JR九州885系電車

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JR九州885系電車
1次車 登場時の塗装(行橋駅)
1次車 登場時の塗装(行橋駅)
営業最高速度 130 km/h
設計最高速度 150 km/h
起動加速度 2.2 km/h/s
減速度 4.3 km/h/s(常用最大)
5.2 km/h/s(非常)
編成定員 314名 (6両編成)
最大寸法
(長・幅・高)
20,500* ×2,910 ×3,825 mm
(*先頭車の全長は21,650mm)
車体材質 アルミニウム合金
編成質量 228.4t
軌間 1,067 mm
電気方式 交流20,000V (60Hz)
編成出力 190kW×12=2,280kW (3M3T)
主電動機 かご形三相誘導電動機
駆動装置 TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式
制御装置 VVVFインバータ制御
IGBT素子
制動方式 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
保安装置 ATS-SKATS-Dk
製造メーカー 日立製作所
備考
Wikipedia blueribbon W.PNG
第44回(2001年

885系電車(885けいでんしゃ)は、九州旅客鉄道(JR九州)の交流特急形電車

2000年平成12年)3月11日に営業運転を開始した。

概要[編集]

783系485系を使用していた特急かもめ」の速度向上を目的とした振り子式車両である。JR九州の振り子式車両としてはすでに883系が存在し「ソニック」で使用されていたが、本系列は883系と車体構造・内装デザインが変更されている。また2001年(平成13年)には「ソニック」増発用として一部設計変更された編成が製造された。デザインは水戸岡鋭治主宰のドーンデザイン研究所が担当した。

全車が日立製作所で製造された。車両価格は6両編成で10億8000万円(1両平均1.8億円)。

最高速度は883系と同じ130km/hで、80km/hまでの加速性能も883系と同じだが、それ以上の速度領域では加速力を向上させることで高速性能の改善が図られた。速度種別はA68。

2001年鉄道友の会第44回ブルーリボン賞ブルネル賞財団法人産業デザイン振興会グッドデザイン賞を受賞した。

構造[編集]

車体[編集]

クモハ885の先頭部

車体は日立製作所のモジュール構体システム「A-train」を採用し、摩擦撹拌方式 (FSW) により製造されたダブルスキン構造アルミニウム合金製。新幹線車両、あるいはドイツ鉄道ICE 3をイメージしたような丸味を帯び、編成先頭部の連結器を格納する構造の流線形である。前照灯のデザインは、スポーツカー「アウディ・TT」のものを基にしている[1]。側面窓は883系に比べやや小さくなるとともに、窓ガラスUVカットガラスに変更された。また乗降扉の横幅も883系に比べ100mm縮められ、900mmとされた。ただし、床面高さを低くしたことにより、ホームとの段差が小さくなったため出入台にステップは設置されていない。

塗装はそれまでのJR九州の車両に多かった原色を用いたデザインから一変し、白一色で車体下部と前面運転台窓周りに帯を入れたデザインとなっている。この帯の色は「かもめ」に充当される1次車が黄色、「ソニック」に充当される2次車が青色と区別され、ロゴもそれぞれ異なっていた。ただし予備車が少ないことから運用上の自由度を高めるため、車体側面エンブレムは後に撤去され[2]、帯の色も2012年上期までに青色への統一が完了した[3]

台車・機器[編集]

台車は空気式制御付自然振り子台車のDT406K(電動車)/TR406K(制御車付随車)となっている。台車の外観や寸法などは883系に類似しているが、台車形式は883系とは異なっている。

883系投入線区のほとんどは最高速度で走行可能で、100km/h未満の速度制限箇所が一部存在するが、長崎本線肥前鹿島駅 - 諫早駅間では日豊本線より厳しい制限70km/h - 75km/hの急曲線が連続するため、振り子電車としての車体傾斜による安定性を高めることを目的に、空気ばねの左右間隔を883系より10cm広い1,900mmとしている。80km/h以上の速度領域での加速度向上を図ったのも同様の理由のためである。

制御装置は883系に続いてVVVFインバータ制御とされているが、883系のGTOサイリスタ素子とは異なり、IGBT素子を用いたものに変更されている(モハ885形100/200番台は東芝製、モハ885形0/400番台およびクモハ885形は日立製)。また定速制御機能も備えている。

