モバイルSuica
モバイルSuica(モバイルスイカ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が提供する、「おサイフケータイ」対応の携帯電話及びPHSにおいて、同社が発行するIC乗車カードであるSuicaの機能を搭載したアプリケーションソフトウェアおよびそのサービスである。
2006年1月28日にNTTドコモとau(KDDI、沖縄セルラー電話)の対応機種を初めにサービスを開始した。同年12月2日にソフトバンクモバイル、2009年7月5日よりウィルコムでもサービスを開始した[1]。 また、2011年7月23日に、NTTドコモとau、ソフトバンクモバイルのAndroid搭載のスマートフォンでもサービス開始した。[2]。
2011年7月28日現在の会員数は約250万人である[3]。
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基本機能[編集]
機能[編集]
カード型のSuicaと同様に、Suicaに対応している自動改札機などを利用してJRや私鉄などの交通機関に乗車できる機能や、駅構内(駅ナカ)・街中(街ナカ)の店舗や自動販売機・コインロッカーでの支払いができるSuicaショッピングサービス機能がある。
Suicaとしての基本機能については「Suica」を参照。
モバイルSuicaでは、これに加えて、携帯電話の機能を利用したオンラインチャージ(入金)や利用履歴および残額の確認、定期券・新幹線特急券・Suicaグリーン券の購入・利用などの機能が提供されており、カード型より利便性が向上している。
会員登録[編集]
モバイルSuicaを利用するためには、モバイルSuicaに対応した携帯電話またはPHSが必要である。対応機種でもモバイルSuicaがプリインストールされていない場合は、モバイルSuicaのウェブサイトから専用アプリをダウンロードできる。
モバイルSuicaには会員種別がある。
モバイルSuica(通常会員)[編集]
モバイルSuicaの年会費は税込1,000円(JR東日本では「ビューカード利用の場合はサービス開始時から『当分の間』は年会費無料」としている)。決済は、利用者本人名義の国際ブランド付きクレジットカードならほぼ登録できる。ビューカード・VISA・マスターカード・JCB・アメリカン・エキスプレス・ダイナースクラブ・JR東海エクスプレス・カードのいずれか。チャージに使用できるカードがビューカードに限定されるカード型Suicaや、カード会社と個別にサービス扱いで提携しているEdyと異なり、実質は一般加盟店と同等の扱い。
EASYモバイルSuica[編集]
クレジットカードの登録を必要としない。通常会員に比べて利用できる機能に制約があるが、年会費は無料。利用前に現金や銀行でチャージする必要がある。紛失時の再発行はなく、記録を元に払い戻しになる。
乗車券としての利用[編集]
乗車券としては、2010年3月13日現在、他社相互利用も含めてカード形のSuica同様にJR・私鉄・地下鉄・バスで利用可能である。
なおSuicaグリーン券購入の場合、SFからではなく、登録済みのクレジットカードから引き落としされる。
2008年3月15日からは新幹線の座席を携帯電話で予約して、そのままチケットレスで乗車できる「モバイルSuica特急券」サービスなどが始まった。
連絡定期券としての利用[編集]
JR線のみのモバイルSuica定期券から、JR線とPASMO事業者にまたがるモバイルSuica連絡定期券へ切り替えることもできるが、モバイルSuicaでの利用はカード型Suicaと比べ販売範囲に一部制限があった。しかし2008年6月14日から駅で発売するカードタイプのSuica定期券と同じ範囲が購入できるようになった。 なお、新たに連絡定期券を発行可能となる区間については切り替え促進のため2008年7月31日までの期間限定で以下の取り扱いを行っていた。
- JR線のみのモバイルSuica定期券から、JR線とPASMO事業者にまたがるモバイルSuica連絡定期券への変更をモバイルSuicaアプリの定期券区間変更機能により実行する場合は、同機能実行中の選択操作により変更前のモバイルSuica定期券に対して無手数料・日割計算による払い戻しを適用。
