型ICカード技術「FeliCa」を採用し、サイバネティクス協議会規格に拠っている。

2007年12月時点で、名古屋地区では乗客の約5割(定期券では約7割)がTOICAを利用している[2]

公式マスコットは大野真弓のイラストによる大小2羽の「ひよこ」で、正式名称並びに愛称はついていない[3]。この「ひよこ」は記念カードのデザインに起用された他、現在ではグッズが配布・販売されている。

カードの裏面の右下に記載の番号は「JC」で始まるが、この「JC」はJR東海の英語表記「JR Central」の頭文字を採ったものである。

[編集] 券種

区間のない前払い式普通券タイプの「TOICA(以下、本項では便宜的に「普通券タイプ」という)と、定期券機能を搭載した「TOICA定期券」の2種類があり、それぞれ大人用と小児用がある。大人用及び小児用のTOICA定期券と小児用TOICAは記名式で、定期区間内外を問わず記名された本人のみ利用できる。大人用のTOICAは無記名式のみで、記名式はなく、所持している人なら誰でも利用できる。

小児用TOICAは小学校卒業する年の3月31日が有効期限として設定され、それを経過すると利用できなくなる。この場合は身分証明書により本人(または代理人)である証明を行い、無手数料で払い戻しを受けることになる。

[編集] デポジット

カード発行時には、デポジットと呼ばれる500円の預託金を支払う必要があるが、カードを返却すれば無手数料で返金される。ただし、デポジットは運賃に充当できない。

入金した残高部分の払い戻し時には210円の手数料が必要だが、残高がそれ以下の場合、手数料はその残高が限度となり、返金額はデポジットのみの一律500円となる(最後の交換・乗車・支払い・入金・定期券更新から10年以内に限る)。

[編集] TOICA定期券への切り替え

TOICA定期券とTOICA(普通券タイプ)のカードは共通で(普通券タイプの記念TOICAを除く)、次の取り扱いもできる。いずれも手数料は無料で、入金残高もそのまま引き継がれる。

  • 定期券購入時に、すでに購入したTOICAを提出してそのままTOICA定期券に切り替える。
  • TOICA定期券の通用期間終了後にTOICA(普通券タイプ)に切り替える。

通常デザインのTOICAは券面印字文字の書き換え(リライト)機能を備えており、定期券購入時にはTOICA表面に定期券情報の印字が、普通券タイプへの切り替え時には定期券情報の消去がそれぞれ行われる。

[編集] TOICA定期券の紛失再発行

TOICA定期券(期限切れも含む)は紛失した場合でも再発行できる。

  • 紛失した場合、記名人に対して届出時点の入金残高を引き継いだ再発行を取り扱う。
    • この場合は記名人や購入時期・区間により紛失券の特定を行うが、あらかじめ裏面にある「JC〜」から始まるカード番号を控えておくと紛失カードをすばやく特定できるため役立つ。
  • 紛失により再発行する際に負担する金額は手数料の500円と新カードのデポジット500円の計1,000円。支払いは現金に限られる。
  • 紛失届出及び再発行カード受取の際には公的証明書の提示が必要。受け取りは届出の翌日以降、利用可能エリアの有人駅にて行う。
  • 後日紛失したTOICA定期券が発見された場合には旧カードのデポジットにあたる500円は返金されるが、新カードの受け取り前であっても再発行の取り消しはできず、再発行手数料は返金されない。

なお、期限切れのTOICA定期券の記名を抹消し、普通券タイプに切り替えるとこの手続きは受けられなくなる。また、TOICA(普通券タイプ)は小児用も含め、紛失時の再発行はできない。