中間電動車のモハ885形にシングルアーム式パンタグラフを装備している。パンタグラフ位置が車体の振り子動作に影響されないように、パンタグラフ台は台車枠直結の支持台上に設置されており、パンタグラフを備えるモハ885形のこの部分はデッドスペースとなっている。

車内[編集]

座席[編集]

座席は全席リクライニングシートで、普通席グリーン席ともに本皮革張りとしている。これにより構造上、座席背面にテーブルを設置することができないため、側面窓の窓かまちを設けることで小物を置くスペースの確保を図っている。また、ヘッドレスト背面にはチケットホルダーが設置されている。座席の本革は、商品価値を損なわない程度の微細な傷などが入ったもの(アウトレット品)を用いている。そのため、製造コストは通常の座席と大差はない。なお、運転席はレカロ社製の特注品である[4]

しかし本革張りの座席を好まない乗客もいるため、各編成の4号車から6号車の座席が順次モケットに変更されることとなっており[5]、2012年にSM2編成で実施された[6]

グリーン席の座席はすべて1人掛け座席となっているが、中央のC列の座席を片側に寄せてD列席と隣接させることで1+2列配列並みの配置としている(席番配置はA+CD、+は通路)。また座席背面のフットレストが省略された。A列の壁面とC・D列の中間部に折りたたみ式の木製テーブルを設置している。定員12名と、883系より1列分少なくなっている。

普通席は一般的な2+2列配置の座席で、座席の前後間隔は883系に比べて20mm短い980mmとなった。普通席では中ひじ掛けに収納式の木製テーブルを設置している(画像でも解るが手前には2つ設置されている。これは、座席を回転させた際にテーブルの位置がずれてしまう為の対策である)。

その他車内設備[編集]

1次車コモンスペース

側面化粧板は白色、床はフローリングとしている。ただし、サハ885形100番台および300番台(いずれも3号車)の化粧板はダークグレーである。

本系列では883系に設けられていた客室中央部のセンターブースは廃止され、代わりにデッキの面積を拡大し、車端部にコモンスペースを設けた。コモンスペースには縦長の窓が設けられている。

仕切扉には、車両間の半透明ガラス扉、普通客室とデッキを仕切る上部透明/下部半透明のガラス扉、グリーン客室とデッキを仕切る木製扉の3種類があり、全て自動扉であるが、木製扉は手でセンサに触れなければ開かない。これらのうち、ガラス扉は乗務員室からの操作による一括開閉が可能である。また車両間の扉は、一方の扉の開閉と連動して他方の扉も開閉する。

LED式案内表示器は、客室端部(仕切扉上部)に天井から吊るす形で設置されている。LEDの大きさや配置は883系に準じ、左側から禁煙表示灯、号車番号表示、座席種別表示(グリーン車:グリーンマーク、普通車指定席:緑色で「指」、普通自由席:橙色で「自」)、スクロール式情報表示(8文字分で、「見えるラジオ」を利用したニュース配信も行われる)、携帯電話使用禁止表示、トイレ使用中表示となっている。なお、スクロール式情報表示での英数字表示は通常は全角だが、「見えるラジオ」のニュース配信では半角である。また、6号車に指定席と自由席が混在していた時期(2003 - 2007年)は、通常の座席種別表示は使用されず、「指/自」と表記されたプレートが当該部分に貼付されていた。

各車両一部座席を撤去し、787系のような大型の旅行鞄などの荷物を置くことができる荷物スペースを設置している。

運転装置[編集]

主幹制御器は左手操作ワンハンドル式(手前から力行5段、中立、抑速ブレーキ、常用ブレーキ7段、非常ブレーキ)とされた。運転室と客室との仕切は液晶ガラスとなっており、通常は透明であり客室から前方の風景を見ることができる。なお、事故などで先頭車のマスコンハンドルが非常ブレーキ位置にあるときは瞬時に不透明になる機構を備える。これは停車時でも同様である。ちなみに、運転席右部にこのスイッチがあり、OFFにすれば常時透明のままになる。