- 区間変更の実行後にみどりの窓口、またはモバイルSuicaコールセンターへ払い戻し申し出証明書を請求の上、PASMO事業者の定期券払い戻し窓口へ提出することにより、同者の定期券に対して払い戻し申し出証明書発行申請日までの無手数料・日割計算による払い戻しを適用。
上記の期間以外は手数料を徴収して変更前のモバイルSuica定期券に対して旬単位計算、PASMO事業者の定期券に対して月単位計算による払い戻しを適用する。計算方法の詳細は定期乗車券の払戻し方を参照のこと。
電子マネーとしての利用[編集]
「Suicaショッピングサービス」を参照
モバイルSuicaは通常のSuicaと同様、乗車券のみならず電子マネーとしても利用することができる。
SF(電子マネー)利用履歴[編集]
モバイルSuicaは利用する携帯電話の形状による制約から、カード型のSuicaのように駅の券売機に挿入して利用履歴を表示または印字することはできない。代替手段としてモバイルSuicaアプリから利用履歴を表示することが可能である。
利用履歴の表示には、IC領域の情報を表示する「SF(電子マネー)利用履歴」(オフラインのため圏外でも利用可)とセンターに記録されている情報を表示する「利用履歴表示」(ログインが必要)の2つがあり、前者は20件、後者は50件(ただし、26週以内の利用に限る[4])までの利用履歴を表示できる。各項目の金額はその都度の利用後の「残額(残高)」のみが表示され、利用金額は表示されない。
利用履歴は、発行元であるJR東日本の改札窓口に申し出ても印字することができない。必要な場合は、モバイルSuica会員専用のホームページにログインして、それをPDFファイルで保存するか印刷する必要がある。また、東京メトロ、JR北海道、JR東海、JR西日本など一部の相互利用先の事業者では改札窓口で申し出れば、履歴を印字してもらうことが可能である。履歴印字は各事業者の基準で扱われるため、一部の区間は詳細な利用履歴が表示されないことがある。
チャージ・乗車券類購入[編集]
オートチャージ[編集]
2010年3月13日より、決済カードをビューカードとしたものに限ってオートチャージが利用可能になった。なお、オートチャージの設定はモバイルSuicaアプリで行う[5]。
現金チャージ[編集]
カードタイプのSuicaに準じてコンビニの店舗やバス車内などでの現金によるチャージ(入金)ができるが、携帯電話の形状による制約から券売機などカードを挿入してチャージするタイプの機器、およびこれらの機器を使用する窓口では取扱いができない。詳しくは#注意点を参照。 なお、現在はモバイルSuicaもチャージできる据置型の機器が一部の駅で実験的に設置されている。
なお、ICカードをポケットに置くタイプで、置いたカードをポケットが完全に覆わない一部のチャージ機では、ダミーとしてICカードではない適当なカードをポケットに投入し、直後にモバイルSuica電話機をポケット部分に密着させるとチャージ等ができることがある。しかし、処理未了等でSuica機能自体が使えなくなるなどトラブルを引き起こす可能性が高く、非公式な方法であるため、事業者は原則禁止している。
オンラインチャージ[編集]
1回のチャージ額は千円単位で1万円までであり、チャージ上限は携帯電話機内の残額とあわせて2万円までである。会員登録時に登録したクレジットカードにより決済する。なお、チャージできる時間帯は早朝4時 - 翌日深夜2時の間である。
なお、2010年9月現在、モバイルSuicaは「Suicaインターネットサービス」ではチャージできない[6]。このサービスでは、1,000円から20,000円までの任意の金額をチャージする機能と、20,000円までチャージする機能がある。非対応のモバイルSuicaでは千円単位でしかチャージできず、(入会直後等で千円未満の端数がちょうどゼロ円となる場合を除き)上限額の2万円一杯まではチャージできない。
また、VIEWカード以外の一部のカード発行会社は、Edyのオンラインチャージと同様に、収益性(加盟店手数料収入)の低さや電子マネーの換金性から、モバイルSuica利用分ではポイント加算を取り止めている(ただし、モバイルSuica定期券・モバイルSuicaグリーン券・モバイルSuica特急券に関しては、「乗車券類購入」と見なしてポイント加算対象としているカードが一部有る)。
銀行チャージ[編集]