[編集] デザイン

[編集] 通常版

銀色の地に水色の2色で、右下に「TOICA」のロゴがある。波状の塗り分け線は東海地方の海岸線(伊勢湾駿河湾)をモチーフにしている。

[編集] 記念TOICA

記念TOICAは普通券タイプのみで、後から定期券機能を付加することはできない。

サービス開始記念TOICA
2006年11月のサービス開始時に1万枚限定で発売された。意匠はTOICAのロゴタイプを並べ、ワンポイントとして「TOICA Debut!」の文を右下に配したものになっている。
券面に「ひよこ」は使われていないが、台紙には登場している。
1周年記念TOICA
TOICAのサービス開始から1周年となる2007年11月23日に2万枚限定で発売された[4]
「ひよこ」2羽とバースデーケーキをあしらっている。これまで「ひよこ」はパンフレットなどの販促物や駅構内での案内表示に多用されていたが、券面に登場したのは初めてとなった。ケーキには1周年記念らしく1本のろうそくが立っている。
静岡地区サービス開始記念TOICA
2008年3月1日静岡地区でTOICAサービスが開始されるのを記念して2万枚限定で発売された[5]
「ひよこ」と富士山を組み合わせたデザインである。
IC相互利用開始記念TOICA
2008年3月29日にSuica・ICOCAとの相互利用が開始されるのを記念して2万枚限定で発売された[6]
各ICカードの公式マスコットである「Suicaペンギン」・「カモノハシのイコちゃん」とTOICAの「ひよこ」(小)が手をつないで輪になっている図案は、三社の相互利用を喩えたもの。「TOICA」では「ひよこ」が正面を向いている。なお、「ひよこ」(大)は台紙に登場している。
同日に「Suica」及び「ICOCA」でも同様のデザインの記念カードが発売されたが、それぞれのカードのマスコットが正面を向いている。
静岡地区サービス開始1周年記念TOICA
2009年3月1日に静岡地区でのTOICAサービスが1周年となったのを記念して2万枚限定で発売された。
風船を持った「ひよこ」と富士山を組み合わせたデザインである。台紙にはオリジナルの携帯電話用覗き見防止フィルムが付属していた。
記念TOICA(2009年)
2009年7月4日5日金山総合駅20周年記念イベントで各日100枚、計200枚限定で発売されたのを皮切りにJR東海のイベントで限定発売されている。
TOICAを持った大小のひよこがデザインされている。
TOICA・SUGOCA・ICOCA IC乗車券・電子マネー相互利用開始記念TOICA
2011年3月5日にICOCAと共にSUGOCAとの相互利用が開始されるのを記念して1万枚限定で発売された。
各ICカードの公式マスコットである「カエルと時計」(SUGOCA)・「カモノハシのイコちゃん」(ICOCA)と、TOICAの「ひよこ」(大)が電車のボックスシートに向かい合って座っている図案は、三社の相互利用を喩えたもの。「TOICA」では「ひよこ」が左側に座っている。なお、「ひよこ」(小)は台紙に登場している。カードには車窓越しに富士山も描かれている。
同日に「SUGOCA」(車窓越しにJR博多シティ)及び「ICOCA」(車窓越しに大阪ステーションシティ)でも同様のデザインの記念カードが発売されたが、それぞれのカードのマスコットが左側に座っている。

[編集] 利用方法

[編集] 発売額

TOICA(普通券タイプ)
大人用(無記名式)と小児用(記名式)の2種類があり、発売額はどちらもデポジット込みで2,000円である。うち500円はデポジットで、購入時に1,500円分乗車できる。manacaなどと異なり、現在のところ鉄道・バス利用によるポイントの制度はない。
TOICA定期券
大人用・小児用とも取り扱い、新規で購入する場合は定期運賃にデポジットを加えた金額となる。継続購入時(またはすでに普通券タイプのTOICAを持っている場合)は手持ちのカードを書き換えて繰り返し利用できる。
定期券部分のみ、購入にクレジットカードが使える(自動券売機ではクレジットカードは利用できない)。ただし、新規購入にはクレジットカードは使用できない(デポジットは必ず現金での支払いとなる)。
あらかじめチャージすることで、TOICA(普通券タイプ)の機能を同時に利用できる他、定期券区間外となる乗車を下車駅の改札機で自動精算することなどができる。
定期券区間と定期券区間外に跨って乗車した場合、定期券を併用した場合と併用しない場合を比べて、安い方の運賃を下車駅の改札時に自動的に判定して精算する。
他鉄道事業者との連絡定期券としての利用はできない。連絡定期券や2枚以上の定期券(区間の分割購入など)を利用する場合は、従来通り磁気定期券を使用する必要がある。

[編集] 自動改札機

自動改札機の乗車券投入口の上にある読み取り部にTOICAをタッチすると、信号音(ピッという音)が鳴ると同時に自動改札機の扉が開き、通過できる(一部の駅には扉のない簡易型自動改札機が設置されている)。無人駅にもICカード専用の自動改札機(簡易TOICA改札機)が設置され、同様にタッチすることで扉のある自動改札機と同じように通過できる。

乗車時に初乗り運賃を前引きせず、降車駅で乗車した区間の運賃が一括して精算される。なおSF残額が0円でも入場できる[7]

