新幹線N700系電車
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| 新幹線N700系電車 | |
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半径2500mの曲線を走行するN700系 (2007年9月27日、新横浜~小田原間にて撮影) |
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| 起動加速度 | 2.6 km/h/s |
| 営業最高速度 | 東海道270km/h・山陽300km/h |
| 編成定員 | 1,123人(普通車)+200人(グリーン車)=1,323人 |
| 最大寸法 (長・幅・高) |
25,000*1 ×3,360 ×3,600*2mm *1先頭車は27,350mm *2先頭車の大部分は3,500mm |
| 編成重量 | 700t |
| 軌間 | 1,435 mm |
| 電気方式 | 交流25,000V 60Hz |
| 編成出力 | 305kW×56 = 17,080kW (14M2T) |
| 制御装置 | VVVFインバータ制御 |
| ブレーキ方式 | 回生併用電気指令式空気ブレーキ (応荷重装置付き) |
| 保安装置 | ATC-1、ATC-NS |
| 製造メーカー | 日立製作所・日本車輌製造・川崎重工業・近畿車輛 |
新幹線N700系電車(しんかんせんN700けいでんしゃ)は、東海道・山陽新幹線の第5世代の車両である。
300系や500系を置き換える次期主力車種として、2007年7月1日のダイヤ改正から営業運転を開始した。同年10月1日には財団法人日本産業デザイン振興会の2007年度グッドデザイン賞金賞(商品デザイン部門)を受賞した。
目次 |
[編集] 概要
700系を土台に、さらなる高速性と快適性・環境性能向上の両立を目指し、東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)および日本車輌製造(車両メーカー)によって共同開発された。
[編集] 名称
開発当初は「700N」と称し「N700系」は通称だったが、2004年5月28日に「N700系」が正式な形式称号に決定した、と発表された。数字の前に表記される「N」はnewやnextなどの意味を込めた、と説明されている。
各車両の形式番号は700系ではグリーン車が710番台、普通車が720番台であるのに対し、本系列はグリーン車が770番台、普通車が780番台となる[1]。また編成記号はJR東海所有車が「Z」、JR西日本所属車が「N」で、車両番号はZ編成が0番台、N編成が3000番台に区分されている。
[編集] 沿革
[編集] 開発
日本国有鉄道(国鉄)の分割・民営化以降、新幹線でもサービスの向上が図られ、JR西日本は最高速度300km/hで運行できる500系を開発した。しかし、東海道区間では線形が悪く、最高速度は270km/hに抑えられることから過剰な性能であったことと、製造費用が1編成(16両)で約46億円かかること、その当時の主力車両だった300系と車両ごとの定員が異なるため運用の共通化に支障をきたしたことから、500系は9編成(144両)が落成した時点で製造終了となった。
その後、JR西日本は汎用性を重視してJR東海と共同開発した700系を導入した。同系列は山陽区間での最高速度こそ285km/hにとどまったが、最高速度220km/hの0系と100系の置き換え用として多くの編成が製造され、新幹線の高速化に大きな成果を挙げた。
しかしJR西日本は航空路線との競合から500系と同等の最高速度300km/hの高速性能を、JR東海は品川駅開業とそれに伴う東海道新幹線の列車本数増加やデジタルATC (ATC-NS) の導入に伴い、より高い加減速性能を持つ新車両を求めるようになった。その両社の要求を具現化するべく共同開発されたのが本系列である。
500系と700系では東海道新幹線で最高速度270km/hを出せる区間は全体の約3分の1程度であった。本系列では車体傾斜システムの搭載により、これまで255km/hの制限がかかっていた半径2,500mの曲線区間(60か所)でも270km/hで走行できるようになり、東海道新幹線の約3分の2以上の区間で270km/hで走行できるようになった。
