大阪市営地下鉄
| 大阪市営地下鉄 | |
|---|---|
|
大阪 ( Osaka ) と 高速鉄道(コ)の頭文字を
組み合わせたシンボルマーク |
|
| 路線総延長 | 129.9 km |
| 軌間 | 1435 mm |
| 電圧 | 750 V (直流) 1500 V(直流) |
| 最高速度 | 70 km/h |
大阪市営地下鉄(おおさかしえいちかてつ、英称:Osaka Municipal Subway)は、大阪市交通局が運営する地下鉄。日本初の公営地下鉄として、1933年に御堂筋線の梅田 - 心斎橋間が開業したのが始まり。現在、8路線(1 - 8号線)が営業中で、此花区、西淀川区を除く大阪市22区と守口市、吹田市、東大阪市、堺市北区、八尾市、門真市に路線を持ち、公営地下鉄としては日本最大、民営・第三セクターを含めても東京地下鉄(東京メトロ)に次ぐ規模(路線数・営業距離・駅数)を有する。
例規上の正式な呼称は「大阪市高速鉄道」であり、また同市の地下鉄は、都市計画道路と一体的に整備するという市政方針上、全線が軌道法による軌道線区として建設、経営され(ただし大阪港トランスポートシステムから移管された区間については鉄道事業法による鉄道線)、線区については「高速電気軌道第○号線」の呼称を例規上用いている。
目次 |
路線 [編集]
現行の8路線は全て標準軌を採用しているが、電化方式にはバラつきがある。計3路線で阪急電鉄、近畿日本鉄道、北大阪急行電鉄と直通運転を行っている。大阪市の「大阪市交通事業の設置等に関する条例」では、営業中のものを含め9路線計153kmが計画路線とされている。
そのうち営業路線を除く、今里筋線の今里 - 湯里六丁目(仮称)間の延伸、長堀鶴見緑地線の大正駅から大正区鶴町方面間の延伸、千日前線南巽駅から東大阪市弥刀方面への延伸、及び敷津長吉線(仮称)の住之江公園 - 喜連瓜破間の建設が、それぞれ未着工の計画路線となっている。
なお、今里筋線の今里 - 湯里六丁目(仮称)間、及び長堀鶴見緑地線の大正駅から大正区鶴町方面間の延伸については、2004年10月の「近畿地方交通審議会答申第8号」にも盛り込まれたことを受け、大阪市交通局は、このうち今里筋線の今里 - 湯里六丁目(仮称)間の延伸を次期整備路線としている。
営業路線 [編集]
| 色 | 記号 | 路線番号 | 路線名 | 区間 | キロ程 | 駅数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| M | 1号線 | 御堂筋線 | 江坂駅 (M11) - 中百舌鳥駅 (M30) *1 | 24.5km | 20 | |
| T | 2号線 | 谷町線 | 大日駅 (T11) - 八尾南駅 (T36) | 28.3km | 26 | |
| Y | 3号線 | 四つ橋線 | 西梅田駅 (Y11) - 住之江公園駅 (Y21) | 11.8km | 11 | |
| C | 4号線 | 中央線 | コスモスクエア駅 (C10) - 長田駅 (C23) *2 *3 | 17.9km | 14 | |
| S | 5号線 | 千日前線 | 野田阪神駅 (S11) - 南巽駅 (S24) | 13.1km | 14 | |
| K | 6号線 | 堺筋線 | 天神橋筋六丁目駅 (K11) - 天下茶屋駅 (K20) *4 | 8.1km | 10 | |
| N | 7号線 | 長堀鶴見緑地線 | 大正駅 (N11) - 門真南駅 (N27) | 15.0km | 17 | |
| I | 8号線 | 今里筋線 | 井高野駅 (I11) - 今里駅 (I21) | 11.9km | 11 |
- 江坂駅から北大阪急行電鉄の千里中央駅まで直通運転。
- コスモスクエア駅 - 大阪港駅間は大阪市交通局が第二種鉄道事業者、大阪港トランスポートシステムが第三種鉄道事業者。
- 長田駅から近鉄けいはんな線の学研奈良登美ヶ丘駅まで直通運転。
- 天神橋筋六丁目駅から阪急京都本線の高槻市駅(平日朝と土休日の昼間には河原町駅発着の、夕方には高槻市駅行きの準急列車あり。準急と土曜・休日の普通河原町行きは阪急側の車両で運転)および、阪急千里線の北千里駅まで直通運転。