扉のない改札機でタッチせずに入・出場すると、入退場記録が行われていないため、次回から利用できなくなる場合がある。

[編集] TOICA専用改札機

2007年秋に名古屋地区の主要駅でTOICA専用改札機が導入された。サービス開始から1年が経過してTOICA利用客が増加したことによるもので、同年9月20日穂積駅を皮切りに11月初旬までに順次設置された。「TOICA専用」と書かれているが、2008年3月29日以降は通常の自動改札機と同様に相互利用先のICカードやモバイルSuicaでも利用できる。

東芝製のICカード専用に設計された機種で、通常の改札機と区別しやすいように筐体を青色として改札機上部に案内ボード、改札機手前の床面に案内シートを掲出している(一部の駅では案内シートが剥がされている)。

TOICA専用改札機では券の搬送や磁気情報の読み書きなど磁気乗車券向けの機能・機構を省略しているため、導入や保守の更なるコスト低減が図られている。

2007年11月までに23駅・29か所に導入された(駅数と箇所数が異なるのは名古屋駅で5か所、千種駅と大曽根駅で各2か所導入されたため。)。2009年現在、導入している駅は次の通り(尾張一宮駅ではその後1か所追加されている。勝川駅は上り線高架化にあわせ1か所に新規設置。)。

[編集] チャージ

TOICAはいつでもチャージ(入金してSF残高の補充を行うこと)ができる。取り扱いはICカードに対応した自動券売機自動精算機・専用入金機及び有人窓口(新幹線乗り換え口を除く)となっており、千円単位で何度でも、1枚につき残高が2万円に達するまで可能。ただし、チャージは現金のみで、クレジットカードやオレンジカードでのチャージはできない。2008年3月29日以降は相互利用先のICカードにチャージすることもできるが、モバイルSuicaへのチャージはできない。

  • 乗り越し精算で残高が不足した際に不足額のみ支払う場合は、有人改札での取り扱いとなる。
  • 専用入金機でチャージする場合は、画面下のポケットにカードを投入し、紙幣を投入してから金額指定ボタンを押すとポケットがいったん閉まり、チャージが完了するとポケットが再び開く(履歴表示・印字の場合はポケットが閉まらない)。
  • 早朝・深夜帯に無人となる駅では、無人となる時間帯にチャージ及び履歴確認ができない。
  • 中津川駅など一部の「セントラルライナーの停車駅」にあるTOICAチャージ専用機には乗客が「セントラルライナーの乗車整理券の専用券売機」と間違わないように「セントラルライナーの乗車整理券の券売機ではありません」という旨が記された張り紙がある。
    • 例えば、中津川駅のセントラルライナーの乗車整理券の券売機は、改札外にある乗車券の券売機に統合されていて、改札内にはない。

[編集] 乗車券類の購入と乗り越し精算

TOICA取り扱い区間各駅のICカード対応自動券売機や自動精算機で、おおむねオレンジカードと同様に乗車券類や回数券・青空フリーパスなどの購入や乗り越し精算に利用できる。ただし、多くの駅では自動精算機がTOICAに対応した機種ではなく(別にチャージ専用機がある)、一部の駅(大高駅など)では自動券売機も対応していないため、このような場合には利用できない。

[編集] 履歴表示・印字

TOICAは、自動券売機・自動精算機・専用入金機で直近20件の乗車履歴の表示・印字を何回でも行うことができる。駅員に申し出れば最大で50件の印字もできる。ただし、利用日から26週間を超えると表示・印字できなくなる。

なお、相互利用エリアでの利用分は表示・印字などがされない場合がある。 表示・印字内容は利用日・利用種別・利用駅名(エリア外での印字であれば利用事業者)・残額である。利用事業者名の略称については下表の通りである。

駅名を含む詳細な履歴を求める場合は、SuicaエリアもしくはICOCAエリアでの印字が必要である。太字で表記した箇所に関しては、一部を除き駅名が表示される。―で表示した箇所に関しては、事業者名の表示がなく、駅名のみが印字される。

[編集] 失効

TOICAは交換・乗車・支払い・入金・定期券更新のいずれかが行われた直近の日から10年を経過した場合は失効し、SFの金銭的価値及びデポジット(預託金)にかかる権利も消滅する。

[編集] 使用可能なエリア

JR東海では次の路線・区間で利用できる(TOICAエリア)。

2010年3月13日から、TOICAエリア内の東海道新幹線三島 - 岐阜羽島間)に乗車する際、定期券区間内に新幹線停車駅が2駅以上含まれるTOICA定期券を使用して普通車自由席に乗車可能となった[8]。TOICA定期券用特急料金は、新幹線下車駅の自動改札機出場時にカード残額から精算される。