車体傾斜システムの導入と加減速性能の向上により、東京 - 新大阪間では従来の500系・700系の「のぞみ」と比べて運行時間は最大5分短縮され、最速列車の所要時間は2時間25分(2007年7月1日ダイヤ改正時の「のぞみ1・163・52号」)となった。
新幹線では停車駅が1駅増えるごとに所要時間はおよそ5分間延びるといわれているが、ダイヤ改正から本系列で運転されている「のぞみ100号」の場合、停車駅に新横浜駅が追加されたにもかかわらず、所要時間は4分短縮された(2時間30分→2時間26分)。本系列の高加速度・新傾斜システム・新ATCといった最新技術のもたらした大きな成果といえる。
2005年3月4日に日本車輌製造・日立製作所・川崎重工業により先行試作車(Z0編成)が完成。同月10日未明に浜松 - 静岡間で初めて本線を走行し、7月16日には三島 - 浜松間での日中走行も実施した。同月24日には初めて東京 - 新大阪間を走行し、29日には山陽新幹線に乗り入れて博多まで走行、そして9月7日には速度向上試験で320km/hを記録した。この先行試作車による2年間の実験走行を経て、量産車(Z1編成以降とN編成)を投入することとなった。
2006年12月7日、日本車輌製造豊川製作所で量産車となる構体が報道関係者に公開された。この構体は「Z1編成」のもので、翌2007年3月より搬入が開始された。これにより、100系以来続いていた「量産先行試作車の*0編成→*1編成への改番・量産化改造および営業運転への導入」という東海道・山陽新幹線での慣例を破ることとなった。なお、Z0編成はそれまで各種技術試験を行ってきた300系の量産先行試作車「J1」編成が廃車されたのと、車掌室やコンセントの位置、喫煙ルームの設置箇所や数量が量産車と異なり営業運転に支障をきたすため量産化改造は見送られ、J1編成の後継となる試験車として運用されることになった。ただし、完全な試験専用編成ではなく、都合により営業運転に運用されることも考慮されている。その際、該当列車は完全禁煙の扱いとなる。
同年5月23日には報道関係者約300人向けの試乗会が実施された。使用されたのはZ2編成で、同年7月1日の営業運転開始までにJR東海が準備する5本の編成のうちの一つだった。東京 - 博多間を約5時間半で走行し、途中名古屋・京都・新大阪・岡山・広島に停車した。東京駅を11時46分に出発し、掛川駅通過直前に「只今車体傾斜を行っています」という車内アナウンスが流れ、名古屋駅到着まで幾度か同様の放送が流れたが、ほとんどの添乗者が車体の傾きを体感しなかった。同乗したJR東海の担当者は、カーブに入る手前の緩和曲線を含めて線形を読み、走り込みを続ける中で傾けるタイミングを調節したと語った。その後、同年6月16日・17日・24日に公募による一般向けの試乗会も開催された。
[編集] 営業運転開始
2007年7月1日のダイヤ改正までに6編成96両(Z編成5本〈Z1~Z5〉〉・N編成1本〈N1〉)が落成して営業運転を開始した。この時点では品川 - 博多間下り1本・東京 - 博多間2.5往復(下り2本・上り3本)・東京 - 新大阪間1往復に充当された[2]。
営業開始当日、JR東海では品川駅(「のぞみ99号」6:00発)・新大阪駅(「のぞみ100号」6:00発)・名古屋駅(「のぞみ100号」6:50発)、JR西日本では博多駅(「のぞみ26号」12:28発)・広島駅(「のぞみ26号」13:30発)・岡山駅(「のぞみ26号」14:06発)でそれぞれ出発式を行い、列車の出発を見送った。また東京駅(「のぞみ1号」6:00発)では花束の贈呈のみだった。なお、新大阪発の営業初列車となる「のぞみ100号」のグリーン券は発売開始後即完売となる人気ぶりだった。
[編集] 今後の投入計画
2006年5月26日のJR東海・JR西日本両社の発表では、投入計画は以下の通りとされた。