また、三菱電機乗務員支援モニタ(合成音声とチャイムによる停車駅接近予告機能を付加。客扱いをしない停車駅でも予告)も備えている。

本系列ではミュージックホーンも搭載されているが、運転台の下のペダルで操作するのではなく、運転室のコンソールボックスの中のスイッチを操作して吹鳴させる。これは各種試験動作などの注意啓発の合図のために設置されたもので、通常は聞くことができない。音色はオルゴールで、演奏時間は十数秒である。

編成[編集]

3M3T(電動車3両、付随車3両)の6両で構成される。下り長崎佐伯寄りからクロハ884形 - モハ885形100番台/200番台 - サハ885形100番台/300番台 - サハ885形 - モハ885形 - クモハ885形となっている。

サハ885形100番台もしくは300番台(いずれも3号車)を編成中から外し、5両編成 (3M2T) で運転することも可能である。このため、同車および同車との連結面は密着連結器となっている。他は、先頭部を除き半永久連結器である。

当初「かもめ」用の1次車が6両編成7本、2001年に「ソニック」用の2次車が5両編成4本製造された。2003年(平成15年)に2次車の6両化用として4両が、2004年(平成16年)に事故廃車(後述)された補充として3両が製造された。

2011年(平成23年)4月現在、6両編成11本の計66両が南福岡車両区(本ミフ)に在籍する。編成番号はSM1 - 11で、「SM」の「S」は885系を、「M」は南福岡車両区所属を表す記号である。運用については後述する。

編成
← 長崎
博多 →
(かもめ)
← 博多
← 大分・佐伯
小倉 →
(ソニック)
クロハ884 モハ885 サハ885 サハ885 モハ885 クモハ885
1次車 SM1 1 101 101 1 1 1
SM2 2 102 102 2 2 2
SM3 3 103 103 403 403 403
SM4 4 104 104 4 4 4
SM5 5 105 105 5 5 5
SM6 6 106 106 6 6 6
SM7 7 107 107 7 7 7
2次車 SM8 8 201 301 8 8 8
SM9 9 202 302 9 9 9
SM10 10 203 303 10 10 10
SM11 11 204 304 11 11 11

1次車 (SM1 - 7)[編集]

1次車の車体側面エンブレム(後に撤去された)

1次車(SM1 - 7)は2000年に「かもめ」用に投入された編成である。各車の車両番号の末尾2桁が編成番号と同じ01 - 07に揃えられている。座席表地の色は普通席・グリーン席ともに黒色となっている。前照灯はロービームの際は2箇所のシールドビームしか点灯しないが、ハイビームでは787系と同様に運転室窓上のシールドビームも点灯する。尾灯は前照灯の下部に横方向に配置されており、このようなデザインは日本では本系列が唯一である。

SM3編成の両先頭車(下がクモハ885-403)

2003年7月18日長崎本線肥前長田駅 - 小江駅間で発生した脱線転覆事故により博多寄り3両(クモハ885/モハ885/サハ885-3)が事故廃車とされ、2004年に代替車3両(400番台車:各形式403号)が新製された。400番台は基本的に1次車に準じているが、先頭車のワイパーが2次車と同じ2本で、背もたれ上部の取っ手の取付け方が1次車、2次車のいずれとも異なるなど、細かな違いがあるほか、編成内の他の車両と末尾番号を揃えるため、番号は403とされている。

登場時は車体下部の帯と前面窓回りは黄色で、「かもめ」ロゴが配されていたが、車体側面の「かもめ」エンブレムは後に撤去された[2]2010年12月にSM5編成が2次車と同じ青帯に塗り替えられ[7][8]、車体側面のロゴも「AROUND THE KYUSHU」と入ったものに変更されたが、先頭部など一部にまだ「かもめ」ロゴが残っている[7]。その後、他の1次車も順次青帯へと変更され、2012年6月までに885系全編成が青帯に統一された[3]。当初は、雑誌等で青帯化された1次車を「ソニック編成」として扱った場合もあったが[8][9]、そもそも「かもめ」用の編成や「ソニック」用の編成という区別はなくなっており[2][8]、今回の塗色変更は885系全編成の帯色統一(1次車の青帯化)によるものである[10]

2次車 (SM8 - 11)[編集]