名古屋地区には大都市近郊区間の制度が存在しないが、TOICAを利用した場合は最短経路での計算となる。例えば、名古屋から美濃太田まで利用する場合、岐阜経由と多治見経由では乗車券では運賃が異なる(岐阜経由が1,110円であるのに対し、多治見経由は950円)が、TOICAではどちらを経由しても多治見経由として計算される。

[編集] 相互利用

相互利用関係(2011年11月11日現在、クリックで拡大)

2008年3月29日からSuica・ICOCAとの相互利用が開始され、新潟・仙台から岡山・広島に至る本州JR3社の各ICカードエリアで利用できるようになった。ただし、TOICAとSuica・ICOCA・SUGOCAの各エリア内で完結した利用に限られ、各エリア間を跨っての利用はできない[9]

例えば、TOICAエリアの駅でTOICAなどで入場し、SuicaエリアやICOCAエリアやSUGOCAエリアの駅ではそのまま出場できない。同様にSuicaエリアやICOCAエリアやSUGOCAエリアの駅からTOICAなどで入場し、TOICAエリアの駅で出場することもできない(かつての高山線・太多線の特例を除き、上記の図における灰色の線の部分を乗車すると出場できない。)。

熱海駅はSuicaエリアの駅であり、TOICAエリアの駅ではない。つまり、例えば同駅でSuicaやTOICAなどで入場すると、清水駅で出場することができない。米原駅(ICOCAエリア)でも同様となる。熱海 - 函南間、関ヶ原 - 米原間はどのICカードのエリアにも含まれないため、この区間を含む乗車の場合は磁気乗車券を事前に購入する必要がある。ICカード対応自動券売機のある駅ならばICカードのチャージ額からの購入はできる。

もし、各IC乗車券のエリア外まで乗り越した場合は、入場駅からの運賃を現金で精算して精算証明を受け、後日入場した事業者の窓口で入場記録の取り消しを受けなければならない。

また、グリーン車SuicaシステムはTOICAでも利用できるが、鉄道博物館の入退館システムは利用できない(ただし館内での買い物利用は可能)。なおSuicaエリア外に跨って利用する場合は事前に改札外で磁気グリーン券を購入する必要がある。

各エリアの詳細はSuica・ICOCA・SUGOCAを参照。

2011年3月5日より、九州旅客鉄道(JR九州)のSUGOCAとの間で乗車券・電子マネーの相互利用を開始(JR西日本のICOCAも同日よりSUGOCAとの相互利用を開始)。ただし、筑肥線唐津線姪浜駅 - 西唐津駅間は対象外となる[10]

さらに、2012年4月21日から、名古屋鉄道名鉄バス名古屋市交通局名古屋臨海高速鉄道名古屋ガイドウェイバス豊橋鉄道が2011年2月11日に導入したmanacaとの相互利用を実施することになった。乗車券機能の相互利用及びIC連絡定期券の発行が予定されている[11]。また、2013年春を目途に、電子マネー機能の相互利用も予定されている[12]

[編集] Suicaエリア

ジェイアールバス関東では使用不可

[編集] ICOCAエリア

[編集] SUGOCAエリア

東海道新幹線にはTOICAなどのSFを利用して乗車することはできず、別途乗車券と特急券を購入しなければならない。TOICAを使用して自動券売機で新幹線区間を含む乗車券を購入し、これに別途購入した特急券を追加して新幹線に乗車することはできる。

  • なお、Suica・ICOCAとの相互利用開始に合わせて、新幹線駅の乗り換え改札口では新幹線の磁気乗車券や東海道新幹線でのチケットレスサービス「EX-ICサービス」との連携により、ICカード乗車券で新幹線と在来線の乗り継ぎができるようになった(SUGOCAエリアの小倉駅・博多駅の両駅の新幹線乗り換え改札口での利用は、2011年3月12日から利用できるようなった)。
  • 前述の通り、2010年3月13日からTOICA定期券において並走する三島 - 岐阜羽島間に乗車する際に、定期区間内に新幹線停車駅が2駅以上含まれれば、普通車自由席に乗車できる(TOICA定期券用特急料金は、新幹線下車駅の自動改札機出場時にカード残額で精算される)。

[編集] モバイルSuicaにおけるTOICAとの相互利用

携帯電話でTOICAに相当する機能を利用できるサービスは2010年12月現在発表されていないが、JR東日本のモバイルSuicaを利用すれば、TOICAエリアで携帯電話を使ってJR線の乗降並びに電子マネーとしての利用が可能である。