費用はJR東海が約2千億円、JR西日本が約600億円であり、2009年度には東海道・山陽新幹線直通のすべての「のぞみ」を本系列に置き換える計画だった。その後、営業運転開始後の好調と増備によるさらなる地球環境への貢献を図るため、従来の計画を前倒しするとともに2009年度以降にも追加投入され、合計で1,500両以上が製造されることとなった。これにより、2011年度には定期列車の「のぞみ」がすべて本系列で運行される予定である。[3]
- 2007年度:24編成(東海16 (+1) ・西日本8)
- 2008年度:17編成(東海16・西日本1 = 増減なし)
- 2009年度:21編成(東海16 (+5) ・西日本5 (+2))
- 2010年度:18編成(東海16・西日本2)
- 2011年度:16編成(東海のみ)
- 計:96編成(東海80・西日本16〈半カッコ内は当初計画からの増加〉)
追加投入の費用はJR東海が約1,800億円、JR西日本が約200億円で、総額はJR東海が約3,800億円、JR西日本が約800億円となる。
九州新幹線を営業している九州旅客鉄道(JR九州)では2011年春の博多 - 新八代間の開業に向けて、山陽新幹線との直通用として本系列を設計の土台とした車両をJR西日本と共同で開発するとしており、8両組成でJR西日本が19編成、JR九州が10編成の合計29編成(232両)を製造する予定である。[4]量産車の製造に先立ちJR西日本が量産先行車を製造することとなり、2008年秋に完成する予定としている。[5]
[編集] 構造・性能
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N700系のLED式側面行先表示装置の表示内容(2007年7月7日、「のぞみ52号」博多駅にて撮影)
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前述の要求に基づき、まず「従来の300系や700系との各号車別定員の共通化を図る」ことを前提に開発が開始された。
[編集] 外観
先頭部は700系のエアロストリーム型を遺伝的アルゴリズムにより改良した「エアロ・ダブルウィング」という形状で、長さ10.7mである。先頭形状の長さを抑えつつ、微気圧波形状のピークを分けることで最大値を抑え、騒音の抑制と先頭車の定員確保に一役買っている。車体塗装は700系16両編成と同じだが、独自のロゴタイプを車体側面に掲げている。客室窓は軽量化しつつ十分な強度を確保するため、面積は700系の約60%に縮小された(普通車で天地520mm×幅500mm、窓框〈かまち〉高さ780mm)。
なお、本系列では700系にあったようなJR東海・JR西日本それぞれの所属車両の外観での差異[6]はほとんどなく、わずかに車両番号とその横に貼り付けられたJRロゴの色と編成番号表示の違いのみで、車両を一目見ただけでは所属会社を見分けにくい。
また、新たに開発した高性能のセミアクティブ制振制御装置を全車両に設置することで振動を極力抑えるとともに、車両間に今回ジャバラ社と開発した「全周幌」を新幹線の営業車両として初めて採用[7]し、車両の連結面間を伸縮性のゴム素材でほぼ完全に覆ってしまうことで車体側面の空気抵抗と車両内外の騒音の軽減を達成し、結果的に省エネルギーにも寄与することとなった。
これに類似したものとして国鉄時代にモハ20系(151系)やキハ81系で採用された「外幌」があったが、当時の「こだま」の最高運転速度 (110km/h) 程度では効果を発揮せず、メンテナンス難の理由で早期に撤去された。
扉は両先頭車の運転室側にある乗務員用と客用のみプラグドア、その他はすべて通常の引き戸である。これは騒音対策と製作・保守費用低減の両立のほか、先頭形状の都合にもよるものである。
パンタグラフも0系以来の基礎中の基礎ともいえる部分の設計から抜本的に見直すことで小型・軽量化が図られた。また試作車両には800系U-001編成と同様にカメラ・センサ・投光器で構成される架線の検測装置が設置され、車体傾斜時の架線との接触状況などの確認が行われた後に取り外された。
また、JR東海の営業用新幹線車両では初めてフルカラーLED式行先表示器とHIDランプによる標識灯が採用された[8]。表示内容は列車名・行先・指定席/自由席の種別を日本語と英語で交互に表示し、日本語で列車名・行先と停車駅をスクロール表示する。座席区分表示器も700系までの液晶からLEDに変更され、「指定席」は緑色、「自由席」は白色表示となっている[9]。