上表の色欄で示したラインカラーは大阪市営地下鉄の路線図などで使われている。この大阪市営地下鉄のラインカラーは1975年(昭和50年)に導入されたが、色分けには以下のようにある程度意味づけされているとされている。ただ、公式に由来が決まっているのは長堀鶴見緑地線以降の路線だけで、色分けの根拠についての正式な資料が残っている訳ではなく、あくまでも推測であり、それがいつしか巷間で定着したものである。
- 御堂筋線 - 大阪の「大動脈」ということで赤(えんじ色)。
- 谷町線 - 沿線に四天王寺など寺が多いため高僧の袈裟の色から紫(京紫)。
- 四つ橋線 - 御堂筋線に対し「静脈」であり、また海寄りを走ることから青(縹色)。
- 中央線 - 大阪城公園の側を通ることから同公園の木々をイメージした緑。
- 千日前線 - 夜の繁華街の下を通ることからネオンをイメージした桃色(紅梅色)。
- 堺筋線 - 直通運転する阪急線に合わせて茶色(ビビッドブラウンであり阪急マルーンではない)。
- 長堀鶴見緑地線 - 鶴見緑地で開催された国際花と緑の博覧会のテーマカラーである黄緑(萌黄色)。
- 今里筋線 - 朝に東から昇る太陽の様な暖かさをイメージした色ゴールデンオレンジ(柑子色)。
計画路線 [編集]
下表の計画のうち、千日前線、長堀鶴見緑地線、今里筋線、敷津長吉線は「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に定められている。
四つ橋線の計画は、国土交通省や大阪市、阪急電鉄が中心となって「都市鉄道等利便増進法」に基づく速達性向上計画として整備することが検討されているもので、阪急神戸本線との相互直通運転を行う構想がある[1]。
また営業路線ではないが、森之宮検車場の機能を、緑木検車場に統合するため、中央線と四つ橋線との連絡線が本町駅西側に新設される予定である(「検修施設の統廃合計画」の節も参照)。
営業路線の延伸 [編集]
| 色 | 記号 | 路線番号 | 路線名 | 区間 | キロ程 | 駅数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Y | 3号線 | 四つ橋線 | 西梅田駅 - 十三駅 | 約2.9km | ||
| S | 5号線 | 千日前線 | 南巽駅 - 東大阪市弥刀方面 | |||
| N | 7号線 | 長堀鶴見緑地線 | 大正駅 - 大正区鶴町方面 | 5.5km | ||
| I | 8号線 | 今里筋線 | 今里駅 - 湯里六丁目駅(仮称)* | 6.7km |
- 湯里六丁目駅では敷津長吉線(仮称)と接続。
- 今里筋線は井高野駅からの延伸も検討中である。
新規路線 [編集]
| 色 | 記号 | 路線番号 | 路線名 | 区間 | キロ程 | 駅数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 9号線 | 敷津長吉線(仮称) | 住之江公園駅 - 湯里六丁目駅(仮称)* - 喜連瓜破駅 |
- 湯里六丁目駅では今里筋線と接続。
未成線 [編集]
- 榎坂 - 新大阪間 4.0km
- 御堂筋線の旧計画ルート
- 1927年6月4日 軌軌道事業特許取得。
- 1959年2月23日 軌道事業特許失効。
- 御堂筋線の旧計画ルート
- 曽根崎中一丁目 - 天王寺町間 7.8km
- 谷町線の旧計画ルート
- 1927年6月4日 軌道事業特許取得。
- 1959年2月23日 軌道事業特許失効。
- 谷町線の旧計画ルート
- 夕凪町三丁目 - 平野西脇町間 15.3km
- 中央線の旧計画ルート
- 1927年6月4日 軌道事業特許取得。
- 1959年2月23日 軌道事業特許失効。
- 中央線の旧計画ルート
- 三津屋北通 - 野田阪神間 4.3km
- 千日前線の延伸
- 1959年2月23日 軌道事業特許取得。
- 1990年2月22日 工事施行認可申請期限切れにより、軌道事業特許失効。
- 千日前線の延伸
- 南巽 - 平野泥堂町間 1.1km
- 千日前線の延伸
- 1959年2月23日 軌道事業特許取得。
