あいの風とやま鉄道

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あいの風とやま鉄道株式会社
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
930-0088
富山県富山市諏訪川原1-3-22
富山県富山農林振興センター諏訪川原庁舎1階
設立 2012年平成24年)7月24日
業種 陸運業
事業内容 鉄道
代表者 市井正之(代表取締役社長
資本金 40億円
従業員数 155名(2015年1月現在)
主要株主 富山県 (63%)
富山県内全15市町村 (27%)
民間企業 (10%)
外部リンク http://ainokaze.co.jp/
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あいの風とやま鉄道株式会社(あいのかぜとやまてつどう)は、富山県富山市に本社を置く第三セクター方式による鉄道事業者第三セクター鉄道)である。

概要[編集]

2015年平成27年)3月14日北陸新幹線長野駅 - 金沢駅間が延伸開業する際、西日本旅客鉄道(JR西日本)から並行在来線として経営分離される北陸本線の富山県内区間にあたる倶利伽羅駅 - 市振駅間において運営を担う鉄道事業者として[1]、富山県および富山市をはじめとする県内全15市町村に加え、富山地方鉄道北陸電力北陸銀行インテックなどの出資によって、2012年(平成24年)7月24日富山県並行在来線準備株式会社(とやまけんへいこうざいらいせんじゅんび)として設立された。

設立当初の資本金は15億円で、初代代表取締役社長に富山県副知事(当時)の植出耕一が就任した。

社名については、一般公募により決定することとなり、2012年12月10日から2013年(平成25年)2月15日まで公募を行った結果、応募総数5,380件の名称案が寄せられた。選考の結果、高岡市在住の女性が応募した「あいの風とやま鉄道株式会社」を採用し、同年5月29日の取締役会で決定[2][3][4]、6月下旬の定時株主総会で定款変更を決議の上、同年7月1日付で商号を改称した[5][6][7]

社名に冠された「あいの風」とは、富山県内など日本海沿岸で春から夏にかけて沖から吹く北東の風を表すもので、古くから豊作や豊漁を運ぶ風として県民に親しまれている。この「あいの風」を県域東西を横断する路線に見立て、県民に豊かさや幸せを運び届け、かつ県民に「愛」される鉄道を目指すという経営理念を表している。

なお、初代社長の植出が2014年(平成26年)1月8日心不全のため急逝したのに伴い[8][9]、同月22日の取締役会で副社長の市井正之を昇任させる人事が決定し[10]、同年2月1日付で社長に就任した[11]

沿革[編集]

  • 2012年平成24年)7月24日 - 富山県並行在来線準備株式会社として設立。
  • 2013年(平成25年)
    • 5月29日 - 新社名があいの風とやま鉄道に決定[3][4]
    • 7月1日 - 商号をあいの風とやま鉄道株式会社に変更[7]
  • 2014年(平成26年)
    • 1月8日 -初代社長の植出耕一が心不全のため死去[8][9]
    • 2月1日 - 副社長の市井正之が2代目社長に就任[10][11]
    • 2月28日 - 市振(新潟県糸魚川市) - 富山(富山県富山市) - 倶利伽羅(石川県津幡町)間 100.1kmの第一種鉄道事業許可を取得[12]
    • 10月27日 - あいの風とやま鉄道線 倶利伽羅 - 市振間の上限運賃認可を国土交通省北陸信越運輸局に申請[13][14]
    • 12月19日 - 開業ダイヤの概要を発表[15]
  • 2015年(平成27年)

路線[編集]

現在は北陸本線の一部となっている区間で、北陸新幹線の延伸開業に際しJR西日本から経営分離され、当社へ継承される。

鉄道資産上の経営区間は石川県境から新潟県境までの98.7kmに及ぶ。営業上の境界駅となる石川県河北郡津幡町の倶利伽羅駅と、新潟県糸魚川市の市振駅は、それぞれIRいしかわ鉄道えちごトキめき鉄道の管理駅で、両駅を除く富山県内所在の19駅があいの風とやま鉄道の管理下に置かれる[17][18]