細かい外観のポイントとして、Z0編成では客用ドア横の号車番号表記と禁煙ピクトグラムが横に並んでいたのに対し、量産車では新幹線車両としては初めて縦並びとされた。また、500系まで乗務員用扉横の握り棒は金属の手すりを埋め込む構造だったが、本系列では走行中の空気抵抗を低減するため、カバーを設置し走行中は自動的にせり上がる構造となった。
[編集] 標識灯
前照灯や尾灯は300系以前と同様、遠方では同じ場所の電球のように見えてもフィラメントの前照灯とLEDの尾灯は分離されている構造である。従来の車両では前照灯と尾灯が横並びになればそのほとんどは内側が前照灯、外側が尾灯で、縦並びになれば500系を除いて上側が前照灯、下側が尾灯という配置が一般的だった。本系列では前照灯は左右それぞれ2基が横並びになり、丸い前照灯の周りを覆い尽くす格好で発光ダイオードの尾灯が粒子状で配置される過去に前例のない構造となった。
[編集] 性能
起動加速度は新幹線車両として最高の、通勤形電車並みの2.6km/h/s[10]で、およそ3分で270km/hまで加速する性能を持つ。営業運転での最高速度は500系と同じ300km/hとされた。これを達成するために主電動機の出力を向上(275kW〈700系〉→305kW)し、電動車 (M) と付随車 (T)の構成(MT比)も変更(12:4〈700系〉→14:2)した。これにより編成出力は17,080kWとなり、700系と比べて約30%向上した。
ブレーキはMT比の見直しにより、300系や700系で使用されていたT車の渦電流ブレーキが廃止され、常用ブレーキでは14両のM車の回生ブレーキで制動力を得るようにした。ATCの老朽置き換えに伴い設置されたデジタルATC (ATC-NS) 車上装置が搭載され、制動距離と閉塞間隔の最適化が行われる。
また、従来は255km/hに減速する必要のあった東海道区間の半径2,500mの曲線を最高速度のまま走行できるようにするため、新幹線車両で初めて空気バネによる車体傾斜装置(最大傾斜角1度)を採用し、さらに700系では一部の車両のみに搭載されていたセミアクティブサスペンションを性能向上(700系:4モード選択切替制御→本系列:無段階制御)の上、全車両に搭載することで乗り心地の改善を図っている。
車体傾斜機能は半径2500mのカーブがない山陽区間では使用しないが、完全に機能を停止するのではなく車体を水平に保つ制御(0度制御または水平制御)に活用し、乗り心地を向上させている。
走行時のエネルギー消費も曲線での余分な加減速を不要とすることなどで、東海道区間で700系と比較して1割低減することを当初の目標としていたが、先行試作車による走行試験の結果、270km/h走行時の利用客1人当たりの消費エネルギーが13.23kWh[11]となり、19%削減(改善)という当初の目標値を上回る省エネ効果が得られたことが確認された。全周ホロなどの空力改善の積み重ねもこれに寄与している。なお、山陽区間では9%の削減に成功した[12]。
台車は300系以来の実績があるボルスタレス台車である。しかし、N編成も700系までとは異なりZ編成と同じ円筒ゴム併用支持方式のものを装備した。これにより500系から700系3000・7000番台と3代にわたって続いた軸梁支持方式台車は本系列でひとまず終わることになった。
[編集] インテリア
[編集] 空間と窓
車体傾斜装置の採用で全幅は700系に比べて20mm狭くなったが、強度を確保しながら車体壁を薄くするなどした結果、同系列と同等の車内空間を確保している。反面、鋼体剛性の確保のため700系と比べて窓が小さくなり、通路側の座席(特に普通車のC席)から外の景色を見ることは難しい。
普通車の窓には特殊なポリカーボネート樹脂を採用している。従来の複層ガラスの表面に特殊ポリカーボネート樹脂製シートを貼り合わせたコンポジットタイプから比較して飛び石などに強く耐久性や軽量性に優れるとともに、部材使用量を約半分に抑え単位面積当たりの質量を約3割軽量化することに成功した。
[編集] 座席