2次車
2次車の車体側面エンブレム(後に撤去された)

2次車(SM8 - 11)は2001年に「ソニック」用に投入された編成である。5両編成で落成したため一部の車内設備の配置が変更され、新区分番台としてモハ885形200番台が登場した。その後2003年に新区分番台サハ885形300番台を組み込み6両編成となっている。それ以外の車両の車両番号末尾2桁は編成番号と同じ08 - 11に揃えられている。

車体下部の帯と前面窓回りは青色で、「SONIC」ロゴが付く(客用窓下にもステンレス切抜文字ロゴが付く)。1次車よりも前面の帯が若干太い。また前照灯の形状が変更されるとともに、1次車では3本あったワイパーが2本とされた。座席表地の色は普通車がエボニー、グリーン車がマゼンタに変更され、1次車と比べ暖色系のカラースキームとされた。また1次車で窓かまちに取り付けられていた小形テーブルは廃止された。このほかドアチャイムも設置された。

前照灯はロービームの際は、1次車と同一だが、ハイビームではシールドビームの内側にある灯火および運転室窓上のシールドビームも点灯し、都合5箇所が点灯する。尾灯は1次車と同一である。

形式別概説[編集]

本節でいう「前位」および「後位」とは、クロハ884形以外の形式では「前位」が門司港寄り、クロハ884形では「前位」が下り寄り(「かもめ」では長崎寄り、「ソニック」では博多・大分・佐伯寄り)である。

クモハ885形0・400番台(Mc:1・2・4 - 11、403)
上り寄り先頭の制御電動車。編成内の6号車に連結される。主変換装置を備えているが、隣のモハ885形0番台より三相交流を受電するため、パンタグラフと主変圧器は備えていない。また、空気圧縮機 (CP) を1台備える。欠番の3は前述したように2003年に事故廃車となり、代替として403号が新製された。車内は、前位側より運転室、客室、出入台、洋式トイレ(男女別)およびフリースペースとなっている。本形式は喫煙車として使用されていた期間が長いため内装が黄色に変色した箇所がある。定員48名(4列×12)。
モハ885形
中間電動車。共通事項として、シングルアーム式パンタグラフと主変圧器を備える。
0・400番台(M0:1・2・4 - 11、403)
かもめ」「ソニック」の5号車に連結される中間電動車である。欠番の3はクモハ885-3と同様の経緯で事故廃車となり、代替として403が新製されている。車内は、前位側より客室、出入台、自動販売機およびフリースペースとなっている。定員60名(4列×15)。
100番台(M1:101 - 107)[バリアフリー対応車両]
1次車のみの番台区分で、2号車に連結される。車椅子対応座席およびバリアフリー対応トイレを備えているほか、全席にコンセントを備えている(座席間の肘掛の前面に2口設置。車椅子対応座席については窓下の壁面に設置)。本系列で車内公衆電話を設ける車両は、本区分番台と200番台のみである。製造当時はすでに携帯電話が普及し、車内電話の利用率が下がっていたため、車内電話は編成中1か所のみとしている。車内は、前位側より客室(後位側に車椅子対応座席あり)、バリアフリー対応トイレ、出入台、電話室(2009年10月31日限りで車内公衆電話サービス廃止)およびフリースペースとなっている。定員46名(4列×10/2列+車椅子対応座席×2)。
200番台(M2:201 - 204)[バリアフリー対応車両]
2次車のみの番台区分で、2号車に連結される。100番台と同様、車椅子対応座席、バリアフリー対応トイレ、コンセント、車内電話を備える。「かもめ」では3号車のサハ885形100番台に「ミニショップ」と呼ばれる売店車内販売準備室を設けたが、「ソニック」では当初サハ885形100番台を連結しない5両編成とするため、本番台にミニショップを設けた。車内は、前位側より客室(後位側に車椅子対応座席あり)、バリアフリー対応トイレ、出入台、電話室(2009年10月31日限りで車内公衆電話サービス廃止)およびミニショップとなっている。定員46名(4列×10/2列+車椅子対応座席×2)。
クロハ884形(T'hsc:1 - 11)
下り寄り先頭車となるグリーン・普通合造車制御車で、編成内の1号車に連結される。また、「見えるラジオ」でのニュース配信用として文字放送受信装置ニュース配信用)も設置している。車内は、前位側より運転室、グリーン客室、グリーン客用洋式トイレおよびフリースペース、出入台、普通客室となっている。定員40名(グリーン室3列×4、普通室4列×7)。
サハ885形
付随車。100番台および300番台車は、編成から外して運転可能である。
0・400番台(T0:1・2・4 - 11、403)
かもめ」「ソニック」の4号車に連結される車両で、編成中間に専務車掌室がないため、本区分番台にはデッキに簡易車掌台(車掌スイッチ(いわゆる「他これスイッチ」)、車内放送設備、戸閉知らせ灯など)が設置されており、この部分の窓は開閉可能である。また、CPを2台備える。クモハ・モハ885-3と同様の経緯で3が事故廃車となり、代替として同一仕様の403が新製されている。車内は、前位側より客室、簡易車掌台出入台、洋式トイレ(男女別)およびフリースペースとなっている。定員60名(4列×15)。
100番台(T1:101 - 107)
1次車のみの番台区分で、3号車に連結される。モハ885形200番台の節で述べたように、「ミニショップ」を設ける。車内は、前位側より客室、出入台、ミニショップおよびフリースペースとなっている。定員60名(4列×15)。
300番台(T3:301 - 304)
2次車のみの番台区分で、3号車に連結される。2003年に「ソニック」の6両編成化に伴い製造された。コモンスペースが拡大されるとともに、衛星放送の受信が可能となった。車内は、前位側より客室、出入台およびフリースペースとなっている。定員60名(4列×15)。