- 1974年2月22日 工事施行認可申請期限切れにより、軌道事業特許失効。
- 千日前線の延伸
- 深江橋 - 放出間 1.0km
- 中央線の延伸
- 1959年2月23日 軌道事業特許取得。
- 1968年2月22日 工事施行認可申請期限切れにより、軌道事業特許失効。
- 中央線の延伸
- 住之江公園 - 大浜間 3.2km
- 四つ橋線の延伸
- 1959年2月23日 軌道事業特許取得。
- 2004年4月1日 工事施行認可申請期限切れにより、軌道事業特許失効。
- 四つ橋線の延伸
駅番号 [編集]
2004年7月1日に南港ポートタウン線(ニュートラム)とともに駅番号が導入され、その後、駅番号は車内の英語放送などで使われている。駅番号は路線名の読みの頭文字からとったアルファベットの記号(路線表参照)と起点駅を11として終点に向かって順番につけられた2桁の数字の組み合わせになっている。記号は千日前線が S なので堺筋線は2文字目(さかいすじ)からとって K とし、また、長堀鶴見緑地線が N なので、南港ポートタウン線はポートタウンの頭文字からとって P とした。数字が11から始まっているのは将来の延伸に備えたためであるのと、駅番号を採用した乗り入れ路線と連番にするためである。大阪港トランスポートシステムから路線を移譲された中央線・南港ポートタウン線のコスモスクエア駅、南港ポートタウン線のトレードセンター前駅と、御堂筋線に直通する北大阪急行線の各駅は10以下の数字が使用されている。路線ごとの駅番号は各路線の項を参照のこと。
乗車料金 [編集]
大人普通料金(小児半額・10円未満切り上げ)。2004年12月1日現在。
| 区数 | 料金(円) |
|---|---|
| 1区 (1 - 3km) | 200 |
| 2区 (4 - 7km) | 230 |
| 3区 (8 - 13km) | 270 |
| 4区 (14 - 19km) | 310 |
| 5区 (20 - 25km) | 360 |
大阪市交通局では、『運賃』を原則として『乗車料金』と言い換える。
乗車料金は駅間の最短経路のキロ程を求め、その属する区数で算出する(交通局では「対距離区間制」と呼称する)。御堂筋線・中央線・南港ポートタウン線では営業キロがそのままキロ程となるが、そのほかの路線では区間により、営業キロに所定の縮減または加算を行ったキロ程(市街の平行街路に先行開業した路線がある場合、当該先行線区の同一交叉街路至近の駅間の営業キロにそろえる設定のほか、政策的設定)が定められている。
また、同一日に市営バスと地下鉄を乗り継ぐと合計料金から100円割り引かれる(バス→バス→地下鉄、地下鉄→バス→バスの乗継(バス同士の乗継は1度目の降車から90分以内に限る)でも適用されるが、バス→地下鉄→バスといった乗継はできない)。現金で乗車の際は地下鉄の券売機でバス連絡のボタンを押して合計料金を支払い、降車されても切符は回収されないので、その切符でバスに乗車しバス降車時に料金収集箱に切符を投入する。(さらに別のバスに乗継の場合はバス乗継券を発行してもらう)スルッとKANSAIカード、回数カード、ICOCA、PiTaPa(2013年3月23日よりIC乗車カード相互利用開始で、Kitaca、PASMO、Suica、manaca、TOICA、nimoca、はやかけん、SUGOCAも利用可能)の場合は自動的に割引が適用されるため、残額があれば券売機での購入は不要となる。
バスから地下鉄への乗継方法はについては「大阪市営バス#乗降方式・運賃」を参照
運賃政策 [編集]
2010年に福岡市地下鉄と同様に1駅区間の料金を100円とする構想が大阪市の平松邦夫市長より発表された[2]。市民サービスの向上や駅周辺の違法駐輪の解消につなげることが狙いで、具体的な導入路線などは今後検討するとしていたが、2011年に市長が交代したため、この構想は消滅した。
一日乗車券・回数券 [編集]
- エンジョイエコカード
- 大阪市営の地下鉄・ニュートラム・バスが一日乗り放題。大人800円、小児300円(土休日の大人用は600円)。2011年10月に、それまでの「共通一日乗車券」と「ノーマイカーフリーチケット」を整理統合し誕生した。