モバイルSuicaは携帯電話のアプリケーションソフトであるため、日本のどこにいても申し込みやオンラインチャージができるが、TOICAエリア内の定期券は購入できず、SFのみ利用できる。また、自動券売機などが携帯電話機に対応していない他、Suicaエリアの外では現金でチャージできる箇所が限られる、などの制約がある。

[編集] 岐阜-多治見間に関する特例

2010年3月12日まで、「美濃太田経由・岐阜 - 多治見間」の経路はTOICAの適用区間ではなかったが、両端の駅がTOICAエリア内にあるため、運賃計算及びTOICAの効力上下記のような特例扱いとなっていた[14]

  • TOICA(普通券タイプ)で乗車する場合またはTOICA定期券のSF(入金残高)で定期券区間外を乗車する場合は、実際の乗車経路による運賃(または乗り越し運賃)に比べ「美濃太田経由・岐阜 - 多治見間(高山本線及び太多線)」を含む経路によって計算した運賃(同)の方が安くなる場合、運賃計算は美濃太田経由で行われた。
  • TOICA(普通券タイプとしての利用に限る)により岐阜以遠(木曽川西岐阜方面) - 多治見以遠(古虎渓・土岐市方面)を美濃太田経由の経路で乗車できた。
    • 途中下車禁止:この区間の途中駅では当時TOICAの取り扱いを行っていなかったため、TOICA対応駅からTOICAで乗車しこの区間の途中駅で改札を出る(または改札のない駅で下車する)場合は、乗車駅から改札を出る駅(改札のない駅で下車する場合はその駅)までの運賃を別途現金で支払わなければならなかった。
  • 岐阜 - 多治見間(美濃太田経由)を経路に含むTOICA定期券の発売は行われなかった。

2010年3月13日から、TOICA利用エリアが高山本線(岐阜 - 美濃太田間)及び太多線全線に拡大したことにより、上記の特例措置は廃止された。

[編集] 私鉄との乗り換え

乗り換え先の私鉄が磁気乗車券を導入している名古屋駅でのあおなみ線や、金山駅での名鉄線および大垣駅での養老鉄道線との連絡改札口でもTOICAなどが利用できる。名古屋駅ではあおなみ線、金山駅では名鉄線の磁気乗車券か「トランパス」のカードを先に投入口に入れてからTOICAなどをタッチする。2011年2月11日よりmanacaがあおなみ線や名鉄線に導入されたが、現在のところ両駅の連絡改札口ではJR線用のTOICAなどと、あおなみ線・名鉄線用のmanacaとのIC乗車カードの2枚同時使用はできない。このような乗り継ぎの場合は、一旦通常の改札口を出場し、改めて乗り換え先の通常の改札口から入場しなければならない。大垣駅ではあおなみ線や名鉄線と同様の形であるが、JR改札内に養老鉄道線の券売機がないため、定期乗車券や回数乗車券などをあらかじめ乗車している場合に限られる。

なお、導入当初は利用できなかった名古屋駅の近鉄名古屋線近鉄名古屋駅)との連絡改札口でも、近鉄のPiTaPa導入に合わせて2007年4月1日より利用可能になった。同改札口では、JR線用にはTOICA・Suica・SUGOCAのいずれか、近鉄線用にはPiTaPaまたはICOCAの、いずれかのカードを2枚重ねてタッチすることで乗り換えができる。ただし、SuicaとPiTaPaの組み合わせなど、一部利用できない組み合わせもある。

加えてICOCAに関しては、近鉄線用の乗車カードとしては認識されるが、JR用のカードとしては認識されないため、ICOCA単独では連絡改札口を通過できない。ICOCAだけでJR線と近鉄線を乗り継ぐ場合は、一旦通常の改札口を出場し、改めて乗り換え先の通常の改札口から入場しなければならない。

また、桑名駅の改札口は東口がJR東海、西口が近鉄の管理となっているが、いずれの自動改札機でもTOICAを使用することができる。ただし、TOICAとPiTaPaの相互利用は行われていないため、TOICA・Suica・SUGOCAで近鉄線を、PiTaPaでJR東海線を利用することはできない。加えて、JR東海線をICOCAで同駅まで利用した場合、同駅の西口(近鉄側)の自動改札機からは出場できないので、注意が必要である。

名鉄との乗り換え駅である豊橋駅弥富駅、愛知環状鉄道との乗り換え駅である岡崎駅高蔵寺駅、東海交通事業城北線との乗り換え駅である枇杷島駅、樽見鉄道との乗り換え駅である大垣駅、明知鉄道との乗り換え駅である恵那駅では改札内にICカードリーダーが設置されていないため、TOICAなどでJRを利用して乗り換える場合、一旦改札口を出てからの乗り換えとなる。

