ひかりレールスター

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ひかりレールスター 運行経路図
「ひかりレールスター」(2008年4月26日、(相生 - 岡山)
ひかりレールスター
2008年4月26日、(相生 - 岡山
記号凡例
BHF
全列車停車
HST
一部列車停車
この書体:始発着列車あり

KBHFa
新大阪駅 JR西山陽新幹線
BHF
新神戸駅
HST
姫路駅
BHF
岡山駅
HST
新倉敷駅
BHF
福山駅
HST
新尾道駅
HST
三原駅
HST
東広島駅
BHF
広島駅
HST
徳山駅
HST
新山口駅
HST
新下関駅
BHF
小倉駅
BHF
博多駅 ↓JR西:博多南線/↓特急(列車愛称なし)
KBHFe
博多南駅

ひかりレールスターは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が山陽新幹線で運転する「ひかり」の一種の車両列車愛称

2000年平成12年)3月11日から運転を開始した[1]

700系車両を使用しているが、8両編成であることや後述する車内設備の違いから、山陽新幹線内限定運用の7000番台(E編成)として区別されている。車両自体は行先表示器などには東海道新幹線内の駅名表示も準備するなどして走行可能であるが、東海旅客鉄道(JR東海)側が16両貫通編成以外の入線を認めない方針から入線実績はない。

従来の「のぞみ」や「ひかり」とは別のラインナップであるが、新型の動力車を導入したものではない。マーケティングリサーチを行い、顧客の声を聞いて、そのニーズを反映させるために企画開発された。そしてその企画は顧客である利用者の支持するところとなった[2]。「顧客志向」のJRへの脱皮が実を結んだ例である。

目次

[編集] 導入の背景

1987年昭和62年)4月1日日本国有鉄道(国鉄)からJR西日本に継承された際、山陽新幹線の列車は、元々区間運転の「こだま」と、臨時列車や物理的に東京発着が不可能な朝晩の「ひかり」を除いては、基本的に東海道新幹線の16両編成「ひかり」の末端を延長したものであり、中には新大阪駅 - 博多駅間が各駅停車で、途中で速達タイプの「ひかり」に抜かれる「ひかり」もあった。

東海道新幹線に比べ、需要の小さな山陽新幹線を任されたJR西日本にとって、最も売り上げの見込まれる京阪神 - 北九州市福岡市間の輸送では、両都市とも比較的空港へのアクセスが良く、1995年阪神・淡路大震災後、しばらく山陽新幹線が不通状態にあったことも重なって航空会社がシェアを伸ばしていた。

このためJR西日本は、発足当初から独自で山陽新幹線へのてこ入れを図り、0系の編成を短縮し普通車座席の横2列+2列化など車内を改良した「ウエストひかり」を投入し、沿線主要都市間を結ぶ速達列車を増発した。しかし、車両性能の限界から速度向上が望めない0系を使い続けることには限界があり、最新の700系を投入して抜本的な改善が図られたのが「ひかりレールスター」である。

[編集] 車両・設備

[編集] 塗装

ひかりレールスターロゴ(博多駅にて 2008年9月26日)
700系E編成(姫路駅、2009年5月21日)

従来までの山陽新幹線車両に採用されてきた青/白ではなく、グレー地に黒とオレンジの帯をサイドに配したカラーリングとなった。「ひかりレールスター」であることをさらに強調するためにロゴも貼り付けられている。

[編集] 内装

8両編成で、全車両が普通車となっている。指定席車はグリーン車用座席並のシート横幅を確保しているため、グリーン車は連結されていない。2・6号車は喫煙席で、他の車両は全て禁煙である。2004年7月までは5号車も喫煙席であった。

1 - 3号車の自由席車は、700系B編成普通車座席とほぼ同等設計であり、他の新幹線車両と同一の横3列+2列の座席となっている。

4 - 8号車の指定席車の座席は、0系「ウエストひかり」編成を踏襲した横2+2配列であり、座席幅のみならず、隣席間の肘掛やリクライニング角度も大きくゆったりしたグリーン車並のものであることが人気をよんだ。グリーン席との主な差異は座席の前後間隔(シートピッチ)が他の普通車と同じ1,040mm(グリーン車は1,160mm)であるのと、フットレストが装備されていない程度である。JR西日本ではこれを「サルーンシート」と呼称している。また、大人2名が小児を連れて隣同士の2席を確保した場合、肘掛に取り付けて小児を座らせる「チャイルドクッション」と呼ばれる簡易椅子の貸し出しも無料で行われている(8号車のみ)。