- 1区特別回数券
- 地下鉄1区の回数券で、2,000円で12回分乗車可能(大人のみ)。有効期限は発売日から3か月後の末日まで。2区以上に乗り越した場合でも差額の乗車料金のみを支払うことで出場できる(なお、スルッとKANSAIカードとの組み合わせは精算可能だが、回数カードとの組み合わせての精算は不可)ため有効期限内に使い切れるのであれば、2区以上でもこの回数券で乗り越してスルッとKANSAIカードで精算したほうが割安になる。なお、以前発行されていた券片式1区回数券は大阪市バスにも乗車できたが、この1区特別回数券はバスには使用できない。成人の身体障害者・知的障害者向けの1区特別回数券も駅長室で販売されている。駅長室にて顔写真が見えるように障害者手帳を見せた上で障害者割引版1区特別回数券を購入することになる。
- 回数カード
- 地下鉄・ニュートラム・バス全線で利用でき、有効期限も無い。また、バスとの乗継割引も適用される。大人3,000円(3,300円分)、小児1,000円(1,650円分)。なお、他社線(阪急、北大阪急行、近鉄)へ直接乗り継ぐ場合は原則として接続駅までの乗車券に引き換える必要がある。
運行設備 [編集]
- 軌間
- 1435mm - 全線
- 最高速度
- 70km/h - 全線
- 電気・集電方式
- 直流 750V 第三軌条方式 - 下記方式の 3 路線以外の路線
- 直流 1500V 架空電車線方式 - 堺筋線
- 直流 1500V 架空電車線方式 鉄輪式リニアモーターカー - 長堀鶴見緑地線、今里筋線
- 車両長
- 19m - 下記車両長の 2 路線以外の路線
- 16m - 長堀鶴見緑地線、今里筋線
- 閉塞方式・信号保安装置
- 最急勾配
- 最小曲線半径
- 車両長が 19m の路線
- 半径 119.8m - 御堂筋線、千日前線
- 車両長が 16m の路線
- 半径 83m - 今里筋線
- 車両長が 19m の路線
- 乗務所
- 中百舌鳥乗務所 - 御堂筋線
- 大日乗務所 - 谷町線
- 八尾乗務所 - 谷町線
- 加賀屋乗務所 - 四つ橋線
- 森之宮乗務所 - 中央線
- 天神橋乗務所 - 堺筋線
- 阿波座乗務所 - 千日前線
- 鶴見乗務所 - 長堀鶴見緑地線
- 清水乗務所 - 今里筋線
- 検車場
- 車庫
- 八尾車庫 - 谷町線
- 今里車庫 - 千日前線
- 鶴見緑地北車庫 - 今里筋線
車両 [編集]
関西圏の鉄道事業者は車両メーカーを1社に絞って発注することが多いが、大阪市営地下鉄は公営事業者としての立場から入札制を維持し、主要6社(アルナ工機[4]・川崎重工業・近畿車輛・東急車輛製造[5]・日本車輌製造・日立製作所)すべてに発注したことがある。ただし30000系が近畿車輛に集中して発注しているような事例はある。新車置き換えのタイミングなどから、短期間で廃車される車両も多かったが、20系登場以後は車体更新工事(10系の一部編成と20系・新20系、70系に関しては制御装置の更新も同時施工)を推進させる傾向になりつつある。
御堂筋線を除き、起動加速度が2.5km/h/sと日本の地下鉄では低い部類に入る。堺筋線は乗り入れ先の阪急電鉄と合わせている。
乗務員室の扉の窓は取っ手を引くことにより窓が落ち、全開できる。ストッパーを使用することで半開けが可能である。運転台はP1 - P4の4段階のノッチ、ブレーキはB2 - B7・EB(非常ブレーキ)の7段階となっている。(堺筋線を除く)B1は抑速ブレーキであり装備車(中央線)に限り有効にされている。 特記無いものは第三軌条方式路線用(御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線・千日前線)
- 現在の在籍車両
- 過去の在籍車両
第三軌条線の共通車両規格 [編集]
車両面における大阪市の特徴としては、前述した初期に開業している第三軌条使用路線が(以下便宜上、第三軌条線と称す)、いずれもほぼ同じ規格で作られていることが挙げられる。