銀行口座からの引き落とし(即時入金サービス)によるオンラインチャージサービスである。みずほ銀行・三井住友銀行・三菱東京UFJ銀行・じぶん銀行のいずれかの口座を持ち、モバイルバンキングを利用していれば携帯電話からの操作で1,000円単位、1回につき最大1万円までSuicaへの入金ができる。このサービスは通常のモバイルSuicaサービスや上記のEASYモバイルSuica会員サービス両方で利用可能である。利用可能時間帯は早朝4:00 - 翌日2:00の間で、かつ各銀行のモバイルバンキングサービス稼働時間帯である。なお、ウィルコムでは利用できない。 スマートフォンでは、三井住友銀行のみ利用できない(2012年1月現在)。
じぶん銀行を除き、各行とも1回のチャージごとに手数料が発生する。手数料については各銀行毎に異なる(銀行の優遇サービスで手数料が減額もしくは無料となる場合もある)。
モバイル*サンクスチャージ[編集]
2007年2月13日に開始された、ビューカードの利用で貯まったビューサンクスポイントをモバイルSuicaにチャージできるサービスである。ビューカードのインターネットサービス「VIEW's NET」より申し込み、モバイルSuica登録済みの携帯電話で受け取る。申し込みから受け取りまでおよそ3日間必要である。ビューサンクスポイント400ポイント(1口)でモバイルSuicaに1,000円分チャージ可能である。現状では、Suicaエリア外で、ビューサンクスポイントをSuicaに交換する唯一の方法である。
Suicaポイントからのチャージ[編集]
Suica電子マネーの利用などで貯まったSuicaポイントを、モバイルSuicaにチャージできるサービスである。Suicaポイントクラブの会員サイトより申し込み、モバイルSuica登録済みの携帯電話で受け取る。Suicaポイント100ポイント以上10ポイント単位でチャージ可能である。Suicaポイント10ポイントはSuicaチャージ10円分に交換できる。
乗車券類の購入[編集]
通信機能を使って、モバイルSuicaに記録される定期乗車券・普通列車グリーン券を購入することができる。決済は会員登録時のクレジットカードで行う。
EASYモバイルSuica[編集]
現金チャージにより乗車カードに運賃を貯めておく、SF(ストアードフェア)機能だけで、クレジットカード登録不要の簡易型サービス。小学生を除く12歳以上であれば利用できる。
通常のモバイルSuicaとの相違点[編集]
- Suica定期券・モバイルSuica特急券・EX-ICサービスは利用できない。
- Suicaグリーン券は購入できない。
- 改札外で現金などの別決済で購入した磁気グリーン券や、グリーン券情報を記録したカードタイプのSuicaとの併用はできる。
- 2007年6月1日から開始されている「Suicaポイントクラブ」はEASYモバイルSuicaでも登録可能。また2010年3月13日からは、事前の手続きにより、EASYモバイルSuicaのみでの登録でも、提携企業とのポイント交換が可能になった。
EASYモバイルSuicaへのチャージ方法[編集]
- 銀行チャージ
- 現金チャージ
モバイルSuicaへの変更[編集]
- クレジットカード(高校生相当の年齢で取得できるVISAデビットカードを含む)の情報を登録すると、通常のモバイルSuicaのサービスを受けられる。
- 通常のモバイルSuicaからEASYモバイルSuicaに変更することはできない。一旦退会し、EASYモバイルSuica会員として再入会する必要がある。
- Suicaポイントクラブに入会していた場合、Suicaポイントクラブのサイトでも移行手続をしておく必要がある。移行していない場合、ポイントサイトからのポイント移行においてエラーになる場合がある。
過去のキャンペーン[編集]
2006年12月31日まではEASYモバイルSuica会員になると100円分のSFマネーが受け取れる「EASYプレゼントキャンペーン」が展開されていた。
新幹線のチケットレスサービス[編集]
JR東日本(モバイルSuica特急券)[編集]
2008年3月15日よりJR東日本が運行する新幹線の特急券をモバイルSuica上で予約・購入して、チケットレスで乗車することができるサービスが始まった[7]。