開業後2年間、運行管理と指令業務はJR西日本金沢支社の金沢総合指令所において、当社が自社路線とあわせ、IRいしかわ鉄道とえちごトキめき鉄道から業務を受託し、金沢駅 - 直江津駅間にわたってIRいしかわ鉄道線・あいの風とやま鉄道線・えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの計3路線の指令業務を行う。以降は3社がそれぞれ指令システムを整備し、自社で業務を行う[17]

北陸新幹線の延伸開業時には、富山駅を中心に新幹線や沿線各駅で接続する路線との連絡を考慮し、かつ通勤・通学需要に合わせたダイヤが編成され、各駅停車に加え、快速列車として金沢駅 - 富山駅 - 泊駅間で「あいの風ライナー」が平日上下各3本[注 1]、座席指定制(ライナー料金が別途必要)で運行される[注 2]。IRいしかわ鉄道とは金沢駅 - 倶利伽羅駅 - 富山駅間で相互直通運転を実施するほか、平日朝に城端線から高岡駅 - 富山駅間を直通するJR西日本の列車については、運行業務を同社へ委託する方式で運行を継続する[注 3]。また、富山駅 - 市振駅 - 糸魚川駅間については、県境では泊駅での折り返しとし、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインとは同駅で乗り換える方式を基本とするが、朝夕の通勤・通学時間帯に運行される1日2往復に限り、あいの風とやま鉄道の車両が糸魚川駅まで乗り入れる。なお、えちごトキめき鉄道の車両の泊駅以西への乗り入れは通常実施されない[18]

沿線の大部分の南側が立山連峰、北側が富山湾を望む立地に因んで、ホーム上に設置する駅名標のデザインは、山側は富山県の豊かな自然を表現したグリーンをメインに、海側は富山湾の神秘さを表現したブルーをメインに使用したデザインとしている[19][20]。この山側をグリーン、海側をブルーをメインとしたデザインは、後述の521系電車のカラーリングにも反映されている。

運賃[編集]

旅客運賃は、開業後5年間は激変緩和処置として、普通と通勤定期はJRの1.12倍、通学定期はJRの1.03倍とし、6年目以降、普通と通勤定期はJRの1.19倍、通学定期はJRの1.05倍に設定する計画である[17][18]。また、負担軽減を図るためJR西日本、IRいしかわ鉄道、えちごトキめき鉄道との乗継割引が導入される。

また、県外客の利便性を考慮して、当社では開業以降にJR西日本のICカード乗車券「ICOCA」のシステムを導入する方針を示している[21][18]。沿線各駅で接続する路線のうち、万葉線でも同じくICOCAのシステムを2015年中に導入する方針を示しているが、その他のJR西日本金沢支社が管理する各路線、東海旅客鉄道(JR東海、TOICAのシステムを運用中)が管理する高山本線の富山県寄りの区間、および隣県の第三セクター2社が管理する区間では、ICカードの導入予定はない。また沿線の交通事業者のうち、富山地方鉄道ではecomyca富山ライトレールではpasscaとそれぞれ独自のシステムを運用し、この2種類の間では相互利用サービスも実施しているが、いずれもICOCAなどとの相互利用サービス(もしくは他システムの並行導入)の実施開始時期は未定である。

青春18きっぷ」と「フルムーン夫婦グリーンパス」について、氷見線・城端線への接続による通過利用の特例として、富山 - 高岡間の普通・快速列車(普通車自由席)は途中下車しない条件で認められている[22][23][24][25][26][27]

使用予定車両[編集]

開業時、521系電車16編成と413系電車5編成を西日本旅客鉄道から譲受して列車を運行する予定である。そのうち、521系電車のデザインは、駅名標と同様に山側をグリーン・海側をブルーを基調とする[17][28]

出資比率[編集]

富山県と県内全15市町村、民間企業4社が出資している。比率は県が全体の63%、市町村が計27%、北陸電力北陸銀行インテック富山地方鉄道の4社が計10%を占める。

市町村別の出資比率[編集]

前述した全体の27%を占める県内15市町村出資分の自治体別出資比率は下記の通りである。

新駅整備[編集]