300系以降の座席は編成重量軽量化のため座席クッションのスプリングを廃止しポリウレタンを重ねる構造だったが、座り心地の点で評判が芳しくないため本系列では複合ばね構造に改良された。
普通車座席の背もたれは高機能な新型のポリエステルクッションである。従来のウレタンに比べて同じ体積で約20%軽く、透湿性にも優れ蒸れにくい。また通勤電車用の座席より着座時のフィット感が向上した。弾力性が長持ちするとともに耐久性に優れるほか、ポリエステル素材のため完全循環型システムでリサイクルできる。
このほかの素材ではクラレグループ製のマジックテープと「セプトン コンパウンド」も使われている。マジックテープは従来からのヘッドレストカバー・座席表皮端末固定用に加え、座席表皮の浮き止めやクッションパッドにも新たに採用された。また、スイミングゴーグルのバンド部やとび縄の縄部分にも使われている「セプトン コンパウンド」は座席の肘掛に採用された。これまでのポリカーボネート製より肘掛が柔らかくなったことで触り心地を向上したり、硬いものが接触した時に発生する不快音の低減を実現した。
普通車は座席幅を700系から10mm拡大して440mmとし[13]、グリーン席には新たに開発された「シンクロナイズド・コンフォートシート」が採用された。これはリクライニングすると座面後部が沈む構造で、座り心地が改善されており日本航空国内線のクラスJに近いものといえる。このほかLEDを採用し輝度を高めた読書灯(後述)や足元を暖める機能(レッグウォーマー)も新たに導入された。
テーブルはA4サイズのノートパソコンが置けるサイズに拡大され、量産車ではグリーン車の全座席と普通車の窓側(A・E席)・最前部・最後部の座席にモバイル用コンセントが設けられた。その結果、1編成の定員(1,323人)の約6割に当たる個数が用意されたことになる。
100系以降700系までは所有会社によって座席の色や形状などの仕様が異なっていたが、本系列ではすべて同じである。
[編集] 車内設備
地上設備が完成する2009年春から無線LANによるインターネットサービスを開始する予定である[14]。ただし山陽区間ではトンネルが多く改良費用が高額になることに加え、JR福知山線脱線事故や相次ぐトンネル岩盤崩落を受けて安全対策を優先する方針で改良計画が策定できないなどの事情から、当面は東海道区間のみの実施となる。[15]この技術はつくばエクスプレスで実証実験された車内無線LANの技術を発展させたものである。
トイレはすべて洋式に統一されるとともに、11号車に新幹線車両では初めてオストメイト対応トイレが設置された。また一部のトイレにはおむつ交換台、11号車の多目的室にはベビーチェアも設置されている。
車内は全席禁煙とし、強制排煙装置やJR東海の小牧研究施設が開発した光触媒脱臭装置を備えた喫煙ルームを3・7・10・15号車のデッキ部分に計6か所設けている。喫煙コーナーに近い座席では喫煙を希望する乗客の希望を優先して指定席券が発行される。駅自動放送でも本系列で運転される列車は全席禁煙である旨と喫煙ルームが何号車に設置されているかがアナウンスされる。
車内チャイムは在来車と同様、Z編成は『AMBITIOUS JAPAN!』、N編成は『いい日旅立ち・西へ』を使用している。
号車・座席番号・テーブル裏の車内設備案内表示などの文字フォントは従来より級数が上げられ、見やすくなっている。
車内案内表示器は新幹線では初めてフルカラー・2段表示が可能になり、新聞社から配信されるニュース、広告や駅を通過する際の「ただいま●●駅を通過。」などの従来からのものに加えて、駅停車時のドア開閉方向なども表示されるようになっている。
車内照明には松下電工製や東芝ライテック製のLED照明器具も採用された。このLED照明器具は白熱灯に比べ消費電力が少なく振動に強い。[16][17]
- 1編成あたりの納入台数
- 松下電工製
- グリーン車への通路部にフットライト26台
- 運転席にスポットライト12台と補助ライト2台
- 東芝ライテック製
- グリーン車に読書灯200台と側補助灯100台
- 喫煙ルームなどに直線補助灯45台と円筒スポット灯43台
[編集] セキュリティ対策