モバイルSuicaの会員は、モバイルSuicaアプリからあらかじめ携帯電話で「モバイルSuica特急券」の購入・引き取り(モバイルSuicaにきっぷの情報を記録)を行うことで、東北・山形・秋田・上越・長野の各新幹線に、自動改札機にタッチするだけでチケットレスで乗車できる。タッチする場所はSuicaエリア内は「Suicaをふれてください」、Suicaエリア外は「モバイルSuica特急券をふれてください」と書かれている。
モバイルSuica特急券は普通車用・グリーン車用・グランクラス用のいずれも設定がある。料金(乗車券と特急券の合計額)は全区間で100円単位に設定されている。また、東北新幹線のはやぶさ号は、磁気のきっぷでは特急料金が異なるが、モバイルSuicaでは同額である。2列車の乗り継ぎ乗車にも対応している(仙台発 - 大宮乗り継ぎ - 新潟行き等)。ただし、3つ以上の列車を乗り継ぐ必要がある区間(八戸 - 山形など)の購入はできない。なお、2列車を乗り継ぐ場合は同じ座席種別である必要があり、「普通車 - グリーン車」といった乗り継ぎには対応しない(ただしE5系のグランクラスは、もう一方の列車のグリーン車との乗り継ぎが可能)。
普通車用は指定席でも自由席でも料金は同額である。「乗車区間が乗車駅からその隣接駅まで」・「列車・座席の指定をしない、または満席でできなかった場合」などはいずれも自由席を利用する。新幹線停車駅相互間では現行の自由席の価格より安価である。例えば、東京-仙台までの運賃を含んだ額だと、普通車指定席10,590円、普通車自由席10,080円、モバイルSuica特急券(普通車用)9,700円である。また閑散期・通常期・繁忙期にかかわらず年間を通して同額で、繁忙期の利用制限もない。
ただし、普通車自由席の新幹線特急料金が特定特急料金である区間(隣の駅まで等)では、100円未満切捨て程度と紙のきっぷと比べて割引額が小さく、紙のきっぷと同額の区間もある。グリーン車用も同様に紙のきっぷと比べて割引額が小さく、無割引の区間もあり、えきねっと割引適用(新幹線特急料金が100 - 700円割引)のほうが安価である区間が大半である。
また、モバイルSuica特急券は、通常の普通乗車券と特急券の組み合わせとは異なるため(特別企画乗車券を参照)、乗車距離に関わらず特定都区市内に関わる規定が適用されない。このため在来線と新幹線を乗り継ぐ場合、必ず在来線区間の運賃が別途発生する。以下に事例を2つ示す。
- 例1 - 蒲田駅から、東京-仙台間のモバイルSuica特急券を購入して、モバイルSuicaで入場した場合
- 東京駅で新幹線乗換改札を通過する際に、蒲田-東京間の運賃210円が徴収される。複数のSuicaを同時利用できないため、モバイルSuica特急券を購入したモバイルSuicaとは別のSuicaで入場した場合は、新幹線乗換改札を通過できず、一度在来線改札から出場し、モバイルSuica特急券を購入したモバイルSuicaで入場しなおす必要がある。なお、東京駅までのきっぷを買って入場した場合は、東京駅の新幹線乗換改札機に紙きっぷを投入後、モバイルSuica特急券をタッチすることで通過できる。
- 例2 - 盛岡駅から、盛岡 - 郡山間のモバイルSuica特急券を購入して、モバイルSuicaで入場、郡山から会津若松まで在来線を使用する場合
- 公式サイトに掲出されている事例。郡山駅は新幹線・在来線ともSuica対応であるが、磐越西線は対応していない。よって郡山駅乗換改札を通過し、会津若松で出場するためには別途郡山-会津若松間の紙切符(1110円)が必要である。例1のように、郡山駅の乗換改札機にて、在来線側の紙きっぷを投入後、モバイルSuicaをタッチする。なお、東北本線(福島方面および矢吹駅まで)や磐越東線船引駅までの利用の場合は当該区間の運賃以上をチャージしておけば、出場駅で運賃が徴収される。
なお新幹線の停車駅でも、改札外から直接新幹線改札を通過(入出場)する場合を除き、当該駅からの在来線の最低運賃以上のSF残額がないと窓口での処理が必要である。仙台・東京・横浜等の特定都区市内から、在来線と乗り継いで乗車する場合には、モバイルSuica特急券を購入せずに、窓口で通常の切符やえきねっと割引が適用された切符を購入したほうが安いことが多い。