この他の私鉄や第三セクター鉄道との乗り換え改札口でもおおむねTOICAなどが利用できるが、三島駅の伊豆箱根鉄道線との乗り換え改札口ではICカード乗車券は利用できない。

[編集] TOICA電子マネー

TOICAは、2010年3月13日より電子マネーサービスを開始した[15]。開始時点では東海道新幹線の「のぞみ」停車駅や静岡駅浜松駅豊橋駅構内などの一部の店舗及び自動販売機の計585ヶ所に導入された[16]。併せて同日よりSuica及びICOCAの電子マネーサービスとの相互利用も開始され、首都圏や関西圏の一部の店舗でも利用が可能となった[17][18]

同年4月20日には、愛知・岐阜・三重・静岡の各県内のローソン店舗(約700店舗。三重・静岡両県では一部の店舗を除く。ただしSuica、ICOCAとの相互利用により3月13日からTOICA利用可能。)においてTOICA加盟による電子マネーサービスを開始した[19]。これにより、東海地区のローソン店舗においてもTOICAの他、Suica、ICOCAでも支払い・チャージが可能となった。なお、東海地方でTOICAが使える最初のコンビニはローソンではなくミニストップである。ミニストップでは元々東海地方においてもSuicaショッピングサービスに対応しており、3月13日からのTOICA電子マネーのサービス開始当初からSuicaとの相互利用という形で利用が可能になったものである。同時に利用開始となった加盟店には他に、以前からWAON・Suica・iDQUICPayの共用端末が設置されていたイオン系列のショッピングセンターの各テナントなどがある。

同年8月上旬からはデイリーヤマザキの愛知・岐阜・静岡の各県の全店舗及び長野・滋賀両県の一部店舗(三重県は出店していない。)でも順次利用可能となった[20]

2011年1月26日には、静岡・岐阜・三重各県のサークルKサンクス約810店舗に導入された[21](同社の愛知県の計1040店については、同年2月11日より名古屋鉄道や名古屋市交通局などが導入したmanacaが、同年3月7日より導入された。)。同年3月5日からは、JR九州のSUGOCAとの間でも電子マネーの相互利用を開始した。

さらに同年3月18日より、セブン-イレブンの東海地方の約1,100店舗で[22]、また同年3月29日より、ファミリーマートの愛知・岐阜・三重・静岡各県の一部・計118店でも、TOICA電子マネーが利用可能となった。いずれもTOICA電子マネーと相互利用可能な交通系電子マネーの導入地域でも利用可能である。

なお、manacaとの電子マネーの相互利用については、2013年度より開始する予定としている(manacaとSuicaの交通利用と電子マネーの相互利用も同時に開始する予定)。

JR東海は今後、ファストフードの全国チェーン店や再開発後の名古屋ターミナルビル(仮称・名古屋駅新ビル)などにもTOICA加盟店を広げる考えである[16]

一方で、TOICAエリア内においては、JR東日本などの主導でSuica加盟店が増えつつある。また、JR東海の関連会社である東海キヨスクでは、TOICA電子マネーの導入開始が遅れたこともあり、EdyやQUICPayに加え、首都圏の一部店舗ではSuicaショッピングサービスを、関西圏の一部店舗ではICOCA電子マネーを導入している。

TOICAエリア外の首都圏にある、東海道新幹線の東京品川新横浜の各駅内にあるTOICA加盟店では、Suica・ICOCA・SUGOCAについては利用可能であるが、PASMOKitacanimocaはやかけんは利用できないので注意が必要である。

JR東海は、クレジットカードの発行を自社で行っていない[23]。なお、セディナが発行する後継カードはTOICAチャージ対応を予定している[要出典]VIEW SuicaのようなオートチャージもしくはSMART ICOCAのようなクイックチャージに対応させる動きは2012年1月時点では見られない。

[編集] TOICAの将来

[編集] 相互利用の拡大

2012年4月21日から名古屋鉄道名鉄バス名古屋市交通局名古屋臨海高速鉄道名古屋ガイドウェイバス豊橋鉄道が2011年2月11日に導入したmanacaとの交通利用の相互利用の実施、およびIC連絡定期券の発行を開始する予定である。さらに電子マネーについては、2013年度に相互利用を開始する予定である(manacaとSuicaの交通利用と電子マネーの相互利用も同時に開始する)。