鉄道車両では初めて、すべての乗降口と運転室出入口に防犯カメラを設置し、乗務員室のモニター上で監視できるシステムが備えられた。これは乗降口に備え付けられている非常用ドアコックがいたずらで操作され、その安全確認のためしばしば遅延をきたしていることや、電話室や喫煙ルームなど個室部分の増加とともにそれらの空間を悪用される恐れがあるため、防犯カメラによる抑止効果を図るためである。
さらにテロや痴漢・迷惑行為防止の面からも効果が期待されているが、2005年のロンドン同時爆破事件などの経験から防犯カメラにテロ抑止効果はあまりないとする意見がある。また、その運用や記録の保存体制についても公表されておらず、プライバシーの侵害を懸念する意見もある。これについてJR東海会長の葛西敬之は営業運転の開始前に「(監視カメラ作動中の断りがあり、隠し撮りとはならないため)合法であり、問題はない」と述べている。
一方、ドアコックのいたずら対策として走行中にドアコックの蓋を自動的に施錠して開けられないようにすることとし、今後新造するN700系は製造時に対応、すでに就役したN700系と既存の700系は2009年度末までに順次改修を行う。
[編集] 現在の運用
2008年3月15日のダイヤ改正では、定期列車としては初めて「ひかり」2本(393号・433号)に充当されるなど、上下合計で43本の「のぞみ」・「ひかり」が本系列で運転されている。また小倉 - 博多間の「こだま」2往復(751号・754号・759号・772号)にも間合い運用として充当されている。
過密ダイヤの影響で、これまで高速化による所要時間短縮の恩恵は早朝・深夜の便にしか得られていなかったが、この改正で全日においてN700系専用のダイヤが組まれ、データイムにもその恩恵がもたらされた。本系列による東京 - 博多間直通「のぞみ」は、日中でも東京~新大阪間を4駅停車しながら従来の3駅停車「のぞみ」の一部と同等の2時間33分で結び、日中「のぞみ」の標準到達時間を延ばすことなく品川と新横浜の両駅に全列車を停車させることができた[18]。
2008年度末までに東京 - 博多間運転の定期「のぞみ」すべてを含む70本以上、2009年度末までにすべての東海道・山陽直通の「のぞみ」が本系列で運転される予定である[19][20]。これにより、共通運用していた500系は編成を16両から8両に短縮して「こだま」に、700系は順次「ひかり」・「こだま」にそれぞれ転用され、300系・100系・0系を淘汰することになる。
[編集] 今後の動向
JR西日本は九州新幹線鹿児島ルートの全線開通により運行開始が予定されている山陽新幹線直通列車は、この車両をベースにした新型車両をJR九州と共同開発するとしている。2008年(平成20年)2月27日付のJR西日本のプレスリリース[21]によると、車体塗装については白地に窓下に藍色と金色のラインを施したものとし、JR西日本とJR九州で合わせて29本が製造される予定である。内装については検討中である[22]。
山陽新幹線「ひかりレールスター」に使用されている700系では、脊振山地を通過する博多駅~新鳥栖駅間と新八代駅以南の急勾配に対応出来ないための措置である。
[編集] 関連商品
- Nゲージ鉄道模型として、トミーテック (TOMIX)は先行車Z0編成4種[1]を、関水金属 (KATO) は量産車のZ1編成3種[2]を2007年12月に発売した。TOMIX製品では全周幌は従来の可動式幌枠を改良したもので表現し車体傾斜装置は装備されていない。KATO製品では実車と同様の全周幌や車体傾斜装置(3度傾斜)を装備する。なお、TOMIXは2008年夏にN編成(3000番台)も模型化することを発表している[3]。
- プラレールなどの玩具やグッズも発売されている。
[編集] その他
[編集] 脚注
- ^ 車両番号はグリーン車が「777-30」、普通車が「785-3505」など。
- ^ 平成19年春ダイヤ改正について - JR西日本ニュース 2006年12月22日
- ^ N700系の投入計画について - JR西日本ニュース 2007年9月26日付け
- ^ 山陽新幹線と九州新幹線の相互直通運転の実施について - JR西日本ニュース 2007年10月17日付
- ^ 山陽・九州新幹線直通用車両のデザインなどについて - JR西日本ニュース 2008年2月27日付
