JR四国5000系電車

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JR四国5000系電車
快速「マリンライナー」で運用される、JR四国5000系電車(手前の3両)とJR西日本223系5000番台(後方の3両)(2008年10月19日 / 児島駅)
快速「マリンライナー」で運用される、
JR四国5000系電車(手前の3両)と
JR西日本223系5000番台(後方の3両)
(2008年10月19日 / 児島駅
編成 3両
営業最高速度 130 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度 4.3 km/h/s(常用最大)
5.2 km/h/s(非常)
編成定員 143(立席)+206(座席)=349人
最大寸法
(長・幅・高)
20,100 ×2,950 ×3,640
20,860 ×2,950 ×4,070(5100形)
車体材質 ステンレス
編成質量 109.4t
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
編成出力 220kW × 4 =880 kW
主電動機出力 220kW (かご形三相誘導電動機
駆動装置 TD平行カルダン駆動方式
制御装置 PWMIGBT-VVVFインバータ制御
(SPC13)
台車 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付
S-DT63(5000形)・S-TR63(5200形)・S-TR64(5100形)
制動方式 電気指令式ブレーキ
回生純電気式)、抑速
保安装置 ATS-SS列車防護無線装置
製造メーカー 川崎重工業(5000形・5200形)
東急車輛製造(5100形)
備考
Wikipedia blueribbon W.PNG
第47回(2004年
ブルーリボン賞受賞車両

※受賞車両は5100形のみ

5000系電車(5000けいでんしゃ)は、2003年平成15年)10月1日に営業運転を開始した四国旅客鉄道(JR四国)の直流近郊形電車

概要[編集]

本四備讃線瀬戸大橋線)の快速マリンライナー」の輸送改善を目的とし、これまで使用していた213系を置き換えるために新製された。

川崎重工業(5000形、5200形)および東急車輛製造(5100形)でM編成3両編成6本(18両)が製造され、通常は同時に投入された西日本旅客鉄道(JR西日本)岡山電車区配置の223系5000番台P編成2両編成(2007年 - 2010年は暫定的にサハ223形2000番台を組み込み3両編成となっていた)7本計14両とともに運用されている(運用については後述)。なお、川崎重工業・東急車輛製造とも本系列までJR四国とは取引がなかった。

車両構造は、213系では各1両設定されていたグリーン席指定席車を1両に統合して2階建てとし、東日本旅客鉄道(JR東日本)のE217系の2階建てグリーン車をベースとして、また普通車(自由席)はJR西日本の223系5000番台と連結する必要から、223系2000番台をベースとして設計された。

編成は、岡山側から 5000形(Mc, 制御電動車) - 5200形(T, 付随車) - 5100形(Thswc, 制御車)のMT比1M2Tで構成され、通常は岡山寄りに223系5000番台2両編成を併結した5両編成で運転される。そのため、システム的にも223系5000番台の母体となった223系2000番台と同一で、VVVFインバータ制御東芝製)を採用している。JR四国では会社発足後に新製した車両に配置区所の略号を標記しないが、本系列には223系5000番台との関係で配置区所である高松運転所の略号「四カマ」の標記がある。ベース車両の違いから、5100形は車体側面にJR東日本仕様で、5000・5200形は妻面にJR西日本仕様で標記される。

223系5000番台と共通仕様であるため、JR西日本の通勤・近郊形車両と同じ旋律ミュージックホーンが搭載されている。

瀬戸大橋線のみを走行する「マリンライナー」専用車とされ、狭小限界トンネルがある予讃線観音寺駅以西への乗り入れは考慮されていない。

特徴[編集]