一方または両端の在来線利用区間がSuicaエリア外の場合は、あらかじめ在来線区間の乗車券を別途購入しておけば乗り換え改札口をそのまま通過できる。具体的には先に在来線区間の乗車券を投入し、モバイルSuica特急券のデータが書き込まれた携帯電話をタッチすればよい。乗り換え方向にかかわらず、先に在来線のきっぷを投入する。きっぷをあらかじめ買っていなかった場合は、改札内の精算所・券売機などで購入するか、いったん出場してきっぷを買う。
また、モバイルSuica特急券を取扱う新幹線各駅で在来線改札を通過する場合、自動改札機設置箇所ではそのままタッチして通過できるが、Suicaエリア外の新幹線駅で自動化されていない改札口では駅係員に申し出て通過する。
モバイルSuica特急券で予約した列車の変更は、その列車の出発前であれば手数料なしで何度でもできる。カード決済処理は、「新規購入決済→無手数料による全額払戻」という手順で行われる。また、決済にVISAデビットカードを使用している場合、同カードの「後日のバッチ処理でない限りは即時決済」という特性から、変更のつど払い戻しおよび新規購入の決済が行われるため、一時的に口座残高が目減りする。予約の取り消し(払い戻し)はその列車の出発前であれば300円の手数料で可能である。
JR東海(EX-ICサービス)[編集]
詳細は「エクスプレス予約#EX-ICサービス」を参照
2008年3月29日にTOICAがSuica・ICOCAとの相互利用を開始したのにあわせて、JR東海では東海道新幹線の特急券を携帯電話などで予約・購入してチケットレスで乗車することができる「EX-ICサービス」を開始した。モバイルSuicaでもこのサービスが利用できる。なお、JR西日本が運行する山陽新幹線では、2009年8月29日にEX-ICサービスが導入され、東海道・山陽新幹線全線(東京-博多間)での利用が可能になった。またウィルコムでも、2010年2月14日よりサービスが開始された。
モバイルSuica特急券と同様、自動改札機にタッチするだけでチケットレスで乗車できる。EX-ICサービスではモバイルSuicaにきっぷの情報は記録されず、タッチ時にサーバーと予約情報の照合を行う。この場合、モバイルSuicaがEX-ICカードの役目を果たすので、EX-ICカードを所持する必要はない。
このサービスの開始により、例えば首都圏の在来線駅(Suicaエリア)から、東海道・山陽新幹線を経由して、東海地区(TOICAエリア)関西・山陽地区(ICOCAエリア)九州地区(JR九州のSUGOCA福岡・佐賀・大分・熊本エリア)の在来線駅まで、一台の携帯電話で移動できるようになった。
利用にあたってはJR東海が提供する「エクスプレス予約」への会員登録が必要である。エクスプレス予約の決済用クレジットカードは、TypeII カードおよび法人カードを除くビューカードか、JR東海エクスプレス・カードに限られる。[8]
登録方法は、以下の2つの方法がある。
- ビューカード決済で「ビュー・エクスプレス特約」として登録
- すでにエクスプレス・カードの会員としてエクスプレス予約を利用している場合、モバイルSuicaの追加登録
「ビュー・エクスプレス特約」でのEX-ICサービスはモバイルSuicaでの利用に限られる。特約申し込み後、1週間ほどでJR東海から「エクスプレス予約」の会員証などが送付される。その後にモバイルSuicaから利用登録すればパソコンや携帯電話からも「エクスプレス予約」のすべてのサービスが利用できる。EX-ICカードは発行されない。なお同特約で利用する場合は別途、エクスプレス予約の年会費として1,050円が必要である。
エクスプレス・カード会員は既存のEX-ICカードと併用できるが、モバイルSuicaと同時に利用(携帯電話とEX-ICカードを重ねてタッチしたり、入場時と出場時で異なる媒体を使用)することはできない。
携帯電話機でモバイルSuica特急券とEX-ICサービスを続けて利用(東京駅)[編集]
東京駅の中央乗換口と南乗換口には新幹線と在来線を乗り継ぐ改札口以外に、東北・山形・秋田・上越・長野の各新幹線と東海道・山陽新幹線を相互に直接乗り継ぐ改札口が設置されている(中央乗換口はJR東海、南乗換口はJR東日本が管轄)。この改札口ではSuica等のIC乗車券やモバイルSuica、EX-ICカードは利用することができない。携帯電話機でモバイルSuica特急券とEX-ICサービスを続けて利用するには、一旦、在来線側へ出場後、改めて新幹線改札機から入場する。その際、モバイルSuicaにはSF残額が130円以上チャージされていることが必要である。再度、新幹線改札機にタッチしても、SF残額は差し引かれない。