通常運用時は自由席は1 - 3号車であるが、「ひかり540号」は1 - 7号車が、「ひかり543号」は1 - 5号車が自由席扱いとなる。

3・7号車デッキには清涼飲料水自動販売機、「旅指南」と呼ばれるタッチパネル時刻表検索機(プリントアウトも可能)が備えられている。なお、「旅指南」については2008年3月14日をもってサービスを終了した[3]

[編集] 性能

台車500系と同一品を装着し、これは後に登場した16両のB編成も踏襲している。東海車C編成用の台車と歯車比(C編成2.97に対しE編成2.79)が異なるため、制御装置の特性を変更して起動加速性能を合わせている。また、B編成の普通車座席ははE編成自由席に準じている。

700系の動力性能により、最高速度は同系運用の「のぞみ」と同一の285km/hで、かつ途中停車駅での後続列車の待避は一部を除き原則行われていない。新大阪駅 - 博多駅間の標準所要時間は2時間45分で「のぞみ」と比べて6 - 22分の差でしかない。2009年3月13日まで設定されていた速達タイプは300系使用の臨時「のぞみ」や、最も停車駅の多い「のぞみ」よりも速く走るダイヤ(所要時間2時間35分)だった。すなわち「レールスター」は原則として「のぞみ」に抜かれず、「のぞみ」とほぼ同等のダイヤ構成となっている。例外として、広島駅 - 岡山駅間各駅停車である、朝の広島発の「ひかり540号」が途中の東広島駅福山駅で後続の「のぞみ」を待避しているほか、「ひかり542号」が、姫路駅で臨時「のぞみ150号」を退避している。

そのため、山陽新幹線の指定席利用者は、座席の快適性や指定席特急料金が「のぞみ」よりも安いこともあって「レールスター」を指名する客が多い。これにより、「レールスター」の指定席は常に満席に近い状態であり、「のぞみ」よりも先に売り切れることもある。

なお、走行速度が285km/hに達すると、車内案内表示器に「Rail Star ただいまの速度は285km/hです。We are now travelling at 285km/h.」の表示が流れる(500系では300km/hで流れる。N700系では特に表示なし)。

東海道新幹線で運用される16両編成の車両で行われている、FMラジオでのミュージックサービスは本車両では行われていない。これは他の山陽新幹線専用車両である100系K・P編成、0系R・WR・Q編成も同様である。

[編集] 設備

サイレンスカー
静かな車内作りを目的として、4号車に設定されている。始発駅発車前と終着駅到着直前、および災害や事故発生など異常時を除いて車内放送が流れないほか、車内販売の声かけが行われない。乗客にも車内静粛への協力をよびかける文が、テーブル裏などに記載されているが、この車両が自由席である場合や、最繁忙期には設定されない。
オフィスシート
指定席車両の進行方向最前列の座席に設定されている(一部の席は除く)。デッキとの間を仕切る壁に大型テーブルとコンセントを備えており、ノートパソコンなどを使用しやすくなっている。
以後、オフィスシートはJR東海所有のC編成では2001年(平成13年)度分以降の新造車となるC25編成から採用され、JR西日本ではB編成でも採用されている。
コンパートメント
8号車の新大阪寄りに、簡易仕切り壁を設けた4人用個室が4室ある。交流電源が1つあり、旅客機のように照明の明るさが調整できる。運賃指定席特急料金で利用することが可能だが、3人以上の利用に限定されている。一部のものを除いて特別企画乗車券(トクトクきっぷ)の類は使えない。また、エクスプレス予約e5489plusによるパソコンや携帯からの座席指定もできない。なお、「フルムーン夫婦グリーンパス」の場合は2人での使用が可能である。