当社と富山県、沿線自治体では新駅設置の検討を進めており、石動駅 - 福岡駅間、西高岡駅 - 高岡駅間、小杉駅 - 呉羽駅間、呉羽駅 - 富山駅間、富山駅 - 東富山駅間、水橋駅 - 滑川駅間、魚津駅 - 黒部駅間の7ヶ所を設置候補地としていた[29]。このうち、西高岡駅 - 高岡駅間は2018年(平成30年)、富山駅 - 東富山駅は2019年(平成31年)の開業をそれぞれ見込んでいるが[30]、西高岡駅 - 高岡駅間の新駅は高岡市の和田・羽広地内に決定し、2016年(平成28年)着工、予定通り2017年度の開業が決定した。整備には国庫補助費が計上され、国、富山県、高岡市が費用の3分の1ずつを負担することでまとまった[31]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 金沢 - 泊間:下り3本・上り2本、泊 → 富山間:上り1本を運行する予定。なお土曜・休日は全便運休となる。
  2. ^ JRグループ各社のホームライナーに相当する方式で、移管前に運行されている「おはようエクスプレス」等の特急列車を補完するもの。同様の列車は並行在来線他社でも先例があり、しなの鉄道では「しなのサンライズ・サンセット」を運行している。
  3. ^ 経営移管時には、高岡駅 - 富山駅間で城端線からの直通列車を下り2本、同車両が高岡駅へ折り返す列車を上り2本運行する(平日のみ。土曜は上下各1本、日曜・休日は運休)。

出典[編集]