東海道・山陽新幹線(EX-ICサービス)から、東北・山形・秋田・上越・長野の各新幹線(モバイルSuica特急券)へ乗り継ぐ場合、東海道・山陽新幹線乗車前にモバイルSuica特急券の受取り(ダウンロード)操作を行うと、東海道・山陽新幹線乗車後にはモバイルSuica特急券の列車変更や払い戻しができない。
モバイルSuica非対応の携帯電話機[編集]
モバイルSuicaでは、一部のFelica搭載携帯電話機を使用できない。これはJR東日本が改札機での通過性能基準を設けているためである。下記の機種はJR東日本が行う試験を通過できなかったため、非対応とされ、モバイルSuicaアプリのダウンロードそのものができない。
携帯電話メーカー各社が今後発売されるFelica搭載機種の性能試験を行えるよう、JR東日本は出札機器部門担当の子会社であるジェイアール東日本メカトロニクスの実験環境を貸し出している[9]。
NTTドコモ[編集]
au(KDDI・沖縄セルラー電話)[編集]
ソフトバンクモバイル[編集]
宣伝・タイアップ[編集]
サービス開始前後の時期は、NTTドコモ・au・ソフトバンクモバイル・JR東日本が独自にテレビCMやポスター広告を展開し、それぞれのイメージとキャラクターを併用することで、モバイルSuicaだけでなく携帯電話の販売促進を含めて、宣伝効果を最大限に活用する方策を取った。
当初はサービスイン後1年で100万件の会員獲得が目標だったが、設定方法の煩雑さもあり100万件達成は2年3か月後の2008年4月だった。それと共に、みどりの窓口の混雑緩和策としてモバイルSuicaをアピールする必要性にも迫られ、JR東日本独自のCM等による積極的な宣伝・キャンペーンを行う方針に転換した。
- モバイルSuica共通のキャンペーンソングとして、松任谷由実の「虹の下のどしゃ降りで」が使用されている(現在NTTドコモのCMでは未使用)。
- 当初はauのテレビCMやポスターにのみペンギンが出演していたが、現在ではNTTドコモのCM・ポスターにもペンギンが登場している。
- JR東日本のCM「少しだけホームシック篇」では、登場する携帯電話の違いからauバージョンとNTTドコモバージョンが存在する。
- 2006年10月のサービス拡大時に「いつかえる? モバイルSuicaに」というキャッチフレーズの使用を開始した。その後、2007年2月のPASMOとの相互利用開始直前に「モ〜かえた? モバイルSuicaに」というキャッチフレーズに変更されている。現在まで、PASMOでは携帯電話アプリケーションを使用してモバイルSuica同様のサービスを展開する予定は明らかになっておらず、同カードエリア内でも使用できることを強調して入会促進キャンペーンを展開した。
- 2006年12月からサービス展開を始めたソフトバンクモバイルではテレビCMは放映されなかったが、「予想GUY」などの強烈なCMキャラクターがいるため、ペンギンとの共演でポスターが掲出された。
注意点[編集]
全般[編集]
駅など[編集]
自動券売機や自動精算機での利用を想定していないため、これらで販売している各種きっぷの購入やチャージはできない。一部のPASMO事業者(小田急、京成グループの鉄道路線(京成・新京成・北総鉄道・西武鉄道など一部平面型を設置している駅もある)などは、改札窓口のカード処理機のICリーダ/ライターが「カード挿入式」であり、物理的に携帯電話には対応しておらず窓口での精算はできない。Suica事業者やPASMOバス事業者などは平面型(民生用のPaSoRiやPC搭載Felicaポートと同種)を導入している。カード挿入式の事業者で、回数券・定期券及び割引切符等と組み合わせて乗車する際は、現金での精算が必要である。また、平面型を持つ東京地下鉄(東京メトロ)では、2009年7月よりウェブサイト等での予告なく一時的にモバイルSuicaが改札窓口で使用出来なくなっていたが、2009年10月現在は再び利用可能となっている。 入場にモバイルSuicaを使用して、出場時に精算が出来なかった場合は全乗車区間の運賃を現金等で改めて支払い、上記のICカードをかざす読み取り機のある駅またはJRの駅で出場処理(取り消し処理)を受ける。または出場前に通常のモバイルSuicaのチャージ方法でチャージする。