[編集] 停車駅と所要時間

2009年3月14日改正時点で、新大阪 - 博多間の所要時間は2時間40分 - 2時間50分、停車駅は以下のとおりである。

列車名\駅 新大阪駅 新神戸駅 姫路駅 岡山駅 新倉敷駅 福山駅 新尾道駅 三原駅 東広島駅 広島駅 徳山駅 新山口駅 新下関駅 小倉駅 博多駅 備考
540,589号          
541,543号
542,548,551,552,556,
562 - 564,569,571,573,581,586号
- - - - - -
544,568号
545,547,553,560,565,
572,582,584,587,588号
- - - - - -
546,550,554,557,558,561,
566,567,570,575,579,583,585号
- - - - - - -
549,555,559,576,577,580号 - - - - - -
574,578号
停車本数 50 50 33 50 2 50 2 2 2 50 17 25 8 48 48
  • ● - 停車
  • -/→/← - 通過
  • 2009年3月13日まで、新神戸、岡山、福山、広島、小倉のみ停車の速達タイプが設定されていた。
  • 2009年3月13日まで、姫路に停車して福山を通過する列車が存在した(ひかり463号)。

[編集] 運用

山陽新幹線内で完結する、すべての定期「ひかり」および、臨時扱いだが毎日運転する「ひかり」として運転されている。

停車駅での案内放送や車内放送は、「ひかり○○○号 レールスター」と案内される。ただし、新大阪駅は、JR東海が管理しているため「ひかり○○○号」のみで、「レールスター」とはアナウンスされないが、発車標には「レールスター」の表示がある。

市販の時刻表では「ひかりレールスター。8両編成(グリーン車マーク)なし」(交通新聞社版)、「〔ひかりレールスター〕で運転」(JTBパブリッシング版)という注釈が記載される。

基本的に毎時2本(うち準速達タイプが1本)の運行である。新大阪駅毎時22分発/博多駅37分発が姫路停車タイプ、新大阪駅毎時59分発/博多駅04分発が準速達タイプとなっている。早朝深夜には一部例外も存在する。

新大阪駅では、大半の列車が南端にある20番線に発着するため、東海道新幹線との乗り継ぎには、時間の余裕をみるか、同一ホームで乗り継ぎができる新神戸駅で乗り継いだほうがよい。

[編集] 博多南線への直通列車

朝夕に博多駅を発着する列車の一部に、博多南線への直通列車がある。

  • 下り(博多 → 博多南)
    • 9:03発 → 9:13着 541号
    • 16:09発 → 16:19着 565号
    • 17:09発 → 17:19着 569号
    • 18:27発 → 18:37着 571号
    • 19:09発 → 19:19着 573号
    • 20:09発 → 20:19着 577号
    • 21:17発 → 21:27着 581号
  • 上り(博多南 → 博多)
    • 7:47発 → 7:57着 546号
    • 8:49発 → 8:59着 550号

[編集] こだまへの700系E編成の充当(2009年3月14日改正)

700系E編成を充当する「こだま」が新大阪駅 - 岡山駅間と広島駅 - 博多駅間、小倉駅 - 博多駅間に1日1往復ずつ運転されている。

  • 下り
    • こだま781号 新大阪20:40発 → 岡山21:55着
    • こだま823号 広島6:49発 → 博多8:20着
    • こだま863号 小倉8:49発 → 博多9:06着
  • 上り
    • こだま722号 岡山6:35発 → 新大阪7:41着
    • こだま824号 博多21:46発 → 広島23:24着
    • こだま856号 博多8:14発 → 小倉8:35着

上記の「こだま」として運用に入る際、856号と863号は全席自由席、それ以外は指定席は8号車のみの設定で他は自由席である。4 - 7号車の2+2列座席に自由席特急料金で乗車できる。また「サイレンスカー」の設定はない。これらは新大阪着が朝の通勤時間帯にかかる「ひかり」540号も同じである。