沿革[編集]

  • 2000年(平成12年)
    • 2月6日:1次車(SM1 - 7編成)6両編成7本が南福岡電車区(本ミフ)に配属(配属完了は3月7日)。
    • 3月11日:ダイヤ改正。「かもめ」のパターンダイヤ16往復および「ソニック」2往復、門司港行き「きらめき」に投入。
  • 2001年(平成13年)
  • 2002年(平成14年)
  • 2003年(平成15年)
    • 2月20日:サハ885形300番台投入により、全編成が6両となる(6両化完了は23日)。
    • 3月15日:ダイヤ改正に伴い「みどり」から撤退。
    • 7月18日:SM3編成が長崎線特急列車脱線転覆事故で被災。同編成は運用を離脱するとともに、大破した博多寄り3両は同年9月1日付で廃車。
    • 10月:SM8 - 11編成の要部検査入場に伴い、「ソニック」の1運用(佐伯駅に乗り入れない運用)を一部期間883系AO1 - 5編成が代走( - 2004年3月まで。や市販の大型時刻表でも案内されていた)。
  • 2004年(平成16年)
    • 3月23日:400番台3両が落成し、損傷の少なかった長崎寄りの3両と合わせてSM3編成が運用復帰。
  • 2005年(平成17年)
    • 3月1日中津発着の「ソニック」(101・104号)へ投入。「きらめき」からは撤退し、門司港までの運用が消滅。
    • 10月8日:SM11編成が、宮崎地区のイベント列車として日豊本線南宮崎駅まで入線(10日まで)。885系の同線佐伯駅以南での営業運行は、これが初めてである。
  • 2007年(平成19年)
    • 3月18日:全列車全面禁煙化。また、中津発着の「ソニック」を101・102号に変更の上、営業運転区間を柳ヶ浦駅まで延長。
  • 2008年(平成20年)
    • 7月19日:「きらめき」への運用が復活。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月14日:「きらめき」への運用から撤退。
  • 2010年(平成22年)
  • 2011年(平成23年)
    • 1月:SM5編成が青帯に変更された。
  • 2012年(平成24年)
    • 6月までに、1次車全車両の青帯化が完了した。

使用列車[編集]

2012年現在使用されている列車[編集]

  • かもめ」(「白いかもめ」):2-4・6-9・12・13・16・17・20-27・30・31・34・35・38・39・42・43・45-47・49・50・102・202号(計34便・太字は長崎発諫早行)
  • ソニック」(「白いソニック」):2・5・12・14・15・17・18・21・24・27・34・36-39・41・46・49・56-59号(計22便・太字佐伯駅発着便)