  1. ^ a b “「あいの風とやま鉄道」の開業日が決定しました” (プレスリリース), あいの風とやま鉄道, (2014年8月27日), http://www.toyama-railway.jp/news/2014/08/post-24.html 2015年1月18日閲覧。 
  2. ^ 富山県並行在来線準備株式会社公式サイト 2013年5月30日付発表、「新商号(社名)内定について」、2013年5月30日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b 新商号(社名)内定について (PDF)”. 富山県知事政策局 総合交通政策室・富山県富山県並行在来線準備株式会社 (2013年5月30日). 2015年1月26日閲覧。
  4. ^ a b “富山県の北陸新幹線並行在来線、新社名は「あいの風とやま鉄道」に内定!”. マイナビニュース. (2013年5月31日). http://news.mynavi.jp/news/2013/05/31/040/ 2015年1月26日閲覧。 
  5. ^ 新社名への移行について[リンク切れ]
  6. ^ 活動状況(新社名へ移行しました) - あいの風とやま鉄道株式会社(旧サイト)、2013年7月1日付。2015年1月26日閲覧。
  7. ^ a b 知事政策局 総合交通政策室. “政策評価表 13 生活交通の確保 (PDF)”. 富山県. 2015年1月26日閲覧。
  8. ^ a b “植出耕一前副知事死去 66歳 あいの風とやま社長”. 中日新聞. オリジナル2014年1月9日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140109150637/http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2014010902100006.html 2015年1月26日閲覧。 
  9. ^ a b 弊社 代表取締役社長 植出 耕一 急逝のお知らせ 「お知らせ」 - あいの風とやま鉄道株式会社・富山県、2014年1月14日付。2015年1月8日閲覧。
  10. ^ a b あいの風とやま鉄道、新社長に市井氏決まる”. KNBニュース (2014年1月22日). 2014年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月26日閲覧。
  11. ^ a b 代表取締役社長の就任について - あいの風とやま鉄道株式会社・富山県、2014年1月22日付。2015年1月8日閲覧。
  12. ^ “しなの鉄道(株)、えちごトキめき鉄道(株)、あいの風とやま鉄道(株)及びIRいしかわ鉄道(株)申請の第一種鉄道事業許可について” (プレスリリース), 国土交通省, (2014年2月26日), http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo03_hh_000054.html 2015年1月26日閲覧。 
  13. ^ “あいの風とやま鉄道線の上限運賃認可申請について” (プレスリリース), あいの風とやま鉄道, (2014年10月27日), http://ainokaze.co.jp/306 2015年1月8日閲覧。 
  14. ^ “並行在来線会社との乗継割引運賃の設定について” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2014年10月27日), http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/10/page_6352.html 2014年11月8日閲覧。 
  15. ^ “開業ダイヤの概要が決まりました” (PDF) (プレスリリース), あいの風とやま鉄道, (2014年12月19日), http://ainokaze.co.jp/pc/pdf/daiya.pdf 2015年1月8日閲覧。 
  16. ^ “開業時の列車運行ダイヤについて” (プレスリリース), あいの風とやま鉄道, (2015年1月8日), http://ainokaze.co.jp/678 2015年1月8日閲覧。 
  17. ^ a b c d 富山県並行在来線経営計画概要(最終) (PDF) - 富山県並行在来線対策協議会、(平成25年)1月23日。2015年1月8日閲覧。
  18. ^ a b c d あいの風とやま鉄道利用者説明会・配布資料 (PDF) - あいの風とやま鉄道株式会社・富山県、2015年1月8日付。2015年1月8日閲覧。
  19. ^ 車両と駅名標のデザインが決まりましたのでお知らせいたします - あいの風とやま鉄道株式会社・富山県、2014年11月19日付。2015年1月8日閲覧。
  20. ^ お知らせ(車両と駅名標のデザインが決まりましたのでお知らせいたします) - あいの風とやま鉄道株式会社(旧サイト)、2014年11月19日付。2015年1月8日閲覧。
  21. ^ あいの風とやま鉄道 交通ICカード2段階で導入へ - チューリップテレビ
  22. ^ “「青春 18 きっぷ」の発売および北陸新幹線開業に伴う「フルムーン夫婦グリーンパス」などのおトクなきっぷのお取扱いについて” (PDF) (プレスリリース), JRグループ(北海道旅客鉄道サイト内), (2014年12月19日), http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/141219-2.pdf 2015年1月23日閲覧。 
  23. ^ “「青春 18 きっぷ」の発売および北陸新幹線開業に伴う「フルムーン夫婦グリーンパス」などのおトクなきっぷのお取扱いについて” (PDF) (プレスリリース), JRグループ(東日本旅客鉄道サイト内), (2014年12月19日), http://www.jreast.co.jp/press/2014/20141221.pdf 2015年1月23日閲覧。 
  24. ^ “「青春18きっぷ」の発売および北陸新幹線開業に伴う「フルムーン夫婦グリーンパス」などのおトクなきっぷのお取り扱いについて” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2014年12月19日), http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/12/page_6594.html 2015年1月23日閲覧。 
  25. ^ “「青春18きっぷ」の発売および北陸新幹線開業に伴う「フルムーン夫婦グリーンパス」などのおトクなきっぷのお取扱いについて” (プレスリリース), 東海旅客鉄道, (2014年12月19日), http://jr-central.co.jp/news/release/nws001586.html 2015年1月23日閲覧。 
  26. ^ “「青春18きっぷ」の発売および北陸新幹線開業に伴う「フルムーン夫婦グリーンパス」などのおトクなきっぷのお取扱いについて” (プレスリリース), 九州旅客鉄道, (2014年12月19日), http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/9dd28b8cb8f46cee49256a7d0030d2e6/66fd6d52ef0e556f49257db300381b34?OpenDocument 2015年1月23日閲覧。 
  27. ^ “「青春18きっぷ」の発売および北陸新幹線開業に伴う「フルムーン夫婦グリーンパス」などのおトクなきっぷのお取扱いについて” (プレスリリース), 四国旅客鉄道, (2014年12月19日), http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-12-19/01.htm 2015年1月23日閲覧。 
  28. ^ あいの風とやま鉄道、521系新デザイン発表 - 車体の海側・山側で異なる色に - マイナビニュース、2014年11月22日付。2015年1月8日閲覧。
  29. ^ “並行在来線の新駅設置へ活発化 富山・小矢部に協議会”. 朝日新聞. オリジナル2011年12月11日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111224210641/http://www.asahi.com/travel/rail/news/OSK201112100086.html 2015年1月26日閲覧。 
  30. ^ 高岡新駅、18年3月開設へ あいの風とやま鉄道 - 富山新聞
  31. ^ 「高岡-西高岡間 新駅17年度開業へ」北日本新聞 2015年1月15日3面

関連項目[編集]

外部リンク[編集]