平屋建て車(5000形、5200形)と223系2000番台との形態上の差は、運転台部分がで常時貫通できる構造とされ、先頭部の形状が若干変更されたのと、側窓の非常時の換気用内開き窓が廃され、223系1000番台とほぼ同一の構造となった程度で(これは瀬戸大橋からの眺望性を考慮したものとされ、後に223系2000番台5次車以降(宮原所属の6000番台を含む)・2500番台3次車も同様の構造に変更されている)、車体の配色もアーバンネットワークで使用されているものと同一である。223系5000番台との差も車体に貼付されたJRマークの色(コーポレートカラー)と排障器(スカート)の形状の違い(5000形のスカートはJR西日本車に施されている強化改造が行われておらず、223系登場時の原形のままである)程度でしかない。座席についても223系2000番台とほぼ同じ転換式クロスシート収容式座席が設置されている。また、岡山方の先頭車は弱冷車になっている。JR四国の所有する車両では唯一、転落防止幌が設置されている。

本系列を特徴づける高松方の先頭車5100形は、2階をグリーン席、1階を普通席(いずれも指定席)としたダブルデッカーで、223系2000番台を基本とした平屋建て車と異なり、JR東日本のE217系のグリーン車のサロE216形、サロE217形を基本としてそれに運転台を付加した形となっている。運転台側の連結器は5101のみ電気連結器が装備されているが、それ以外は密着連結器のみである。ただし、電気連結器を装備するスペースは確保されている。また、高松寄り運転台後部には平屋席のパノラマシート1列4席(グリーン指定席)、岡山寄り車端部には車椅子対応の普通指定席2席やトイレも設置されているなど、多様なニーズに対応している。平屋部分以外の座席は自動転換装置があり、折り返し車内整備の際に使われる。なお、高松寄りのデッキはグリーン車の一部とみなされるためここでの立席乗車はグリーン料金が発生する。

グリーン車も普通車指定席も、ともに横4列のリクライニングシートで座席の前後間隔も30mmしか差がないが、普通車指定席には背面テーブルが省略されているほか、リクライニング角度がグリーン席よりも浅いなど、細部において差別化が図られている。また、グリーン席・普通指定席ともに網棚が設置されていない。

車体配色も他車と全く異なる独自のものとなっており、5101〜5103号は青系、5104〜5106号は赤系とされ、各車に岡山県民話桃太郎』にちなんだ3種のエンブレム(「桃太郎とイヌ」 (5101, 5104) ・「桃太郎とサル」 (5102, 5105) ・「桃太郎とキジ」 (5103, 5106) )が描かれている。

この5100形は、2004年(平成16年)度のグッドデザイン賞財団法人産業デザイン振興会)およびブルーリボン賞鉄道友の会)を受賞しているが、両賞の受賞はJR四国の発足以来初である。なお、会員による投票数をもとに選出する後者は特急形車両に授与されることが比較的多く、特急料金などを授受しない列車での運用を目的とした(運用開始以来、定期列車では快速「マリンライナー」のみに使用されている)5100形の受賞は、JRにおいては比較的珍しい。

車両の製造を公表した当初(2002年)にJR四国から発表されたプレスリリースでは、223系0番台と同じ正面形状とするなど2階建車両のデザインが大幅に異なっていたが、後に現在のデザインが発表された。

運用[編集]

2003年年末~2004年年始にかけて運転されたM編成+P編成+M1編成の列車(画像は上り列車)

全車両がJR四国の高松運転所に配置され、基本的に岡山電車区電車センター配置の223系5000番台2両編成と連結して5両編成で快速「マリンライナー」として運用されている。早朝、深夜の一部列車はP編成のみの2両編成やM編成のみの3両編成、また朝ラッシュ時にはM編成1本とP編成2本による7両編成(3両+2両+2両)での運用もある。

また年末年始大型連休お盆休み等の多客期には終日にわたって9両編成での運用のほか、過去にはM1編成の5101号を中間に連結してM編成2本とP編成1本による8両編成(3両+2両+3両)で運用されたこともあった(当時P編成には中間車が組み込まれていなかった)。

しかし、近年に入り利用者が減少していることから、2010年(平成22年)1月19日から1月23日までの間に順次編成を減車した。これにより、3両編成の運用10本のうち5本が2両編成に、6両編成の全63本が5両編成に、9両編成の全2本が7両編成となった。

登場直後の2003年10月11日〜13日には、全車指定席の臨時快速「マリンライナー京阪神ホリデー号」として、京都駅まで乗り入れたこともあった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]