国鉄413系・717系電車
| 国鉄413系・717系電車 | |
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413系0番台
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| 編成 | 3両編成(2M1T)413系・717系0・100番台 2両編成(2M)717系200・900番台 |
| 最高速度 | 110 km/h |
| 最大寸法 (長・幅・高) |
20,000×2,950×4,088 (mm) |
| 軌間 | 1,067 mm |
| 電気方式 | 直流1.5kV・交流20kV 50/60Hz(413系) 交流20kV 50Hz(717系0・100番台) 交流20kV 60Hz(717系200・900番台) |
| 主電動機 | 直流直巻電動機 MT46形(100kW)・MT54形(120kW) |
| 制御装置 | 抵抗制御・直並列組合せ・弱め界磁 |
| ブレーキ方式 | 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ 抑速ブレーキ(717系200・900番台のみ) |
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この表について
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国鉄413系・717系電車(こくてつ413けい・717けいでんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が設計した近郊形電車。
いずれも老朽化・陳腐化した交流直流両用急行形電車の451系・453系・471系・473系・475系・457系電車の電装品・冷房装置・台車などを再用して車体を新造した近郊形電車[1]であり、このうち交直両用車が413系電車、交流専用車が717系電車である。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 登場の背景
国鉄はその末期を迎えた1980年代、多額の債務を抱える赤字経営に加えてサービス水準の低さから社会的な批判が大きく、利用者の視点に立った輸送サービスの改善が強く望まれていた。一方、この頃まで金沢・富山あるいは仙台といった交流電化区間の地方都市圏輸送は機関車が牽引する客車列車および急行列車削減により余剰となった457系をはじめとする急行形電車により行われていた。この輸送体系は比較的長編成の列車を少ない運転本数で行う旧態依然としたものであり、都市近郊輸送として乗客のニーズにおよそ合致しないものだった。これに対して国鉄では1984年(昭和59年)から1985年(昭和60年)にかけて地方中核都市圏のダイヤ改正を実施し、列車の短編成化によるフリークエンシーの向上と定時隔ダイヤの採用し、全電車化によるスピードアップなどの輸送改善を行った。「汽車から電車へ」とも言える改善策は功を奏し、減少傾向にあった乗客数が増加に転じる結果となった。
これによりダイヤ面での改善は成功を収めたものの運行車両設備、とりわけラッシュ時における円滑な乗降では問題が残っていた。列車の短編成化と客車列車の淘汰を行うにあたり419系・715系が投入されたが、寝台・座席兼用特急形電車の581系・583系から改造されたことから、乗降口は改造前と同じ700mmの折戸形式で1人が乗降するだけの幅しか持っておらず、以前から使われていた急行形電車もデッキ付きであることから、ラッシュ時の輸送に適した車両ではなかった。このため、新たな近郊形車両の投入が望まれていた。
このようなニーズに対応できる車両として、幅広ドア2箇所でデッキのない417系(1978年)や713系(1984年)が一部区間で新製投入されていたものの国鉄は財政悪化に伴う歳出抑制に迫られており、ごくわずかな投入本数にとどまっていた。
[編集] 急行形車両の車体更新
そこで国鉄では少ない投資で輸送改善を図るため、老朽化した急行形電車から電気機器や台車などの再利用できる機器を活用して劣化・陳腐化の著しい車体部分を新製する車体更新改造を行うことになった。運行路線の状況に応じて改造元車両と同様に交直流両用車としたのが413系電車、交流専用車としたのが717系電車である。前者は北陸本線(金沢・富山)、後者は常磐線(仙台)および九州南部(熊本・鹿児島・宮崎)向けであり、ともに1986年(昭和61年)に登場した。また、JR移行後も本系列への改造増備が一部で行われた。
新製車体は、すでに地方都市圏向けに製造されていた417系や713系と設計思想を同一とするデッキのない構造で、従来車に比べて幅広の1,300mm幅[2]両開扉(ステップ付)を2箇所有しており、車内は扉付近をロングシート、その他をボックスシートとしたセミクロスシート配置とした[3]。これによりラッシュ時の乗降性を高め、当該区間の近郊輸送に対する改善が図られた。
九州地区配置となった717系200・900番台を除きロングシートのドア寄には寒冷地対策として、アクリル防風板が付いた袖仕切りが、Mc車とM'車の1・4位には雪切り室が設置された。これは、417系の送風機を内蔵するタイプではなく、115系(1000番台)と同じ簡易形である。また戸閉回路は自動・半自動切替式で、417系同様に編成中の任意運転台から操作が可能。