2003年に、共通運用によって車両使用効率の向上(例として、総走行距離の調整)を図るため2次車の6両化が行われた。現在では使用される編成の区別はなくなっており[2]2次車が「かもめ」に、1次車が「ソニック」に使用されることも多い[8]

2003年2月までは、以下のような運用形態が見られた。

  • SM8 - 11編成が登場するまでの「ソニック」2往復も「かもめ」運用とは分離されており、充当編成の変更は南福岡車両区入庫時に併せて行われていた。
  • 2001年以降、SM1 - 7編成が「ソニック」運用に入る場合であっても、5両に減車されず6両編成のままだった。
  • 2002年ごろ、佐賀発着の臨時「かもめ」が、5両編成時代のSM8 - 11編成で運転されていた。

本系列投入以前の783系「かもめ」では17往復で6両編成8本が必要とされ、ほとんどの編成は1本につき博多駅 - 長崎駅間1日2往復半を運用していたが、本系列では16往復で6両編成7本と、ほとんどの編成が博多駅 - 長崎駅間1日3往復を運用しており、運用効率化を図った現実が伺える。一般に振り子電車は製造コストが高価になりやすいとはいえ、本系列登場前は博多駅 - 長崎駅間を往復するのに6時間かかっていたのを5時間へ短縮したことにより、6両編成1本分の車両削減効果を達成している。一方、「ソニック」では2000年3月11日改正以降、「にちりん」の減少による影響で極力883系の車両運用効率化で賄ったとはいえ、同系のみでの編成不足分を補うために2001年3月3日改正で4本が増備された。

過去に使用されていた列車[編集]

きらめき」:2000年3月 - 2005年3月、2008年7月 - 2009年3月
「きらめき」が設定された2000年当時、門司港始発の「かもめ」が下り1本設定されており、その送り込み列車を兼ねて885系の「きらめき」が上り1本設定されていた。2005年に「かもめ」の門司港駅乗り入れがなくなったのを受けて一旦「きらめき」から885系は撤退したが、2008年7月に883系の全編成7両化に伴う「ソニック」の大幅な運用変更が行われた際、それまで883系で運行されていた小倉始発の「ソニック」と、その送り込み列車である「きらめき」の上り1本が885系での運行に変更され、885系は「きらめき」運用に復帰した。翌年3月のダイヤ改正でこの運用は再度883系が充当されるようになり、885系は再び「きらめき」から撤退した。
みどり」:2002年10月 - 2003年3月
2002年10月21日に、それまで博多駅 - 佐賀駅肥前山口駅間で運行されていた「かもめ101・104号」が、佐世保駅まで延長の上で885系充当の「みどり101・104号」に変更された。「みどり101・104号」は延長区間に関しては毎日運転の臨時列車扱いで、運用自体は「かもめ」運用に組まれていたが、まれに当時5両編成だった「白いソニック」の車両で運行されることもあった[要出典]。2003年3月15日ダイヤ改正で全区間定期化の上783系電車に変更された。
「がんばれ宮崎!」ラッピングのSM8編成で運行された「にちりんシーガイア」
にちりんシーガイア」:2010年9月
口蹄疫問題で県内経済が大きな打撃を受けた宮崎県への応援キャンペーンの一環として、「ソニック」用の885系SM8編成に「がんばれ宮崎!」のラッピング和歌山電鐵貴志川線貴志駅たま駅長のデザインで同線の「たま電車」と同様のデザイン。水戸岡が和歌山電鐵のデザインも担当していることから実現した)が施され、2010年9月11日 - 26日の土曜・休日に限り、通常は783系で運行される「にちりんシーガイア」がSM8編成で運行された。10月以降は「にちりんシーガイア」への運用は予定されていないが、ラッピング列車自体は2011年1月まで運行予定である。なお、885系の「にちりんシーガイア」への充当に伴う車両運用の都合から、2010年9月11日に限り本来は885系で運行される佐賀駅始発の「かもめ100号」が883系で運行された[11]

旅客サービスについて[編集]

車内放送[編集]