機種変更・修理[編集]
携帯電話の機種変更・修理の際は、ユーザ自身でデータ移行を行う必要がある。
電池切れ[編集]
モバイルSuicaは携帯電話・スマートフォンの電源を切っていたり、電池切れにより電話機能が使用ができなくても、バッテリーがわずかでも残っていれば改札機における通信は可能である。しかし電池を完全に消耗するか、それ以前でもICカードをロックしたまま電源を入れられない状態になると電池を交換・充電するまで利用できなくなる。
改札から入場後にこのような状態になった場合は、SF(電子マネー)・定期券いずれの利用でも利用区間の運賃・料金を全額現金もしくは別のICカードなどで支払う。したがって電話機として使わない場合でも充電が必要である。
アプリケーション容量[編集]
携帯電話のアプリ用メモリ領域とは別に、モバイルFelicaチップにもアプリケーション容量がある。本体メモリのアプリ領域にまだ余裕があっても、EdyやiDなどの電子マネーやポイントカード関係のFeliCaアプリケーションがインストールされている状態で、モバイルSuicaのアプリをインストールしようとすると、モバイルFeliCaチップのアプリケーション容量不足のためインストールできない場合がある。
NTTドコモでは自社が展開するiDやDCMXの今後の進展を見込んで、903iシリーズからそれらとモバイルSuicaが共存できるよう携帯電話本体のメモリを増やすとともに、アプリケーション容量を拡大した第2世代のモバイルFeliCaチップを搭載した。
auのau ケータイクーポン対応機も903iシリーズと同じ大容量のFeliCaチップを搭載した。
ソフトバンクでは2008年夏モデルの一部機種からドコモ・auと同じ従来比3倍となる第2世代のモバイルFeliCaチップを搭載した。2008年夏モデルでも機種によっては従来の第1世代モバイルFeliCaチップを搭載しているものもある。
各携帯電話会社ごと[編集]
NTTドコモ[編集]
- モバイルSuicaの初期設定に必要な「モバイルSuica登録用iアプリ(旧名称: 鉄道・バス設定アプリ)」が、機種により削除できない場合がある。削除するためにはドコモショップなどでFeliCa領域初期化を行う必要があるが、同時に他のICアプリも削除される。
- 機種変更時にiCお引っこしサービスは利用できない。あらかじめアプリ上で機種変更手続きを行って、アプリを削除しておく必要がある。
au[編集]
- モバイルSuicaアプリをインストールする時に、FeliCa領域が分割されて約82パケット通信する。この時の通信料は定額サービスの上限の対象にならない。
- インストール時にSuica専用領域(エリア1、137ブロック)が作成される。モバイルSuicaを退会してアプリを消去してもFelicaチップ上に専用領域が残るため、auショップなどでFelicaチップのメモリをクリアする必要がある。この際に他のアプリ(エリア0)のアプリ、登録情報も消去される。
- 機種変更時には、モバイルSuicaアプリ上で機種変更手続を行なったうえでモバイルSuicaアプリを消去しておかないと、auショップでのEZ FeliCaデータ一括移行サービスを受けられない。
ソフトバンクモバイル[編集]
- モバイルSuicaアプリのインストール時にFelica領域に「エリアB(137ブロック)」の領域が作成され(既存の領域は「エリアA」)、同アプリはこのエリアを使用する。「エリアB」領域の削除を行うと、エリアAのアプリ、登録情報も消去される。
ウィルコム[編集]
- ウィルコムでは銀行チャージ及び時刻乗換案内は当面非対応である。なお、エクスプレス予約については2009年12月5日に開始され、EX-IC予約も2010年2月14日より開始している。
クレジットカードの不正使用[編集]
クレジットカードでのネットショッピングなどでは通常、名義人・カード番号・有効期限・セキュリティコードなどを照会する。モバイルSuicaシステムではカード番号と有効期限の2つしか照会しておらず、モバイルSuica会員とクレジットカード会員の名義の確認も行っていなかった。このためカード番号と有効期限を何らかの方法で視認すれば、他人のカードで会員登録が可能であり、実際にこの不備を悪用して会員登録した第三者がクレジットでチャージを繰り返した[10]。