運転室は415系(500番台)を基本とした貫通型高運転台構造だが、客室との仕切り部分の窓を大きくした。戸袋部分のガラスは熱線吸収ガラスとなっており、この部分のカーテンは付けられていない。クロスシートは種車のシートをロングシート[4]は廃車発生品を改造して用いた[5]。荷棚も種車から再用しているため、ロングシート部のつり手の取付方法が従来の近郊形と異なる。
重量とコスト低減のため、床板の厚さは70mmから25mm薄い45mm、床面高さは713系同様の1,200mmとした[6]。台車中心間距離は、717系200番台・900番台を除き417系同様に先頭車も含めて13,800mmとした。
[編集] 413系
西日本旅客鉄道(JR西日本)金沢総合車両所に所属し、北陸本線で運用される。直江津方からクモハ413形 (Mc) - モハ412形 (M') - クハ412形 (Tc') の3両1編成(B01 - 11編成)で通常は本系列単独で運用される。車体更新時に引通線はKE96形ジャンパ連結器1基に改造されたが、他系列との併結用に先頭車前位にKE76形2基を装備しているため、415系800番台・471系・475系などと編成単位での併結運用は可能である。
種車の471系と473系では主電動機が異なっており、本系列への改造の際にはMT54系に主電動機を統一する計画となっていたが、JR移行後に改造された一部編成では部品需給上の都合で471系のMT46系が流用された。MT46系装備車も後にMT54系への交換が行われたため、現在は種車による性能差はない。
当初は471・473系全車と近郊形改造の対象から外された475系が改造予定であったが、クハ455形700番台2両を含む3両編成×11本が出場したところで計画中止となり、最終的に31両のグループとなった。
後に当初から準備工事だった先頭車の列車種別表示器のHゴムを廃して溶接仕上げとした。また通風器は全車撤去された。
2012年1月にB08編成が人件費および塗装費用削減の為の青色一色への変更が行われた[7]。
[編集] 形式
- クモハ413-1 - 10・101
- 主制御器、第二断流器箱、主抵抗器等の主回路機器と電動空気圧縮機(CP)を搭載する直江津向きの制御電動車である。
- 種車の20kVA電動発電機(MG)は老朽化のため撤去され、Tc'のMGに統合された。AU13E形分散式冷房装置も種車から再用されたが、当車とクハ412形は1基増設の6基となり能力が増大した。
- モハ412-1 - 10・101
- パンタグラフや空気遮断器などの特高圧機器・主変圧器・主整流器・交直切替関連機器・第一断流器箱・蓄電池を搭載する中間電動車である。主変圧器はポリ塩化ビフェニル(PCB)対策から絶縁油にPCB油不使用のTM20形へ改造時に交換されたため、電源周波数50/60Hz両用車となった。種車のAU72形集中式冷房装置も再用[8]されている。
- Mc - M' ユニットは471系を種車としているが、101は473系を種車[9]としたための区分番台である。改造前後の車両番号の推移を以下に示す。
- クモハ471・モハ470-8・5・10・7・13・6・3・15・4・11→クモハ413・モハ412-1 - 10
- クモハ473・モハ472-1→クモハ413・モハ412-101
- クハ412-1 - 3・5 - 10
- 米原向きの制御車。トイレ・水タンク・汚物処理装置を設置。種車の汚物処理装置も再用したため、近郊形では初めて4位側(東海道本線基準で海側)への取付となった。MGは冷房電源用出力110kVAを制御電源兼用に改造施工。
- クハ451形を種車とするが、3・8はサハ451形が種車である。
- 本形式では編成を組むMc - M'ユニットと車両番号を揃えているが、4はクハ455-701と、101もクハ455-702と編成が組成されるため4は欠番、101も存在しない。クハ455-701・702の詳細についてはこちらを参照のこと。
- 改造前後の車両番号の推移を以下に示す。
- クハ451-37・36・サハ451-101・クハ451-32・40・34・サハ451-1・クハ451-35・38→クハ412-1 - 3・5 - 10
[編集] 717系
仙台地区・南九州地区に投入された交流専用車である。運用線区と種車の違いから車両番号が区分されている。
[編集] 0・100番台
仙台地区に投入された車両である。クモハ717形 (Mc) - モハ716形 (M') - クハ716形 (Tc') の3両編成10本計30両が改造更新された。413系同様に引通線は車体更新時にKE96形ジャンパ連結器1基装備に改造されたが、先頭車前位に従来車との併結用KE76形2基も装備。このため455・457系と編成単位での併結運用実績がある[10]。
仙台運転所(→仙台電車区→現・仙台車両センター)に在籍。編成番号は種車の電動車ユニットが451系の0番台車がT-1 - 5、453系の100番台車がT101 - 105。415系電車(1500番台)やE721系電車への置換えにより、2007年11月10日に定期運用を終了。置換え前の2006年から廃車がはじまり、2008年に全車廃車された。
主に常磐線水戸 - 仙台間で普通列車に運用されていたが、末期は原ノ町以北と範囲が狭まった。東北本線での運用実績もわずかにあり南は福島、北は小牛田までの入線が記録されている。
[編集] 形式
- クモハ717-1 - 5・101 - 105
- モハ716-1 - 5・101 - 105
- クモハ717形はクモハ413形、モハ716形はモハ412形に相当する交流専用形式であり、453系を種車とする車両は主抵抗器と転換器箱が相違するため、100番台に区分された。
- Mc - M' ユニットの改造前後の車両番号の推移を以下に示す。