PASMO(関東地方の私鉄・地下鉄・バス)との相互利用は、相互利用に積極的な大手私鉄と、維持費の追加負担の増加や費用対効果の面から反対している中小私鉄・バス会社との対立があり、結論が先延ばしされていた[24]。ただし、東京地下鉄千代田線北千住 - 綾瀬間は常磐線の一部でもあるため、2008年3月29日以降はTOICAが利用可能である。

2011年5月18日、JR北海道Kitaca、首都圏の私鉄・路線バス・公営交通のPASMO、JR東日本のSuica、名古屋市交通局および名古屋鉄道のmanaca、JR東海のTOICA、スルッとKANSAIのPiTaPa、JR西日本のICOCA、福岡市交通局はやかけん西日本鉄道nimoca、JR九州のSUGOCAによる交通系ICカードの相互利用サービス(電子マネーサービスはPiTaPaを除く)について、2013年(平成25年)春に実施すると発表した[25]

[編集] 不祥事

  • 2010年初めに桑名駅においてJR東海の社員がTOICA等のICカードを利用して他社線の不正乗車を行っていたことが発覚し、さらに、その後の調査で他にも同様の事例があることが分かったため、関係した社員を処分するとともに他社に対して謝罪した[26]

[編集] 歴史

TOICAの初期導入区間
  • 2005年3月30日 - ICカード乗車券システムを2007年度までに導入することを発表。
  • 2006年2月16日 - ICカードの愛称を「TOICA」とすることを発表。
  • 2006年9月30日 - 10月29日 - 一般公募によるモニター試験を実施。初期導入エリアのうち、以下の路線・区間で行われた。約800名が参加し、普通券タイプのTOICAのみの利用だった。なお、同期間中にはJR東海と関連会社の社員によって、定期券を含むモニターテストも行われた。
  • 2006年11月20日 - 公式マスコットとして「ひよこ」を発表。
  • 2006年11月25日 - 名古屋地区の以下の4線区でサービス開始。記念TOICAも発売。
    • 東海道本線 二川 - 関ヶ原間
    • 中央本線 名古屋 - 中津川間
    • 関西本線 名古屋 - 四日市間
    • 武豊線 大府 - 武豊間
  • 2007年9月 - 11月 - 名古屋地区の主要駅にTOICA専用改札機を導入。
  • 2007年11月23日 - 1周年記念TOICA発売。
  • 2008年3月1日 - 東海道本線(函南 - 新所原間)でサービス開始、静岡地区にもTOICAエリアが拡大した。同日以降もTOICAエリアは単一であるため(静岡エリア・中京エリアといったSuicaやICOCAのようなエリア分割はない)、例えば在来線の函南 - 関ヶ原・中津川間をICカードで通して乗車することも可能[27]である。
  • 2008年3月29日 - Suica・ICOCAとの相互利用開始。EX-ICサービスなどと連携したICカードによる新幹線乗り継ぎサービスも同時に開始。
  • 2009年12月5日 - TOICA機能付きEX-ICカードの発行受け付け開始[28]
  • 2010年3月13日 - TOICA電子マネーを開始。高山線太多線飯田線御殿場線身延線等の33駅へ利用エリア拡大[15]、TOICA定期券で併走する東海道新幹線(三島 - 岐阜羽島)に乗車する際、チャージ金額があれば特急料金を自動収受して乗車可能となる[15]。同時にSuicaおよびICOCAの電子マネーサービスとの相互利用を開始[17]
  • 2010年10月8日 - 発行枚数が100万枚を突破[1]
  • 2011年1月26日 - 静岡・三重・岐阜の各県のサークルK及びサンクスで電子マネーの利用開始[21]
  • 2011年3月5日:JR九州のSUGOCAと、乗車券・電子マネーの相互利用を開始。
  • 2011年3月18日: - セブン-イレブンで電子マネーの利用開始[22]
  • 2011年3月29日: - ファミリーマートで電子マネーの利用開始
  • 2011年5月23日: - ヤマト運輸直営店およびセールスドライバーのモバイル端末にて利用開始。[29]