783系・787系・883系と同様の3打点音に続く自動放送による次停車駅予告が導入されている。又、2000年から2010年頃まで博多駅到着前にJR九州社歌「浪漫鉄道」のボーカルなしのバージョンが、浦上駅到着直前には、長崎行「かもめ」に限りジャコモ・プッチーニ作曲:アリアある晴れた日に」(オペラ蝶々夫人」より)のインストゥルメンタルが流れる事があったが、現在は流れなくなっている。尚、インストゥルメンタル演奏は当初「ソニック」用のSM8 - 11編成では実施されなかったが、2004年ごろから流れる様になっていた。

車掌や客室乗務員の肉声放送の前後にも、手動でチャイムが流れる場合がある。チャイムは「鉄道唱歌」や5打点音など4種類がある。

行先表示器[編集]

本系列の行先表示器は、全車にLED式が装備されているが、非常にシンプルなものとなっている。なお、一定速度以上で走行中は表示が消えるほか、停車中に消すことも可能である。

上部約2/3では、列車名と行先が表示される。上部より英語列車名、日本語種別・列車名、日本語行先、英語行先となっている。下部約1/3は、号車番号、座席種別(グリーン/指定/自由、禁煙/喫煙)およびその英語表記が表示される。これらは別個に設定可能である。また、「回送」「試運転」など非営業列車の表示の場合、これらの表示の下に「かもめマーク」および「KAMOMEロゴ」(SM8 - 11編成ではそれぞれ「SONICマーク」および「SONICロゴ」)が表示される。ただし、以下の列車については、列車名と行先の表示が他の列車とは異なる。詳細は以下の通りである。

  • 別府駅で「にちりん」と接続する「ソニック」では、英語名の表記が省略されるとともに、列車名と行先がそれぞれ「ソニック(&にちりん)」「大分(宮崎空港)」となっている。また、その下に「別府駅で「にちりん号」と接続」の表記が加わる。
  • 柳ヶ浦駅行の「ソニック」では、「特急 ソニック」と「柳ヶ浦」の間に、「小倉>中津>」(注:「>」は実際は▲を時計回りに90度回転させたもの)の表記が加わる(883系でも同様)。

台湾への輸出[編集]

885系の同等車である、台湾鉄路管理局のTEMU1000形(汐止駅

台湾高速鉄道(台湾新幹線)の建設予定がない東部幹線の速達化をはかるため、2004年に中華民国台湾鉄路管理局(台鉄)は丸紅を通して日立製作所に885系の同等車(TEMU1000形)8両編成6本(48両)を発注した。2006年に3本が納車され、2007年に残り3本が納車された。さらに48両発注する計画があったが、コスト合意できないなど理由で2009年に計画中止になった。これにより、台北駅 - 花蓮駅間は従来より30分程度短縮され、2時間以内とされた。運賃設定は「自強号」と同一である。

発注の目的は速達化のみならず、プッシュプル型「自強号」(E1000型)において韓国現代精工業、現在のロテム)製客車が故障などの不具合が多く遅延や運休を生じているため、その入れ替えの目的もある。

2006年1月17日、台鉄の公募により、列車の愛称は花蓮近郊の太魯閣国家公園に因んだ「太魯閣号(タロコ号)」に決定した。

脚注[編集]

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  1. ^ 水戸岡 2009, pp. 128-129.
  2. ^ a b c d JR特急列車年鑑 2011, pp. 90-91.
  3. ^ a b 鉄道ファン 2012, p. 33,170.
  4. ^ 水戸岡 2009, p. 77.
  5. ^ 『鉄道ジャーナル』第47巻第5号、34頁。
  6. ^ 『JR電車編成表 2013冬』208頁。
  7. ^ a b 885系SM5編成が青帯に”. 『鉄道ファン』鉄道ニュース(交友社) (2010年12月27日). 2012年10月13日閲覧。
  8. ^ a b c d 坂 2011, p. 29.
  9. ^ 鶴 2011, p. 85.
  10. ^ 鶴 2011, p. 82.
  11. ^ “かもめ”100号,883系で運転”. 『鉄道ファン』鉄道ニュース(交友社) (2010年9月12日). 2012年10月13日閲覧。

参考資料[編集]

関連項目[編集]