一般に日本の地下鉄では新路線を建設するたび、新技術の投入または他社線との相互乗り入れのため規格の見直しが行われることが多く、異なる路線では車両の融通が利かないことも多い(ただし一世代前と後の路線では規格が似通っていたり、車両検修設備などを共用する目的から、線路を繋げて車両が回送されるケースも比較的よく見られる)
しかし大阪市では堺筋線まで、既存の郊外鉄道への直通を企図した構造の路線が建設されなかったため(相互直通運転の北大阪急行と近鉄は第三軌条線となった)、市営第三軌条線は全線同一の規格となった。車内信号を使用する千日前線や、後に他社線と直通することになった御堂筋線・中央線では、路線別に仕様の個別化が若干必要とされるが、軌間や車両サイズなどの基本寸法が同じであることに変わりはない。
前述の形式別解説を参照しても、6000・6100形や10系や30000系など一部路線でしか使用歴のない形式もあれば、50系や30系や新20系のように第三軌条線の全線で使用された形式も存在する。以前の大阪市では、異なる第三軌条線でも同じ外観・車体色の車両が使用されていたが、前述のラインカラーの明確化に伴い、1975年より基本的な塗り分けパターンは同じだが、正面や側面窓下などのラインカラー部だけ色を変える新塗装が施された。これによりラインカラーによる識別性は他都市の地下鉄と同程度に向上した。
第三軌条線は御堂筋線と四つ橋線、ないし谷町線と中央線と千日前線といったそれぞれのグループで線路が繋がっており、両グループにまたがって車両の転属をする場合はトレーラーによる陸送が必要となるが、(特に7000・8000形や30系を製造していた高度経済成長の時期には)新規区間開業や輸送力増強が相次ぎ、編成替えも伴う転属が頻繁に行われてきた。その中では新型車を御堂筋線に投入し、余剰車を別路線に投入することが行われていた[7]。しかし第三軌条線の大半が新20系で占められてからは、多少の転属は発生しているものの、ほとんどの編成は特定の一路線で使用、以前ほどの頻繁な転属は行われなくなり、他都市の地下鉄に近い状況となった。そのため比較的車齢の高い10系が御堂筋線だけに投入され続けており、四つ橋線と千日前線は新20系で統一されているなどの現象が起きている。
検修施設の統廃合計画 [編集]
現在、列車検査や全般検査などを行う施設として御堂筋線・四つ橋線には緑木車両工場が、谷町線・中央線・千日前線には森之宮車両工場がある。そのうち、森之宮車両工場は築40年を超え老朽化し耐震構造などに問題があり建替えの必要があるが、検査場や保守基地などが同敷地内に混在し建替えが困難であるため、森之宮の車両工場の機能を緑木車両工場に統合し、車両工場部門の効率化を図ることになった。そのため、四つ橋線本町 - 四ツ橋間と中央線本町 - 阿波座間を結ぶ連絡線を新たに新設することになった(中央線本町駅の600m西方から北側に分岐し上昇、中央線を南に跨いで四つ橋線本町駅南方の西側に接続される)。工事期間は2015年度までとされている。なお車両工場に隣接の森之宮検車場については廃止せずに存続する。
経営状況 [編集]
大阪市営地下鉄は2005年度に44年ぶりに実質的な黒字決算となって以来、毎年黒字経営が続いており、2009年度も約289億円の黒字を確保、累積欠損金も残り約52億円となっていた。そして2011年6月10日に公表された2010年度の大阪市交通局の決算見通し(速報版)によると、ついに累積欠損金は一掃され、約186億円の余剰金が計上された。全国9都市にある公営地下鉄のうち、黒字化したのは当地下鉄が初である[8](日本全国の地下鉄の経営状況は「日本の地下鉄」の項目を参照のこと)。
長らく続いた「御堂筋線の黒字で他路線の赤字を補う」という不健全な収支状況も近年には改善され、谷町線を皮切りに、2007年度からは中央線が、2008年度からは堺筋線が黒字転換を果たした。2009年度決算ではこれら以外の路線についても全線で赤字幅が縮小した。
2006年5月8日に関西経済同友会は「大阪市営地下鉄とバス事業の民営化」を提言した。これを受けて当時の關淳一大阪市長は、交通局の経営形態について、完全民営化も選択肢に含めた検討を進める方針であった。しかしながら、2007年11月18日に行われた市長選挙において關市長が落選、後任の平松邦夫は、交通局の経営形態について、「当面現行の地方公営企業のままとし、任期中に住民投票条例を制定した上で民営化の是非をはかる」と表明していた。