[編集] 脚注

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  1. ^ a b 「TOICA」の発行枚数が100万枚を突破しました!!- JR東海ニュースリリース 2010年10月12日付
  2. ^ 定例社長会見(平成19年12月・名古屋) - JR東海ニュースリリース 2007年12月17日付
  3. ^ 2010年9月4日から11月7日まで開かれた「名古屋開府400年記念 名古屋市営地下鉄 JR東海 スタンプラリー」において、名古屋開府400年PRキャラ「はち丸」・名古屋市交通局のキャラクター「ハッチー」と一緒に登場したものの、その際の名称で「ひよこ」と紹介されたため、「ひよこ」が当該キャラの名称ではないという訂正用紙も一緒に配布されている。
  4. ^ 「TOICA」1周年記念カードの発売について - JR東海ニュースリリース 2007年10月17日付
  5. ^ TOICAサービスの静岡地区での開始について - JR東海ニュースリリース 2007年12月17日付
  6. ^ ICサービスで都市間の移動がさらに便利に! - JR東海ニュースリリース 2007年12月21日付
  7. ^ Suicaエリアでは入場駅が属する事業者の初乗り運賃に満たない場合、ICOCAエリアでは残額が0円の場合、SUGOCAエリアでは残額が10円未満の場合は入場できない。
  8. ^ 新幹線定期券であるFREX・FREXパルはこれまで通り磁気券での発行である。
  9. ^ 熱海や米原まではJR東海の路線ですが、沼津~熱海や大垣~米原のようにJR東海の路線内で完結する乗車ならできますか?
  10. ^ TOICA・ICOCA⇔SUGOCAの相互利用サービスを平成23年3月に開始します - JR東海 ニュースリリース 2010年12月13日付
  11. ^ TOICAとmanaca(マナカ)の乗車券機能の相互利用サービスを平成24年4月21日(土)に開始します (PDF) - JR東海ニュースリリース 2011年12月22日付
  12. ^ IC乗車券の相互利用サービスの実施について -IC乗車券電子マネー機能の相互利用を実施します- - JR東海 ニュースリリース 2010年8月11日付
  13. ^ 開始当初は自動改札機がTOICAに対応していないため、改札窓口で入・出場処理を行っていたが、2009年3月14日より自動改札機での入出場が可能となった。
  14. ^ この特例は、TOICAで入場し普通券タイプとして利用した(乗車にあたり運賃をSFで支払った)場合にのみ適用される。TOICA適用区間である名古屋付近のJR線には東京・大阪・福岡・新潟のような「大都市近郊区間制度」がないため、普通乗車券を購入する場合など通常の運賃計算は実際の乗車経路により行われる。
  15. ^ a b c 平成22年3月 TOICAがますます便利になります!! - JR東海 ニュースリリース 2009年12月21日付
  16. ^ a b JR東海「トイカ加盟は585」 駅飲食店や自販機、中日新聞、2010年2月16日
  17. ^ a b 平成22年3月13日(土)「Suica」「TOICA」「ICOCA」の電子マネー相互利用をスタート! - JR東海 ニュースリリース 2009年12月21日付
  18. ^ TOICA券面には、サービス開始時に現行のカードをそのまま利用できるよう、諸法令に定める要件を具備させる文言(「このカードはTOICAの表示または当社が別に定めた表示のある店舗等においてもご利用いただけます。」)が券面に盛り込まれている。
  19. ^ Kitaca、TOICA、SUGOCA、4月20日から順次取扱開始!北海道、東海、九州各エリアのローソン店舗で交通系電子マネーサービス開始! - JR東海ニュースリリース 2010年4月6日付
  20. ^ 東海地区のデイリーヤマザキ 約180店舗へ TOICA電子マネーを導入! - JR東海ニュースリリース 2010年6月30日付
  21. ^ a b 静岡・岐阜・三重のサークルKとサンクスで1月26日よりTOICAスタート - JR東海ニュースリリース 2011年1月11日付
  22. ^ a b 来春よりセブン-イレブン全店で交通系電子マネーが利用可能に - JR東海ニュースリリース 2010年8月17日付
  23. ^ 免許・許可・登録等を受けている業者一覧金融庁。なお、前払式支払手段(第三者型)発行者には登録されている。
  24. ^ 首都圏限定のため悩むパスモ、読売新聞、2009年2月3日[リンク切れ]
  25. ^ 交通系ICカードの相互利用サービスの検討を開始しました (PDF) - JR東海ニュースリリース 2011年5月18日付
  26. ^ 定例社長会見(平成22年4月・名古屋)IC乗車券の不正使用に係る調査結果等について
  27. ^ ただし、普通乗車券(紙の切符)と異なり、営業キロ101Km以上であっても途中下車はできない。途中駅で下車した場合はその時点で発駅からその駅までの打ち切り精算となる。例として、函南から関ヶ原までが全行程であっても、途中の名古屋駅で下車した場合は函南から名古屋で運賃計算は打ち切りとなる。
  28. ^ EX-ICサービスのご利用条件-EX-ICカードとは
  29. ^ 唯一の「玄関先電子マネー払い」がさらに拡大 来春よりヤマト運輸で交通系電子マネーがご利用可能に (PDF)

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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