被害はカード65枚分でおよそ1000万円としており、最も多い額では1日で30万円を使ったケースもあった。2007年11月にこの事件が報道され、JR東日本は警察に被害届を提出するとともに、セキュリティ体制の確保、1日あたりのチャージ上限を4万円とするなどの対策を取った。またクレジットカードは複数のモバイルSuica会員の決済に使用できない措置をとったため、すでにモバイルSuica会員であれば同様の被害は起きないという。
歴史[編集]
脚注[編集]
- ^ a b “ウィルコムPHSにおけるモバイルSuicaサービス開始日決定について” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道株式会社 / 株式会社ウィルコム, (2009年6月11日) 2009年10月11日閲覧。
- ^ a b “おサイフケータイ対応AndroidスマートフォンにおけるモバイルSuicaサービス開始について” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道株式会社, (2011年5月23日)
- ^ “モバイルSuicaの会員数がおかげさまで250万人を突破しました。” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道株式会社, (2011年8月3日)
- ^ 26週を経過した履歴の消去は毎週日曜日の早朝に行われるため、直後の日曜早朝までは残っている場合がある。
- ^ a b モバイルSuica+ビューカードでオートチャージサービスが始まります 2009-12-22 閲覧。 (PDF)
- ^ Suicaインターネットサービス・よくある質問
- ^ a b “2008年3月15日(土)、モバイルSuica特急券のサービス開始!” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道株式会社, (2007年12月21日)
- ^ JR西日本が発行するJ-WESTカード(エクスプレス)ではモバイルSuicaによるEX-ICサービスは利用できず、別途貸与されるEX-ICカードのみで利用できる。
- ^ 閉まるなゲート!JR東日本担当者が明かす涙の“モバイルSuica検定”
- ^ 関口聖 (2007年11月9日). “「モバイルSuica」で不正クレジットカード利用、被害額は990万円”. Impress Watch. 2010年9月6日閲覧。
- ^ “「定期券の購入」と「モバイルSuicaのサービス」がさらに便利になります。” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道株式会社, (2007年2月6日)
- ^ “モバイルSuicaサービスを「ディズニー・モバイル」にて提供開始いたします。” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道株式会社, (2008年2月14日)
- ^ “ウィルコムPHS電話機のモバイルSuicaによる「EX-ICサービス」対応開始について” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道株式会社, (2010年1月19日)
- ^ “モバイルSuicaにおけるじぶん銀行からのチャージサービス開始について” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道株式会社, (2010年1月19日)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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| 関連項目 | 国鉄分割民営化 - 鉄道・運輸機構 - 鉄道通信 - 車両形式(〈在来線 | 新幹線〉・グリーン車) - 新幹線 - JR会社法 - 交通新聞社 - 鉄道弘済会 - 鉄道保存展示施設 - デスティネーションキャンペーン - JRグループ健康保険組合 - オレンジカード - みどりの窓口 - キヨスク | ||||||