- クモハ451・モハ450-12・4・3・11・1→クモハ717・モハ716-1 - 5
- クモハ453・モハ452-14・17・3・10・7→クモハ717・モハ716-101 - 105
- クハ716-1 - 10
- クハ716形は種車がクハ451形1形式のみのため、100番台に連結される車両も0番台とした。
- MGは冷房電源用出力110kVAを制御電源兼用に改造。
- クハ451-8・4・23・3・5・11・1・15・6・19→クハ716-1 - 10
[編集] 200・900番台
九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島総合車両所(現・鹿児島車両センター)に在籍し、200番台はHK201 - 207、900番台はHK901の編成番号を持つ。
200番台は暖地向け車両で車体は713系をベースとしており、雪切室は装備せず主電動機用冷却風は各車とも後位戸袋上部より採風する方式とした。台車中心間距離も713系同様14,000mmであり、0・100番台や413系・417系とは異なる。
900番台は種車の車体をそのまま利用し、車両中央部に両開きドアを新設した片側3扉構造とされたのが特徴である。
組成はクモハ717形 (Mc) +クモハ716形 (Mc') の2両編成であり、各車床下にMG搭載スペースがないことから、サービス用電源はMGではなく主変圧器の3次巻線から供給する方式を採用。冷房装置も713系用に開発された交流専用のAU710形集中式が搭載された。トイレはクモハ717形に設置されている。引通線は457・475系などとの併結運用を考慮したため、ジャンパ連結器も種車同様のKE76形3基装備とした。
[編集] 形式
- クモハ717・716-201 - 207・901
- 200番台は475系を種車に改造されたグループで、分割民営化後に改造された205 - は戸袋窓が廃止され、クロスシート設置数も少ないなどの差異がある。全編成とも側面の行先表示器は当初準備工事とされた。この改造で余剰となったクハ455形は廃車された。
- クモハ717・716-901は、1994年に日豊本線鹿児島地区の列車遅延改善のため457系の電動車ユニットを改造[11]したもので、クモハ716-901の運転台はクハ455-601からの廃車流用品である[11]。
- クモハ475・モハ474-4・7・8・39・13・23・28→クモハ717・716-201 - 207
- クモハ457・モハ456-14→クモハ717・716-901
-
717系200番台
2003年8月 西鹿児島(現・鹿児島中央)
[編集] 運用の変遷
主に鹿児島本線川内 - 鹿児島間と日豊本線鹿児島 - 延岡間で運用される。2009年3月までは杵築まで,2009年9月までは大分まで入線していた。全編成とも車内収受式ワンマン運転対応改造を施工されていたが、大分地区ではワンマン運転非対応のため車掌が乗務していた。817系の投入進捗に伴い運用範囲とその本数は減少している。
2009年10月1日から、日豊本線佐伯 - 延岡間の普通列車は大分鉄道事業部大分車両センター所属のキハ220形気動車の単行運転に置換えられたため、余剰となったHK206・HK901の2本が2009年9月30日をもって定期運用を離脱し、大分地区での定期運用も消滅した。これらの編成は運用離脱後、鹿児島総合車両所に留置されていたが、2010年12月13日から14日にかけて小倉工場へ廃車回送された[12]。
[編集] 参考文献
- 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』
- No.232(1986年)佐藤芳彦 「413系交直流電車/717系交流電車」
- 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』
- No.465(1986年)野元 浩「413系、717系近郊形電車」
- No.788(2007年)「特集:451~475系電車」
[編集] 脚注
- ^ 一部に従来の車体を利用して改造したものがある。
- ^ ただし半自動扱時の取っ手が付いているので実際の開口幅は1,100mmとなっている。
- ^ ただし、トイレ前のみは2名分のクロスシートである。
- ^ クハ716形一部車両のロングシートは座り心地と着座姿勢の改善を図ったバケットシート風の「ブリッジシート」を試験的に用いた。結果は良好で、後に東日本旅客鉄道(JR東日本)では107系や113系・115系ロングシート改造車に採用した。
- ^ ただしクロスシート窓側部の肘掛は撤去。
- ^ 種車の床面高さは1,225mmで、417系も同様である。
- ^ 413系B08編成が青一色に - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2012年1月12日
- ^ 室内側は平天井構造となり、この中にダクトが収まり見付が良くなった。
- ^ 473系は Mc - M' ユニット1組のみの存在であったため、413系への改造により形式消滅。
- ^ 本系列との併結の際には455・457系に装備される抑速ブレーキは使用不可。
- ^ a b 『鉄道ピクトリアル』、電気車研究会、2007年4月。
- ^ 717系Hk901編成とHk6編成が小倉工場へ - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2010年12月15日
[編集] 関連項目
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