- ^ 独自ロゴの有無や車両・編成番号の書体の違い・ジャッキアップ用穴の有無など。本系列ではN編成の車両番号・編成番号表記の書体もZ編成に合わせている。
- ^ 試作電車や試験車両での採用例は過去に1000形や952・953形などがある。
- ^ 在来線車両では313系2次増備車で先に導入されている。
- ^ は行先表示器の指定席/自由席表示の色も同じである。
- ^ 最高起動加速度は500系が1.92km/h/s、700系が2.0km/h/sである。
- ^ 700系が270km/h走行時14.7kWh、100系の220km/h走行時が13.9kWh。
- ^ のぞみN700系デビュー JR岡山駅で出発式 最新技術と省エネ装備 - 岡山日日新聞、2007年7月2日
- ^ 肘掛部分を除いた幅。ただし3人掛け中央のB席は従来車両と同じ460mmである。
- ^ データ転送効率は地上から車内へは2Mbps、車内から地上へは1Mbpsの予定。
- ^ 2008年現在、車内で無線LANのアクセスポイントを検索すると「N700G1」から「N700G8」まで8つのアクセスポイントが検出されるが、暗号化とパスワードがかけられているため接続できない。
- ^ 次世代新幹線車両・N700系(量産車)に、車両用LED照明器具を納入 - 松下電工2007年7月4日付ニュースリリース
- ^ 「N700系新幹線」にLED照明を納入~読書灯・側補助灯などが次世代新幹線に大規模採用~ - 東芝ライテック2007年7月20日付プレスリリース
- ^ ただし、上りの30号・34号は2時間36分運転である。
- ^ 平成20年3月ダイヤ改正について - JR東海ニュースリリース 2007年12月20日付
- ^ 平成20年春ダイヤ改正について - JR西日本ニュース 2007年12月20日付
- ^ 山陽・九州新幹線直通用車両のデザインなどについて
- ^ 2008年2月28日大分合同新聞朝刊4面に掲載。
[編集] 外部リンク
- 次世代新幹線N700系(JR東海)
- 次世代新幹線N700系に乗る-上(ホビダス)
- 次世代新幹線N700系に乗る-下(ホビダス)
- 新しい新幹線N700系スペシャルサイト
- N700系次々登場(JRおでかけネット)
- N700系 動画 写真 乗車体験記
- N700系 グリーン車試乗体験記と動画
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| 現行路線 |
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| 整備新幹線 | 北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線・九州新幹線 | ||||
| 基本計画線 | 北海道新幹線・北海道南回り新幹線・羽越新幹線・奥羽新幹線・中央新幹線・北陸・中京新幹線・山陰新幹線・中国横断新幹線・四国新幹線・四国横断新幹線・東九州新幹線・九州横断新幹線 | ||||
| 未成線 | 成田新幹線 | ||||
| 現行列車 | はやて・やまびこ・なすの・とき・たにがわ・あさま のぞみ・ひかり(ひかりレールスター)・こだま・つばめ 新幹線直行特急:つばさ・こまち |
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| 廃止列車 | あさひ・あおば | ||||
| 営業用車両 | 0系・100系・200系・300系・400系・500系・700系・N700系・800系・E1系・E2系・E3系・E4系 | ||||
| 試験用車両 | 1000形・951形・961形・962形・STAR21・WIN350・300X・FASTECH 360 S・FASTECH 360 Z・軌間可変電車 | ||||
| 事業用車両 | 911形・912形・ドクターイエロー・East i | ||||
| 車両形式・記号 | 車両形式・編成記号 | ||||
| 車両基地・車両工場 |
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| 元となる計画 | 日本の改軌論争・東海道新線・弾丸列車 | ||||