2010年8月に大阪市は、市営地下鉄の運営部門を上下分離方式により民営化させる政策を打ち出した。線路などの設備は市が保有するが、列車の運行に関する部門は新たに設立する新会社が担うというものであった。
2011年に大阪市長に就任した橋下徹は、運営部門を分離せず上下一体での民営化を2015年度までに行う方針を発表した。詳細は「民営化計画」の項目を参照のこと。
2013年3月23日、全線でダイヤ改正を行い堺筋線以外の各線で、最終電車の発車時刻を、それまでに比べて最大30分遅くする[9]。これは、地下鉄は私鉄と比べて終電が早いため、郊外から大阪市中心部へ地下鉄で通勤通学する利用者が不便であるという意見を受けて決定した地下鉄改革の一端である[9]。
特記事項 [編集]
旅客案内・放送 [編集]
古くから車内放送を自動化し、CMを流すなど路線バスに近い内容の放送を行っている。
1992年8月1日から、各駅発車時における車内自動放送にて英語のアナウンスが追加されている。同時に途中駅折り返し列車における終着駅到着時の「なお、○○方面へお越しの方は、次の列車をお待ち願います。」の言い回しが「なお、○○方面へお越しの方は、同じホームでお待ちください。」に変更された。
広告放送[10]は原則駅を発車した後に行う(例:途中駅用の「○○××へお越しの方は、次でお降りください」と終着駅用の「○○××は、次でございます」の2種類がある)が、次駅によってはそれをしないこともある。
乗務員・運転業務 [編集]
乗務員の名札に記されている職名は「運転士」「車掌」ではなく、「高速運転士」「高速車掌」とそれぞれ記されている。
駅到着時と出発時、警笛吹鳴標識地点(主にカーブの手前)通過時に必ず警笛を鳴らす。谷町線平野駅など曲線上にある駅や谷町線谷町六丁目駅大日方面行などの乗り換え客が高速運転士に近いドア多く乗降する駅などは高速運転士のほうが電鈴を鳴らしてドア閉の合図をすることがある。
信号無視や速度制限を1km/hでも超過すると、保安装置による常用最大ブレーキが自動的に作動し、制限速度以下に減速する。
谷町線用30系などを除く車両には、デッドマン装置が取り付けられている。
2012年3月までは、公営地下鉄では珍しく、運転台に懐中時計置きがあるものの、懐中時計が配布または貸与されていないため設置されていなかった。また運行スタフも存在しなかった。これは、発車時刻を区切ることによる焦りによって発生する、遅延を回復させるための無理な運転によって起こる重大事故や、乗客の乗降に際して無理な扉操作により起こる扉挟みなどの事故を防ぐためであった。ただし、乗務員は運行図表を元に交代の時間を記載した交番表を常時携帯しており、この時間を元に列車の運行を行っているほか、指令所によって(場内および出発の)信号操作や(信号が進行を指示する信号を示しても車掌があわてて戸閉操作を行わないように)出発指示合図を出すタイミングを変えるなどの調整行うことで列車の定時運行を図っていた[11]。現在は、懐中時計と運行スタフを使用している。
終着駅進入前、高速運転士から高速車掌に対して電鈴2打を鳴らし、車掌も電鈴2打で返事する。
駅などの設備 [編集]
全駅に接近放送や発車メロディー(ニュートラムは発車放送)を導入している。
駅や路線の設備能力面で、車両編成の長大化に備えてホームの有効長を長めに設計している。将来の昇圧を考慮した電気設備の設定(第三軌条各線。ただし昇圧は安全性を考慮し現在までなされていない)将来の改札増設を見越したホーム設計(柵を除去し設備を設置することにより改札口を増やすことができる。中百舌鳥駅など)
2010年をめどに、すべての駅でエレベーターの設置などによるワンルートの確保を目指したり、多機能トイレの設置を進めるなど、バリアフリーが進んでいるといえる。一方ホームドアの導入はニュートラム、今里筋線は開業時から設置されている。既存路線では長堀鶴見緑地線が2010年(但し門真南駅は翌年に設置)に全駅で導入され、今後は千日前線が2014年度に、御堂筋線が2019年度に導入を計画している。また御堂筋線、中央線を皮切りに改良工事が完了した駅から随時ユニバーサルデザインのピクトグラム仕様の案内表示に更新を行っている。