E編成は8両編成であることから、最繁忙期には500系などが代用運転されることがある。

[編集] 特別列車

[編集] RailStar 21世紀号

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[編集] ホークス・タイガース応援列車

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[編集] 沿革

  • 2000年3月11日 : 1日14往復で運転開始。
  • 2000年4月21日 : 「ウエストひかり」運転終了に伴い4往復増発、1日18往復(新大阪駅 - 博多駅間)。
  • 2001年3月 : 2往復増発、1日20往復(新大阪駅 - 博多駅間)。「レールスター」全体の運転本数は38本→49本に増加。
  • 2001年10月1日 : 新大阪駅 - 広島駅間の列車3往復を博多まで延長、新大阪駅 - 博多駅間は1日23往復へ。
  • 2006年3月18日 : 速達タイプを2往復新設(朝夕1往復ずつ)。新大阪駅 - 広島駅間の1往復(早朝上りの440号・深夜下りの489号)が三原駅に新規停車。
  • 2007年7月1日 : 速達タイプを1往復増発(新大阪6:00発の441号・博多20:28発の486号)。
  • 2008年3月15日 : 新大阪駅 - 広島駅間の上り1本(早朝上りの440号、現在の540号)を広島駅 - 岡山駅間の各駅に停車。姫路駅を通過する準速達タイプの追加。
  • 2009年3月14日 : 新大阪駅 - 広島駅間の下り1本(深夜下りの589号)も広島駅 - 岡山駅間の各駅に停車[4][5]。途中5駅のみに停まる速達タイプが廃止[6]

[編集] 今後の動向

先述のように2006年3月ダイヤ改正で、「のぞみ」の最速列車停車駅と福山駅に停車する速達列車が登場(その後増発)し、その所要時間は停車駅の多い「のぞみ」よりも短い。また、

  1. 2003年10月ダイヤ改正で、東海道区間で毎時「のぞみ」7本/「ひかり」2本体制になったこと
  2. それによって「ひかり」が大幅減便となった救済策として「のぞみ」が従来「ひかり」「こだま」しか停車していなかった山陽区間の主要駅にも停車(姫路、福山、新山口など)になったこと
  3. 「のぞみ特急料金」の値下げ、および「のぞみ」に新たに設定された自由席及びその特急料金は「ひかり」・「こだま」と同一額に設定された上に、割引乗車券類の大半も「のぞみ」利用が可能になったこと

などもあって、「のぞみ」との差別化が登場当初と比べて曖昧になってきていた。

これを是正するため、2008年3月15日のダイヤ改正からは、速達列車は「のぞみ」に統合される形で再び朝晩の1往復のみの運転となり、逆に停車駅の多い「のぞみ」の停車パターンが、準速達「ひかり」に適用されている。これにより、新大阪駅 - 博多駅間を2時間45分で運転するという原則が崩れ、準速達列車は所要2時間41分、停車駅の多い列車は2時間50分となる列車が増えている。

ただ、神戸空港北九州空港の開港もあり、航空路線への更なる対抗策として「ひかりレールスター」が山陽新幹線完結の看板列車として存在する意義は設定当初から変わっていない。

また、2011年3月に予定されている九州新幹線博多駅 - 新八代駅間開業後、現状でも鹿児島本線特急列車の利用者が多い、熊本駅以北の区間は毎時4本を設定すると九州旅客鉄道(JR九州)が発表している。

ただし、700系の性能では脊振山地を貫く博多駅 - 新鳥栖駅間(特に筑紫トンネルおよびその前後区間)および新八代駅以南の急勾配に対応出来ない為に九州新幹線への入線自体が不可能である事から、山陽新幹線・九州新幹線直通列車「さくら」にはN700系7000番台をJR西日本・JR九州の両社共同で開発することが合意された。この新型車両についてはモバイル用コンセントの大幅増設や指定席の2+2シートの踏襲など、N700系とひかりレールスターの双方の長所を組み合わせた車両として開発が進められており、新たに半室ながら、グリーン席の設置も予定されている[7]。2008年10月に量産先行車1編成(N700系7000番台・JR西日本所有)が落成し、山陽新幹線内で各種試験が行われている。

N700系7000番台の九州新幹線直通対応車投入に伴う700系7000番台の今後の動向については、2008年8月14日付けの産経新聞[8]にて、九州新幹線開業後に「ひかりレールスター」の運用から外し、順次「こだま」に転用することを決定したという報道がされているものの、JR西日本からの公式発表はない。

[編集] テレビCM

2000年3月11日の営業運転開始前に宣伝用のテレビCMが放映され、楽曲カーペンターズの『トップ・オブ・ザ・ワールド』が使用されていた。

[編集] 脚注

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[編集] 関連項目