駅の売店はほぼ全駅に設置されていたが、2012年に外郭団体の解散により、全駅で閉店、それ以後は2012年に乗降者数の少ない一部の駅を除いてファミリーマート・ポプラが随時出店している。また御堂筋線で乗降者数の多い3駅(天王寺駅(2013年4月18日開業)・なんば駅(2013年10月に開業予定)・梅田駅)に駅ナカ施設「Ekimo」の設置工事が進んでいる。
各駅の自動改札機は東芝製である。駅の発車標は御堂筋線、谷町線、四つ橋線、長堀鶴見緑地線、堺筋線(2012年2月以降随時フルカラー、四カ国語対応のLED式に更新されている)はLED式が使われ、中央線、千日前線、今里筋線はLCDモニター式が使われている。
駅によっては列車がホームに進入する前、地上線と地下線の境界付近で踏切の警報音が鳴動するが、地下鉄全線踏切は存在しない。これは保守員などが運行中(営業中)の軌道内に立ち入る場合があるからである。主に見通しの悪いカーブ付近に設置されている。
新線開業時の時間 [編集]
新線開業時には通常は始発時刻から行うのだが、正午から営業する習慣がある。1990年代前半までは関西の他社でも実施されていた(例:1989年開業の京阪鴨東線、1994年開業のJR関西空港線・南海空港線など)が、それより後では大阪市営地下鉄のみの実施となっている。
立売人 [編集]
1960年代まで、梅田駅など主要駅の改札口周辺では、俗に「立ちんぼ」と呼ばれる割烹着姿の年配の女性(女性たちは自らを「立売人」と称していた)たちが回数券を1枚ずつ切り取り、乗客にバラ売りしていた。当時の回数券は現在のような回数カードではなく同じ額面の乗車券を11枚綴りにした紙製の冊子で、価格は額面の10回分の価格であったため、額面通りの価格で1冊11枚をすべて売ると1回分の運賃が女性たちの収入となっていた。
切符を買う際、窓口や券売機の前で並ぶ手間が省けることから利用客は多かったようで、最大で200名くらい見られた模様。ただ、これらの行為はダフ屋行為に当たり迷惑防止条例違反であることもあり、大阪市が万博開幕を前にそれら立売人の女性たちを一斉に締め出したことで、1970年代に入るとそれら女性たちの姿は見られなくなった(締め出しに反対する女性たちが市の幹部と団交している様子を映した映像が残っている。最終的に女性たちには市側から解決金が支払われた)。
- 立売人は消えたが、回数券のバラ売り自体は、その後回数券がカード化されるまで金券ショップで多く見かけられた。
脚注 [編集]
- ^ ただしその計画の実現には第三軌条方式の四つ橋線を架空電車線方式に変更しなければならず、それによる車両の新造、工事などの問題も多い。
- ^ 大阪市営地下鉄「1駅間100円に」 200円から半減を平松市長が指示 - 産経新聞、2010年8月23日。
- ^ 鉄輪式リニアモーターカーの鉄道は従来方式の鉄道に比べて急な勾配に対応できる。詳細はリニアモーターカーを参照。
- ^ 後継企業のアルナ車両になってからは新車の発注はないが、66系の車体更新を受注
- ^ 2012年4月より東日本旅客鉄道傘下の総合車両製作所
- ^ 「平成21年春 30000系車両デビュー 地下鉄 谷町線に新型車両を導入します」 大阪市交通局 2008年10月21日
- ^ ただし2代目20系のように新型車の最初の配置が中央線、30000系では最初の配置が谷町線という例外もある。
- ^ 大阪市営地下鉄、累積赤字を解消 公営で全国初 職員減や業務効率化 - msn産経ニュース 2011年6月11日。
- ^ a b 大阪地下鉄の終電、最大30分延長 3月23日から (日経電子版 2013年2月7日21:49配信 2013年2月8日閲覧
- ^ 車内ガイド放送とは|大広メディアックス なお同公式サイト内にも車内ガイド放送利用状況表がPDFファイルで別途公開されているが、その表でのスポンサーは2ヶ月ごとに変わっている。
- ^ 但し、乗り入れ先の北大阪急行・近鉄・阪急では懐中時計と運行スタフを使用している
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||